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外傷 e.t.c.


排尿障害の検査 1

2012/03/21

 先日の弁護士研修会の最終日に「排尿障害の検査」について20分ほど講義をしました。

 排尿・排便障害は腰椎圧迫骨折や仙骨骨折の場合に発症するケースが多く、脊髄の腰~お尻の部分=馬尾神経が病原となります。この神経に圧迫、損傷があると下肢のしびれ、歩行障害と並び排尿・排便に異常が起きます。稀に頚髄(首の辺りの脊髄)損傷でも発症します。このように腰椎捻挫、むち打ちを原因として排尿・排便障害に悩まされる被害者さんを多く経験しています。

 研修会での発表は事故後に「おしっこが出辛くなった、回数が異常に増えた」被害者が行った専門検査の紹介です。これは広義には膀胱内圧検査と知られています。しかし多くの泌尿器科ではあまり積極的にこの検査を行いません。「おしっこが出ないからここ(病院)にきたんでしょ?」=「今更出ないことを検査してどうするの?」・・・このような受け取り方なので、検査は限定的な場合しか行いません。

 しかし!

 お医者さんは患者について「おしっこがでない」事を疑いませんが、保険会社、調査事務所や裁判官は証拠を出さなければ当然ながら信じません。立証上、検査は必要なのです。 

 さらに!検査の必要性はそれだけではありません!!

 昨年お会いした泌尿器科の専門医の考えは違っています。排尿障害といっても内圧の不調によるものか、括約筋の不全を原因とするのか原因は一つではなく、それに見合った治療が必要であると指導しています。
 例えばカテーテル(導尿パイプ)を使用している閉尿(おしっこの出が悪い)の患者に対し、おなかを押して排尿を促すような指導が実際に行われています。この場合、閉尿の原因が括約筋不全であるなら逆効果で、さらに増悪する危険性があるそうです。数十年前の知識で治療をしている泌尿器科医も多く、間違った治療と相まって検査の重要性の認識が希薄なのです。

 現在、膀胱の内圧を計測するだけではなく、いくつかの検査を総合した「ウロダイナミクス検査」が最先端です。しかし町の泌尿器科の多くは設備がありません。大学病院クラスの検査先の確保が必要です。

 明日から「ウロダイナミクス検査」を解説します。研修では詳細まで踏み込む時間がなかったので、ここで責任回答させていただきます。

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醜状痕は残らないほうがいい

2012/03/06

  今朝から病院同行、ただ今事務所に戻りました。午後は出張相談です。

 今朝の案件は女性の顔面醜状痕について医師面談&診断書の依頼です。金属製のノギス(計測用定規)をペタッと顔に当てるのは本当に気が引けます。「キズなんて治ったよ、目立たないよ」と言ってあげたい反面、被害者のためには後遺障害の認定にはキズがしっかりあった方がいい。この業務はアンビバレントな気分なのです。

そこで過去の名作業務日誌を再UP → http://www.jiko110-akb.com/diary/1581.html

この日誌のエピソードの時は旧基準の認定等級でした。
後遺障害認定等級について昨年改正されています。以下新基準を記載します。

自賠責保険 醜状障害の新認定基準

等級

醜状障害の内容

7

12 外貌に著しい醜状を残すもの、

9

16 外貌に相当程度の醜状を残すもの、

12

14 外貌に醜状を残すもの、
15 女性の外貌に醜状を残すものは、削除されました。

14

3 上肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの、
4 下肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの、

10男性の外貌に醜状を残すものは、削除されました。

 長らく男女で障害等級に差がありましたが、男女差別とした判例が出たため急ぎ改正されました。

 弁護士先生にはこのように自賠法・労災法を揺るがす判例をとってほしいのです。後方支援は協力行政書士がばっちりやりますよ!

筋電図検査をお願いします

2011/06/28

  昨日は「腓骨神経麻痺」の疑いのある被害者さんと主治医面談でした。足首が完全に動かないわけではないのですが、背屈(足首を上にそらす)が不能なので「不全麻痺」が正確な表現でしょうか。しかしその可動域の制限だけでは後遺障害の認定は得られません。それを裏付ける検査数値と確定診断が必要です。そこで主治医先生にタイトルの検査依頼となるわけです。
 中には「なんで治療が終わったのに検査するの?必要ないよ」、「保険請求のため?それは医者の仕事じゃないよ(・・めんどうだなぁ)」という対応の医師もいます。医師の言う事もごもっともと思いますが、後遺障害を残した患者にとっては切実な問題なのです。毎度苦労させられますが、昨日の医師は検査の必要性に御理解をいただき、誠実に対応して頂けました。本当にありがたいです。   では針筋電図について・・・

■ 筋電図とは
 筋線維が興奮する際に生じる電気活動を記録することで、末梢神経や筋肉の疾患の有無を調べる検査です。筋電図検査といった場合には,筋肉の活動状態を調べる針筋電図と筋肉・末梢神経の機能や神経筋接合部を検査することができる誘発筋電図の両者を含める場合もあります。

■ 脊髄損傷に対しては
 脊髄にある前角細胞と呼ばれる運動神経以下の運動神経と筋肉の異常を検出するために行われます。これらの部位に疾患がある場合には,その障害がある部位や,疾患の重症度などを評価することもあります。異常を示す筋肉が限局している場合には,その分布により末梢神経が原因か脊髄が原因かなどをある程度推定することができます。

■ 顔面神経麻痺に対しては
 表面筋電図検査は四肢や顔面などに不随意に起こる運動が見られる場合に時として有用です。この検査の利点は、針電極や電気刺激を用いないので、疼痛を伴わないことです。
                                  

義歯は義手と同じです!

2011/06/23

 今週は歯科医にも同行しています。今日は歯の後遺障害について。

 歯牙の欠損は以下のように明確に定められています。欠損とは歯肉から上、4分の3以上折れてしまった事を指します。

10 級 4 号  → 14 歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
 
11 級 4 号  → 10 歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
 
12 級 3 号  →  7 歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
 
13 級 5 号  →  5 歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
 
14 級 2 号  →  3 歯以上に対し歯科補綴を加えたもの

※ 補綴…難しい漢字ですが「ほてつ」と読みます。先日歯科医に教えて頂きました。

 3本以上というのは少し厳しめですが、理由はなんとなくわかります。インプラント方式で見違えるように芸能人の歯になってしまう?からでしょうか。

 数年前、交通事故で4本歯を失った方とお会いしましたが、その方は保険会社と徹底的に交渉し、義歯はすべて最新のインプラントを施してもらったそうです。治療費は数十万円になったと思います。しかし、「後遺障害保険金はもらいましたか?」と質問したところ、「えっ、全部直してもらったからOKです。と歯医者さんに言われましたよ。」

 …そうですか(短くため息)。本人のためにそれ以上は言いませんでした。

 この方は14級2号の対象です。しかし保険会社は請求しなければ賠償金をくれません。味方である歯医者さんが後遺障害基準を知らなければお手上げです。

 インプラント施術や義歯代はあくまで治療費です。これは損害実費です。しかし本来自身の歯が使えなくなった事については後遺障害の補償と捉えます。例えとして「手を失った人が義手にしてもらったから、元通り!」な訳ありません。
 歯についてはとかく見落とされがちです。

 歯の後遺障害については専用の後遺障害診断書があります。

脊椎・脊髄の障害 5 <脊髄損傷>

2011/05/31

  脊髄シリーズ、今日で終了です。神経の後遺障害はとても深い領域です。私のわずかな経験では語り尽くすことはできません。より経験を積んで学習を深めていきたいと思います。

 最後に画像以外での判定、診断について昨日の見学から報告です。この患者さんの症状は脊髄損傷を示していますが、画像所見では判然としません。既に受診した2~3名の医師も「う~ん・・・」状態でした。このような不確定な状態で漫然と治療を続けていても不安です。ついにその分野の第一人者たる専門医の診断を仰ぎました。
 

<検査と診断>

 頚部神経症状か脊髄損傷か・・・上肢、下肢のしびれ、めまい、ふらつき、不眠等、神経症状の原因をまず判定しなければ治療方針も定まりません。

 この専門医師はしばらく患者の話を黙って聞いています。そしていくつか質問を行い、以下の検査、数項目をはじめました。 

1、首の左右の神経根圧迫の様子をみる

 まずはジャクソンテスト、スパーリングテストと呼ばれる検査です。医師が頭を上から垂直に押すジャクソン、首を左右に傾けて押すスパーリング、その結果で左右の神経根圧迫のサイン(指先にビリビリと痺れが走る)を観察します。
 昨日の医師の場合、「首を左に傾けて下さい」、「次は右」、「指先まで痺れがきますか?」。それだけです。患者にまったく触れません。                 

                  

2、腱反射

 ゴムハンマーで膝などをコンッと叩く奴です。 上腕二頭筋と腕橈骨筋を叩きました。
神経根圧迫の場合、反射は「低下」、「消失」といった、無反応にちかい反応を示します。脊髄損傷の場合は「亢進」です。亢進とは異常反応のことで、ピクッと筋肉が緊張します。
               
3、病的反射  (トレムナー、 ホフマン、ワテンベルク )

 ・ホフマン ・・・ 手の平を上に向け、中指を曲げて手のひら側にピンッと弾きます。
 ・トレムナー ・・・ 今度は伸ばした中指の腹を指で数回弾きます。
  ・ワテンベルク・・・ 右図のように親指を除いた指を曲げた状態で引っ張ります。

      
 
 昨日はワテンベルクはやりませんでした。

 1~3をわずか2~3分でしょうか、流れるような作業で行い、医師は「脊髄は大丈夫のようです。左右、特に左の神経根側の腫れが原因の神経症状です」「受傷から仕事を休まずに無理をしたため症状の改善が遅れています」と。

                「は、早い」 そして 「迷いなく断言」  

           これが数百人、数千人を診ている専門医の仕事か・・・。

 脊髄損傷を心配していた患者さんも安堵することしきりです。医師は治療について「安静と休息を心がけるように」「首を後ろに反らすことは控えるように」「ロキソニン(痛み止め)は徐々に減らすように」・・・テキパキと指示を続けます。

 百聞は一見にしかず、専門書にかじりつくより現場の経験を積むことの重要性を再認識しました。そして専門医の流れるようなルーチンワークと確固たる診断に感動すら覚えました。

脊椎・脊髄の障害 4 <脊髄損傷>

2011/05/27

<後遺障害>

 寝たきりとなり介護の必要なものから、上肢・下肢にしびれが残存するもの、痛みや可動域制限の残るもの等、症状・軽重の幅が広くなります。系統的には神経系統の障害に属します。

等級 内容 喪失率 自賠金額
1級1号
(別表Ⅰ)
神経系統の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの 100% 4000万円
2級1号
(別表Ⅰ)
神経系統の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの 100% 3000万円
3級3号 神経系統の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの 100% 2219万円
5級2号 神経系統の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの 79% 1574万円
7級4号 神経系統の機能に著しい障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの 56% 1051万円
9級10号 神経系統の機能に著しい障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの 35% 616万円

 ムチ打ちで診断書に「脊髄不全損傷」と書かれても、画像所見が乏しいと12級13号、14級9号で判断されます。両上肢や下肢にしびれが残存する、排尿排便障害が残る、これらは脊髄損傷の症状ですが、「局部に神経症状を残すもの」で括られます。後にも先にも画像所見が決め手です。

                 

脊椎・脊髄の障害 3 <脊髄損傷>

2011/05/26

< 損傷部位の分類 >

1、上位脊髄損傷

 首は7つの骨が積み重なっています。上からC1~C7です。このC1(環椎)~C2(軸椎)に並走する脊髄に損傷が起こると、その支配する肋間筋と横隔膜の運動不能となります。これは呼吸するための機能が失われることを意味します。多くは死亡となる深刻な部位です。
 助かったとしても自然呼吸ができないため気管切開し、人工呼吸器を通すことによって生命維持をはかります。

2、下位脊髄損傷

 首の部分では頚髄損傷、胸の部分では胸髄損傷、腰の部分では普通に脊髄損傷と呼びます。
 多くは両上肢、両下肢、排尿排便障害の症状となります。寝たきりで随時介護が必要ななものから、一定の仕事の影響を及ぼす程度のものまで軽重の幅があります。

3、中心性脊髄損傷

 器質的損傷を伴わず、脊髄の損傷自体も発見づらいが上肢にのみ症状がおこる場合があります。首や胸や腰といった脊髄の位置をさすのではなく、円柱型の脊髄を輪切りにしてその中心部と外側(辺縁部)をわけて損傷部位をみます。神経線維は中心よりに上肢、外側よりに下肢とつながっています。したがって病変部を探し当てる?MRI撮影が必要となります。

               
  
  
 脊髄に少し脊椎やヘルニアが圧迫しているだけで脊髄損傷と診断する医師がいると聞きました。見ての通り脊髄の損傷は生命や四肢運動に関わる重篤な障害です。患者の自覚症状をしっかり観察し、画像の精査と描写の工夫が大事であると実感している次第です。

脊椎・脊髄の障害 2 <脊髄損傷>

2011/05/25

 ・・昨日に続きます。

 医師は脊髄損傷における合併症とその予防に注意を払っています。代表的な4つは、

1、褥瘡(じょくそう)・・・寝たきりの高齢者に要注意の床ずれです。

 動作不能の患者は寝たきりの状態になります。頻繁な体位変換、専用予防マットの使用、皮膚清拭が必要です。

2、尿路感染症

 排尿障害は閉尿(尿の出が悪くなる)や頻尿(回数が増える)に2分します。それぞれ症状に応じて、間欠導尿、排尿訓練、自己導尿訓練が必要です。カテーテルを用いるケースもあります。

3、呼吸器感染症

 痰の吸引、タッピング(背中を叩いて痰を切る)、肺理学療法を行います。

4、関節拘縮

 関節可動域訓練、安静時の良肢位保持。
 脊柱の可動域が2分の1となれば8球2号の障害が認定されますが、これは関節拘縮を直接の傷病名とするものではなく脊椎・脊髄の器質的損傷を条件としています。

 
<検査>

1、MRI  

 とにかく画像所見ありきです。医師も脊髄損傷を確認しないことには治療方法を選択できません。T1、T2でそれぞれ病変部を明らかにします。共に3.0テスラのような高精度が望まれます。また技師が脊髄損傷の撮影に慣れていることもポイントです。

 2、ミエログラフィー

  脊髄(もしくは馬尾神経)の圧迫病変を探します。腰椎もしくは頸椎から造影剤を脊髄腔内に注入し、X線でその拡散の様子を透視・撮影します。造影剤が途中で完全ブロックする部分、つまり中枢側の病変位置を知りたい時に用います。近年MRIの高精度化で役割は薄れました。
 しかし、MRIではリアルタイムに前後・左右に屈曲・伸展させた時の髄腔の変化を撮影することができないため、MRIで画像所見が得られない場合、未だ有用とされています。
   

3、SSEP (体幹部の神経伝達速度検査)

 手や足の感覚神経に電気的な刺激を与えることによって、誘発される反応を記録するもので、手や足から脊髄、脳幹、大脳皮質に至る感覚神経の機能を見ます。頭、首、腰、などに電極を数個つけて、手や足の末梢神経を軽く電気刺激します。低周波マッサージ器の様なピリッピリッとした刺激痛があります。

4、針筋電図検査

 神経から筋にかけて、刺激電極と測定電極(関電極)、不関電極(基準電位用、いわゆるアース)を持ち、電気の流れを表示します。神経麻痺検査の決定版ですが、どの病院でもこの検査に積極的ではないようです。相当の症状を示さない限り医師の指示がでません。
 ちなみに腕や足の神経麻痺では画像所見が取れないケースが多いので、これに頼ります。

5、膀胱内圧検査・肛門内圧検査    

  排尿・排便障害の症状があるときは泌尿器科でこれらの検査をうけます。これも専門設備および検査医師が少なく、泌尿器科の専門病院へ紹介状を書いてもらうことになります。 
 
 

 調査事務所の判断は「器質的損傷」が絶対です。脊椎の骨折や脱臼がある、固定術のような手術を行なった、脊髄自体にMRIの画像所見がある・・・これらが決め手です。しかし明確な器質的損壊が見当たらないのに深刻な自覚症状が残存する場合があります。治療方法の選択のみならず、後遺障害の立証も険しくなります。只今、実際に取り組み中です。
 

脊椎・脊髄の障害 1 <脊髄損傷>

2011/05/24

 まず一枚の画像から。左がMRI・T2画像、右が同じくT1画像です。C6/7(赤い矢印)の部分がそれぞれ病変部で、T2では白く(高信号)、T1では黒く(低信号)描写されています。これはバイクの自損事故で外傷性脊髄損傷を負った18才患者です。

 バイクで転倒した際、頚部を路面に打ち付け、そのまま救急車で搬送、入院となりました。首はまったく動かせず、両腕が無感覚で手指のしびれがひどく、足もだるくなり長時間の歩行は困難です。その後リハビリを続け、下半身の回復は進みましたが、両上肢の麻痺は残存し、トイレが異常に近くなる症状が残存しました。

1、脊髄損傷
 
 脊椎に軸圧、屈曲、回旋、伸展、剪断、伸延などの協力な外力が加わり、脊髄の神経伝導路が遮断され、運動麻痺、知覚麻痺、自律神経障害、排尿排便機能障害を起こします。原因としては交通事故が多く、次いで高所からの転落、転倒、スポーツ外傷です。実際に先月、3階のベランダから落下し、障害を負った方の相談がありました。
 
<受傷タイプ>

① 伸展損傷・・・最も多発するタイプ。X線所見では軽微でも、麻痺は重篤なケース
         もあります。
② 屈曲損傷・・・椎体圧迫骨折や亜脱臼、完全脱臼となります。
③ 伸展回旋損傷・・・外力が加わた方向と反対側の椎間関節に脱臼や骨折が生じる。
④ 屈曲回旋損傷・・・外力が加わった方向と同側の椎間関節に脱臼や骨折が生じる。
⑤ 側屈損傷・・・少数例。小さい子に稀にある。

<状態の分類>

■ 完全損傷

 脊髄が完全に脊椎や椎間板によって遮断されたり、脊髄そのものが引きちぎれるので、非可逆性で回復はしません。とくに環椎・軸椎部分の場合、呼吸困難で多くは死亡となります。奇跡的に全身麻痺で寝たきり状態です。

■ 不完全損傷  重篤度に分けて4つの症状に分類します。

① 前部脊髄損傷・・・運動麻痺はあるが、触覚、位置覚、振動覚は保ちます。
② 中心性脊髄損傷・・・下肢より上肢の運動障害がひどく、温覚と痛覚が麻痺、触覚は保ちます。
③ 後部脊髄損傷・・・少数例。触覚、位置覚は麻痺しますが、運動障害はありません。
④ ブラウン・セカール型損傷・・・脊髄の片側損傷、損傷側の運動麻痺と反対側の温覚、痛覚の障害。

<治療>

 初期は救急処置と全身管理、損傷脊椎の整復と固定を行います。徐々に関節可動域と筋力の維持を目的とした早期リハビリテーションを行います。
 慢性期では座位立位の保持、移動動作、車椅子操作、歩行能力、日常生活活動動作の確保のために残存筋力の維持、増進を進めます。
 

 出かける時間になってしまいました。続きは明日に・・・

女心と醜状痕

2011/03/24

 女子の外貌に醜状を残すもの      12級5号 

 女子の外貌に著しい醜状を残すもの   7級5号

  保険会社に入社し初めて遭遇した後遺障害が醜状痕でした。

 私の担当する契約者さんが運転中に追突事故を起こしました。幸い相手はケガもなく、車の修理だけで示談に応じてくれました。しかし運転していた契約者さん(24歳独身女子)はおでこをバックミラーに打ちつけ何針か縫うケガを負いました。数か月たっても数cmのキズは残っています。
 さあ初めて後遺障害の申請を行う仕事になりました。 

顔面部では  10円銅貨以上の瘢痕または 3cm 以上の線状痕  →12級
     
         鶏卵大以上の瘢痕または 5cm 以上の線状痕   →  7級   です。
 
 
 この件で初めて自賠責調査事務所の方と会いました。ほとんどのケガ・障害の審査は書面ですが醜状痕のみ面接があります。すでに私が撮ったキズの写真は送付済みで、キズの長さは約4cmだったと記憶しています。それを踏まえ調査員が契約者宅へ訪問してくれました。金属製の定規を持って・・。

 訪問した調査員は「はい前髪上げて」と言い、冷たい定規を顔面にあてがいました。「3.8cmかな・・ごにょごにょ」なんか歯切れの悪い説明が延々と続きます。その間終始涙を溜めて真っ赤な顔の契約者の女性。自分の顔のキズが将来残るか否か、そんな議論を目の前でされていては無理もないです。それに面談前にお化粧!をしようとして私が慌てて止めていたのです。
 結局、家族も「すぐに消えるよ」「ファンデーション塗ったらわからないよ」と後遺障害の否定に流れていきます。たった一人「12級では」と主張する私は孤立無援。最後に調査員はケロイド状のキズやえぐれたようなえぐいキズの写真を見せて「これが後遺障害の対象」です、と言って「今回はたいしたことなくてよかったですね~」と帰っていきました。 

 これがきっかけで後遺障害認定の困難さを知りました。審査の厳しさ、本人の自覚、周囲の雑音、すべてが等級認定の障害となります。これらをうまくコントロールしなければなりません。今なら12級を獲得する自信がありますが・・ 
  毎度ですが本当に重篤な(重い)ケガを負った人、前向きに回復へ努力する人ほど後遺障害を認めたくないものなのです。その辺の心理、このエピソーゾからは女心、勉強することは医学的知識だけでは済みません。
                                                                                     
                       最新式はデジタル表示ですね

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