一回目の事故で治療中、再度事故に遭い、同一受傷箇所に更なるダメージが加わって・・・2度の事故が重なって障害が残った場合、自賠では特別ルールとも呼ぶべき「異時共同不法行為」の申請が可能です。

 この場合、14級であれば後遺障害保険金の75万円が×2で150万円の支払いが受けられます。もっとも、最終的にもらえる額が倍になるわけではなく、後遺障害はあくまで一連の事故の結果として1つで考えます。それでも先に保険金を多く確保できます。また、自己の責任が大きい事故の場合や後遺障害の賠償金がそれ程伸びない場合など、この2回分支払いは大いに助かることになります。

 本件は2つの事故を併せて障害が等級相応にまとまった印象を受けます。
 

14級9号:頚椎捻挫(20代男性・埼玉県)

【事案】

信号待ちで自動車搭乗中、後続車の追突を受けて受傷したもの。直後から頚部痛、右上肢のしびれが生じた。治療中、さらに同様の追突事故で悪化、異時共同不法行為である。

【問題点】

神経学的所見がややや甘い。検討の結果、双方の衝撃が加重されたことによる症状と判断、自賠責に「異時共同不法行為」として申請した。

【立証ポイント】

治療中に再度事故に遭う事は意外とよくあります。申請方法も事案ごとに最良の選択を検討します。