代理店さんがお客様にお勧めした保険・特約が必ずしも、付保頂けるわけではありません。それでも、代理店さまにおかれましては、契約の際に、「お勧めしていたが、お客さまの判断で加入しなかった」と「その保険・特約の説明をしていなかった」では、大違いです。前者はお客様も納得するしかありませんが、後者では信頼が揺らぐ事は間違いありません。これは保険代理業を営むプロにとって、常態的なテーマと言えるでしょう。今年の事例から、注意喚起の意味も込めて紹介したいと思います。(個人情報に配慮して、内容を改変しています)    自動車保険に契約しているAさん、同居の父が(認知症の影響か)赤信号で交差点を横断して、自動車と接触して高次脳機能障害となった件がありました。当然、自身の過失を大きく取られ、相保からの一括対応はありません。しかしながら、契約していた自動車の人身傷害は「搭乗中のみ担保」です。これは、契約している自動車の乗っている時にケガをした場合にのみ、保険金を支払うと限定したもので、その分、掛金が少し安くなります。人身傷害は、契約者及び同居の親族(別居の未婚の子含む)が、他の車に搭乗中だけでなく、歩行中や自転車搭乗中のケガでも人身傷害保険が支払われます。人身傷害の補償範囲の広さを実感するものですが、掛金を安くするためか、わざわざ契約車両に乗っている時のみに限定して契約してありました。本件事故では当然に免責=”支払いなし”となります。

 後遺障害は恐らく3級以上です。少なくとも相手の自賠責保険から2000万円は回収できますが、賠償総額は4000万円を見込めます。つまり、わずか2000円掛金を安くした結果、2000万円を失うことになりました。保険設計上、ご契約者さまの同居に高齢者や子供さんがいれば、「搭乗中のみ」は避けるべきでしょう。さらに弁護士費用特約も未加入で、弁護士にも頼めず、自身で相手の自賠責に被害者請求をする難儀となりました。    通販系の保険なら、自己責任で済まされますが、本件は代理店担当者がおりました。Aさんは事故後、初めて対応する保険契約があるにも関わらず、付保していないことを知ったのです。時既に遅しですが・・。担当者に責任はないとはいえ、悔やまれます。やはり、家族構成や自動車の使用範囲など、契約者さまの観察に遺漏無く、保険設計しなければなりません。保険契約とは、それだけ怖いものなのです。  

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