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 大結節とは、上腕骨の骨頭部分(肩のところ)で、外側にあるでっぱり部分です。

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 大結節の骨折原因は、主に、直接大結節部分に衝撃を受けて骨折する直達外力タイプ(上腕骨が肩甲骨の関節窩に衝突して骨折する、大結節が肩峰に衝突して骨折する等。)と、衝撃そのものは大結節に生じてはいないが、別の部分に生じた衝撃によって結果的に骨折する介達外力タイプ(肩が脱臼し、それに伴う棘上筋の牽引によって骨折する等。)があげられます。

 前者は骨が砕けるイメージ、後者はバネのような筋肉の引っ張られる力によって骨が剥がれるイメージです。

 交通事故でも歩行者や自転車搭乗中、バイク運転中に衝突して転んだり壁に激突したりした際等で大結節骨折をすることがあります。

 症状である痛みは大まかにいえば肩付近に生じます。痛みの原因は骨折によるものがメインですが、それだけとは限りません。病院ではまずレントゲンを撮って骨折や脱臼を確認します。次に、介達外力タイプであれば特にいえることですが、骨折以外に、棘上筋等の筋肉や靭帯を痛めることがありますので、可能であればMRIを早期に撮ってもらうようにしてください。

 また、大結節骨折の骨の折れ方は、砕けたり剥がれたりするようなイメージです。このような骨折では、後に(遊離)骨片(骨のかけら)が残る可能性があります。そこで、MRIの他に、(3D)CTを撮ってもらってください。

 棘上筋そのものが大結節はく離骨折に伴ってはがれてしまった場合、靱帯に引っ張られて容易に癒合しません。その場合は手術で固定、スクリューではがれた棘上筋を上腕骨に打ちつける必要があります。
 
 骨折や脱臼の有無はレントゲンのみで十分ですので、医師はMRIやCTを撮るという非常に面倒くさいことをやりたがらないのですが、保険手続きや後の後遺症(後遺障害)手続き等で是非とも協力してもらってください。症状固定時期の癒合状態は後の後遺障害等級に関わってくるからです。
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 弊事務所でも数例、受任経験があります。症状固定時期に慌ててCT検査を手配する等、サポートをしています。