定例相談会も告知の甲斐があり、問い合わせが多くなりました。「まずどこに相談したらいいのか?」、ご相談の予約をされた皆さんはそれを見極めた上での参加と思います。

 巷には市町村・自治体、弁護士の無料相談が散見されます。しかし多くの相談者はモヤモヤが解消されず、すごすごと帰ります。そして有料の相談へシフトします。ここでも交通事故の専門外である弁護士に相談したり、専門であるけど賠償交渉まではやらない行政書士へ行ったり・・・つまり確実な窓口にたどり着くまで大変な労力と時間を費やしてしまうのです。
 どうして入口で迷ってしまうのか・・・それはどの窓口も交通事故の全般に通じているわけではなく、事故の一部分の専門家に過ぎないからと思います。

 例を挙げますと・・・

〇 市の無料相談で、おじいちゃん職員に相談。

 元警察官なら経験があるので事故調査や過失割合には明るい部分があります。しかし民法、保険、その他知識はありません。また「お互いよく話し合って」と解決にならない回答をするおじいちゃんが普通です。公務員は民事賠償請求の専門家ではないのです。

〇 保険会社の事故相談

 これから保険会社を相手に賠償請求するのに保険会社を頼っても、その保険会社の規定以上の支払基準や請求方法について教えてくれるはずがありません。それらの規定や基準は自由化で撤廃されたとは言え、どの会社も護送船団方式(全社同じ掛け金、同じ支払い基準)の名残りで各社大差はないのです。

〇 後遺障害の認定に手こずっているのに、その立証作業をやらない(できない)弁護士に相談。

 賠償交渉は等級が取れて、すべての損害が明らかになってからです。時期が早すぎるので弁護士も手をこまねいてしまいます。したがって、「等級が取れたらまた来て下さい」と相談料だけ取られて帰されます。

〇 裁判を避ける、裁判でも和解ばっかり、そもそも交通事故訴訟の経験が年間数件の弁護士先生に相談。

 弁護士先生といえど万能ではありません。それぞれ扱い分野が異なります。交通事故を専門としていない先生は当然ながら避けるべきです。
 また賠償交渉においても、赤本(裁判基準)の70%位で保険会社と話をつけて、スピード解決&大量処理をしている事務所があります。スピード解決が依頼者のニーズであろうと、最低でも慰謝料くらいは赤本満額を果たすべきです。紛争センターの斡旋案より低い解決額では弁護士バッチが泣きます・・。

〇 交通事故専門を売り物にしている行政書士に相談。

 弁護士の手が及ばない損害立証のプロたるべきです。交通事故賠償に精通し、後遺障害にしっかり取り組んでいる勉強家の先生も増えました。しかし実際多くの行政書士は賠償請求を主たる仕事に据えています。その手法は代理交渉ができないので賠償請求書を代書し、陰で書類交渉を進めるのです。これで被害者の利益最大化が図れれば問題ありません。しかし当然ですが多くは弁護士の直接交渉や紛争センター介入、訴訟より低い賠償金しか得られません。自身が弁護士のマネごとをして報酬を得たいだけで、被害者の利益最大化が置き去りです。
 紛争センターへの賠償計算書を作成して高額な報酬を請求する先生は、いずれマーケットから退場すると予想します。

 「立証をできない・やらない弁護士」と「中途半端な賠償交渉をやりたがる行政書士」・・・これが被害者を路頭に迷わす原因かもしれません。
                                 

〇 手前味噌ですが・・・

  労災、健保、任意保険、自賠責保険、裁判判例、医療知識、病院情報、民事、道路交通法、刑事・・・事故の解決には多くの分野を網羅する必要があります。
 首都圏相談会では、業界No.1の被害者救済NPO法人、後遺障害立証専門・行政書士、交通事故専門・弁護士、保険特級資格のプロ代理店、さらに専門医ネットワークを駆使するメディカルコーディネーターがスクラムを組んで待機しています。それぞれの専門家が被害者の利益最大化を目標に動くのです。

   
 これらを読んで「ドキッ」とした被害者さんは、しっかり相談窓口を選定して下さい。