私は最初に被害者さんの後遺障害の予断、つまり想定等級を定めてから着手、必要な検査計画を立てます。多くの場合、読み通り(ニヤリ!)となりますが、あいにく検査結果にでないこともあります。

 もちろん、それは回復が進んだことでもあるので、喜ばしいことかもしれません。しかし障害は僅かであっても残存しているのです。これが等級の認定を得なければ、事故後の賠償・補償上、存在しないもの=0 とされるのです。

・わずかに残った可動域制限

・検査数値に出ない排尿障害

・画像所見となる時期を逸したMRI

・中途半端に回復した視力、聴力・・・

・何度も手術をして薄くなった線状痕

      

 回復への努力をしたことは当然賞賛すべきことです。しかしケガの痛みに苦しみ、数度の手術に耐え、血の出るようなリハビリに取り組み、結果として補償面で振るわない結果となってしまう・・・実に悔しい思いです。

 一定期間は治療・リハビリに専念し、回復を目指します。そして症状の回復度合いが一定、もしくは一進一退となる時期を見定めて症状固定とし、後は賠償問題に取り組むべきです。長期にわたり回復努力を続け、中途半端な障害を残してしまうと、障害の基準以下となって等級が認定しづらくなるのです。これは賠償金目当ての「早期治療打切り」を言っているのではありません。症状固定日を正しく策定すべきと主張しているのです。

 私たちは回復と補償についてバランスの良い解決ロードをひきたいのです。そのためにできるだけ早期の相談を強く訴えます。