大相撲の暴行問題、ついに、日馬富士関の引退まで発展しましたね。問題の根底に、体育会系ではお馴染みの「かわいがり」の存在があり、また、かつての「八百長問題」、モンゴル力士の勢力拡大など、いくつもの問題がありますので、完全解決など期待できないと思います。

 それでも、暴行による傷害は完全に刑事事件です。そして、量刑を計るに、傷害の程度が問われます。そこで、診断書の内容に行き着きくことになります。今回の問題の不可思議な点に、頭部の裂傷があります。写真を観ると医療用ホチキスで止めてありますが、傷の長さから大出血が予想されます。しかし、現場の力士はどうも大ケガの認識は持っていません。当の貴ノ岩も、翌日の様子から大ケガに思えません。これは、まさにモンゴリアンチョップ!と言えば、往年のプロレスラー、キラー・カーン氏を思いだす世代ですが・・ビール瓶で殴ったのか否か、カラオケのリモコンかはさておき、結局「診断名はなんなのよ?」となります。

 早々と被害者側から、診断書上「頭蓋底骨折、髄液漏の疑い」が発表されました。自覚症状では「難聴、耳鳴り」もあるそうです。

 相当な大ケガのはずです。診断名からも、被害者側と加害者側の温度差があります。テレビであるコメンテーターが、「診断名が2つあるのは解せない、何故か?」と言っておりました。これって、交通事故外傷の世界では割と日常茶飯事です。初期の診断名は、医師が十分な検査をしていない状態での判断ですので「○○の疑い」が多くなります。重大なケガで誤診でもしたら大変なのか、割と重めの診断です。さらに、交通事故賠償のややこしい点は、加害者の存在があり、その代理である保険会社が治療費を支払う点です。毎度、被害者は被害者感情MAXで様々な不調を訴え、診断名がどんどん後出し、治療費がかさむ傾向があります。対して、「本当にその治療費が必要なのか?」、長じて「その診断名は事故によるものなのか(つまり、因果関係)?」と疑問を呈するわけです。具体的には保険会社側から医療調査をかけてきます。

 この通り、被害者と加害者が並立する中で、診断名が複数生じ、診断名の軽重・真偽の問題となるのです。その点で、私達のような業者は、今回の暴行問題に妙な既視感を持って傍観しています。  

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 今年も多くのセミナーを開催しました。中でも損保代理店さま向けのセミナーでは、交通事故最前線の皆様であるゆえ、たくさんのご参加、そして、ご質問を頂きました。久々のシリーズで、質疑応答例を紹介します。(個人情報に配慮し、内容を改変しています)   (質問:相手が保険を使わないと言って・・)

交差点で自動車同士の接触事故となりました。幸い、ケガもなく、自動車の修理費は30万円程でしょうか。当然、お互いの任意保険会社で交渉・示談しましょうと持ちかけました。ところが、相手は「俺は悪くない」の一点張りで埒が明かず、分かれて保険会社に事故報告しました。しかし、相手の保険会社は対応してくれません。相手の担当者が言うには、「契約者さんが保険を使わないと言っていますので、弊社としても対応できかねます」・・だそうです。こんなことが許されるのでしょうか(怒)!

(回答)

 契約者が保険を使わないのだから、対応できない・・・頭にきますが、一見、納得させられそうな理屈です。しかし、ほとんどすべての自動車保険約款には”直接請求権”という条項があります。これは、一定の条件のもとに被害者側が賠償請求してきた場合、保険会社は契約者の意向に関わらず、対応しなければならないルールです。

 例えば、被害者が裁判で訴えてきた場合、判決・和解がでたら、加害者の保険会社はその額を請求されたら応じなければなりません。また、加害者・被害者間でお互いに賠償金のやり取りをしないと書面で合意したケース(もっとも、この場合、最初から保険会社同士の交渉・示談になりますね)、加害者側が死亡や破産したケースです。

 つまり、先の相手損保担当者の(対応できないと言う)言い訳は約款違反です。「直接請求権の条件を満たせば対応できます」と回答すべきです。もっとも、保険会社のSC職員であっても、この条項を良く知らないようです。信じられないですが、すっとぼけているのではなく、本当に「初めて聞いた」との担当者さんに何人も出くわしました。     以下、約款(損保ジャパン)を転載します。対人、対物の第8条です。

 より詳しく知りたい方は ⇒  事故の相手が保険を使ってくれない を熟読して下さい。  

 第8条(損害賠償請求権者の直接請求権) (1)対物事故によって被保険者の負担する法律上の損害賠償責任が発生した場合は、損害賠償請求権者は、当会社が被保険者に対して支払責任を負う限度において、当会社に対して(3)に定める損害賠償額の支払を請求することができます。 (2)当会社は、次の①から④までのいずれかに該当する場合に、損害賠償請求権者に対して(3)に定める損害賠償額を支払います。ただし、1回の対物事故につき当会社がこの対物賠償責任条項および基本条項に従い被保険者に対して支払うベき保険金の額(同一事故につき既に支払った保険金または損害賠償額がある場合は、その全額を差し引いた額)を限度とします。 ① 保険者が損害賠償請求権者に対して負担する法律上の損害賠償責任の額について、被保険者と損害賠償請求権者との間で、判決が確定した場合または裁判上の和解もしくは調停が成立した場合 ② 被保険者が損害賠償請求権者に対して負担する法律上の損害賠償責任の額について、被保険者と損害賠償請求権者との間で、書面による合意が成立した場合 ③ ...

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 保険業界ではお馴染みの言葉ですが、一般的に知られていない用語があります。例え弁護士先生といえど、通じないことがあります。ここに、交通事故を解決すべき法律家に専門性があるか否かの境界線を感じることになります。つまり、保険用語がすらすら解る法律家は交通事故に精通していることになりますが、その逆は専門性に疑い有となるわけです。

 事務所内でも、時折、保険用語について解説しています。交通事故に携わる者が当然に知るべき用語を、この業務日誌でも取り上げていきたいと思います。 ① ノンフリート契約とフリート契約 

 フリート{fleet}・・・ 艦隊、(一国の)全艦隊、(商船・漁船などの)船隊、船団、(飛行機の)機団、(輸送車・戦車などの)車隊、<英和辞典>

 このような意味を持つ英単語ですが、自動車保険の世界では、”同一会社所有の自動車群”の意味を持ちます。フリート契約とは自動車保険の団体契約のようなものです。一枚の契約書で複数車両の契約をします。個々の自動車は明細書で管理することになります。

 個人で契約する自動車保険の証券に、「ノンフリート等級」という言葉を見かけます。これは、フリートのようにまとめて複数台契約ではなく、1台の契約であること、その無事故割引等級を示しています。無事故割引であるノンフリート等級は、標準的な会社で、1等級~20等級となっており、新規契約は6等級からスタートします。同居家族内で2台目を購入・契約した場合は、複数所有割引の特典として、7等級からのスタートになります。契約期間の事故数(保険を使った事故に限定)によって、この等級がダウンします。事故が無ければ1等級づつ上がっていきます。4年前の改定では、事故(による支払い)があった契約者は特別に「デメリット等級」(これも保険用語)に移行し、割引率、あるいは割増率が厳しくされました。

 では、フリート契約の無事故割引ですが、事故の件数でカウントしません。契約期間内での支払金額から、翌年の割引・割増率が上下動する仕組みです。大きな支払事故がかさむと、翌年の掛金がうなぎのぼりです。担当する代理店さんは事故の抑制に気を使うことになります。最も、死亡事故など、一気に数千万~数億円が支払われた場合は、「ヘビークレーム」(これも保険用語)扱いとして、その支払金額が無事故割引の算定に直接影響しない仕組みになっています。  

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 脳が収まった頭蓋骨と顔面部の境に薄い骨があります。下図の赤い線の部分です。この頭蓋底骨は、頭部への強い衝撃で穴が開く(多くはひびが入る、亀裂骨折)ことがあります。ビール瓶で殴っても折れる可能性があるようです。

 頭蓋骨の底面である頭蓋底は、ちょうど眼の下に位置して、でこぼこで厚さの違う骨で構成され、 多くの孔が開き、視神経、嗅神経、聴神経、血管が走行している複雑な構造となっています。 したがって、この骨折によって、これらの神経の損傷が併発することがあります。

 交通事故受傷後のめまい、失調、平衡機能障害、眼では、視力や調整力の低下などの症状ですが、 傷病名が頚椎捻挫であれば、バレ・リュー症候群として、つまり、頚部神経症状として後遺障害が審査されます。先の諸症状を訴えても、多くは、14級9号が限界となります。視覚、嗅覚、聴覚の障害が交通事故の後遺障害として審査されるには器質的損傷、つまり、骨折があることを立証しなければなりません。ここで発生する最大の問題点が、頭蓋底骨折の見落としです。  交通事故では、眉部の打撲、耳介後部の打撲などで、頭蓋底骨折が発生するのですが、XP(レントゲン)では、ほとんど確認できず、CTでも骨折部の発見が簡単ではありません。多くは、髄液漏から頭蓋底骨折と診断されているのが現実です。髄液漏とは、頭蓋底骨折により、脳脊髄液が漏れ出してくる状態で、 耳からでは髄液耳漏、鼻から漏れ出せば髄液鼻漏と呼ばれています。 ...

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 これも難事案です。

 高齢で事故前から認知症状があり、交通事故の頭部外傷で悪化、介護状態が続いています。しかも、過失は被害者の方が大きいとされて、相手保険会社から治療費(一括対応)対応されていません。逆に自動車の修理費を請求されています。

 この逆境をひっくり返すのは、認知症と高次脳機能障害を切り分けて、その評価を自賠責の後遺障害等級に収めることです。自賠責のルールを駆使することが勝機でしょうか。そして、「これが出来る事務所は日本で秋葉だけ!」との強烈な自負のもと、着手金なしの手弁当で新幹線の往復を続けています。等級が取れなければ大損です。このような、賭けとなる案件は年に1~2件あります。多くの法律家・専門家は、利益の計算が立たない状態では着手しません。利益が見込めるまで、つまり、後遺障害等級が定まるまで様子見を決め込むからです。

 もちろん、賭けに負けることもあります。私はギャンブラーではありませんし、山師でもなく、間違いなく堅実派です。それでも、賭けてみたい案件があります。被害者の窮状によっては、誰かが勝負しなければならないからです。

 

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山本、連投!

 事故によって圧迫骨折していない場合について    例としまして、骨粗しょう症や、骨粗しょう症とまではいかなくても骨シンチクラフィで骨密度が少なくて骨折しやすい人が、すでに骨折している状態で不運にも交通事故に遭ってしまった場合があげられます。その例では、交通事故に遭うまで痛みがなく、圧迫骨折していたことに気づかなかった方でした。その方は交通事故が引き金となって痛みが出てきたようです。

 交通事故によって圧迫骨折したかどうかの判断は、簡易的なものとして、MRI撮影することで判別可能です。画像上、強い水分反応が出ていれば、事故による圧迫骨折(新鮮骨折)といえるのに対し、事故前から少しずつ圧迫骨折しているような場合、水分反応は低くなります。(以下の画像のように判別可能です)

 しかしながら、事故によって圧迫骨折していないかったとしても、完全に後遺障害等級が認定されないわけではありません。この点、事故が引き金となったことが信用されれば、後遺障害等級で12級13号ないしは14級9号が認定される可能性があります。この場合の注意点としましては、12級13号、14級9号は、痛みなどの神経症状が残存していることが前提とされている等級である点があげられます。よって、事故から痛みなどを発症し、かつ、症状固定時まで神経症状が残存していなければ認定されません。

 以上から、事故によって圧迫骨折しているかどうか判別が困難な場合、後遺障害等級の認定のためには、前回述べたとき以上に、症状が残存しているうちに症状固定(事故から半年後)をする必要性があるといえます。

※ 高齢者の圧迫骨折の場合→「高齢者の骨折にはご注意を・・・」という記事をご参考ください。  

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本日は山本が担当します

 圧迫骨折とは、骨が圧迫されることによって生じる骨折をいいます。骨が折れるというより、つぶれるようなイメージです。圧迫骨折は、一般的に歩行中や自転車登場中に自動車にはねられ転倒、路面に尻餅をつくような縦の強い衝撃によって起こりうるものです。  圧迫骨折をした場合、受傷直後は激痛により、動けなくなることが多いです(救急搬送されることが多い)が、他方で、事故から半年ほど保存療法を続けていれば、痛みは多少残存しますが、軽減しやすいものといえます。そのため、圧迫骨折をしてもすぐにお仕事に復帰できる方も過去にはいらっしゃいました。

 この通り、圧迫骨折の場合、痛みが軽減しやすいものですので、事故から半年が経過した場合、骨の癒合が確認できていて、さらに、主治医のやることが保存療法ぐらいしかない場合には、症状固定することをお勧めします。なぜなら、症状としての痛みがなくなると、その分、後遺障害等級が認定されにくくなるからです。

 他方、圧迫骨折で保存療法以外に治療が必要であれば、症状固定をするかどうかは主治医としっかり話し合って決める必要があります。そのような場合には慎重に決める必要がありますので、ご注意ください。

 圧迫骨折で認定される等級としては、11級7号、8級2号、6級5号があげられますが、事故によって圧迫骨折した場合、11級が認定されることが多いです。8級2号や6級5号は、可動域制限まで生じる重症者の場合に認められうるものです。

 次回はその反対に、事故によって圧迫骨折していない場合について、まとめていきたいと思います。  

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 福島でのセミナーは初です。

 会場は郡山商工会議所、綺麗な施設でした。また、歴史ある場所なのか、荘厳なけやきの木が駐車場の一角にそびえ立っておりました。 

 雨降りは免れましたが、木枯らしピューピュー。寒々とした体を温めてくれたのが夕食の地酒、熱燗のオンパレードでした。翌日の昼食は、これまた風情のあるうなぎ屋さん ↓ 。 店内は、昭和を通り超えて明治の雰囲気でした。 続きを読む »

 もう一件も醜状痕です。本件は髪の毛に隠れる部分と、露出する部分の区分けが運命を左右しました。

 頭髪内の醜状痕は手のひらの面積を要します。つまり、頭髪で隠すことができない広さです。本件は、前髪をかき上げて、額部の陥没を主張しました。男性の場合、割と額を見せ易いのですが、女性の場合は生え際の醜状を表出させづらいものがあります。多くの方は髪の毛で隠して、何事もなく過ごすでしょう。過去に、自賠責から、「髪の毛で隠れるから後遺障害にはあたりません」と回答されたことがあります。まるで生え際の攻防、これも審査する人によってぶれる障害認定の一つです。

 髪型で何とか隠せる? それでも、醜状痕は存在するのです。 短髪にしたら目立ちますよ!  

7級12号:顔面陥没痕(20代男性・栃木県)

【事案】

自転車で横断歩道を直進中、左方から自動車が衝突、受傷した。救急搬送され、脳挫傷、頭蓋底骨折の診断となった。硬膜をはく離し、縫い付ける手術?を含む「前頭蓋底修復術」を行った。額に陥没痕を残したが、外傷的には予後順調であった。

【問題点】

面談当時、事故から6年近く経過していた。手術痕は大部分が頭髪内に隠れており、額に及ぶ陥没痕がやや確認できた。この陥没痕が基準上、認められるか。  

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 醜状痕の判定も人の印象に左右されるものです。自賠責や労災では瘢痕(あざ)、陥没痕(へこみ)、線状痕(キズ)などから、それぞれ鶏卵大、10円硬貨代、○cmと基準を設けています。  ⇒ 醜状痕の基準

 しかし、キズの様態は様々です。醜状の「みにくさ」という印象も人によって違います。色の薄さ、形状、そこまで細かく基準化できません。医師の診断書の計測・記載内容はもちろん、写真や面接での確認も含め、最後は人が判断するしかありません。調査事務所での面接は必ず2人が担当し、医師の計測が間違いないかを確認します。本件は切り傷であり、線状痕での判定(つまり、瘢痕ではないので非該当)を覚悟していましたが、瘢痕に当てはめてくれたようです。自賠責の、実情を汲んだ柔軟な姿勢を評価したいと思います。

 相談会での宣言通り、切り傷で14級を立証しました! 

  

14級5号:下肢醜状痕(40代男性・千葉県)

【事案】

250ccバイクに搭乗中、左方向から来た車の衝突を受ける。転倒し、膝をざっくり切った。救急搬送され、50針以上の縫合となった。

【問題点】

主な治療先が整骨院であった。既に治療終了とされていた総合病院の主治医に診断書を打診するも、「後遺症はない」と断られていた。また、下肢の醜状痕は瘢痕の面積で判断されるが、裂傷の線状痕であるため、認定基準外か・・。  続きを読む »

 近時の認定例を紹介します。いずれも、自賠責の認定基準上、微妙な障害です。例えば、捻挫・打撲などは炎症が収まれば、通常、後遺症はありません。それでも、神経症状の括りで14級9号が認定されることがあります。訴えの信憑性は受傷機転や治療経過、症状の一貫性など、検討材料は限られますが、結局、自賠責調査事務所の職員がこれらの要素から判断します。つまり、画像上、明確な器質的損傷が乏しい場合や、明らかな検査結果のない症状は、最終的に「審査員の印象」に左右されると言えます。

 骨挫傷は骨の表面の挫傷なので、レントゲンでの確認は難しく、MRIが必要です。骨折とは言いがたく、医師の診断も分かれます。そして、挫傷痕も月日と共に薄れますので、後遺障害認定もケースbyケースとなります。やはり、できるだけの資料を集めて、訴えを丁寧に主張することが第一です。後は審査員の判断に委ねます。  

この手の立証はうちの事務所の得意とするところです

  

14級9号:足関節骨挫傷(30代男性・東京都)

【事案】

歩行中、後方で自動車同士が衝突し、弾かれた自動車の巻添いとなり受傷する。直後から右脚の痛みに悩まされる。

【問題点】

交通事故業界で有名な整形外科に遠方から通院しており、医師からも半年で症状固定を言い渡される。全ての病院での診断名があやふやであり、画像所見も特に異常はなかった。毎度、骨挫傷は医師によって評価が分かれる。 続きを読む »

 12:15、只今、昼休みの事務所前が大騒ぎ。おそらく、トランプ大統領、もしくは関係者が近くの料亭に食事に来たのかもしれません。

 一時的な交通規制とはいえ、大渋滞です。お巡りさんだけではなく、映画で観るような黒服SPさんがびっしり、料亭前の松屋通りはほとんど封鎖状態です。

 そう言えば、トランプ大統領、昨夜は近所の銀座うかい亭で安倍首相とディナーでした(これで更に予約が取りづらくなるぞ)。街全体がピリピリして、外出も敬遠しています(クリーニング屋さんにシャツを取りに行かねば・・)。      夕方のニュースで確認したところ、京橋築地小学校(写真)にメラニア夫人が訪問したようです。トランプ大統領は料亭ではなく、皇居へ訪問でした。   

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【事案】

自転車で横断歩道を直進中、左方から自動車が衝突、受傷した。救急搬送され、脳挫傷、頭蓋底骨折の診断となった。硬膜をはく離し、縫い付ける手術?を含む「前頭蓋底修復術」を行った。額に陥没痕を残したが、外傷的には予後順調であった。

【問題点】

面談当時、事故から6年近く経過していた。手術痕は大部分が頭髪内に隠れており、額に及ぶ陥没痕がやや確認できた。この陥没痕が基準上、認められるか。  

【立証ポイント】

主治医は高次脳機能障害を中心に診断書をまとめていたが、陥没痕については特に診ていなかった。診断書に陥没痕も一緒にまとめて頂くよう依頼した。そして、髪の毛をかき上げ、陥没痕を確認できるよう撮影した写真を添付した。その後、弁護士と家族と共に面接にて確認を行った。

結果は、陥没痕が鶏卵大であることを認められ、7級12号が認定された。なお、本件は高次脳機能障害で9級10号が認定され、併合6級となった。

(平成29年10月)

※ 併合のため分離しています  

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【事案】

250ccバイクに搭乗中、左方向から来た車の衝突を受ける。転倒し、膝をざっくり切った。救急搬送され、50針以上の縫合となった。

【問題点】

主な治療先が整骨院であった。既に治療終了とされていた総合病院の主治医に診断書を打診するも、「後遺症はない」と断られていた。また、下肢の醜状痕は瘢痕の面積で判断されるが、裂傷の線状痕であるため、認定基準外か・・。     

上肢・下肢の醜状痕は、手のひら大で14級、手のひら3つ大で12級となる

  【立証ポイント】

痛みでの14級9号を標的に、まず、病院同行にて、診断書の記載について主治医を説得した。思っていたよりもあっさりと診断書記載の承諾を得る。裂傷の疼痛、痺れ、知覚麻痺を主訴に、醜状痕も念のため主張する写真を添付した。ひどい傷跡が調査員の心に響いたのか、狙っていた14級9号を内包した説明で、想定外の14級5号認定となった。

(平成29年10月)  

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【事案】

歩行中、後方で自動車同士が衝突し、弾かれた自動車の巻添いとなり受傷する。直後から右脚の痛みに悩まされる。

【問題点】

交通事故業界で有名な整形外科に遠方から通院しており、医師からも半年で症状固定を言い渡される。全ての病院での診断名があやふやであり、画像所見も特に異常はなかった。毎度、骨挫傷は医師によって評価が分かれる。

骨挫傷(参考画像)

【立証ポイント】

事故直後から擦過傷や内出血の跡がひどく、症状固定時にも擦過傷が残存、皮膚も変色してしまった。痛々しさを感じたため、醜状痕としてではなく、痛みの立証で患部の写真を添付した。MRI検査でも異常所見が見当たらない為、受傷機転と写真を軸に調査事務所の判断を仰いだ結果、14級9号が認定された。視覚に訴えかけることにより、調査事務所の心証を得たよう。

(平成29年9月)

※ 併合の為、分離しています  

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【事案】

自動車搭乗中、追突を受ける。直後から頚腰部痛のみならず、手足のしびれ、頭痛等、強烈な神経症状に悩まされる。

【問題点】

受傷日から3か月間は接骨院偏重型であった。

【立証ポイント】

相談に来られたタイミングが事故後3か月過ぎていたため、すぐに整骨院の通院をやめさせ、その後は整形外科にのみ通院させた。治療の継続に待ったをかけたい相手保険会社の医療調査員の医師面談に、医師・本人を交えての4者面談を行った。調査員はなんとか1か月の治療延長を認めてくれたため、ある程度の通院回数を確保し、後遺障害申請を行った。頚椎捻挫での14級9号を狙ったのだが、MRIを撮影していない腰椎捻挫の14級もおまけで認定されてしまった。これもお馴染みの”ついで認定”か。

初期の治療先が接骨院であったが、治療の一貫性を評価してくれた調査事務所に感謝したい。

(平成29年10月)  

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【事案】

自動車搭乗中、渋滞で停止中に追突を受ける。直後から頚部痛、腰部痛のみならず、手足のしびれ、強烈な神経症状に悩まされる。

【問題点】

7ヶ月目の治療をしていたところ、保険会社が「半年分までしか治療費を支払わない。」と遡って打切りを強行したため、支払いが滞ってしまった。本人はもちろんのこと、病院側も手続き等に困惑していた。また、ケガで会社から退職を打診されたため、金銭面、保険手続きに苦慮していた。

【立証ポイント】

既に保険会社からの一括払い解除で宙ぶらりん状態であったところ、病院側に事情を説明して、遡って健保へ切替えて頂いた。健保は職場の退職手続きによって社会保険を脱退させ、同居家族の扶養健保に異動させた。後遺障害については、画像所見はなかったものの、症状と通院の一貫性、症状固定以降の通院が評価され、併合14級認定となった。

本件は、後遺障害申請以前に、保険切替手続きや病院への支払い等、複雑になった治療費の交通整理が急務であった。職場や病院側をも助ける、弊所らしい横断的な保険知識を活かした解決となった。

(平成29年9月)  

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 代理店さんがお客様にお勧めした保険・特約が必ずしも、付保頂けるわけではありません。それでも、代理店さまにおかれましては、契約の際に、「お勧めしていたが、お客さまの判断で加入しなかった」と「その保険・特約の説明をしていなかった」では、大違いです。前者はお客様も納得するしかありませんが、後者では信頼が揺らぐ事は間違いありません。これは保険代理業を営むプロにとって、常態的なテーマと言えるでしょう。今年の事例から、注意喚起の意味も込めて紹介したいと思います。(個人情報に配慮して、内容を改変しています)    自動車保険に契約しているAさん、同居の父が(認知症の影響か)赤信号で交差点を横断して、自動車と接触して高次脳機能障害となった件がありました。当然、自身の過失を大きく取られ、相保からの一括対応はありません。しかしながら、契約していた自動車の人身傷害は「搭乗中のみ担保」です。これは、”契約している自動車に乗っている時”にケガをした場合のみ、保険金を支払うと限定したもので、その分、掛金が少し安くなります。人身傷害は、契約者及び同居の親族(別居の未婚の子含む)が、他の車に搭乗中だけでなく、歩行中や自転車搭乗中のケガでも人身傷害保険が支払われます。人身傷害の補償範囲の広さを実感するものですが、掛金を安くするためか、わざわざ契約車両に乗っている時のみに限定して契約してありました。本件事故では当然に免責=”支払いなし”となります。

 後遺障害は恐らく3級以上です。少なくとも相手の自賠責保険から2000万円は回収できますが、賠償総額は4000万円を見込めます。つまり、わずか2000円掛金を安くした結果、2000万円を失うことになりました。保険設計上、ご契約者さまの同居に高齢者や子供さんがいれば、「搭乗中のみ」は避けるべきでしょう。さらに弁護士費用特約も未加入で、弁護士にも頼めず、自身で相手の自賠責に被害者請求をする難儀となりました。    通販系の保険なら、自己責任で済まされますが、本件は代理店担当者がおりました。Aさんは事故後、初めて対応する保険契約があるにも関わらず、付保していないことを知ったのです。時既に遅しですが・・。担当者に責任はないとはいえ、悔やまれます。やはり、家族構成や自動車の使用範囲など、契約者さまの観察に遺漏無く、保険設計しなければなりません。保険契約とは、それだけ怖いものなのです。  

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