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保険


初回申請が命!

2012/05/11

 今月も何件か被害者請求の後遺障害等級申請がありました。被害者にとっては一日も早く保険がおりて、早急に事故を解決したいものです。依頼を受けた以上、私もできるだけ早い申請を心がけています。しかしスピードには反しますが、すべての診断書や書類が揃った段階で今一度、書類を精査します。もう一度、当初からの計画を振り返り、認定等級の可能性を見つめます。これは初回申請が命!と思っているからです。

 交通事故外傷によって受けた被害に対し、すべての症状とその根拠となる客観的資料が揃っているか?治療経過に問題はないか?被害者の責に帰する不適当な医証はないか?・・・あたかも私自身が調査事務所の担当者になった気分で臨みます。
 
 とにかく初回申請が不調で異議申立て、これだけはご免です。
 
 
異議申立ての実態

 巷では「異議申立を引き受けます」、「まず申請してダメなら異議申立をしましょう」、「異議申立てに実績のある行政書士です」、「弁護士による異議申立て(効果があります)です」・・・等々、異議申立てのオンパレード。このようなことをホームページや看板に掲げる専門家に違和感を禁じ得ません。

 なぜなら異議申立ては単なる許認可の却下に対する再申請とは訳が違います。自賠責は公の保険の掛金を預かる機関であり、保険金の支払いを抑制することも大事な仕事です。この抑制とはもちろん正当な審査を経た結果を指しますが、経験上保険金請求者に対し、非常に厳しい目で審査しています。そして一度厳密な審査をした以上、容易には覆せない決定です。
  このように認定された等級には、正式機関での審査を経た重みがあるのです。

 異議申立てとは「その審査結果が間違っています!」と主張する事です。許認可の申請が不備となり、認容される為に足りなかった追加資料を提出する再申請とは難易度が違うのです。
 それは異議申立ての成就率が12~16%となっていることからもわかります。

 したがって、初回勝負が大事なのです。私はさらにこう考えています。一部医証が欠落、不確実でも、書面上で伝わる被害者の人間性がもっとも信頼されるのは初回であると。
 それは杓子定規な書面審査ながら、調査事務所は資料の信頼性について独自の判断をしているように思えてならないのです。つまり申請者すべてが気の毒な被害者ではなく、保険金のためにウソを言う詐病者、大げさな主張する被害者など不正者がたくさん存在する・・・審査側はこのような予断を持っているはずです。
 加えて、気の毒にも後遺障害を被った被害者には、一点の曇りもない医証が残るはずで、初回申請での提出資料がもっとも信憑性がある・・・そのように考えられているようです。
 やはり時間が経ってからの追加検査、新しい医師の診断書は証拠価値が落ちるのです。 
 
 異議申立ては最大の愚策と断言します。

 現在、事前認定(相手保険会社に申請手続きを任せる)や被害者請求を考えている方は、今一度立ち止まって熟考することをお勧めします。
 

異議申立て成功率?
 
  異議申立ての成功率を誇る広告を目にします。その法律職の皆さんの努力経験に基づくに実績には敬服します。たくさんの被害者を救ってきたことでしょう。ただし、この数字だけを単純に鵜呑みにしないようにして下さい。一般的な成就率が10数%なのに、その法律家に頼むと80%に跳ね上がる・・・そんな魔法のようなウルトラCが存在すると思いますか?そして自賠責の初回認定はそんなにいい加減なのものか?・・・そんなわけありません。

  これはすべての異議申立て相談者の80%ではなく、「これは絶対通るだろう」被害者だけを受任し、実際に申請した数字からです。確率が低い件は受任・申請しませんのでこの数字から除外されます。さらに数字はあくまで自己申告です。他者の監査がない以上、いくらでも脚色できます。この仕事に関わっている専門家なら「80%などあり得ない」と一笑に付します。

 これは商売上、目を引くための数字です。冷静に読み取って下さい。ちなみに受任・申請したものだけからの成功率で言うと私は50%です。もちろんこの数字から「異議申立て断念」とした相談者は含まれていません。50%程度でも十分良い成果と思っています。そしてできれば被害者に「異議申立てをさせない事」を仕事の主義としたいのです。 

GW特集 自動車保険の 「隠れ特約①②③」 最終回

2012/05/07

実話 「隠れ特約」に翻弄されて 最終回

  あ○おい担当者:「割合に応じて49%払えます。したがって利害関係を持つ弊社も訴訟参加します」
 何を今更!それなら最初に言ってくれよ あ○おいさん! このまま裁判沙汰にでもならなければ黙っていたつもり?事故から5年も経って「実は半分くらいは払えます、だから裁判にも口を出しますよ」ですって。呆れます。

 ちなみに裁判の結果に利害関係をもつ者が顔を出してくることを訴訟参加といいます。この者を補助参加人と呼びます。これで本裁判の顔が出揃いました。
 
原告: Bさん  原告代理人: D弁護士 
被告: A君   被告代理人: C弁護士
補助参加人: あ〇おい損保      参加人代理人: E弁護士
補助参加人: ア〇サダイレクト損保   参加人代理人: F弁護士


 とまぁ、豪華絢爛、この裁判の出演者はこのように整理できます。普通、原告、被告、補助参加人の2社は裁判所に出廷しません。したがって実質はD弁護士 対 C、E、F弁護士 です。(弁護士は大繁盛ですね)
 
 あ○おいさんは裁判で「Bさんの請求額に対して意見がある」とし、今まで5年間特約の存在を黙っていながら堂々と医療調査を要求して、収束しかけた裁判を長引かせています。2度も自賠責保険調査事務所による医療審査を経ているのに、この場に及んでケチをつけてくる。今まで黙って様子見しておいて、いざ払う羽目になってから、反論してくる?これは厚顔無恥です。
 そもそもA君が訴えられているわけで、A君の弁護士に任せればいいのに?と思います。おそらく加害者側は心情的に被害者にできるだけ保険金を払ってあげたいのです。その気持ちを代理人であるC弁護士が汲み、反論が鈍る危険性を感じ...あ〇おいさんは黙っていられないのでしょう。
 
 もう被害者も加害者も関係なし、とにかくあ〇おいもア○サも「少しでも支払いを減らしたい!」のです。
 
  これはもはや交通事故、加害者と被害者 の争いではありません。
 
「障害補償を少しでも多く求める被害者」と「少しでも払いたくない保険会社」の争いです。
 

                     
     
 総括するとBさんは加害者のみならず、二つの保険会社による2つの「隠れ特約」に翻弄されたのです。おかげで普通なら治療後1年で解決するはずの事故が4年以上かかっているのです。
 信頼しているD弁護士は孤軍奮闘ながら冷静着実に審議を進めています。
 
 はたして結果は?物語はここまで。判決はこの夏を予想、いずれ報告します。
     

 資本主義社会では、民間企業であり利益追求を至上とする保険会社の「払い渋り姿勢」は正当な業務であると言えます。この物語に登場する担当者も普通に仕事をしているに過ぎません。私もそれぞれの立場を理解しているつもりです。

 しかし多くの契約者から集める掛け金は「一人は全体の為、全体は一人の為」の相互扶助精神に活かされるものです。今回のケースは特約の隠ぺいと言われても仕方ない。周知義務の不徹底、説明義務の怠慢を超える対応ではありませんか。正当な業務での支払削減なら契約者全体の利益となります。しかし冷徹な駆け引きや姑息な手段を使って特約を隠匿し、支払いを削減しようとする振る舞いに対して、問題を提起したいのです。

 保険会社社員はもちろん、交通事故に関係するすべての事業者に是非とも道徳的観点に立った仕事をしてほしいと思います。 私の知っている保険会社社員は皆まじめで誠実、一生懸命仕事をしています。それはア○サさんやあ○おいさんの社員も同様です。保険会社は社会のセーフティーネットであり、被害者を助ける仕事です。自身の立場を言い訳とせず、自分の子供に胸を張って自らの仕事を説明できるよう、会社組織の圧力に負けず、少しの良心を持って、わずかでも踏ん張ってもらいたいと思います。

 「お父さんの仕事はね、会社の儲けのために被害者がかわいそうでも、できるだけお金をあげないように頑張る仕事だよ」・・・そんな父親になってほしくありません。

GW特集 自動車保険の 「隠れ特約②③」

2012/05/02

実話 隠れ特約に翻弄されて 第3話

  いよいよ裁判が始まりました。まずは損害実費、既払額の確認からです。なにせ事故から時間がたっています。被害者Bさんにまったく責任のない事故なので、争点は「こちらの請求額が多すぎる!」の一点です。相手のみならず、自分の保険会社まで減額の大合唱、時間のかかる裁判となりそうです。
 
 そして相手弁護士から謎の一言

  「賠償額が裁判で決まれば、賠償額の49%をあ○おい保険会社から払います」。

    は?何のこと? 

 

 えっ、年齢条件違反で保険がでないはずじゃなかったのですか???
 
 始まったばかりですが、ここで物語を中断します。

  私がなんでこの話をGW特集としてシリーズ化しているかと言いますと、「隠れ特約」は一つではないからです。「隠れ特約②~③」を紹介しましょう。

隠れ特約②: A『年齢条件特約の不適用に関する特約』

1.「年齢条件に違反」して被保険自動車を運転して起した事故を補償します。

2.『対人賠償』と『対物賠償』のみ補償

3.「家族か否か」、「免許を取ってからの期間」などの条件はありません。

4.年齢条件に適合した本来負担すべき保険料と、実際に負担した保険料との差額に応じて保険金は減額されます。
  (...だから49%か)

5.「記名被保険者・本人が年齢条件を満たしていない」場合は、そもそも適用できません。
 

隠れ特約③: B『運転免許取得者に対する「賠償損害」自動担保特約』

1.「免許を新たに取得した家族」が「年齢条件に違反」して被保険自動車を運転して起した事故を補償します。適用には保険会社の承認がいるようです。

2.補償の対象となるのは

 ・ 記名被保険者の配偶者

 ・ 同居の親族(記名被保険者またはその配偶者の親族)

 ・ 別居の未婚の子(記名被保険者またはその配偶者の子)

※ 別居の未婚の子でも、婚姻暦のある場合は対象外(逆に言えば婚姻歴がなければ何歳でもOK)

3.『対人賠償』と『対物賠償』のみ補償します。

4.支払われる保険金に②の「不適用特約」のような減額はありません。

5.免許取得後30日以内に保険の異動手続きを書面で行う必要があります。(掛け金の追徴が生じます)
 
 この特約を知って愕然!「じゃ年齢条件違反でも支払えたの? なんで5年間黙ってたのよ、あ〇おいさん!、後遺障害で苦しむBさんを放置して。もしかして相手も弁護士も知っていて黙っていたの!?」と叫びたくなりました。

 そもそも昔から年齢条件から外れる運転者に被害にあい、被害者が補償を得られない悲惨な事故は何度も起こっていたのです。これを回避できる特約を作った保険会社の英断を称えたいと思います。この特約はAかBが保険会社によって選択されているようで、大手は以下のようです。
 
A:『年齢条件特約の不適用に関する特約』...東京海上日動、三井住友、あいおい

B:『運転免許取得者に対する「賠償損害」自動担保特約』...損保ジャパン

 外資系はBの『自動担保特約』型もしくは「この特約なし」が多いようです。そしてこれらの特約は自動担保(勝手に契約に入っている)が基本です。しかし約款の隅っこに書かれてあるだけで、保険証券やパンフレット等には不記載が多いです。そしてなにより多くの損保会社社員、代理店も良く知りません。損保ジャパンの人身事故担当社員も全社『自動担保特約』だと思っていたようで、『不適用特約』の存在すら知りませんでした。

 GW前から若年運転者の大きな事故が続いています。もし保険の適応ができない状態に置かれた方がいたら、「隠れ特約①②③」に気づいて下さい。相手保険会社が親切に教えてくれるとは思えません。ここを見ていただけることを祈ります。

 4連休後、物語は最終回

GW特集 自動車保険の 「隠れ特約①」  2

2012/05/01

さてBさんは救われたのでしょうか

実話 隠れ特約に翻弄されて 第2話

 ようやく無保険車傷害特約にて救済の道が開けたBさん、私もア○サさんの担当者と電話で今後の進め方を協議しました。担当者との信頼関係も大事です。
 そしてまずは相手の支払い能力を見るために「まず請求する」ことから始めます。ア○サさんには少し待ってもらうように話しました。それにいくら自分の保険で救済されるかと言っても本来相手が払うのが筋です。したがってこちらも代理人弁護士を付けて本格的な賠償交渉をすることにしました。裁判までやるかどうかは相手の出方次第です。稀に相手の親や親類が訴えられる加害者A君を見かねて支払うケースもあり得ます。
 
 さて、当方の弁護士も決まり、粛々と進めている間、思わぬ横槍が入りました。

 その横槍とは他でもないア○サさんです。Bさんは弁護士と委任契約を済ませ、ひとまず安心していたのですが、今まで保険請求に対し一向に相手にしてくれなかったア○サさんから内密に話があると...。別の担当者からものすごく丁重に今後の事について相談が持ちかけられました。
 
ア〇サ:「このたびはお見舞い申し上げます。・・・中略・・・Bさんも早く解決したいでしょう。それに相手は支払い能力がないので結局私どもが保険金を支払うことになります。したがって裁判をしても弁護士費用が無駄になるだけです。私どもならすぐに保険金を支払います。」
 
Bさん:「本当ですか?じゃいくら払ってもらえるのですか?」  

ア○サ:「この通りです。」 計算書を用意していた。
 
Bさん:「でも弁護士先生にもう頼んでしまいました」
 
ア○サ:「裁判をやめてすぐお金を受け取るかどうかはBさん次第ですよ」
 
Bさん:「・・・・」 結構な額に心が揺れています。

 
  さて、私や弁護士を差し置いて、ア○サさんがとったこの一連の動き、これを理解できますか?これが説明できれば保険通です。

 これは裁判で決まる賠償額と保険会社が独自基準で計算する額があまりにも違うからです。判決によって金額が上下するとしても、裁判で獲得する金額は保険会社基準の2~3倍になります。つまり判決ででた金額を(当然A君は払えないので)そのままア○サの無保険車傷害特約に請求されたらたまらない!とア○サは考えたのでしょう。それで裁判を止めさせ、Bさんを目先の金で釣りこもうと画策したのです。だから担当者も私に内緒で進めたのだと思います。

 これが保険会社のやり方だとすれば、被害者救済と言いながら、払い渋りへ一生懸命

 ・・・情けない気分になります。

 続けます。

 

  ア○サさんは心が揺れるBさんに畳み掛けるように説得を続けました。そしてついにBさんは弁護士を解任したい旨を言ってきました。なんで?経緯を知らない私はこの段階で事情を聞き、ア○サさんの工作を知ったのです。なおかつア○サさんの賠償提示は間違った計算で、障害7級なのに8級計算となっており賠償額が少なくなっています。さらにBさんが「裁判をやめる」と返事した途端、最初の提示より低い計算書を提示してきました。

 ここでBさんもやっと目が覚めたようです。

 もう、Bさんに対しても大説教です。私の事だけ信頼するようきつく戒めました。
  そしてア○サさんには敵対宣言です。具体的には弁護士からア○サに対して保険金請求に関してBさんとの委任状を突き付け、今後Bさんへの接触を遮断しました。 これで味方であるはずの自身が契約している保険会社も敵となったのです。

 

裁判は事故相手の弁護士、そして自分が契約しているア○サと2者を相手取る戦いとなりました。

   つづく

GW特集 自動車保険の 「隠れ特約①」

2012/04/27

 ゲームの世界では「隠れアイテム」「隠れキャラ」などの言葉があります。これはゲームの製作者が意図的にその存在をマニュアル等に載せず、ゲームをやりこんだマニアにそれを発見させる楽しみを与えるものです。

 これがあるのです。自動車保険にも。

 いざというとき、つまり交通事故では自動車保険がもっとも頼りになる救済システムです。それは掛金を払っている契約者(加害者)はもちろん、相手(被害者)に対しても同様です。
 しかしこれから紹介する特約を知っている人はどれだけいるでしょう?私の聞き込みでは大手損保会社の数億円収保の大型プロ代理店、保険支払部門勤務30年のベテラン社員でさえこの特約の請求に遭遇したことがないそうです。この方達が勉強不足であるとは思えません。それほど珍しいケースなのでしょうか・・・。

隠れ特約① 無保険車傷害特約

 無保険車傷害保険とは(超簡単に説明します)・・・

 事故相手が自動車保険に入っていない、効かない、または保険は入っていても支払額が足りないとき、自分が契約している自動車保険から肩代わりして支払ってくれます。乗っていた車の保険が適用される方や搭乗中の方が死亡、後遺障害を負った場合に保険金をお支払いします。記名被保険者とそのご家族(別居の未婚の子を含む)についてはご契約のお車に搭乗中以外(自転車、歩行中など)の事故も補償します。加害者が負担すべき損害賠償額のうち、自賠責保険の保険金を超える部分に対して、被保険者1名につき2億円を限度に保険金をお支払いします。ただし、加害自動車に対人賠償保険が(足りない額だけど)ついている場合や他の無保険車傷害保険(特約)の適用がある場合は調整して支払います。
 

★ 現在、多くの保険会社は、人身傷害特約に加入している契約について、後遺障害のないケガの補償については人身傷害特約で対応し、後遺障害以上で無保険車傷害特約を適用する、といった区分けをしています。

 前置きが長くなりました。実例でお話します。  

実話 隠れ特約に翻弄されて

 親の自動車を勝手に運転した18歳の息子A君が歩行中の人をはねてしまいました。被害者Bさんは足を骨折、後遺障害7級となり、不自由な生活を強いられています。肝心の自動車保険ですが、この自動車には任意保険で対人賠償が無制限でついていながら、親の年齢にあわせて契約しているため「35歳未満不担保」です。つまり18歳の息子が運転した場合、保険が適用されません。 相手のC保険会社も「年齢条件が×なので・・・」対応してくれません。保険が効かないのです。そして当然この少年には貯金も財産もありません。親の親権者責任を問う歳でもありません。つまり支払い能力がないのです。
 相手の自賠責保険だけが残りました。しかしこの請求も誰かがやってくれるわけでもなく、一向に手続きが進みません。結果的に相手保険の代理店、相手が雇った弁護士が手続きを手伝ってくれました。そして最低限、スズメの涙ほどの保険金が支払われた後は梨のつぶて、相手からの連絡が途絶えました。それから3年、時効が迫るころに私に相談が舞い込んできました...
 
私:「相手が無保険ならご自身がご加入の自動車任意保険から無保険車傷害特約を適用することができますよ」
 
Bさん:「えぇっ?本当ですか? そんなこと弁護士相談でも聞きませんでしたよ」
 
私:「弁護士とはいえそれを説明できる先生は稀です。さらに保険会社は率先して教えてくれません」
 
Bさん:「しかし事故後、自分の保険会社ア〇サに何か救済方法はないか聞いたら、『人身傷害特約に加入していないので、支払える保険はありません』と言われました」
 
私: 内心(またか・・・) 「そこまで言って無保険傷害特約の存在を教えてくれないのは悪質ですね。私が電話しましょう」 

私: 「ア〇サさんですか?・・・・Bさんの件ですが無保険車傷害特約払って下さいな」
 
ア〇サ: 「人身傷害特約に入っていませんので・・・」
 
私:  「あのぅ、日本語わかります?『無保険車傷害特約』の請求をしたいんですが」

ア〇サ: 「少し調べる時間を下さい。折り返しお電話します」 ・・・翌日別の担当に代わり電話がきました。

ア〇サ: 「私が担当Dと申します。無保険車傷害特約は適用できます。しかし残念ながら保険金請求の時効2年を超過しておりまして・・まことに残念ながら・・・」

私: 内心(またそうきたか・・) 「しかし2年前、Bさんは『人身傷害特約』の請求相談で電話をしています。その時に『無保険車傷害特約』の案内はできましたよね?意図的に特約を隠ぺいしたと言われても仕方ないですね。」

ア〇サ: 「いえ、当時の対応した者が勉強不足で・・・ごにょごにょ」 そしてさらに担当が替わる。

私: 「もうあなたが最後ですよ!  つまり保険業法の重大な説明義務違反ですな。これ以上は金融庁に相談しますわ」

ア〇サ: 「いえっ(焦)、少しお待ちを」  ・・それから1時間・・ 「被害者救済のため特別に適用します」

私: 内心(あ~面倒くさっ、だからア〇サか) 「わかりました。請求書を送って下さい。それと『特別に』じゃなくて『当然に』じゃないですか?今後の対応しっかり頼みますよ」
 

 

 さてさて、このように無保険車傷害特約の支払は非常に珍しく、保険会社の社員、代理店もよくわかっていません。単なる勉強不足なのか、それとも意図的に『隠れ特約』としているのか・・・  そしてこれでBさんは救われた!とはいかず、さらに茨の道が待っていました。  つづく

物損事故のご相談

2012/04/12

 交通事故で愛車に損害を負い、自分のケガ以上に心を痛める相談者さんがいます。キズ一つつけず大事に乗ってらしたと思います。相手保険会社の対応は原則、現状回復です。つまり修理費をお支払いして終わりです。これは直接損害と呼び、保険会社のアジャスター(調査員)が車と修理箇所を確認にするため修理先に伺い、その修理先からの請求書が水増しや本事故以外の修理が加算されていないか、不正請求のチェックします。不正さえなければこのチェック段階でほとんど話はまとまります。

 最近の相談で困ったのは、「車の慰謝料がとれないか?」です。つまりせっかく無キズで乗っていた愛車を修理する羽目になり、心が痛んだ・・ということです。人により色々な考え方がありますので、まずは尊重してお話を聞きます。しかし「気持ちはわかりますが、車の修理での慰謝料を認めた判例は存在しません」と回答します。現実的に生じた費用として、格落ち損害や代車費用、その他生じる雑費について明確な明細書があれば請求できます。これらは間接損害と呼びますが、これすら保険会社は簡単に支払いに応じないのです。代車費用のみは代車の使用事実があれば支払いますが、これも過失が5%でもあれば認めないとはねつけます。

     

 話を戻しましょう。愛車の損害でショックを受けている相談者さんはいくら建設的な解決案を提示しても、感情論に固執してしまい前に進みません。困ったものです。
 また格落ち損害も新車からせいぜい3年経過の高級車なら交渉して請求する意味もありますが、登録7年超の小型車や軽で格落ちを請求したい相談者もいます。理論的には修理費40万位で全損となるとして、その30%の12万の格落ち代の請求?しかし判例でも古い小型車の格落ち損害はあまり例がありません。なぜなら裁判で争うような金額ではなく、大がかりな争いになる前に解決しているからです。経験上このケースはかなり頑張った交渉で半分の6万を修理費に加算してお茶を濁します。

 そんなわけで私は物損事故のみ、とりわけ小損害の相談案件は受任はしない方針です。この数万の請求の為に相談費用をお預かりするのは恥ずかしいからです。また肝心の賠償交渉自体、行政書士はできません。近年弁護士費用特約の加入者は、自腹が痛まないのでこの特約を使って僅かの請求でも弁護士、行政書士に頼もうとします。
 
 弁護士費用があるから・・・このような考え方で安易に代理人を使う。あまり上品な行いには思えません。

 また暮れに偽装事故と思われる被害者が保険会社に修理費の賠償請求を起こしましたが、この不正者(の疑い濃厚)は弁護士費用を使って弁護士をたててきました。受任した弁護士先生の名前は挙げられませんが、法律より社会性を(人を見る)勉強してほしいものです。

※ 弁護士費用特約 参照→http://www.jiko110-akb.com/diary/1845.html 

異議申立について語る 2

2011/11/24

 つまり「自身が何等級であるか」分析する冷静さがないとダメなんです。そして認定理由を理解し、第3者が納得できる文章を書く国語力が必要です。
 実践的な話に移ります。
 

■ 異議申立の進め方

① 認定理由をよく読む

 残存する症状についてなぜ認められないか、症状別に細かく書いてあるはずです。そこをしっかり読み取って下さい。

 例えば、「頚部が痛い、重い」 「腕がしびれる」 「関節が曲がらない」 「めまい、吐き気がする」 ・・・これらは自覚症状です。世の中の人間がすべて天使のように清純であればいいのですが、残念ながら嘘の症状、大げさな症状を訴える被害者も少なくないのです。審査する側はまず疑ってかかっていることを肝に銘じて下さい。つまり「どの主張が信じてもらえなかったのか?」を抽出します。

② 自覚症状と他覚症状を結び付ける

調査事務所 お決まりの非該当決め言葉 1
「同部に骨折、脱臼等の損傷が認められず ~ 自覚症状を裏付ける客観的な医学的所見に乏しいことから、自賠責保険が認める後遺障害には該当しないと判断します」  
 
 否定の理由はようするに他覚的見地が乏しいのです。これはずばり医師の診断、検査・画像所見の不足を指します。

 ・ 不足している検査はないか 
  神経麻痺なら筋電図や神経伝達速度検査が行われていたか。

 ・ 症状を裏付ける画像は   
  骨折の場合レントゲンでOKですが、筋損傷はMRIじゃないと写りません。

 ・ 可動域制限が正しい計測か
   間違った計測は測り直す必要がありますが、そもそも器質的損傷が伴わないのに「曲がりません」と言っても信じてもらえません。

③ その症状はいつから?

調査事務所 お決まりの非該当決め言葉 2
「これらの症状の出現時期は少なくとも受傷から約○日経過した平成○年○月○日以降と捉えます ~ したがって本件事故との相当因果関係を有する障害と捉えることは困難なことから、自賠責保険が認める後遺障害には該当しないと判断します」
 
 これが一番やっかいです。受傷当時に医師が見逃した為に症状の発見が遅れたケースです。最近頻発しています。
 症状の出現時期までの経過日数が長ければ長いほど絶望度は高まります。この場合、受傷当時からのカルテを回収し、せめて自身が痛みや症状を訴えていた時期を特定し、切々と確定診断が遅れた状況・理由を説明していくしかありません。
 この項目がもっとも調査事務所からの信用度合が試されると思います。

④ 漏れている症状はないか

 複数のケガの場合、大きなケガの認定にスポットがあたり、見逃されている症状があります

 ・ 神経麻痺の場合
   足首の可動制限だけか?足指の可動制限が見逃されているケースがあります。

 ・ 前腕骨の骨折で癒合良好 
   しかし痺れ、手首の可動制限が残っている場合、橈骨神経麻痺を精査します。

 ・ 高次脳機能障害が認定   
   体の麻痺等の症状をすべて高次脳の等級に含めますが、嗅覚脱出やめまいなどを別系統として併合する余地あります。
 

 自信がなければ専門家に依頼するのも良いと思います。特に異議申立てに熱心な事務所も存在します。異議申立ての成功率も7割を超える優れた先生もいるそうです。

 最後に、 原則 異議申立ては受任しません。
                                                            

異議申立について語る 1

2011/11/22

 原則 異議申立ては受任しません。

 しかしどうしてもやらざるを得ない気の毒な被害者さんも存在します。極めて限定的ですがお引き受けすることもあります。私たち協力行政書士や連携弁護士は仕事の基本を、「受傷から解決までを間違いなく案内する船頭たるべし」としているからです。
 
 ご自身で動き、つまづきがあった結果、かなり厳しい状態からのスタートになります。幸い異議申立てに積極的な事務所も多いので、そちらへご紹介していこうと考えています。

 さて、それでも今年数件の異議申立て、再異議申立て、自賠責紛争機構への異議申立てといくつか手がけました。作業として最初に「なぜこの等級が認められなかったのか?」を分析します。そこで失敗続きの原因が浮き彫りになります。そして決まりきった失敗パターンの存在に気づきます。
 

■ 異議申立てが不調となる理由

・ 非該当もしくは認定された等級の理由書をよく読んでいない。

 自賠責保険調査事務所は必ず「理由」を明示しています。自賠法16条の4および5 (最下段参照)で決められているからです。ですからその理由に対しての反論が必要です。それなのに「なぜ私のケガが○級なのか!非該当はおかしいのではないでしょうか!まったく理解できません!審査に納得がいきません、どうしてなんでしょうか?」・・・単に怒っている、愚痴をいっていっている、文句を言っている、再質問をしている類の文章が多いです。理由を理解しない被害者です。これでは会話になりません。

・ 矛先がずれている

 自賠責調査事務所は後遺障害等級の判定・認定をする機関です。なのに今まで担当してきた任意保険会社の対応について切々と恨み言を書くケースです。確かに怒り心頭なのはわかりますが、異議申立てはあくまで後遺障害等級の認定内容についてのはずです。任意保険会社の対応云々は関係ありません。さらに現行の保険制度・医療制度批判まで、つらつらと持論が展開されます。もう自分の障害を立証したいのか、社会正義のために立ち会上がったのか、さっぱりわかりません。
 当然調査事務所も内容を審議せずに「異議申立却下!」です。
 

・ 新しい医証がない

 すでに提出した画像や診断書で判定された結果なので、同じものを提出して「もっとよく見てよ!」といった異議申立てをしても空しい結果となります。新しい主張は新しい診断・所見、提出からもれた画像、医証をもとに展開する必要があります。それでこそ再度の審査につながるのです。同じことの主張を繰り返しても時間の無駄です。

 
 異議申立てによる上位等級の認定率は14%程度です。この厳しい壁を超えるには誰が見ても納得の道理、理論、証拠が必要です。調査事務所の審査も人間である以上、間違いを犯す時があります。しかし単純なミスは極めて稀なケースで、よく審査されているなぁ、と感心することの方が多いのです。また明日も異議申立てについて語ります。

 

<自賠法 書面の交付>

16条4-1 請求時の書面の交付

保険会社は、保険金の請求があったときは、遅滞なく支払基準の概要・保険金支払い手続きの概要・自賠・共済紛争処理機構の概要を記載した書面を交付しなければならない。

16条4-2 支払時の書面の交付

保険会社は、保険金等の支払を行ったときは、遅滞なく、事故年月日・傷害・後遺障害・死亡による損害ごとの支払金額、後遺障害に該当するときは、該当する等級と判断理由等を記載した書面を交付しなければならない。

16条4-3 支払を行わないときの書面交付

 保険会社は、保険金を支払わないときは、遅滞なく、事故状況の概要・無責と判断したときは、その理由、事故により損害が発生していないと判断したときは、その理由、悪意免責と判断したときは、その理由等を記載した書面を交付しなければならない。

16条5-1 書面による説明

 保険会社は、書面を交付した後に、被害者から書面による説明を求められたときには、30日以内に書面により説明しなければならない。

ご自身の保険は? 傷害保険の日数協定

2011/11/08

 昨日の相談者を通じて実感しました。ご自身加入の自動車保険はもちろんですが、他にご契約の傷害保険、生命保険、共済も精査することです。

 その被害者さんの場合、職場でなんとなく団体加入していたSJ社の傷害保険を精査した結果、通院90日で99万円(日数協定 ※ がありそう)、後遺障害14級認定の場合、78万円にもなります。事故相手の保険会社に対して、苦労して賠償金を獲得することがメインの仕事ですが、ご自身の保険会社には診断書を郵送するだけで177万もらえるのです。

 この辺のアドバイスは保険業20年の私にとって「餅は餅屋」なのです。

 やはり事故解決には相手の保険会社はもちろん、自身契約の保険会社も密接な存在です。

 まず「使える保険を洗いだす」ことが基本ですよ!

 
※ 日数協定

 保険のパンフレットに 通院一日あたり 3000円 なんて記載があっても、約款の表現は少し異なります。一日あたり3000円は目安であって、症状の度合い・既往症の有無・ケガの部位・年齢 等で調整しますと書いてあります。つまり保険会社独自の判断が加味されるのです。したがって実務上では90日全日通院しても7割の63日分の保険金しか支払われない事があります。

 パンフレットにも小さく

 「ただし平常の業務または生活に支障がいない程度に回復したとき以降の通院はお支払いの対象になりません」 とあります。
また「頚部症(むち打ち)、腰痛などで医学的他覚的所見のないもの」も日数協定の対象です。

 なんか話と違うぞ、と思いますが、以下の実例を踏まえるとやや納得です。
 

<実例>
 例えば30才でバリバリ働いている営業マンのAさん、交通事故で足を骨折しても会社を休むわけにはいきません。足をギブス固定、松葉杖をつきながら仕事は休まず、合間に通院です。したがって通院合計30

休んでられないよ~

 
  一方、同等のケガで通院している70才のBさん。仕事はリタイヤしていますので毎日通えます。しかも高齢なので骨の癒着も若いAさんの2か月に比べ、半年以上もかかりました。 結果、通院日数合計は支払限度の90オーバー。

 保険金はAさん、Bさんに3倍のひらきが生じてしまうのです。これらの不公平感を縮小するためというより、実情を反映した認定をする為に日数の調整が必要となります。

 保険会社の調整例・・・
 
Aさん: 長管骨のギブス固定があったので、通院していない日も含め、ギブス固定期間は全日
     通院日としました。

      したがってギブス固定期間30日+その後の週2回実通院日の合計20日で50日分支払い

Bさん:一定期間以後は生活への支障は少ないとして、

       90日×7割調整で63日分支払

 
 傷害保険の上級知識です。特に長管骨ギブスの固定期間は実通院日とみなす、は覚えておいて損はないと思います。

事故報告義務と弁護士費用特約

2011/09/27

 昨日の「別居の未婚の子」で言い足りなかった事を続けます。
 

<相談実例>

 横断歩道を歩行中、自動車に跳ねられ、大ケガをしました。治療は2年にも及び、ようやく症状固定、後遺障害の申請に入ることになりました。そして認定された後遺障害等級に納得がいかず、異議申立を計画しています。さすがに専門家に頼るべきと思い、お金(報酬)がかかってしまいますが行政書士に依頼しました。かれこれ事故日から3年以上が経過しています・・・
 

★ 秋葉の対応 1

 この方は30代、東京で一人暮らしで、自動車を持っていません。当然自動車保険の弁護士費用特約はありません。

 しかし婚姻歴がないこと実家で両親が自動車に乗っていることに注目・・・つまり「別居の未婚の子」が成立します。その場で実家に電話してもらい、ご両親がご加入の自動車保険を調べていただきました。

 しかし3年以上も前の事故ですので、その事故日に対応する3年前の保険契約です。証券はとっくに処分しています。ご両親も「弁護士なんとか特約?に加入してたかなぁ??」と。

 仕方ないので、その保険会社に電話して、当時の契約内容を調べてもらいます。

※ ここで問題になるのは、保険請求の「報告義務違反」と「時効」です。

a 「報告義務」・・・事故が起きたら60日以内(各社による)に事故報告をして下さい。
           (この義務に違反したら保険が払われないこともあります)

b 「時効」・・・保険金請求権は3年行使しないと無効となります。

 しかしこの点において、保険会社の対応は弾力的で、犯罪性や悪意がなければ問題なく、保険金支払対応してくれます。またこの場合の「時効」の起算日は自賠の後遺障害等級の認定日(1年前位です)となりますので、まず大丈夫です。

 かくして、行政書士報酬、弁護士報酬とも支払われることとなり、相談者も安心して専門家に依頼ができます。
 

<まとめ>

 当HPをご覧の交通事故被害者の皆さんはもちろん、弁護士先生方へも提言です。           

         「弁護士費用特約の適用、あきらめないで!」

                          

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