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 インピンジメント症候群とは、上腕骨と肩峰の間に腱板、滑液包が挟み込まれることで、肩を上げても最後まで上がりきらなかったり(外転運動)、その際に痛みや引っかかりを感じたりする症状をいいます。
6210a26a ※ 滑液包とは、骨と筋肉の間にある、腱板を動きやすくするクッションみたいなものをいいます。

 肩の外転運動を繰り返して刺激が加わると滑液包に浮腫や出血が生じる可能性もあります。安静にすれば症状は軽快するのが一般的ですが、無理に動かすと(主に肩の外転運動)場合によっては症状が慢性化することがあります。さらにひどくなれば、腱板の部分断裂や、肩峰下に骨の棘ができることもあり、痛みがより残りやすくなります。

 画像で確認する場合には、レントゲンでは骨しか映らないので、筋肉や腱板等が写るMRI画像で確認します。

 治療方法としては、上記したように安静にすることが第一にあげられますが、その他にも温熱療法や、関節の動きをよくするためのヒアルロン酸注射、症状がひどい場合には副作用の恐れもありますが、痛みを和らげるためのステロイド注射が行われることがあります。

 それでもどうしても症状が改善しない場合には、関節鏡手術によって炎症した滑液包を掃除し、肩峰の前下面を切除したり、烏口肩峰靱帯を切離したりすることで挟み込まないようにする場合もあります。