違いが曖昧な用語について整理したいと思います。知っているつもりが、具体的な説明に窮してしまう専門用語はいっぱいあります。立ち止まって勉強する毎日です。  

脳死と植物状態

 脳死とは、呼吸・循環機能の調節や意識の伝達など、生きていくために必要な働きを司る脳幹を含む、脳全体の機能が失われた状態です。事故や脳卒中などが原因で脳幹が機能しなくなると、回復する可能性はなく二度と元に戻りません。薬剤や人工呼吸器などによってしばらくは心臓を動かし続けることはできますが、やがて(多くは数日以内)心臓も停止してしまいます(心停止までに、長時間を要する例も報告されています)。植物状態は、脳幹の機能が残っていて、自ら呼吸できる場合が多く、回復する可能性もあります。脳死と植物状態は、根本的に全く違うものなのです。

 ←脳全体  ←脳幹部

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 昨夜の放送では、患者を助けたい一心とはいえ、灰谷先生のミスが連発、最後にはホームに転落、意識不明で搬送されました。その際、毎度、救急救命科で飛び交うセリフ、「意識レベル3桁です!」と。 

 本日は意識障害についておさらいしたいと思います。高次脳機能障害における自賠責や労災審査の入り口部分で、非常に重要な記録となります。それとは関係なく、救命の現場では必須の初期所見です。GCSの運動1については、ドラマの救急搬送のシーンで毎度のごとく、医師が患者に「手を握って下さい」と言っていますね。

 最後に、劇中、処方箋に書かれた睡眠薬について、薬シリーズから復習します。   

ジャパン・コーマ・スケール(JCS) 日本で考案、医療機関、救急隊で広く使用されており、 3-3-9度方式とも説明します。  刺激なしで覚醒 1 清明とはいえない 2 見当識障害あり 3 名前、生年月日言えず 1 2 3  刺激すると覚醒 1 呼びかけで容易に開眼 2 疼痛刺激で開眼 3 疼痛・呼びかけでやっと開眼 10 20 30 続きを読む »

 前回の記事で予想した通りの展開が待っていました。山Pが脳外傷の患者を現場でオペするシーンで、脳内出血・脳圧上昇で危険な状態への対処を急ぎ、頭蓋にドリルで穴を開けて、血腫(出血が一箇所に溜まって固まってしまう状態)の排出を試みました。CTで脳内を観る暇もなく、一刻を争う場面です。当初は「硬膜外血腫」を疑い、次に「硬膜下血腫」と予断、しかし、血腫は見つかりません。ついに、脳腫脹(のうしゅちょう)による、脳圧の上昇を突き止め、看護師 比嘉 愛未さんの補助で脳脊髄液を簡易的なドレーンで排出、命を救いました。   まさに、脳外科医による救急救命を象徴するシーンでした。専門用語が飛び交いましたが、一つ、疑問が。脳圧上昇の原因を「脳腫脹」と。私はそこで「脳浮腫(のうふしゅ)」では?と思いました。どうも知識が曖昧です。そこで、早速調べてみました。   続きを読む »

 ドクターヘリですが、過去の依頼者様で操縦士さんがおりました。また、元出身の医師のいる病院に何度もお伺いしており、以前から知っておりました。遅ればせながら、その存在を一般に知らしめたドラマを先月から初めて観ました。過去に2シーズンもあったのですね。     毎回、救急救命のシーンで興味深いシーンの連続です。また、平素から業務の中で出てくる専門用語が満載です。私達はメディカルコーディネーターとして、毎日のように病院にお伺いしていますが、それは事故受傷からしばらく経ってからとなります。受傷直後の処置などは診療報酬明細書で確認するに留まります。記録された処置は、後の障害の立証に必要な情報となりますが、イメージの鮮明度は決して高いものではありません。やはり、書面からの知識は限界があります。言葉の意味は知っていても、実際にその場面を見る事はほとんどないのです。その点、ドラマでの実写の描写は大変参考になります。

 例えば、前夜のシーンで、戸田 恵梨香さん扮する医師が、ICUで患者の指を弾き、「中心性頚損ですね」と医師間でささやく場面がありました。これは、ホフマン(あるいはトレムナーも一緒にやったかもしれません)反射といい、脊髄損傷の陽性反応をみるものです。↓写真のように中指をピンと弾いて、親指が内側に曲がれば、脊髄損傷(陽性)です。ドラマの患者さんはこの反応がはっきり出ていました。中心性脊髄損傷(頚髄損傷とのことですので、頚の脊髄がやられたようです)では、ほとんどすべての患者さんは、上肢や下肢の完全麻痺となるか、程度の差はありますが麻痺の残存は確定的です。交通事故相談会でも脊髄損傷の被害者さんが来ると、私達はホフマン・トレムナーで反応をみています。もっとも、ドラマでは解説がないので、「?」と思った視聴者が多かったと思います。  それと、患者が救急搬送される過程で毎度のセリフ、「JCSは2桁です!」「GCSは6!」などがあります。これは、意識障害のレベルをあらわすものです。後に高次脳機能障害の立証の場面では、大変に重要な記録となります。いずれ、ドラマで象徴的なシーンがくると思いますので、その機会に解説します。

 主人公の山下 智久さんは脳外科医です。救急救命科に脳外科医がいることは大変に恵まれていると思います。救急救命科は色々な科からの医師が、一定期間配属されるようです。しかし、第一線の専門医・執刀医がヘリに搭乗することなど稀でしょう。今後、穿頭ドレナージを緊急で行う場面を予想します。頭部外傷の患者、急性硬膜下血腫で出血が大量・急激の場合、急ぎ、頭蓋骨内の血を外に出さなければ、血の圧迫で脳がやられてしまいます。脳への圧迫の除去が命を左右します。また、処置のスピードが後の身体の麻痺や言語障害、高次脳機能障害の程度に大きな影響をきたすことになります。脳外科医の活躍はまさにここにありです。    引き続き、ドラマを毎週チェックして注目点を取り上げたいと思います。    (山Pとガッキーの関係には関心なしか?)   

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勉強の毎日です

 弊所は月1回、事務所内研修を行っております。先日は、高次脳機能障害の神経心理学的検査についてでした。弊所は、高次脳機能障害案件を多く扱っており、契約にはならなくとも多くの相談も受けております。経験豊富な秋葉から「過去の事例」や「プランニング」、「立証方法」等を指導してもらえることは、大変勉強になります。インプットとアウトプットを重ねてこそ被害者救済が実現できるのだと改めて思います。

 高次脳機能障害の神経心理学的検査にはたくさんの種類がありますが、TMT(トレイルメイキングテスト)を今回は特集致します。先日の研修で実際に経験したからですが…。

 TMT(トレイルメイキングテスト)は、遂行能力を見る検査です。作業負荷に対する持久力や持続力とも言います。TMT検査にはAパターンとBパターンの2つがセットになっており、それぞれ特徴があります。

・Aパターンは、①~㉕を順々に線で繋いでいくというルールです。間違えない様に、そして出来るだけ早く㉕まで完成させてくださいと説明し、行っていただきます。

・Bパターンは、①~⑬と「あ」~「し」を順々に線で繋いでいくというルールです。①→「あ」→②→「い」といった順につないでいきます。どちらも「視覚性の探索能力」と「注意機能の選択性注意」をみることができますが、Bパターンには「ワーキングメモリー」と「分配性注意」も追加してみることができます。

 「選択性注意」とは、多くの情報の中から、今必要な情報だけを選ぶようなことです。例えば、図書館の棚から、読みたい本を見つけるようなことです。 「分配性注意」とは、複数の事に同時に注意を向けながら行動することです。例えば、料理中に、コンロの火にお味噌汁をかけながら、サラダ用の野菜を切るようなことです。    それぞれ年代別に平均時間も異なる為、みなさんもぜひ一度試してみてください。因みに私は、Aパターンは標準値以下、Bパターンはなんとか標準値でした。

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 先日の研修で疑問点がありましたので、この機会にまとめ直しました。    以前にも本HPの記事で取り上げましたが、改めて表に整理しまた。このページがあれば、検査結果を読み取ることができます。非常にマニアックですが、高次脳を扱うメディカルコーディネーターにとって欠かせない知識です。   <解説>  リバーミード行動記憶検査(RBMT=Rivermead Behavioural Memory Test)は、記憶障害の診断に1985年にバーバラ・ウィルソンらにより開発されました。名称は、イギリス・オックスフォード大学のリバーミードリハビリテーションセンターで開発されたことによります。1999年に拡張版、2003年に第2版が発売され、最新版は2008年発売の第3版になります。

 検査時間は9つの質問で30分程度。従来の検査と比較して、より日常生活に近い状況を想定して、日常記憶の診断ができることが特徴です。私は過去2度ほど、この検査に立会いました。ウェクスラー(WMS-R)を科学的な考察とすれば、リバーミードは実験的な検証と位置づけています。

 医師、臨床心理士、作業療法士、言語聴覚士、理学療法士などによって、リハビリや障害評価の場面に利用されています。  

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 秋葉事務所では月1回の勉強会を励行しています。

 とはいえ、業務に追われてついつい後回しになってしまいます。それでも、高次脳機能障害を最重点科目としている以上、その勉強を怠るわけにはいきません。

 本日のテーマは高次脳機能障害における、神経心理学検査です。知能、記憶・記銘、言語、遂行機能、注意能力、それぞれの低下を数値化することは、障害の程度を検討する上で重要な要素になります。研修を通して理解を促している事は、数値を絶対的な評価ではなく、相対的な評価で解釈することです。さらに、本人の様子、家族の観察、医師の見立て、リハビリの記録、これらを有機的に結びつけるために、どのような検査を選択し、プログラムを組むか・・・非常に創造的な作業である点を力説しました。

 雲を掴むような説明に終始しないよう、実際に検査をメディカルコーディネーター自身が実践するようにしています。例えば、遂行能力をみるトレイルメイキングテストは簡単にできますので、やらせました。  実際にやってみると、理解が深まります。むしろ、やってみなければ検査の意図が掴めないと思います。    ちなみに、私の遂行能力はなんとか標準値以内でした。よかった(ホッ)。  

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 頭部のケガや脳内出血があれば、高次脳機能障害を疑います。当然に家族が症状を訴えますので、高次脳の立証が主作業となります。しかし、本件は高次脳機能障害が主役とならず、その他の障害の立証に作業が集中しました。額の骨折で陥没がみられましたが、微妙でしたので、外からの写真と内部からのCT画像を比較できるよう、ビジュアル的な手法を用いました。なんといっても、7級がかかっていますので力が入ります。それに比べ、やや易怒性がみられる程度で、家族もさほど深刻としていない本件の高次脳認定は、結果的に併合等級一つ上げる効果となりました。

高次脳の案件もバリバリやっています!

9級10号:高次脳機能障害(70代女性・静岡県)

【事案】

自転車で走行中、道路を横断しようとしたところ、右方からの自動車と衝突、受傷した。全身を強打し、顔面骨折、くも膜下出血、肋骨骨折、骨盤骨折となった。

【問題点】

高齢から治療は長期化したが、高次脳機能障害をスルーするほど、他の症状がより重く、数が多い。

あえて、高次脳機能障害を挙げれば易怒性か。面談時は穏やかにお話しができたが、家族の話では事故後、怒りやすくなったことを確認した。病院同行にて主治医に話を聞くが、易怒性などの情動障害については、日常生活上、問題ないレベルと診られていた。

【立証ポイント】

高次脳機能障害がメインの障害とならない珍しいケースである。上記主治医とは別に、リハビリ先の別の病院の主治医に後遺障害診断書を書いて頂くことになった。高齢者であるため、神経心理学検査は限られ、ミニメンタルステート検査等のみとなり、易怒性など検査上数値として現れにくい点については、いつも通り日常生活状況報告書で説明した。結果、高次脳機能障害は微妙ながら9級10号の評価となった。

本件では、前額部陥没骨折の7級12号が主訴となり、これまたレアな障害である外傷性横隔膜ヘルニアの14級9号を追いかける作業に終始した。これらを併せて、最終的に併合6級とした。  

7級12号:顔面醜状・前額部陥没痕(70代女性・静岡県)

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 高次脳機能障害では、毎回、難しいご依頼が続いていますが、本件も記録と記憶に残る立証作業となりました。    当たり前ですが、後遺障害とは、「ケガが治らず、症状が残存したもの」を対象としています。そして、それは現在、生きているか否かは関係ありません。しかし、死亡後は本人の診察も検査も出来ないわけですから、生前の記録しか頼れません。その点、本件ですが、自賠責は書面審査を原則としていますので、十分勝算ありと踏みました。    それでも、雲を掴むようなもどかしさの中、1年間、家族と共に奮闘しました。審査側も推認の部分が大きかったと思いますが、自賠責の好意的な調査・判断には感謝しています。

   タイムマシンと言えば、デロリアン(お台場ヴィーナスフォート)

 

死亡・非該当⇒別表Ⅰ 2級1号:高次脳機能障害(80代男性・東京都)

  【事案】

自転車で道路を横断中、自動車と衝突、救急搬送された。診断名は、頭蓋骨陥没骨折、脳挫傷、急性硬膜下血腫、くも膜下出血。脳出血は止まり、安定をみせるも嚥下障害があり、胃ろう(胃から管を通して栄養接収する)造設となる。

その後、体力の回復に従い、ひどいせん妄(脳のダメージで興奮状態となり、暴れや暴言)を発症した。

【問題点】

せん妄から、暴言、乱暴、破壊行動があり、病院を追い立てられるように退院、転院先のリハビリ病院でも異常行動が続いた。医師からは、事故前からの認知症状が急進行したと認識されていれた。その後、急激に体力が低下、事故から半年を待たず、亡くなってしまった。診断名は肺炎による心不全だが、事故との因果関係なく「老衰」と診断された。

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 多くの弁護士事務所が苦慮していること・・それは、受傷直後の重傷者から依頼があった場合、その長い治療期間から、賠償交渉に至るまで待つ事ではないでしょうか。

 それが2年3年ともなれば、その間、多忙な弁護士先生が定期的にフォローしていくことは、実に大変だと思います。場当たり的なアドバイスでは、治療中の様々な局面での手伝いが及ばず、後遺障害の申請作業では、何度も病院同行できるのか心配です。

 その点、受傷直後に相談を受けた本件弁護士事務所は、迷わず秋葉に預けて下さいました。その結果は以下の通りです。秋葉事務所とのコンビで、解決まで理想的な進行となります。

任せて!

3級3号:高次脳機能障害(30代女性・千葉県)

【事案】

通勤帰宅中、原付バイクで交差点を直進のところ、対抗右折自動車と衝突した。脳挫傷、硬膜下血腫、くも膜下出血の診断で、救急搬送後、開頭手術で命を取り留めた。

その後、記憶障害、言語障害、注意機能障害、開口や嚥下にも異常があり、味覚・嗅覚の喪失も確認できた。また、てんかん発作もあり、長期のリハビリとてんかんへの警戒が続いた。

【問題点】

受傷一ヵ月後から、弁護士経由で受任となった。急性期治療が済めば、高次脳機能障害の評価ができる適切な病院を選び、リハビリと各種検査を進める必要がある。

また、てんかんの危険があるため、早期の症状固定は躊躇われた。

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 高次脳の認定が続々届いています。ここで、今年上半期の4件を紹介します。  

 いずれの依頼者さんも長いお付き合いになっています

   高次脳機能障害の評価・リハビリが出来る病院は限られています。地域ごとに拠点病院が存在しますが、そこに運よく担ぎ込まれる患者はいません。その拠点病院の役割は主にリハビリなので、急性期の治療、手術は地域の大きな病院となります。頭部や脳への受傷となれば、救急車も脳神経外科のある大病院に向かいます。

 しかし、その後、高次脳機能障害の立証を進める上で、急性期の病院が最大の障壁となることが往々にして起こります。急性期治療の目的は、命を助けることです。その後は回復期リハビリに移行します。仮に、半身麻痺や言語障害があれば、どんな医師での障害の存在を認識します。しかし、高次脳機能障害で起こる記憶障害や性格変化など、家族以外にははっきりわかりません。また、一連の症状は急性期治療を担当する医師のフィールド外であり、軽視されがちです。

 本件も主たる治療先の診断能力と無理解から大ピンチに陥りました。とりわけ、高齢者の障害立証は迷走します。等級は当たり前に認定されるわけではないのです。  

別表Ⅰ 2級1号:高次脳機能障害(70代男性・神奈川県)

【事案】

デパートの屋上駐車場内を歩行中、前方不注意の自動車の衝突を受け、頭部を受傷した。主な診断名は、頭蓋骨骨折、急性硬膜下血腫、くも膜下出血。救急搬送後、脳出血への対処から地元で有名な大学病院に急ぎ転院した。

ご家族の説明では、見当識に混乱があり、記銘、注意機能の低下、易怒性がみられた。

【問題点】

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 頭部外傷によって、忘れっぽくなった(記憶障害)、段取りが悪くなった(注意・遂行能力の低下)、すぐキレる(易怒性)、元気がなくなった(易疲労性)、性格が変わった等・・が起きてしまいました。家族は以前と変わってしまった被害者を前に困惑しています。しかし、必ずしも主治医が「高次脳機能障害です」と診断するわけではないのです・・・    高齢者の場合 ⇒ 医師「お歳なので痴呆のせいですよ」

    = 単なる認知症にされてしまう  

言葉が乱暴、医師に反抗的? ⇒ 医師「(怒りっぽい人だなぁ)ケガは治ったので退院しましょう」

    = 医師は事故前の患者の性格を知らない  

脳内出血が止まった ⇒ 医師「もう危険は去りました あとは安静にして下さい」

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 秋葉事務所では、高次脳機能障害のご依頼を常時10件ほどお預かりしています。

 しかしながら、最近、相談数そのものが減ったように感じます。事故自体が減ることはよいことです。ただ、心配していることは、既に他事務所に相談・依頼している被害者(ご家族)さまからのセカンドオピニオンの増加でしょうか。その相談者の多くは、現在の依頼先事務所に対して、契約前の宣伝文句から程遠い、頼りない対応に不安を抱えているようです。残念ながら、担当した弁護士や行政書士が高次脳機能障害の経験に乏しかったのでしょう。  20140508  法律事務所やNPO団体、業者による相談誘致が増加、熾烈を極めているようです。ネット上の広告攻勢で相談先が評価されてしまうとすれば、由々しき問題です。なぜなら、ほとんどのHPは専門書から転用した知識の記述に終始して、肝心の障害の立証方法や誘致できる病院の確保については書かれていません。事務所の実力は正にここで、多くのHPはその実力が未知数です。単に書類を取りまとめて申請するだけの事務所に任せてしまったら、重大な見落とし、検査不足、書類不足・・つまり、等級が軽く評価されてしまう危険性があるのです。

 したがって、再三ですが、以下のように呼びかけます。  

高次脳機能障害の相談は実績で選んで下さい

 現在、ネットの世界では多くの弁護士が「我こそ高次脳機能障害の専門家」と名乗っています。専門的な解説がびっしりのHPを観て違和感を感じないでしょうか? 

 高次脳機能障害の認定数はおよそ年間3000件です。このわずかな認定数から、それ程多くの法律家が担当しているわけがないのです。つまり、年に1件あるかないかの受任数でも、専門書丸写しのHPで経験豊富とうたっているのです。やはり、宣伝が先行し過ぎの風潮を感じます。これもネット社会の功罪でしょうか。

 さて、前置きが長くなりましたが、以下の実績は本物です。私達がいかに高次脳機能障害に取り組み、成功したか・・・生きた記録の数々から、ご自身の類似例を探して下さい。必ず道は開けます。  c_n_9

 前日に続き、高齢者の高次脳機能障害 立証の記録。

 高齢者は足を軽く骨折しただけで、それが2週間の入院ともなれば、歩けなくなることがあります。まして、脳外傷を受けたら・・そこから認知症を発症してもおかしくありません。本件はさらに主治医まで外傷性の関与に懐疑的なのです。

 高齢者の高次脳機能障害は常に認知症との切り分けと、介護状態との因果関係の証明に奔走することになるのです。本件も全力を尽くし、なんとか障害の立証に成功しましたが、介護等級に及ばず7級の判断に。完全勝利というわけにはいかず、事務所は毎回ハードな戦いの連続です。

 秋葉先生イラスト鳥無しsjこの分野、全力で取り組んでいます!

7級4号:高次脳機能障害(80代女性・長野県)

【事案】

自動車に同乗中、交差点で自動車と出会い頭衝突、受傷したもの。診断名は外傷性くも膜下出血。救急搬送後、大事無いと判断されたが、数日後から急激に認知症状が発症した。せん妄、情動障害がみられ、見当識・記銘力の低下もあった。

【問題点】

主治医は認知症と外傷性精神障害が半々?とグレーな判断であり、急性期の治療は必要なく、介護施設への移動を示唆した。このままでは単なる痴呆で介護状態に陥ったことになる。また、相手保険会社も症状と事故外傷の関係に疑問を持ち、治療費の打切りの様相を呈してきた。不安にかられたご家族から依頼を受けた。

【立証ポイント】

専門医による確定診断が必要である。早速、病院同行にて主治医から紹介状、検査記録を取得し、県内の高名な専門医への転院の段取りをつけた。そこでようやく「交通事故外傷による高次脳機能障害」の確定診断となった。ただちに新しい診断書、検査データを連携弁護士に託し、相手保険会社の治療費継続を取り付けた。さらに、医師と打合せを重ね、症状固定までにいくつか追加検査をお願いして、後遺障害診断書一式を完備した。

また、被害者は独居でご家族と同居していなかったので、日常生活状況の克明な説明は困難であった。そこで、介護施設での記録、近隣の友人の意見書も添付してこれを補強した。

等級申請の結果、純粋に7級だけの判断に留まった。しかし、実状は介護を伴う状態である。認知症の進行を考慮されたのか? 現在、連携弁護士により、障害等級の変更を含めた賠償交渉を継続している。  

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 最近、高齢者ドライバーの事故がニュースで採り立たされています。以前にも記事にしたように、国内人口のおよそ3割が60歳以上であることを前提にすれば、高齢者ドライバーの人口比率はうなぎ登りですから事故も当然多くなるわけです。高齢者と事故の関係はそれ程単純な問題ではないと思います。

 それでも、対象を”交通事故被害者”とすれば、今も昔もお年寄りに集中します。秋葉事務所における依頼者の年齢層では、60歳以上は20%ほどですが、とりわけ重傷のケースが多く、昨年の高次脳機能障害の受任数13件の内、4件にも及びます。

 本シリーズ「昨年の重傷案件」、高齢者層の被害者さまが続きます。 c_g_a_4

別表Ⅰ 2級1号:高次脳機能障害(70代男性・山梨県)

【事案】

自転車で直進中、後方から追い抜きざまの自動車のサイドミラーの接触を受けて転倒したもの。診断名は頭蓋底骨折、頬骨骨折、骨盤骨折、他に脳挫傷があり、直後から見当識・記銘・言語に障害があり、右半身麻痺から車椅子となった。また、認知症の発症・進行も指摘された。

【問題点】

本人はリハビリ入院中であり、息子さんご夫婦が相談会に参加された。やはり、高齢者の高次脳機能障害であるため、認知症との切り分けがポイントとなった。また、介護状態が年齢相応のものか事故外傷によるものか、この問題も常に付きまとう。

【立証ポイント】

認知機能の低下、言語障害のため神経心理学検査は限定される。障害の種類によっては正確な検査数値が反映されないからである。診断書の作成には主治医と打ち合わせを重ね、ご家族とは日常生活状況報告書の作成に通常より大幅に時間を割いた。その他、精神障害者手帳の申請をサポートし、既得の介護2級と併せて申請に付した。

体の麻痺は軽減し、車イスを脱するまで回復した。それでも、日常生活に随時介護の必要が認められ、別表Ⅰの判定となった。客観的な検査データが乏しくとも、家族や周囲の観察を丁寧に説明することで道は開ける。  

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 高齢者の高次脳機能障害は加齢による認知症状と切り分ける作業となります。

 ポイントはまず、画像所見です。脳の実質的変化を把握します。認知症状をもたらす病変部とは別に、急性期の損傷及び、関連する脳萎縮等と症状の関連性を明確にしなければなりません。さらに、家族にしか知りえない事故前後の症状のコントラストを強調する必要があります。言葉で言うには易しく、綿密な調査が必要で、実際に現場に行かねばなりません。したがって、遠隔地ともなれば、一種の”賭け”になります。高次脳機能障害で国内トップの実績を誇る弁護士事務所が敬遠した本件は、その賭けに勝ちました。

 なにより、震災に被らなくて良かった。震災後の数ヶ月間、病院は野戦病院状態、交通事故の障害立証などに関わっている暇はないのです。  

別表Ⅰ 2級1号:高次脳機能障害(80代男性・熊本県)

【事案】

自動車運転中、センターラインオーバーの対向自動車と正面衝突、前額部をフロントガラスに強打した。診断名は外傷性くも膜下出血、他に胸椎、肋骨骨折となった。見当識の低下、記憶混濁、情動障害があり、高齢から認知症を発症したとされた。

【問題点】

現役で農業に従事していたが、高齢から事故外傷の影響だけではなく、認知症発症の疑いがあった。リハビリ先でも転倒から下肢の骨折、また内臓疾患での入院も重なり、事故外傷による高次脳機能障害を浮き彫りにする必要があった。

しかし、家族が地元の弁護士数件に相談したところ、「等級が出るまで待ってます」の対応ばかり。どの弁護士も認定結果を様子見しているかのよう。仕方なく、主治医に後遺障害診断書の記載をしていただいたものの、不安は尽きない。東京に在住する家族が、高次脳ではNo1の弁護士に相談したが、「等級認定は難しい」と謝絶され・・・途方にくれて、秋葉事務所に相談にいらした。

【立証ポイント】

高齢者の受任経験が豊富であり、年齢相応の認知機能低下と高次脳機能障害を切り分ける・・秋葉事務所の得意とするところです。早速、本人と主治医への面談を果たすべく、熊本へ飛んだ。本人と家族、主治医と面談、診断書や画像を確認し、「高次脳での等級はいける!」と判断した。もう、これは勘としか説明できません。

脳はレントゲンとCTのみしか撮っていなかったので、MRI検査を追加手配し、脳外科医と画像の精査にあたった。くも膜下出血は受傷した前額部、つまり、前頭葉に出血痕がみられた。しかし、後頭葉に脳挫傷がみられる。これは額をフロントガラスに打ち付けた際、対側損傷と言って、衝撃が脳の反対側に及び、脳が傷つけられたものと判断した。この主治医との打合せを基に画像分析レポートを作成、後遺障害診断書に添付した。

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 高次脳機能障害の仕事、仙台は2度目です。

 高次脳機能障害の立証であれば、全国各地に出向きます。なぜなら、現場で経験を積んだコーディネーターが動くことにより、遺漏なき医療調査・医証収集が達成できるからです。机上の理論、単なる書類収集作業では見落とされることが頻発します。これは書類審査のみで判断される高次脳機能障害の宿痾とも言えます。

 当地の弁護士先生の要請により、仙台入りした当日、本人、家族の面談を行いました。本人の観察、家族からの症状聴取を行えば、想定等級が決まります。

 翌日は主治医面談を実施しました。主治医の認識、実施された検査の数値を確認すれば、立証計画の策定に進むことができます。追加が必要な検査を打診、または他院への検査誘致を検討します。 doc-web  短時間の面談で医師の協力を取り付けなけれななりません。今回も治療と障害の立証、それぞれに理解のある医師で安心しました。医師との折衝から、本件は家族の観察を重視、それらを医師へ詳細かつ的確に伝達することで、精密な診断書の作成が可能と判断しました。

 このような判断は相当の経験を積まなければできないはずです。手前味噌ですが、日本で高次脳機能障害を最も経験している行政書士事務所は、秋葉事務所かと自負しているところです。

 多くの弁護士事務所から自賠責保険の手続き、言わば立証局面で協力要請を受けております。被害者救済に専心した、そして裁判に勝ちたい弁護士先生からのアプローチを常にお待ちしています。  

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 高次脳機能障害の症状で、性格や感情面に変化が現れるケースを多数経験しています。

 脳に器質的な損傷を受け、神経系統に障害が残った場合、知能や判断の低下、記憶や言語の障害等、たくさんの症状が起こります。それら症状は被害者によって違います。その一つ一つを立証するために、客観的なデータが望まれます。これら検査を総称して神経心理学検査と呼んでいます。既にこのHPではその多くを解説してきました。しかし、一連の検査をもってしても症状に該当するものがなく、心もとない分野として、易怒性(不自然にキレやすい)などの情動障害、文字通り人が変わってしまった性格変化が挙げられます。

 情動面・性格面は被害者の感情や個性に依拠しますので、そもそも人それぞれです。怒りっぽい人、のんびりした人、性格が違うように、客観的な比較ができないものです。判断する医師だけではなく、審査すべき側である保険会社も、事故前の被害者の性格を知りませんので、変化(障害)などわかりません。

 さらに困ったことに、ケガをする前に検査をしていた人など皆無で、事故前後の客観的比較データを得ることはできません。そこで、障害による一連の変化は、家族が克明に説明・主張していくことになります。それでもわずかながら、情動面を数値化する検査がCAS検査です。CAS検査は元々、注意機能の低下を判断する、総合的な検査であるCAT検査に続いて作成された経緯があります。

 以下、サクセスベル株式会社さまHPより引用させていただきました。   標準意欲評価法(CAS)の構成

1 面接による意欲評価スケール

 被検者と一定の時間面接をおこない、その間に17項目について逐次5段階評価を行います。

2 質問紙法による意欲評価スケール  被検者に質問紙(記入紙)をわたし、過去数週間の自分の考え、気持ち、行動に照らし合わせて、もっともよく当てはまるところに○を付けさせるというものです。

3 日常生活行動の意欲評価スケール

 被験者の日常生活を、約7日にわたり観察し5段階評価します。場所は、病棟、訓練室、外来(在宅)、施設などであり、関連のスタッフが分担・協力することが大事です。

4 自由時間の日常行動観察

 被検者が所定のスケジュールがない自由な時間になにをしているか、5日~2週間以上観察。場所、内容、行為の質、談話の質などについて評価します。

5 臨床的総合評価

 臨床場面での総合的な印象に基づき、5段階の臨床的総合評価をおこないます。    情緒、感情面に踏み込む、画期的な検査キットです。特に、自発性の低下など、意欲に関するデータを取ることができます。すべての情動障害・性格変化を明らかにすることは叶いませんが、それでも自賠責の障害審査の一助となり、後の賠償交渉においても弁護士の武器となる有難いデータです。これらの検査結果に家族の観察をリンクさせて情動障害を明らかにします。

 本日は、千葉県の病院同行にて、主治医にCAT、CAS検査を依頼しました。本件も症状固定を前に、立証作業は大詰めに入ります。

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 今更ですが、自賠責で高次脳脳機能障害として認定されるための入口部分の3つの要件をおさらいしましょう。

(1)傷病名が脳挫傷、びまん性軸策損傷、びまん性脳損傷、急性硬膜外血腫、急性硬膜下血腫、外傷性くも膜下出血、脳室出血であること、  骨折後の脂肪塞栓で呼吸障害を発症、脳に供給される酸素が激減した低酸素脳症は、これに該当します。

(2)それらの傷病がXP、CT、MRIの画像で確認が出来ること、

(3)頭部外傷後の意識障害が少なくとも6時間以上続いていること、もしくは健忘症あるいは軽度意識障害が少なくとも1週間以上続いていること、    この3要件の特に(2)と(3)の両方が欠けていれば、いくら症状があろうと、高次脳機能障害はきっぱり否定されます。(2)の画像所見がなければ「MTBI」(外傷軽度脳損傷)と烙印を押されてしまいます。今まで高次脳が否定された数々の悲劇を見てきました。本件も自賠が蹴ったら訴訟認定を目指すしかないのか、と常に不安でした。

 しかし、自賠責の高次脳・専門調査機関である、高次脳審査会は全体の医証を検討、認定しました。その柔軟かつ、事実を重んじる審査姿勢に脱帽、本件では調査事務所に最大の賛辞を贈りたいと思います。

 

3級3号:高次脳機能障害(60代男性・栃木県)

【事案】

道路を歩行横断中、バイクにはねられ受傷。救急搬送され、腹部を手術、その他、次の診断名となった。腸間膜損傷、恥坐骨骨折、腓骨骨折、顔面裂傷、歯牙欠損、そして脳挫傷。

ケガに比して回復良く、1ヶ月ほどで退院できた。しかし、その後、難聴、排便障害、右脚の外反など、いずれも自賠責の障害基準に満たない微妙な症状の表出が続いた。通った病院は6ヶ所、受診した診療科は10科を超えていた。

【問題点】

警察、病院とも関係悪く、相手保険会社もわずか3ヶ月での打ち切り。続いて自らが契約の人身傷害も1年で治療費対応を終了。このまま症状固定もせず、だらだらと治療が続いてさらに2年が経過した。このような状態で家族は弁護士を探したが、どこも受任していただけず、最後の弁護士が受任し、秋葉への協力依頼となった。

また、本件最大の問題は「画像所見」が微妙で、脳に器質的変化がないこと、意識障害は「せん妄」(性格・行動が荒れる症状)があるものの、「意識障害なし」とされている。これでは自賠責の基準上、高次脳の認定は「門前払い」が濃厚だった。

【立証ポイント】

事故の終結に向け、人身傷害の保険会社とまず協力、休業損害の先行払いをお願いした。この軍資金を得て、11回の医師面談を実施した。どの医師からも敬遠されていた依頼者さんであったが、平身低頭、検査と診断書の記載をお願いして回った。

意識障害は救急科の医師に記載を直して頂き、「せん妄」の追記を頂いた。画像所見は微妙であったが、唯一、挫傷痕を指摘した医師と面談、主治医とは別にその所見を診断書にしていただいた。並行してリハビリ科の医師に出来るだけ他覚的所見をまとめて頂き、他科の診断書も歯科も含め6科に依頼、所見の記載をせっせと集めた。

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 事務所開所以来、高次脳機能障害に注力、取り組み続けています。ありがたいことに、北は北海道から南は九州・沖縄まで、全国の弁護士事務所からご相談やご依頼を頂いております。

 その期待は大きなプレッシャーですが、絶対に応えなければなりません。それは、弁護士を助けると同時に被害者の運命を変える仕事だからです。

 重傷事案の解決は何より、後遺障害の立証に尽きます。

「絶対に負けられない戦い」なのです。 7ee7bb29

7級4号:高次脳機能障害(30代女性・北海道)

【事案】

交差点を歩行横断中、後方よりの右折自動車に跳ねられ受傷。診断名は外傷性くも膜下出血、脳挫傷、骨盤骨折となった。

ご本人は完全回復を目指してリハビリを続け、仕事にも復帰したが疲れやすく、家族も示談を急ぐ相手保険会社とこのまま示談してものか不安になり・・弁護士事務所へ相談に訪れた。

【問題点】

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「交通事故被害者救済」がスローガン! 病院同行に日夜奔走しています。解決まで二人三脚、一緒に頑張りましょう。

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