本日サッカーワールドカップアジア最終予選、日本vsオーストラリア戦です。引き分け以上で予選突破です。今夜決めたいですね。

 さて半月板損傷の長友選手が復帰しそうです。かつて本田選手も経験した半月板損傷、これはサッカー選手の職業病、かなり多いケガです。交通事故外傷でもおなじみで、大腿骨や脛骨の顆部骨折で一緒に痛める症例を何度も経験しています。その際、外傷による完全な断裂であれば、文句なく後遺障害の対象となります。しかし微細な損傷では陳旧性(古傷)の疑いとなります。これを読影するには専門医の力を借りねばなりません。最近、専門医の診断に立ち合い、初歩的な指導を受けてまいりました。

 まず復習→ 半月板損傷・・・専門医の診断から

 それではお待たせしました。「わさわさ」した画像を見てみましょう。

 
 内視鏡写真です。半月板がわさわさ、繊維状になっている様子がわかります。
 
この部分をMRIで見てみましょう

まずT1矢状断(横から)で

内側半月板に白いもやもやが・・・

これは外傷による損傷でしょうか? 
 
ちなみに長友選手は外側半月板損傷でしたが・・

  
 
今度はT2冠状断(正面から)です

やはり損傷を思わせる輝度信号があるようですが

断裂のようなするどい線ではなくもやもやした感じ
 
(快く画像公開許可を頂きましたMさんに感謝)
 

  
 これは長い間、膝に負荷がかかる仕事をしている人や、プロスポーツ選手が長い時間をかけて半月板を酷使したために起こる損傷です。半月板はそもそも水分の多い軟骨で、微細な損傷口から乾いてくるのか、わさわさ繊維状に変化をきたします。専門医もこのような画像をよく目にするそうです。当然、外傷による損傷とは言い難いそうです。もっとも高原骨折(脛骨のひざ部分の骨折)の方で、受傷から半年の間に半月板の線維化を起こした例がありました。これは脛骨が折れた際、一緒に半月板も損傷し、それが治療の過程で悪化=線維化したと推測されます。内視鏡写真はまさにこのケースです。

 このように半月板損傷の判断は奥が深く、専門医ではないと判別が難しいのです。

 先日も自動車同士、交差点で軽い出会い頭事故を起こした被害者さんから相談があり、「病院でMRIを撮ったら損傷が見つかりました!」と言ってきました。しかし「ちょっと待って、車同士がちょっとぶつかっただけで、なんで半月板がつぶれるのよ?」と私は思います。相談者によると、医師が「事故で損傷した」と言っていたとのことですが、これは診断力のない医師と思わざるを得ません。

 このような診断を主張しても自賠責調査事務所はあっさり事故外傷を否定します。

 「MRIで画像所見を得た!」 だからと言って12級は取れません!

 鬼の首を取ったつもりですが、そう甘くはありませんよ。

 それでも勉強不足の弁護士、行政書士は盲信、受任しそうです・・・。