本日は膝関節専門医の初診に被害者と同行しました。

 傷病名は腓骨近位端骨折とそれに伴う内側半月板損傷、外側側副靭帯の損傷です。

  

 まず受傷時のMRIの読影です。骨折の形態、半月板や靭帯の損傷具合についてものすごいスピードで解明し、説明を頂きました。腓骨は顆上部の横骨折、脛骨に骨挫傷があること、外側側副靭帯の損傷は炎症、浮腫の残存・・・メモを取る私も目が爛々と輝いていたと思います。

 続いて自覚症状を聞き取り、ROM(関節の可動域)の確認、内半・外反テストを行い動揺のレベルを測ります。専門医のすべてに共通していること、それはとにかく早い!よどみなく流れるように診断が続きます。「う~ん」と腕組みして考え込む医師とは隔絶した能力を見せます。
   
 そして半月板損傷の説明に及びました。以前から半月板損傷で繊維状に「わさわさ」した内視鏡画像をよく目にしました。先生によると、これは急激なショック、例えば交通事故外傷を原因とは言い難く、経年性変化に近いそうです。特にスポーツや仕事で膝を酷使した人に多いそうです。「わさわさ」は時間的経過で進むもので、急激な一回の損傷とは言いづらいようです。ただし脛骨高原骨折などの外傷を契機に損傷を併発し、線維化が進行することは考えられます。受傷直後から「わさわさ」していれば、これは事故前からの経年変化と推定されます。
  
 今日覚えたこと・・・半月板の「わさわさ」した繊維状の損傷について、事故による損傷か否かは受傷直後と半年経過後を比較する。
 
 後日、本人の許可を得てからこの「わさわさ」の内視鏡写真をUPしますね。