弁護士費用特約については適時取り上げています。

 この特約の内容についてはまず過去記事をご参照下さい
 → 弁護士費用特約

 会社によって弱冠内容が違います。例えば弁護士のみで司法書士、行政書士には適用されないケースもあります。これは外資系通販に多い傾向です。また法律相談費用10万円がなく費用保険300万円のみの会社もあります。変わったところでは東京海上日動のように法律相談費用10万円が自動付帯(自動的に保険に含まれている)となっています。

 私もある保険会社の資料からおおむね加入率は30%程度と読み取っています。では全体ではどうでしょう。特約の付保率、そして使用率までは完全に内部資料となっており、各社公表しづらいようです。昨日産経新聞に関連記事が載っていましたので、以下抜粋します。

「弁護士費用保険」利用者わずか0.05% 加入1430万件も…

 

 交通事故の被害に遭った際などに弁護士費用を保険金で賄える「弁護士費用保険」の加入者が、年々増え続けている。自動車保険などの特約として販売されており、平成22年度の契約件数は1400万件を超え、全国の総世帯数の3割近くを占めるまでに普及した。一方で、利用件数は年間1万件未満と低調。「いざというときのために安心はしたいが、実際に裁判沙汰にするのは避けたい」。背景にはそんな複雑な消費者心理もあるようだが、勧められて加入したものの、契約内容をよく理解せずに使わない人も多いとみられる。 
 
 弁護士費用保険は年額2千円前後の保険料で、相談費用や示談交渉、訴訟などの弁護士費用が300万円を上限に保険金から支払われるタイプが一般的。自動車保険だけでなく、火災保険や傷害保険の特約としても販売されており、保険会社を通じて弁護士会から弁護士を紹介してもらうこともできる。加入するメリットが大きいのは、信号待ちをしていて追突された場合など、自分にまったく過失がないケース。保険加入者に過失があれば、保険会社は保険金を支払う当事者として、示談交渉を行ってくれるが、「もらい事故」は被害者側に賠償責任がないため、利害関係のない保険会社は弁護士法の規定で示談交渉を代行できない。このため弁護士を依頼しなければ、被害者自らが示談交渉を進めなければならないからだ。また、被害額が少なく、弁護士費用の方が高額になりかねない事故の場合でも、費用を気にせずに弁護士に依頼できる。

 弁護士費用保険は日本弁護士連合会(日弁連)と損害保険会社が連携し、平成12年にスタート。日弁連によると、12年度の契約件数は約7400件だったが、その後、取り扱う保険会社も増え22年度は約1430万件になった。現在は11の保険会社が取り扱っている。一方で実際に保険を利用した件数は、年々増加しているものの22年度でも約8200件。契約件数に占める利用件数の割合は、自動車保険の中で利用率の高い車両保険はもちろん、対人賠償保険や搭乗者傷害保険をも大きく下回っている。ある大手損保会社では、自動車保険の全契約のうち弁護士費用の特約がセットされたものは半数に上る。にもかかわらず利用が少ない理由について、担当者は「弁護士に頼むと角が立つ場合もあり、トラブルが手に負えなくなって初めて弁護士に、という人が多いのでは」と分析する。
 
  予想通りの加入率と使用実態と思います。訴訟社会のアメリカと違い、日本の土壌に馴染まないともとれますが、特約の使い勝手は非常によいものです。これを契約者のために生かすべく、弁護士はもちろん、保険代理店の周知努力が欠かせないものと思っています。
  まだまだこれからの保険です。しかし無法な加害者や無保険車の増加している現状を考えると、必須の保険と言ってよいでしょう。