正式な統計データがあるわけではありませんが、お医者さんの世襲率は9割に及ぶと言われています。実際は9割もいないと思いますが、お医者さんを親に持った子供さんの医学部への進学率は当然に高く、むしろ、親御さんが医者なのに医者になっていない子供さんは珍しい位です。

 私達も日々、個人開業医へ病院同行していますが、個人開業医はほとんど代々同族継承です。他の商店や企業に同じく、家業として継承されています。よく比較される弁護士事務所ですが、多くのボスが事務所の継承問題に頭を悩ましています。つまり、子供が易々と司法試験に受からない現実があるからです。すると、弁護士事務所ボスは、「医者はいいよなぁ~」と愚痴をこぼします。何故か、医者の子は医師免許にほとんど受かるからです。

 このような前置きから、昨今ニュースとなっている東京医大の入試不正問題にすんなりつながると思います。試験で作為的な操作があるのだから、裏口入学はもちろん、医師免許そのものに不正があっても不思議でないと、皆が思うことでしょう。大学病院側の言い分ですが、今回の女子受験者に対する扱いの背景について、医師となった女子が一定の専門科に偏重してしまう、夜間勤務医、僻地勤務医が減ること等、医大側は堂々と釈明しました。これら諸問題は、医療の現場では既に常態化しています。医大側の言い訳は、一見、全体の福祉にかなう様に聞こえます。しかし、それは別の方法、制度改定で対策すべきで、絶対にフェアでなければならない試験でこっそり調整するなど、問題のすり替え甚だしいと思います。そして、この言い訳は表向きで、誰もが裏金の臭いを感じるはずです。  

6大学医学部で不適切入試か 文科省が説明求める

   文部科学省が、全国81大学の医学部医学科の入試を対象に実施している調査で、調査のきっかけとなった東京医科大のほか、少なくとも6大学で「不適切な入試の疑いが高い」として同省が説明を求めていることが、関係者の話で分かった。

 文科省は23日に公表した中間報告で、「不適切な可能性が高い事案」として

(1)学力検査での得点が同等でも、面接試験で女性や浪人回数の多い受験生を不利に扱った

(2)調査書や出願時の書類評価で現役生にだけ加点し、多浪生と差をつけた

(3)合格圏外の同窓生の子どもらを合格させた

(4)補欠合格者への繰り上げ合格の連絡を得点順ではなく、下位の特定の受験者へ先にした

の4事例を示した

 また、「疑惑を招きかねない事案」として

(1)出願書類に保護者らの氏名や出身校を書かせ、面接で家庭環境や経済状況を詳細に質問

2)補欠合格者の決定が学長や学部長に一任され、公正性を証明する資料がない

(3)合否判定資料に受験者の氏名・年齢・性別・出身校・備考(同窓生・教職員)などの情報が記されているなど

 の5項目も挙げた。

 柴山昌彦文科相は不適切入試の疑いが高い大学の名前は明かさず、大学側の自主的な公表を求めた。ただ、関係者によると、少なくとも6大学があてはまると判断され、文科省が「合理的な理由があるのか」などと説明を求めている。

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