頭部のケガや脳内出血があれば、高次脳機能障害を疑います。当然に家族が症状を訴えますので、高次脳の立証が主作業となります。しかし、本件は高次脳機能障害が主役とならず、その他の障害の立証に作業が集中しました。額の骨折で陥没がみられましたが、微妙でしたので、外からの写真と内部からのCT画像を比較できるよう、ビジュアル的な手法を用いました。なんといっても、7級がかかっていますので力が入ります。それに比べ、やや易怒性がみられる程度で、家族もさほど深刻としていない本件の高次脳認定は、結果的に併合等級一つ上げる効果となりました。

高次脳の案件もバリバリやっています!

9級10号:高次脳機能障害(70代女性・静岡県)

【事案】

自転車で走行中、道路を横断しようとしたところ、右方からの自動車と衝突、受傷した。全身を強打し、顔面骨折、くも膜下出血、肋骨骨折、骨盤骨折となった。

【問題点】

高齢から治療は長期化したが、高次脳機能障害をスルーするほど、他の症状がより重く、数が多い。

あえて、高次脳機能障害を挙げれば易怒性か。面談時は穏やかにお話しができたが、家族の話では事故後、怒りやすくなったことを確認した。病院同行にて主治医に話を聞くが、易怒性などの情動障害については、日常生活上、問題ないレベルと診られていた。

【立証ポイント】

高次脳機能障害がメインの障害とならない珍しいケースである。上記主治医とは別に、リハビリ先の別の病院の主治医に後遺障害診断書を書いて頂くことになった。高齢者であるため、神経心理学検査は限られ、ミニメンタルステート検査等のみとなり、易怒性など検査上数値として現れにくい点については、いつも通り日常生活状況報告書で説明した。結果、高次脳機能障害は微妙ながら9級10号の評価となった。

本件では、前額部陥没骨折の7級12号が主訴となり、これまたレアな障害である外傷性横隔膜ヘルニアの14級9号を追いかける作業に終始した。これらを併せて、最終的に併合6級とした。  

7級12号:顔面醜状・前額部陥没痕(70代女性・静岡県)

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