あたり屋とは、以下の説明の通り、事故を装ってお金をせしめようと画策、それをほとんど生業としている人です。偽装事故による詐欺は様々ですが、、ここでは名前のごとく、体を張って損害を請求する「あたり屋」の手口と末路についてお話ししましょう。
 
○ あたり屋とは? (wikipediaから引用)

端的な説明としては、よくまとまっていますので、まず、確認してみましょう。

概要

当たり屋は故意に交通事故を起こし、人身事故における治療費や慰謝料、物損事故における修理費、またはこれらの事故の示談金や保険金などを請求するものである。事故による精神的動揺に漬け込んで行われる犯罪である。

犯人と共謀した者が第三者を装って出現し示談を勧誘する事例もある。

保険金を目的とする場合は保険金詐欺に該当するが、交通事故を起こした原因が過失であるか故意であるかの証明は、場合によっては非常に困難になるため、警察による保険金詐欺の捜査や、保険会社の調査部門による保険調査も、非常に慎重に行われるのが通例である。
 

事例

物損事故に見せかけるもの

車(自転車も含む)や人体に当たって、眼鏡やスマートフォン、腕時計などの持ち物を落として破損したなどと、物品の弁償や修理代の支払いを迫る。また、駐車場などで軽く車を接触させ、修理代を要求するものもある。

 割れたローレックス(多分バッタ物ですが)が代表です。

イタリア北部などではドアやサイドミラーへの接触事故を装った当たり屋の事例が報告されている。
 
人身事故に見せかけるもの

ミラーやドアなどに故意に接触し、軽微なケガを負う場合もあれば、大がかりな場合はわざと車や自転車にはねられて入院し、治療費や損害賠償の支払いを迫る。このようなかたちで運転者はその場限りと思って警察に届け出ずに支払いに応ずると、その後ケガが悪化したとか仕事に支障が出たなどと言い出し、さらに金品を要求され、それを延々と繰り返される悪循環に陥る。

 
 
○ あたり屋のファーストチャレンジは成功する

 第1回目の事故については、割と簡単に保険金、または賠償金を手にすることができます。支払う加害者、それは主に保険会社ですが、信用を第一にしているからです。明らかに怪しい事故でなければ、賠償対応するものです。しかし、詐欺・あたり屋は決して1回では終わりません。むしろ1回目は本当に事故で保険金を得ている者もおり、味をしめて2回目以降に望むパターンも多いのです(和歌山カレー事件の犯人も、最初は詐欺以外の事故で普通に保険金を受け取ったのです)。

 しかし、何故か不幸にも事故が多発する者に対して、保険会社はごく普通に疑いを持ちます。1~2回なら支払っても、3回目ともなれば、やすやすと支払わず、徹底に調査をはじめます。仮にその調査で決定的な証拠が掴めなくとも、支払いを拒否し、詐欺者とにらみ合いを続けます。結果として、(疑われてるのはまずいと思った)詐欺者が手を引くことが多いようです。
 
○ あたり屋の哀歌(エレジー)

 保険会社がこのような詐欺常習犯のリスト・情報を各社で共通しているかはわかりません。しかし、調査会社は人物、過去の類似事件を検索します。やはりと言うか、同一人物による同様の手口に行き当たります。すると、あたり屋も中途半端なケガでは限界を感じ、「より、重いケガ」ではないと疑われるので、いつもより半歩前に出ます。あたり屋は体が資本、できるだけ軽いケガに留めておきたいところ、一か八かの勝負に出るのです。

 そして、しっかり骨折以上のケガをします。それが再起可能なケガであればよいのですが、後遺障害の等級もつきそうな場合、次回はそれこそ、生死を賭けたケガを目指す必要に駆られます。いずれ事故の後遺症から、あえなく引退となるのです。警察もこのような事故常習犯(すでに、あたり屋の烙印はついています)は良く知ったもので、保険会社も裁判上等で支払を拒否します。

 あたり屋の末路は賠償金も大して得られず、リアル障害者、あるいは、運が悪いと死亡なのです。