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 靭帯が骨化していってしまう病気として、ここでは①後縦靭帯骨化症、②前縦靭帯骨化症、③黄色靭帯骨化症をあげていきたいと思います。

 これらの具体的な原因については不明といわれており、これらのうち①後縦靭帯骨化症、③黄色靭帯骨化症は、国の特定疾患(難病)に指定されております。

 しかしながら他方で、要因として肥満や糖尿病等の生活習慣病や遺伝的要因があげられています。
 
① 後縦靭帯骨化症について

 後縦靭帯骨化症とは、椎体の後面についている靭帯が骨化(骨に変性する)する病気です。

 この骨化した靭帯が脊髄や神経根を圧迫すると、手足の痺れ、首・背中・腰の痛みが生じ、最悪、運動障害も生じる可能性があります。また、排尿障害も起きる場合もあります。

 症状が重い方は、靭帯を圧迫している骨を削る除圧術、除圧後に骨移植やプレート・スクリューで固定する固定術等の手術を行う必要があります。
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② 前縦靭帯骨化症について

 上記①に対し、前縦靭帯骨化症とは、椎体の前面についている靭帯が骨化する病気です。

 これは①後縦靭帯骨化症と異なり、脊髄を圧迫することはありません。よって、前縦靭帯骨化症であれば治療をしない場合が多いといえます。

 しかし、前縦靭帯骨化症が悪化し、骨化した部分が食道等の器官を圧迫して嚥下障害が生じてしまう場合もあります。その場合には治療が必要となります。

 また、前縦靭帯骨化症を患った方は、後縦靭帯骨化症も患ってしまう場合があります。そのような場合には①と同様の症状が出てきますので、手術等を検討することになります。
 
③ 黄色靭帯骨化症について

 黄色靭帯骨化症とは、背骨についている靭帯が骨化する病気です。これも①後縦靭帯骨化症と同様、骨化した靭帯が脊髄や神経根を圧迫すると、手足の痺れ、首・背中・腰の痛み、排尿障害等が生じ、最悪、運動障害も生じる可能性があります。

 症状が重い方は、椎弓を切除して、骨化した黄色靭帯による脊髄への圧迫を除去する手術を行う必要があります。

 また、後縦靭帯骨化症も合併してしまう場合があり、そのような場合には①と同様の手術等も検討することになります。