裁判で勝っている弁護士先生、優秀な弁護士先生は押しなべて損害の「立証」が優れています。
 
 交通事故裁判では、慰謝料の相場がある程度固定していますので、争点は逸失利益、次いで過失割合が多なります。加えて、金額の増額幅の大きさは介護費用が最たるものと思います。重度の障害で介護状態となった場合、その介護費用の取得に関して、優秀弁護士 or 残念弁護士 がぱっくり割れます。過去、一緒に仕事をした弁護士さんはもちろん、判例などに目を通すとその違いに刮目させられます。
 
(優れた先生)

個別具体的なケースの証明に、家族介護人と職業介護人の併用、公的サービスと自助努力、これらについて詳細に表やグラフで示し、具体的に必要な金額を明瞭にします。そして、おむつ一つから細かい明細表を作成し、介護備品の必要性・金額を具体化します。自宅介護の場合は、工務店の改築見積程度ではなく、介護住宅専門の建築士の鑑定書を提出します。とにかく、細かく、具体的、現実的、誰もが納得できる案であり、これら資料の作成にまったく労を惜しまないのです。

(残念な先生)

赤本の類似例や判例を検索、それを主張して終わりです。同等級・同年齢・同程度の損害の前例を用いて請求額の根拠としていますが、個別具体的な立証とは程遠く、これでは裁判官の心証を捉える事はできません。相手保険会社は様々な根拠を示して、介護にかかる諸費用の一般例で反論してきます。ほとんど前例 対 一般論の戦いです。これでは、裁判官の判断もおざなり、ぼんやりとした和解額を押し付けてきます。問題は、それでも相手保険会社の提示より増額していますから、依頼者に「勝った」と思わせてしまうことです。
 
 自賠責の別表Ⅰ 1級:常時介護、2級:随時介護 ・・・これらはご本人はもちろん、ご家族にとって一生をかけた戦いなのです。緩い解決など絶対に出来ません。裁判で介護費用を最大に立証し、勝ち取れる先生に任せなければ、(勝った気分ながら?)数百万~数千万円を取りそびれることになります。

 できれば弁護士に依頼する前に、「介護費用の請求について、どのような方策をお持ちでしょうか?」と聞いてみるべきです。そこで、具体的なプランを示すことがなく、不明瞭な回答、難しい法律論で煙を巻くような先生には、依頼しないことです。介護費用の請求方法を知らないからです。
 
 現在、重度介護者の介護費用の獲得に向けて、弁護士事務所から様々な調査の指示を受けて動いております。”被害者側の調査”、これが勝負を決める事をその弁護士が承知しているからです。

介護は被害者だけではなく、家族の問題です