先日、注目すべき判決と新型保険発売のニュースを目にしました。

少し前の事故で覚えている方も多いと思いますが、”認知症患者が線路内に侵入し死亡、その処理で鉄道会社に損害を与えた事故”です。

鉄道会社が認知症患者の家族に損害賠償請求を起こしたことについて、世間ではその是非について、議論が絶えませんでした。判決が定まった後、その背景について、示唆に富んだ記事がyahooニュースに掲載されましたので、その抜粋を紹介したいと思います。

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認知症患者による鉄道人身事故損害請求訴訟

 JR東海が敗訴した民事訴訟を振り返る。この事故は2007年12月7日、東海道本線の共和駅で起きた。アルツハイマー型認知症の91歳、要介護4認定、認知症高齢者自立度IV認定の男性が徘徊し、ホーム先端のフェンス扉を開けて線路に侵入。列車にはねられて死亡した。事故の影響で東海道本線の列車20本に約2時間の遅れが発生した。

 JR東海は、振り替え輸送などの費用719万7740円について、亡くなった男性の妻と4人の子に対して損害賠償の民事訴訟を起こした。名古屋地方裁判所はJR東海の請求を認め、男性の妻と長男に全額の支払いを命じた。理由として、男性自身に判断能力がなく責任を負えないとしつつも、妻には男性の徘徊に対する予見と注意義務、長男には監督義務があったと認定した。

 男性の家族側は名古屋高等裁判所に控訴。家族側はJR東海の過失を指摘している。ホーム端のフェンスが施錠されていれば、男性は線路に降りなかったと思われるからだ。しかし、名古屋高裁の判決はJR東海の過失は認めなかった。一方、長男は別居していたため監督義務はなく、同居していた妻には注意義務があったとし、JR東海への支払額を359万8870円へ減額した。当時85歳だった妻も要介護1認定だった。それでも名古屋高裁は妻の監護能力を認め過失を認めた。具体的には、過去の徘徊の経験から、当時も徘徊を予見可能であり、徘徊を察知するセンサーのスイッチを妻が切っていたからであった。

 2016年3月の最高裁で、判決はJR東海の請求を退けた。家族側逆転勝訴、JR東海の逆転敗訴と報じられた。本件の主な争点は、認知症患者とその家族の監督・注意義務であった。高齢化社会の到来にともなって、認知症は社会問題であり、世間の関心を集めた。JR東海に対する弱者いじめという批判もあった。JR東海の立場を思慮した論考は少なかった。

 yahooニュースより (杉山 淳一様 記事) 

次回完結

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