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医療


急な仙台出張、「個別の事情」を追って・・

2012/04/16

 早朝に病院同行、しかも仙台(から二つ目の駅)なので、当日の新幹線では間に合わず、前日の日曜から現地入りで泊まりでした。
 この案件はすでに等級が確定し、弁護士に引き継いだ案件です。しかし自賠責の認定内容からさらに上位等級を目指しています。それは諦めきれない事情があるからです。まだ進行中の為詳しくは言えませんが少し語ります。

 自賠や労災での審査は平均的、画一的な審査基準なので「個別、特殊な事情」には対応しきれないケースが起きることがあります。例えば骨折癒合後の関節拘縮がその一つです。

 骨折後、骨がくっつく間、骨折部が肘や膝であった場合、しばらくの間は固定の為に関節を曲げることができません。固定が長期となれば、長い間曲げない関節は固まって曲がらなくなります。したがって引き続き回復のためのリハビリが必須となります。

 ここで順調に関節の可動が回復すれば問題はないのですが、関節部分の骨、顆部とよびますが、ここが骨折した場合、関節可動の完全回復は難しくなります。それが高齢者や持病をもつ患者ではリハビリの制限からより深刻となります。また今回のケースでは複数の受傷が相まって可動制限がおきました。これは現状の審査基準では判断不能なのです。

 印象としては自賠責調査事務所は骨折、靭帯損傷の程度から関節可動域の回復具合の目安を想定しているようです。例えば健側(ケガをしていない方の腕、足)に比べ患側(ケガをした方の腕、足)が2分の1以下の可動制限となり、「10級だ!」の申請に付しても、「この程度の損傷ではそんなに曲がらなくならないでしょ」と12級~14級におとしてきます。

※ この判断は骨折より靭帯損傷の場合によく見られます。確かに靭帯損傷が僅かの場合、自然治癒し、可動制限も深刻とはなりません。逆に靭帯が完全に断裂したとなれば手術で回復を図ります。そして後遺障害は可動域制限ではなく異常可動=動揺関節となるはずです。 
 
 もちろん本人のリハビリ不足=治療の努力不足は責められるべきと思います。しかしそれを自己の責任ではない高齢者や持病者、特殊なケースに当てはめることができるでしょうか?「個別の事情」とはそのことです。

 だから諦めないのです!無報酬、手弁当で新幹線に乗ります。私の仕事は利益の追求だけではなく、信念・執念で動く事もあるのです!・・・まぁ、たまにあります。
 

 おかげで関東で見損なった桜満開を東北にて満喫。プチ出張はいいもんです。

 
今回のお宿 震災の影響で少し傾いている? 
昔ながらの宿です。ビジネスホテルよりこの風情に萌え~です。ご主人、おかみさんには大変親切にしていただきました。ありがとうございました。

排尿障害の検査 3

2012/03/23

 前日の基本となる3つの測定に加え、症状によってさらに特殊な4つの測定を行うことがあります。

 実施する測定項目は専門医の診断により選定します。「専門医+ウロダイナミクス検査の設備」のコンビを備えた病院の確保がなにより重要です。
 

 ④ 膀胱内圧・直腸内圧・尿流同時測定

・膀胱内圧測定に圧を測定するトランスジューサー(電位計測装置)の数を増やすことで、より統合的な尿流動態検査が可能となります。

・排尿筋圧=膀胱内圧-腹圧(直腸内圧)、排尿筋圧を算出することで、(腹圧の影響を除いた)膀胱壁による圧力のみが明らかになります。これにより、咳、体動、いきみ、手洗いなどで誘発される膀胱の不随意収縮を正確に認識し、排尿筋過活動を同定することが可能です。
 また、排尿困難があり、いきんで排尿している場合には、排尿時の膀胱内圧の上昇が腹圧による見かけ上のものか、あるいは排尿筋自体が収縮しているのかを鑑別できます。

・外尿道括約筋筋電図を同時に行えば、排尿筋・括約筋協調不全(DSD)の診断ができます。

・ビデオ・尿流動態検査:尿流動態の検査とともに、膀胱尿道造影のX線透視画像を同一画面上に表示・記録する。排尿筋・括約筋協調不全(DSD)の診断ができます。

 
漏出時圧(leak point pressure)測定

・膀胱内圧・直腸内圧・尿流同時測定時に排尿筋収縮または腹圧上昇のいずれもない状態で尿失禁が起こった時の圧。腹圧や咳を負荷して施行することもあります(腹圧下漏出時圧)。

・排尿路の閉鎖機能の評価に有効となります。

 
尿道内圧(urethral pressure)測定

・機能的尿道長(FPL):女性において尿道内圧が膀胱内圧より高い部分の尿道長。


・側孔のあるカテーテルで、膀胱に蒸留水もしくは生理食塩水を注入(2∼10mL/分)しつつ、一定の速度(0.7cm/秒)で引き抜きながら圧を経時的に測定。尿道全長にわたる内圧が灌流圧の変化として記録されます。

・測定部が膀胱内に位置する時には膀胱内圧が測定され、膀胱頸部を通過すると尿道内圧が徐々に上昇し、外尿道括約筋の位置で最大になり、ここから外尿道へ至る区間で減少していきます。

 
内圧尿流検査

・排尿時の下部尿路機能評価を目的に、排尿筋圧(膀胱内圧-腹圧)と尿流率の2つのパラメータを同時に測定します。
 

(引用文献)
「下部尿路機能ポケットマニュアル」
信州大学医学部泌尿器科助教授 井川 靖彦 先生 石塚 修 先生   
 
 
 本日は夜から翌日の首都圏相談会の会場に入ります。日曜日は都内で打ち合わせ。ホテル暮らしの週末が続きます。
 
 
 

 

排尿障害の検査 2

2012/03/22

  ウロダイナミクス検査とは、排尿時の膀胱(膀胱内圧・排尿筋圧測定)と尿道(尿道括約筋筋電図)の働きを同時に記録することにより、排尿障害のタイプ(病型)を診断する検査です。従来の膀胱内圧検査を含み、様々な病態を計測することが可能です。

 蓄尿から排尿終了までの間の膀胱内圧、腹圧(直腸内圧で測定)、排尿筋圧、外尿道括約筋活動、尿流などを測定し、排尿障害の部位や程度を総合的に診断します。その7つの測定項目を順番に解説します。

 
尿流測定(uroflowmetry;UFM)

・排出障害の有無と1回排出量、最大尿流率がわかる。最大尿流率が15mL/秒以下で排尿困難とされます。

・尿流率は年齢、性、排尿量の因子に左右されることを念頭に置きます。男女とも、排尿障害の有無に関わりなく、高齢になるに従って尿流率は低下し、また、一般に女性のほうが男性より尿流率がやや高くなります。

膀胱内圧測定(cystometrography;CMG)

・経尿道的にダブルルーメンカテーテルを挿入し、一定の速度で膀胱内へ注水し、蓄尿時∼排尿終了までの膀胱内圧を測定します。

・尿意の程度、最大膀胱容量、排尿筋過活動(不随意収縮)の有無や程度を観察します。

・患者が最大尿意を訴えても膀胱内圧が低く保たれていれば、膀胱内へ注水を続けて排尿筋過活動が起こるか確認します。

外尿道括約筋筋電図(electromyography;EMG)

・針電極を尿道括約筋に直接刺入、もしくは表面電極を肛門括約筋あるいは会陰に設置し、付近の筋肉の蓄尿時および排尿時の電位を測定します。

(引用文献)
「下部尿路機能ポケットマニュアル」
信州大学医学部泌尿器科助教授 井川 靖彦 先生 石塚 修 先生 著

明日に続きます。

排尿障害の検査 1

2012/03/21

 先日の弁護士研修会の最終日に「排尿障害の検査」について20分ほど講義をしました。

 排尿・排便障害は腰椎圧迫骨折や仙骨骨折の場合に発症するケースが多く、脊髄の腰~お尻の部分=馬尾神経が病原となります。この神経に圧迫、損傷があると下肢のしびれ、歩行障害と並び排尿・排便に異常が起きます。稀に頚髄(首の辺りの脊髄)損傷でも発症します。このように腰椎捻挫、むち打ちを原因として排尿・排便障害に悩まされる被害者さんを多く経験しています。

 研修会での発表は事故後に「おしっこが出辛くなった、回数が異常に増えた」被害者が行った専門検査の紹介です。これは広義には膀胱内圧検査と知られています。しかし多くの泌尿器科ではあまり積極的にこの検査を行いません。「おしっこが出ないからここ(病院)にきたんでしょ?」=「今更出ないことを検査してどうするの?」・・・このような受け取り方なので、検査は限定的な場合しか行いません。

 しかし!

 お医者さんは患者について「おしっこがでない」事を疑いませんが、保険会社、調査事務所や裁判官は証拠を出さなければ当然ながら信じません。立証上、検査は必要なのです。 

 さらに!検査の必要性はそれだけではありません!!

 昨年お会いした泌尿器科の専門医の考えは違っています。排尿障害といっても内圧の不調によるものか、括約筋の不全を原因とするのか原因は一つではなく、それに見合った治療が必要であると指導しています。
 例えばカテーテル(導尿パイプ)を使用している閉尿(おしっこの出が悪い)の患者に対し、おなかを押して排尿を促すような指導が実際に行われています。この場合、閉尿の原因が括約筋不全であるなら逆効果で、さらに増悪する危険性があるそうです。数十年前の知識で治療をしている泌尿器科医も多く、間違った治療と相まって検査の重要性の認識が希薄なのです。

 現在、膀胱の内圧を計測するだけではなく、いくつかの検査を総合した「ウロダイナミクス検査」が最先端です。しかし町の泌尿器科の多くは設備がありません。大学病院クラスの検査先の確保が必要です。

 明日から「ウロダイナミクス検査」を解説します。研修では詳細まで踏み込む時間がなかったので、ここで責任回答させていただきます。

    ← 男性用導尿カテーテル
   

医師の診断力

2012/03/09

 最近の業務日誌は医療・医師に関する意見が多いような気がします。今日も少しばかり。

 まず誤解なく言わば、ほとんどの医師は患者を救うため現場で必死に取り組んでいます。実際先日お会いした産婦人科医から実情を聞きました。自らの命を削るような勤務時間で医師がバタバタ倒れています。産婦人科、小児科の医師不足は危機的です。
 
 それは別の問題として・・・

 仕事柄、整形外科医との接触が最も多いのですが、困った先生のパターン・・・「様子をみましょう」とはっきりと診断できない、もしくは「これは〇〇の疑いです」と検査もせずに安易な診断をする、「他院で診てもらうなどけしからん!」とセカンドオピニオンを否定する・・・ これらは結果的に誤診につながります。時計を見ながら、いい加減に患者をあしらっている医師は一目でわかります。

 これは医師の力量=診断力の有無を責めているのではありません。患者のために何が最適か、これを忘れてしまった医師を指摘しているのです。もし自らの診断に自信がなければ患者のためにセカンドオピニオンを推奨すれば良い、疑いのある症状はきちんと検査をすればいい、そして限られた時間であっても患者をよく観察する・・・
 今までお会いした良いドクターはそれらの対処を自然に行っています。患者の言うことを聞いてさっさと検査手配してくれる、他の医師への紹介状をささっと書いてくれる、これだけで患者からの信頼は絶大です。このような医師の姿勢のおかげで早期回復や後遺障害立証が容易になります。

 しかし現実は受傷からあまりにも時間が経ってしまい、私たちが必死に医師に取り付いてフォローしても「時すでに遅し」が多いのです。もし間違った診断をされても、頑な医師は絶対に非を認めて直すことをしません。治療経過と診断はカルテ、レセプトに残ったまま、覆すことは困難となります。

 やはり、医師を選ぶ目を患者は持たねばなりませんし、不安があったら早期に専門家に相談すべきと思います。問題がはっきりしてからでは遅いのです。

                 

 行列のできる医師ではなくとも、患者の気持ちを汲んでくれる医師なら患者はついていくものです。

 最近、交通事故被害者・相談者さんになんとお医者さまが2名おります。おかげで色々勉強させていただいています。

  

医師の診断が患者を左右します

2012/03/02

 事故後こんな症状に悩まされる患者さんがいます。
 頭痛、だるい、めまいや吐き気、不眠、耳鳴り、手のしびれ・震え、無気力、ぼーっした状態・・・不定愁訴です。これらは自律神経失調症の症状と重なります。交通事故のムチ打ちでたまにこのような症状を示す方がいます。整形外科での治療に加え、バレ・リュー症候群の治療を併用する必要があります。神経ブロックを試み、交感神経の暴走を抑えることにより快方へ向かわせます。

 しかし、これらの不定愁訴を訴えても、医師の診断によってはあらぬ方向へ行ってしまう患者もおります。例えばXP画像上、骨に異常がないと・・・「気のせいです」と言って、神経学的検査、MRI検査をしません。そしてしつこく症状を訴え続けると・・・「心療内科、精神科への紹介状を書きましょう」となります。精神病患者の出来上がりです。
 また、大学病院で精密検査を行い、脳神経科、眼科、循環器科とどんどん検査を進めていきますが、決定的な傷病名が見つかりません。そしてめったにない奇病・珍病へ・・・MTBI、脳脊髄液減少症、RSD、重症筋無力症・・・なんで単なるムチ打ちでなんでこんな重傷・奇病になってしまうの?

 これら病院巡りしている患者さんが本当に多いのです。昨日もご指導いただいているY整形外科医とこの話題になりました。被害者をお連れしたのですが、Y医師は流れるように神経学的検査を行い、こう診断しました。「頚部から上肢にかけての過緊張がもたらすもの、そして薬の大量投与の影響」。そしてK点ブロック(硬膜外ブロック)を試み、後日ペインクリニックの専門医の診断、MRI検査の指示をしました。そして強い薬、飲んでも改善のない薬は一切やめるように言いました。極めて穏当な処置と思います。今後、K点ブロックもしくは星状神経節ブロック、K点マッサージ、指圧などの緩和処置の効果が出てくるはずです。

 患者が自らの不安で訴える症状に過度の診断名をつけてしてしまう医師がおります。もちろんこれらの医師が言う診断は「〇〇の疑い」に過ぎないのですが、患者も精神的に弱っていますので、変な傷病名にすがりついてしまうのですね。

 私も立場上、患者の自覚を指摘することが多いのですが、今日は医師についても言いたいです。「〇〇の疑い」程度で変な診断をしないでほしいと思います。その傷病名で患者の頭が一杯になり、薬の大量投与はもちろん、病名に精神的に執着してしまいます。結果、保険会社からは精神病・詐病扱い、職場での信用失墜、家族ともうまくいかなくなり、気落ちして症状も改善が進まない・・・悪い方向へ一直線です。

 Y医師のように正しい判断、処置をしてもらわないと困るのです。ペインや神経学について、より整形外科医の理解が進むことを願うばかりです。

医証の信用担保

2012/03/01

 先日の講義で、弁護士から医証の信頼度について質問・指摘がありました。

 私が収集した診断書、検査資料について「裁判上で、その信頼性、信憑性を問われないか?」です。

つまり法律家が深く関与した医証について、その恣意的な意思が色濃く入り込み、裁判官に疑いを持たれないかということです。

 確かに被害者と医師の間に入り、医証の作成をフォローする私たちにとって重要な指摘と思います。あまりに被害者に肩入れした結果、少しでも有利な検査資料へ誘導しがちです。これは被害者から依頼を受けた以上自然な流れですが、それを恣意的な資料と判断されては元も子もありません。
 
 講義での私の回答を補足・整理してもう一度言及します。

 私たち協力行政書士が連携する医師・治療先とは、癒着した関係ではありません。それは以下のように厳しい目で医師を評価をしているからです。
 

① 高度な診断力

 「様子をみましょう」と言って神経学的検査をしない、傷病名を決められない、時間がなく患者の話をよく聞いてくれない、このような医師は私たちというより患者のためになりません。
 まず医師としての腕、つまり適切な判断・治療ができなければ信頼はできません。

② 高度な倫理感

 患者や私たちの意見を聞きすぎる、患者もしくは保険会社に肩入れしすぎて公平性が保てない。自由診療と健保診療で露骨に差をつける。不道徳、利益優先な医師の書く診断書はいずれメッキがはがれます。
 自らの揺るぎない判断、責任で診断・検査を行う医師を信頼しています。

③ 高度な人間性

 後遺障害立証にまったく協力的ではないということは、つまり患者に対する責任感、愛情を持てない医師です。またセカンドオピニオンを推奨できないのは唯我独尊の表れです。医師に限らずどの職業も留まるところその人間性が問われます。
 神がったすばらしい精神を持った「先生」は全員、謙虚。誰に対しても態度を変えず、礼儀正しいです。出会うと感動しますよ。

 
 このように医療先確保とは終生尊敬すべき人との出会いであり、簡単ではないのです。

 こちらの都合で診断書を書くような 「軽薄な医師」 を探しているのではないことを強調します。

 医証の信用担保とは 「信頼できる医師」 との共同作業の結果なのです。

     

今日も遠征、そして画像断について

2012/02/29

 おはようございます。今日は4年に1度の2月29日ですね。

  昨日は研修会の事後に関する挨拶や相談、問題処理に忙殺されました。来月も引き続き実り多い勉強の場にしたいものです。

 さて、既に月曜から病院まわりは続いています。今日は神奈川県藤沢市~埼玉県川越市、移動距離もけっこうなものです。その合間、移動時間に様々な事務を消化させます。日々の足を使った業務が強固な医療ネットワークを作り上げるものと思います。頑張らねば!
 

 先日、講義でレントゲンやMRIの画像断について解説しました。絵が下手だの不評を買いましたので、少しリベンジ。ネットでよい絵を見つけました。

        ← これじゃダメか・・・
 

赤: 矢状断          青: 冠状断        緑:水平断
   (Sagittal plane)       (Coronal plane)      (Transverse plane)

         

 
 読影医と会話をする上で基本知識です。これだけは押さえておきたいところ。
  

医師チェック!

2012/02/08

 骨折の場合、医師は当然XP(レントゲン)を写して骨折箇所を確認します。

 そして骨の癒着を観察するために定期的に撮影が続きます。

 中には無駄とも思える回数の撮影を続ける病院もあります。これは点数(医療費稼ぎ)のためとも思ってしまいますが・・・。

 さて、半年~1年後、骨の癒着がなされ、いよいよ症状固定です。しかし、痛みの残存がひどい、関節が曲がらなくなった、しびれがあって指がよく動かない・・・なにかと症状が残る場合があります。

 そこで、「医師チェック」です。

手首の骨折を例にとります。以下の回答例を参考にして下さい。

Q) 先生、痛くて手首がよくまがらないのですが・・

Bad Dr.) 骨はきれいにくっついたんだから、リハビリを頑張って

Good Dr.) 関節硬縮ならリハビリの努力が必要です。しかしTFCC(手首の繊維状軟骨)損傷の可能性もありますので、念のためMRIを取ってみましょう。

Q) 先生、手の平から指にしびれがあるのですが・・

Bad Dr.) 薬をだしておきましょう

Good Dr.) 手根管症候群かもしれません。検査をしてみましょう。(即、チネル、ファレン検査をします)

Q) 先生、指がよく動きません

Bad Dr.) これは橈骨神経麻痺なんだから完全回復は無理だよ。できるだけよく動かすことだね。

Good Dr.) 筋電図、神経伝達速度検査を行い、神経科、リハビリ科の専門医の診断を仰ぎましょう。

 以上は実際にあった例です。

 私は立証する立場から患者と接していますが、「骨をくっつければ俺の仕事は終わり!」という整形外科の先生にしょっちゅう出くわします。患者も医師を盲従せず、自分で自身の症状を観察し、適切な治療へ進める意識が大切だと感じてしまいます。

           

原因不明の症状

2012/01/25

 器質的損傷がないとき。

 器質的損損傷とは骨折、靭帯損傷、軟骨損傷など目に見える(レントゲン、MRIに写る)ケガのことです。

 交通事故外傷ではしばしば、これら目に見えるケガがないのに痛みや痺れなど不調を起こすことがあります。そして自分しかわからない苦しみを抱え、医師の治療も効果が表れず、立ち往生してしまいます。相手の保険会社からも「嘘のケガ?」と疑われて、ますます精神的にも衰弱していきます。

 現在、医学や検査方法の進歩によって、神経麻痺や自律神経の失調など検査、診断が可能な傷病名もありますが、すべての症状が解明されたわけではありません。「私は脳脊髄液減少症、MTBI、CRPS、胸郭出口症候群なんです」・・・お医者さんでもめったに口にしない傷病名をすらすら挙げてくる被害者さんもいます。もちろん医師から確定的な診断をされたわけではありません。現実に専門医からそのような診断を受けることは稀なのです。その中には心身症、心の病気の範疇に入る方も残念ながら大勢います。

 患者が一番不安な事・・・それは原因不明の症状に悩まされ、処置の方法、改善の希望が見えないことです。だから(珍しい)傷病名にすがりつくことになります。
  もちろん、原因の精査・検査、専門医の診断を仰ぐことは大事です。しかしそれでも原因を特定できないこともあるのです。

 やはりケガを克服するのは患者本人です。病院も薬もそれを助ける手段でしかありません。いつまでも「気の毒な被害者」で落ち込んでいてはいけないと思います。傷病名にすがりついて安心するより、前向きに不調と付き合い、しっかり治療をこなし、早く社会復帰してもらいたいと思います。
 
                     

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