交通事故が起きてしまったら、解決に向けて大変な時間と労力を消費します。自分に非のない事故であっても、むしろ被害者の方がやることが多いと言えます。加害者は「保険会社に任せましたので・・・」と言ってフェードアウトしていきます。理不尽ですが現実です。
 覚悟を決めてテキパキと進めればいいのですが、やはり感情が邪魔をします。そしてまったく非生産的なこだわりをもってしまうことがあります。

 最近の電話相談から・・・

質問1:「過失相殺に納得がいかない!(怒) どうしたらいいでしょうか?」
 交差点事故で自分主張10:90と相手主張20:80でもめています。修理費が30万だそうです。修理費の10%=3万円の争いです。仮に中とって15:85で15000円の損得です。
                 
回答:「納得いかないのは理解できますが、3万円で延々と馬鹿らしくないですか?それよりケガで相手から慰謝料、自分の保険から搭乗者傷害保険がでますよ。治療に重点を置いて、しっかり直るまで通院して下さい」

 数日通えば3万円は突破します。損得を考えましょう。

 
質問2:「足をケガしたので通院にタクシーを使いたいのですが、相手保険会社が渋ります」 
骨折ではなく捻挫です。通院にはタクシーを主張していますが、遊びに行くときにはタクシーを使っていません。

回答:「被害者意識は理解できますが、自家用車で通院して、ガソリン代の代わりに電車・バス賃で請求するれば相手保険会社も快くOKしてくれますよ」

 何がなんでもタクシー、では通りません。私が心配するのは、「あまり権利意識の強さを誇示すると、相手保険会社から早めの治療費打ち切りをされますよ」です。

 このように「木を見て森を見ず」、賠償請求の全体像が把握できない被害者が後を絶ちません。その為に冷静に損得を考えられるようなアドバイスをして事態の前進を促します。
 
クールにいきましょう。