最近の実績投稿ではすっかり下肢がおろそかになっていました。今日から数日、下肢の好取組例をUPします。

 まず今日は基本に忠実な立証作業を行ったプラトー骨折です。プラトー骨折(高原骨折)は下肢の骨折の好発部位で、前十字・後十字・内外側副の靭帯損傷、半月版損傷も併発しやすく、診断漏れがないか注意が必要です。なぜなら可動域に制限があっても、骨融合の状態が良好ならば「曲がらなくなったこと」を疑われてしまいます。この場合、骨折だけではなく、周辺靭帯や半月板の損傷を加えた複合損傷として可動域制限の理由を補強する必要があります。

 漫然と骨折の診断名が書かれた診断書を提出・・これでは危ないのです。

 

【事案】

二輪車で走行中、交差点で対抗右折車と衝突。脛骨近位端骨折(プラトー骨折)となる。
 
【問題点】

kansetu_21リハビリの成果で膝関節・屈曲は100°まで回復。患側(けがをした膝)=100°と健側(けがをしていない方の膝)=130°の比較では12級7号ギリギリの数値である。丁寧にROM計測する必要がある。
さらに脛骨の癒合状態は良好である。関節面の不正も見当たらない。この状態での可動域制限にはやや不安が残る。
 

【立証ポイント】

膝の靭帯と半月板の精査すべく、MRI検査を追加した。読影の結果、前十字靭帯の損傷が判明、診断名に加わった。半月板は無事だった。

症状固定日には膝関節の計測に立会。うつ伏せでの計測を依頼し、100°の数値を確認した。

本件はプラトー骨折対応の基本と言うべき作業である。