前日まで続いています「補償がだぶってしまう」保険・特約を表にしました。
 

契約車
搭乗中

他車
搭乗中

歩行中
自転車
他の交通機関

保険金
計算方法

重複
払い

人身傷害保険


(特約で選択)


(特約で選択)

実額

×

無保険車傷害
特約

実額

×

自損事故特約

×

定額

×

搭乗者傷害保険

×

×

定額

 
※ 保険金支払い方法 

実額… 実際にかかった治療費、交通費の他、契約している会社の基準により慰謝料、逸失利益、休業損害を個別に計算する。

定額… 契約時に定めた死亡・後遺障害金額。その金額により入通院は1日当たり○○円、もしくは部位症状別に○○円と決まります。

※ 重複払い

 搭乗者傷害のみ、上の3つに加算して支払われます。

 しかし治療費を人身傷害に、後遺障害を無保険車傷害にと、ケガと後遺障害を別々に請求する場合は重複とはなりません。

 
 これらを踏まえて、実例で解説をすすめていきましょう。
 

(例1) Aさんは自転車で交差点を横断中、出会い頭に自動車に衝突され、足を骨折しました。治療を続けるも半年後、後遺障害10級となりました。

 相手Bさんは知人Cさんの自動車を無断で借用していたようです。自賠責保険には加入していたようですが、任意保険には入っていません。またBさんは無職で支払い能力もありません。
 
 Aさん自身は自動車を持っており、D損保の任意保険に加入しています。
 
(Q1)この場合、どの保険をどのように請求するのでしょう?

 

(解決パターン1)多くの場合、D損保に対して以下のように請求・支払いを進めます。

① 治療費、休業損害は人身傷害特約に月ごとに請求しました。

② 治療終了後、後遺障害が認められました。D損保担当者から入院・通院期間の慰謝料、後遺障害の慰謝料と逸失利益が提示されました。これらも人身傷害特約からでるそうです。そして合計800万円を手にして解決となりました。

③ 最後にD損保はCさんの自動車の自賠責保険に人身傷害保険で支払った分を求償します。D損保は自賠責保険の限度額一杯、581万円を取り戻しました。残り219万円をBさんに請求をかけましたが・・・・Bさんは行方をくらましました。結局219万円の回収は諦めました。 

 
 これが通常の解決パターンです。しかし保険の請求項目を変えると驚くべき現象がおきます。

 それは明日に持ち越し。   つづく