後遺障害申請のタイミングについて、復習したいと思います。 (先月の山梨代協セミナーから抜粋)
 
原則として、受傷から6カ月を経過すれば申請する。

ダラダラと漫然治療を続けてはならない。 却って認定率が下がる。

ムチウチでは、受傷から3、4カ月で、強引な治療の打ち切りが行われている。


 例外を除いて、事故受傷から6カ月を経過すれば、いつでも申請することができます。 自賠責は6ヶ月にこだわらないと言っていますが、一定の治療努力の果てに残存した症状が後遺障害です。

 例外とは、頭部外傷後の高次脳機能障害、PTSDなどの非器質性の精神障害は、少なくとも受傷から1年間の治療の継続と経過観察が重視されています。 逆に切断肢(腕や脚の切断)は見た通りですので、受傷直後に申請しても問題ありません。

 西洋医学においては、治療の延長線上に、治癒と症状固定の概念を有しています。治癒とは、文字通り、治ったことであり、症状固定は、現在の治療を継続しても、短期的に改善が得られることはなく、治療を中断しても、悪化する可能性が考えられない状態となったことです。

 したがって、治療を続け、6カ月を経過すれば、残存している症状を後遺障害として申請することになります。主治医から、「あとは日にち薬ですね」、などと言われたら、症状固定です。

 ムチウチでは、受傷から3カ月で、強引な治療の打切りが断行されています。 なぜなら、単なる打撲捻挫は腫れがひけば治るものです。医学的な常識を超える通院は認められません。また、保険会社の本音と言うと、受傷から3カ月で示談をすれば、人身損害の全額は、自賠責保険(の限度120万円)から回収でき、任意保険としての負担は0円ですから、保険屋さんにとっては、実に、理想的な示談解決となります。

 先に、真面目な治療と解説していますが、通院回数では、1カ月に12回前後となります。 治療の空白期間が30日を超えると、事故との因果関係が途切れ、治療の再開は認められません。これは、自賠法の規定であって、保険会社の払い渋りではありません。