この解釈では私の本を買ってしまった先生、研修に参加してしまった先生への案件紹介は非弁提携とされてしまうのです。

 他の例に当てはめると、弁護士事務所と契約して事務機器を常時納品している業者さんがPL訴訟の代理人をこの弁護士事務所に依頼、受任したら・・紹介の対価を得ていることになり、この契約関係は違法となります。これでは世の中の経済活動はストップしてしまいます。これはあまりにも極端な法解釈で、立法趣旨からも逸脱しているように思います。

 判例によると、紹介と利益供与が「特定の相手」と「反復継続」しているかが適否のポイントのようです。一度きりの紹介、たまたまの書籍購入・研修参加ならセーフとなります。しかし、困ったことに出版・研修は続いていくのです。一度でも本を買ったら、研修に参加したら・・案件の紹介はできなくなります。もしくは、案件を紹介した弁護士は著書購入禁止、研修参加謝絶とするしかありません。もう訳がわからないです。

 ここまで利益供与を厳格に判断する必要があるのでしょうか?書籍については不特定多数の購入者など把握できません。研修参加した弁護士のほとんどは案件のやり取りなど皆無の知らない先生です。要するに、案件の紹介は特定の弁護士とはならないのです。
 また、印税は一冊せいぜい150円( しかもたいして売れない(泣) )、講師代も数十時間かけてレジュメを作成し、2日間喋り捲った結果、1人の参加者からは1万円に届きません。金額の大小の問題ではないのはわかりますが、あまりにも常識からかけ離れた、馬鹿げた法適用です。法解釈が世間一般の常識を超えていると思います。
 

 あれはダメでこれはOK、結局、相対的解釈ばかりなのです。おまけにこの手の議論は弁護士先生によって解釈が正反対、バラバラです。常識判断では済まない法律解釈の深淵を覗くが如しです。そこに民間企業の常識が通じない、業界の不可思議さを感じます。これをグレーゾーンと呼ぶのであれば、倫理と常識から判断すれば明確に白黒がつくのになぁと思います。

 弊事務所では日々、大勢の弁護士先生と案件のやり取りをしていますので、その関係に非常に神経を使っています。事実、連携先の弁護士とは個人的な飲食すら控えているのです。一方的な贈答品の関係もありません(おかげで何十人の弁護士と連携して仕事をしていますが、弁護士のお友達は一人もいません(泣) )。なんで弁護士とだけにこのような過緊張な関係を強いられるのでしょうか。
 
 やはり問題の本質=立法趣旨から逸れています。そして、忘れて欲しくない事は「被害者救済」という根本原理です。これが根底にある限り、ぶれることはありません。行いが正義に根差していれば、おのずと法解釈も定まるように思うのです。

 
※ 本記事は想像以上に反響が多く、多方面への配慮から誤解のなきよう、今週一週間の間に追記・修正を重ねました。時を同じくして関西で懲戒請求を受けた行政書士のニュースが入りました。私はこの先生の違法・適法の判断を語る立場にはありません。しかし、少なくとも不当・不法業務にてグレーゾーンで暗躍している士業者や業者が存在することは事実です。このような輩の跋扈が法の解釈を極端に厳格にしている原因と思います。
 

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