法令から読んでも具体的にとらえられませんので、厚生労働省のパンフレットから転載しました。認定基準にもう少し踏み込みます。

  (1)介護の手間に係る審査判定   1. 要介護認定は、介護サービスの必要度(どれ位、介護のサービスを行う必要があるか)を判断するものです。従って、その方の病気の重さと要介護度の高さとが必ずしも一致しない場合があります。

 [例]認知症の進行に伴って、問題行動がおこることがあります。例えば、アルツハイマー型の認知症の方で、身体の状況が比較的良好であった場合、徘徊をはじめとする問題行動のために介護に要する手間が非常に多くかかることがあります。しかし、身体的な問題が発生して寝たきりである方に認知症の症状が加わった場合、病状としては進行していますが、徘徊等の問題行動は発生しないため、介護の総量としては大きく増えないことが考えられます。

2. 介護サービスの必要度(どれ位、介護サービスを行う必要があるか)の判定は、客観的で公平な判定を行うため、コンピュータによる一次判定と、それを原案として保健医療福祉の学識経験者が行う二次判定の二段階で行います。

3. コンピュータによる一次判定は、その方の認定調査の結果を基に、約3,500人に対し行った「1分間タイムスタディ・データ」から推計します。

 要介護度判定は「どれ位、介護サービスを行う必要があるか」を判断するものですから、これを正確に行うために介護老人福祉施設や介護療養型医療施設等の施設に入所・入院されている3,500人の高齢者について、48時間にわたり、どのような介護サービス(お世話)がどれ位の時間にわたって行われたかを調べました(この結果を「1分間タイムスタディ・データ」と呼んでいます。)。

4.① 一次判定のコンピュータシステムは、認定調査の項目等ごとに選択肢を設け、調査結果に従い、それぞれの高齢者を分類してゆき、「1分間タイムスタディ・データ」の中からその心身の状況が最も近い高齢者のデータを探しだして、そのデータから要介護認定等基準時間を推計するシステムです。この方法は樹形モデルと呼ばれるものです。

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 認定する際の審査体制と区分について続けます。  

9 介護認定審査会について

(1)審査判定業務を行わせるため、市町村に介護認定審査会を置く。・・・法第14条   (2)認定審査会は、委員のうちから会長が指名する者をもって構成する合議体で、審査及び判定の案件を取り扱う・・・施行令第9条第1項

(3)合議体の委員の定数は、5人を標準として市町村が定める。・・・施行令第9条第3項 10 一次判定、二次判定の位置づけ

介護認定審査会は、基本調査の調査結果及び主治医意見書に基づくコンピュータ判定の結果(一次判定)を原案として、特記事項及び主治医意見書の内容を加味した上で決定(二次判定)を行う。(「介護認定審査会の運営について」平成21年9月30日老健局長通知)

11 法第7条第1項の厚生労働省令で定める区分(要介護状態区分)について 「要介護認定等基準時間」により状態を区分(要介護認定等に係る介護認定審査会による審査及び判定の基準等に関する省令)

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用語と法令について続けます。今日は認定に関わる事項について。

6 要介護(要支援)認定について 1) 介護(予防)給付を受けようとする被保険者は要介護(要支援)者に該当すること及びその該当する要介護(要支援)状態区分について市町村の認定を受けなければならない。 ・・・法第19条第1項及び第2項

(2) 介護認定審査会は、審査及び判定を求められたときは、厚生労働大臣が定める基準に従い、当該審査及び判定に係る被保険者について、審査及び判定を行い、その結果を市町村に通知する。・・・法第27条第5項

※ 厚生労働大臣が定める基準:要介護認定等に係る介護認定審査会による審査及び判定の基準等に関する省令

(3) 市町村は法第27条第5項前段の規定により通知された認定審査会の審査及び判定の結果に基づき、要介護(要支援)認定をしたときは、その結果を当該被保険者に通知しなければならない。・・・第27条第7項及び第32条第6項

7 「認定調査」について

市町村は、被保険者から要介護認定等の申請があったときは、当該職員をして、当該申請に係る被保険者に面接させ、その心身の状況、その置かれている環境その他厚生労働省令で定める事項について調査させる。・・・法第27条第2項

※ 厚生労働省令で定める事項:要介護認定申請に係る被保険者の病状及び当該者が現に受けている医療の状況

8 「主治医意見書」について

市町村は、被保険者から要介護認定の申請があったときは、主治医に対して、身体上又は精神上の障害の原因である疾病又は負傷の状況等について、意見を求める。・・・法第27条第3項続きを読む »

交通事故で受傷し、介護認定を受けるケースがあります。 改定が多い介護認定制度ですが、数回にわたり勉強していきましょう。まずは用語と関連法令を確認します。

1 介護保険制度における被保険者の定義・・・法第9条

① 市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者(第一号被保険者)   ② 市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の医療保険加入者(第二号被保険者)

2 「要介護状態」の定義・・・法第7条第1項

身体上又は精神上の障害があるために、入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部又は一部について、厚生労働省令で定める期間にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態であって、その介護の必要の程度に応じて厚生労働省令で定める区分(要介護状態区分)のいずれかに該当するもの(要支援状態に該当するものを除く。)をいう。 ※ 厚生労働省令で定める期間:原則6ヵ月

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 運転免許取得には視力および聴力の一定基準を満たす事が条件です。免許取得や更新の際の検査でお馴染みですね。  先月、てんかんの持病を持つドライバーの重大事故が起き、業務日誌で少し触れました。  → 障害者への免許付与について

 精神病患者や知的障害者など、特定の疾患を持つドライバーの欠格について、法改正の面からもう少し語りたいと思います。

(1)平成14年道路交通法改正

 飲酒運転の罰則強化を柱とした、2002年6月より施行された道路交通法の改正では、飲酒運転の罰則強化以外にも改正が行われています。その一つに、免許取得に関する欠格条項の改正がありました。  これまでは「特定の基準を満たすものを対象に、免許取得の拒否や免許更新の取り消しを一律に行う方式」(絶対的欠格事由に基づく方式)でしたが、法改正より「特定の基準を満たすものを対象に、免許取得の拒否や免許更新の取り消しを行うことができるとする方式」(相対的欠格事由に基づく方式)に変わりました。これだけを見ると「欠格事由の緩和」のようですが、欠格事由の対象となった病気や障害の患者団体を中心に、この改正の中身に異を唱える意見がでました。さらに交通事故遺族団体を中心に、「免許申請時の診断書の提出」や「定期的な健康診断の義務付け」といった規制強化を主張する団体も異論を展開し、現在まで続く法律議論となっています。

(2)問題とされた事項と改正点

 従来より欠格条項自体は存在しましたが、一見して判断できるケース(足が不自由であるなど)を除いて厳格に運用されているわけではありませんでした。それは申請時に病気を隠して申請する者も多く、実態を把握できなかったこと、さらに欠格条項に違反したからといって、ただちに罰則とならなかったことが問題とされています。  この法改正の中身、骨子ですが、運転免許の取得や更新には、相対的欠格事由に該当するかどうかを判断するための申告書の記入が義務付けられることになりました。申告書への記入内容によっては、運転適性相談を受けることが義務付けられ、適正であると診断された場合にのみ免許の取得や更新が可能となります。また、運転免許取得後も、病状に変化がある場合には、運転適性相談を再度受けることが義務付けられました。当然ですが、義務ですから違反すれば罰則となります。

(3)プライバシー問題

 本改正に伴い、申告書への記入内容にて運転適性相談が必要となった場合、医師の診断書の提出が義務付けらることになりました。しかし病歴はプライバシー情報であり、プライバシー情報を警察が集めることになるとの指摘が起きたのです。 この問題は、未だ解消されていません。  実は14年6月の法改正の素案段階において、欠格条項に病名が複数盛り込まれていました。これは、特定の病気に対する偏見を引き起こし、雇用差別などにつながるとの指摘があっため、患者団体の働きかけを受け、法案からは病名が取り除かれました。

(4)法案に挙がった病名

・統合失調症

・双極性障害

・躁病、 重度だと判断されるうつ病、 持続性の妄想障害

・てんかん(意識障害)

・ナルコレプシー(睡眠発作)

・脳虚血(意識障害)

・糖尿病(治療薬の副作用である、低血糖によって引き起こされる意識障害)

・睡眠時無呼吸症候群(睡眠発作)

先日のバス事故も直接原因が運転手の居眠りです。ナルコレプシーという聞き慣れない病名がありますが、睡眠障害の一種で、簡単に説明すると発作的な「寝落ち」を繰り返す病気です。神経学の分野となりますが、最新の研究では脳に病原があるとの指摘があります。単なる居眠りか?ナルコレプスキーか?このような議論も起きそうです。

 これらの病気を持つドライバーの事故が多発している以上、法規制の強化へ傾きつつあるのが現状です。

 今後一連の法改正について重度の障害者、とくに高次脳機能障害の方などの免許取得に関して私たちも注視していかなければなりません。

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 私の所属する越谷支部では若手有志による勉強会を隔月で続けています。昨日は司法書士N先生講師による「成年後見相談における対応」でした。高齢化社会のなかでますます後見人のニーズが高まっていますが、今回の講義で印象に残ったのは、

1、本人(成年被後見人)のための制度であること

 後見人になりたい近親者や他人が自身の都合や利益のために後見人申請をするケースがあり、本人の利益という観点からしっかりと説明し、理解を促すことが大事です。

2、後見制度において利用する信託制度

 やはり不道徳な後見人が本人の財産を侵すケースが多いのか、家庭裁判所も法律家が後見人となること、もしくは後見監督人(後見人をさらに監督する専門職)を推奨しています。

 さらに本人の財産を信託化、一定の管理により保護する制度が最近できました。今後この制度の普及、動向に注目です。

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既に報道でご存知と思いますが痛ましい交通事故が起きてしまいました。  京都・祇園で発生した乗用車が歩行者を次々とはねた死傷事故、車を運転していた男性はてんかんの持病があることが報道されています。

 私も高次脳機能障害の検査・診断の傍ら、てんかんの有無はもちろんですが、障害が自動車運転に与える影響について家族と一緒に医師と相談します。軽度、障害9級で車の運転を続ける方も多いのです。その際、医師が運転の可否について診断を下します。今後この診断書に重みが増すことは間違いありません。

 実は事故発生の2日前となる4月10日、小川敏夫法務大臣が危険運転致死傷罪の法改正に関する考えを述べていました。大臣の発言は、昨年4月に発生した栃木県鹿沼市クレーン事故の遺族が、危険運転致死傷罪の適用範囲にてんかん無申告の運転免許不正取得者による死傷事故も盛り込むようにとの要望書を提出したことを受け発言したものです。遺族が集めた最終的な提出署名数は、刑法の条文改正が17万0829名、運転免許交付制度の改正が16万7398名でした。

 このタイミングでの昨日の事故、法改正への動きが加速しそうです。現在免許を取得、更新する際に自らの障害を申告するのはほぼ任意です。病歴情報はセンシティブ情報(特に取り扱いに配慮が必要な個人情報)で、行政側はその病歴・既往症の告知義務に消極的なのです。しかしこれに一定の法的義務を課すべきとの声は以前からありました。

 以下は、法務省のウェブサイトに掲載された記者会見の概要から抜粋しました。

 質問:昨日、栃木県鹿沼市クレーン事故の御遺族の方がお見えになって,危険運転致死傷罪の適用範囲にてんかん無申告の運転免許不正取得者による死傷事故も盛り込むようにとの要望書を手渡されました。 危険運転致死傷罪に関しては,元々は,交通事故遺族からの強い要望で創設された条文ですが,適用をめぐっては慎重な適用が多いかと思われます。一方,罰則強化をすると道路交通法との兼ね合いでひき逃げといいますか,逃げ得を許してしまうのではないかとの指摘もあります。法改正の是非も含めて大臣の御見解を伺えればと思います。   小川大臣:危険運転致死傷罪を導入する際にも,随分と議論があったわけですが,その際には,国会の議論の中で附帯決議等で厳格な運用をということが言われていいました。  最近出てきている現象の中では,危険な行為というものは千差万別でいくつもあるので,その中で危険運転致死傷罪を適用する4つの類型だけを取り上げている関係で,同程度に悪質でありながら,4つの類型に入らないから危険運転致死傷罪が適用されないというような構造的な問題があると思います。   ですから,本来,それまでは過失犯ということで事件処理していたものが,法改正を行うと故意犯に近い量刑になってくるということの問題点もありますので,今すぐ法改正を行うとは言えないと思います。

 しかし,実際に,危険運転致死傷罪に規定されたこの類型と同じ程度に悪質な態様でありながら,一方で法が適用され,他方で適用されないという現象が起きてますので,これはこの法の背景も踏まえて検討する必要があるのかなというところです。   今,どういう方向にという方向性を私の方で説明できる状況ではありませんが,そういう問題意識を持っているということで御理解いただきたいと思います。  一方、こうした動きを受け日本てんかん協会も、てんかんと運転免許についての要望書を、法務大臣と国家公安委員長宛に提出していた。要望の項目は、次の3点です。 1.

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 前日に書いています。月曜は事務所を6時に出発、平塚の病院へ。その後横浜地方検察庁に寄って、夕方は事務所に来客2件です。ふぅ~。

 事故報告や相談など電話が殺到する月曜日ですが、なんとか対応していきます。移動中は携帯にでられない場合もありますので予めご了承下さい。

 先週の金曜日は行政書士会越谷支部の研修でした。講師は弁護士坂本先生です。行政書士の「代理」についての解釈は新鮮でした。

AさんとBさんで商談があるとします。

 Aさんの代理で行政書士がBさんに契約を持ちかけることは、民法でいう「意思表示」です。

しかし、Aさんの代わりに行政書士が自らの判断でBさんと契約してしまっては「代理権」行使です。

代理の意味も日常の言葉使いと民法上の定義では違いがあります。ここがまさに民法の勉強度が問われるところです。

 したがって、民法上の代理権行使でなければ、行政書士も相当の範囲で仕事ができるはず、との持論が続きます。    講義後の懇親会でも話は尽きません。「紛争性のある問題が仕事として利益性が高い。」、そして「しっかり民法を勉強するように」等々・・・。いろいろなヒントを与えてくださいました。    弁護士以外の各士業にはどこまでの「代理権」が許されるのか?学術上ではある程度整理できますが、実務上、法解釈はやっかいです。なぜなら3人いれば3通りの解釈が生まれる場合があります。商売上重なる部分があれば、例えば離婚業務や交通事故業務など、弁護士会としては代理権のない行政書士を排除する動きがあります。やはりこのような業際問題は全体的な働きかけ、行政書士会がきちんと有力学説を用い、理詰めで調整してくべきだと再認識しました。  まず個人としてできることは民法の勉強でしょうか。 

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 今朝は6時30分に事務所を出たため、日誌のUPが遅れました。鎌倉方面で、大船からモノレールに乗りました。

 さて、ADRの続きです。弁護士会や保険会社や地方自治体が主催するもの以外に行政書士会のADRがあります。

 裁判をする程ではない些細な紛争ついて、行政書士が解決のお手伝いをすることがよくあります。簡易裁判所の代理権をもつ司法書士は当然に140万までの訴額に対し代理解決が可能です。また労使間のトラブルでは社労士などが実質仲介を行って解決しています。正式な代理権をもたない士業が代理を行う、仲裁に乗り出すことが事実上存在しています。もちろん非弁行為で違法です。しかし弁護士過疎地である田舎では必要悪として仕方ない、暗黙の了解?とされているのでしょうか。

 そこで行政書士会はADR機関を主催し、「ADRの範囲内で当事者の代理人として、行政書士に代理・弁護をさせること」を目標として、紛争代理行為の合法化を計画しています。民事上一定範囲の代理権を取得するという、行政書士の宿願に近づくためです。  行政書士の業務範囲拡大と社会的地位の向上はすばらしいことです。反対する行政書士はいないと思います。

 しかし、私は若干の不安を感じています。それは制度を作る事を目的として、その機関や権利が誰の為であるかを置き去りにしていないか?です。 それはADRによる解決がそれほど実効力を持たないのではないか、と思っているからです。

 例えば簡易裁判所の調停の成立率ですが、民事調停に限定すると30%に満たない地域がほとんどです。調停が成立しない=第3者を交えた話し合いでも解決できなかった・・・。これはつまり仲裁・斡旋の失敗です。裁判所がやっても調停をまとめるのは大変難しいのです。    では交通事故の場合、おなじみの紛争センターでは・・・

 平成22年度の集計で、依頼件数8666件中 → 和解成立7036件 =成立率81.2% 

 調停成立率30%との差はなんでしょうか?

 簡単です。それは紛争センターには斡旋者である嘱託弁護士の斡旋案に一定の拘束力があるからです。  保険会社は斡旋案を尊重することになっています。被害者寄りの斡旋案でもイスを蹴る事はしません。渋々ですが歩み寄ります。これは保険会社と紛争センターが被害者救済を実践している事実として賛辞すべきです。

 しかし、調停では 仲裁する裁判官=あくまで話し合いの仲介者 で、当事者のどちらか一方が斡旋案を蹴ったらおしまいです。  

 斡旋・仲裁機関は裁判ほどの強制力を持たないとしても、一定の拘束力がなければ、もめごとをまとめる力は乏しいのです。    話を戻します。私はADRの成功はこの拘束力にかかっていると思います。

 紛争中の方が当事者同志の話し合いで解決できないので、ADRを利用したとします。しかし和解成立率が2割ではどうでしょう? 調停員を交えて話し合ったとしても、「相手がイスを蹴ったら終わり」だったら・・・利用者をがっかりさせるだけです。調停の民間版では社会に根付く制度には成りえないのではないかと思います。

 将来、弁護士・司法書士・行政書士がローヤー(法律家)として一つの職種に統一する構想があります。その前置としてADRの代理権獲得を推進することは、「まず形を作る」ことを急務としているように思えます。  しかし利用者の利便、社会的存在意義、紛争当事者救済 の志がないと、「とりあえず制度ありき」になってしまいます。

 「仏像彫って魂入れず」 とならない事を願っています。  

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 最近「ADR」ってよく目にしませんか

 民事上のもめごと、たとえば相続分割、離婚、貸金回収、契約トラブル、傷害事件などが起きた時、どうやって解決を図っているのでしょうか?

 ほとんどは裁判とならず、当事者同士の話し合いである示談で解決が図られています。もちろん交通事故もその範疇で、保険会社との示談が圧倒的です。「全交通事故の94%は保険会社が解決しています!」と保険会社の社員から聞いたことがあります。

 示談はあくまで当事者同士で完結します。そこに第3者が仲介・斡旋を行うと、これを紛争処理機構と呼ぶことになります。

 紛争処理は裁判所が主催する調停がよく知られています。当事者に裁判官を交えて話し合いをするものです。ちなみに離婚裁判は調停前置が条件です。(調停前置とは、「裁判を起こす条件は、まず調停をやってから」です。)  交通事故では「財団法人 紛争処理センター」がお馴染みです。他に「日本損害保険協会 そんぽADRセンター」、「日弁連 交通事故相談センター」、自治体が主催する交通事故相談・斡旋窓口も存在します。

 それらは広くADRのカテゴリーに入ると思います。ではADRとは何か・・・

 ADRとは Alternative Dispute Resolution の略で、訳すると 「裁判外紛争解決手続き」です。訴訟手続によらない紛争解決方法を広く指すもので、紛争解決の手続きとしては、「当事者間による交渉」と、「裁判所による法律に基づいた裁断」との中間に位置します。   ADRは相手が合意しなければ行うことはできず、仲裁合意をしている場合以外は解決案を拒否することも出来きます。アメリカ合衆国で訴訟の多発を受けてできた制度で、アメリカから日本に輸入された制度です。  紛争が多発し、裁判が追い付かないアメリカならではの制度ですが、日本でも裁判によらない細かな紛争のスピード処理に期待を込めて続々と出現しています。

 行政書士会でもADRの認可が目下最大の取り組み課題のようです。町の法律家である行政書士が斡旋機関を主催し、もめごとを解決します。将来的にはこのADRの中での弁護士になるべく、ADR代理権の獲得を視野に入れています。  

 ADRやこれら紛争処理機構について少し意見展開したいと思います。明日に続きます。 

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 おはようございます。毎度のことですが、交通事故相談で「相談者自身の保険契約を精査すること」、これを忘れないようにしています。  

<実例>

 自転車で走行中、交差点で自動車と出合い頭で衝突し、足を骨折しました。そして自分にも事故の責任を指摘され、相手との過失割合が10:90となりました。結果として最終的に賠償額から10%削減されて支払われることになりました。 

 「悔しいです・・なんとか0:100にできませんか」  

★ ポイント1

 しかし、必死になって過失割合の交渉をしなくても、ご自身が契約の自動車保険の人身傷害特約でその削減分を請求し補填することが可能です。これは自動車との事故であれば、契約自動車に乗っていない場合、歩行中や自転車搭乗中でもOKなのです。

 ※ ただし「搭乗中のみ担保特約」となっていれば、契約自動車搭乗中に限定されます。   通販型の保険はこれが多いので注意です。  

★ ポイント2

 この自身契約の自動車保険ですが、自分が契約していなくても、「同居の親族」の誰かが契約していれば、保険が適用されます。

★ ポイント3

 さらに、被保険者(保険が受けられる人)の欄に「同居の親族」だけではなく「別居の未婚の子」が記載されていませんか?この別居の未婚の子とは、通学のために別居に下宿している子などが代表例です。しかし、学生に限らず、独身の40歳OL一人暮らしも範囲に入ります。このOLさんが東京で交通事故でケガをして、なんと!九州の実家の親の自動車保険が使えるケースが有り得るのです。

※ 「別居の未婚の子」に年齢制限はありません。婚姻歴無のみが条件です。  一度結婚し、離婚して独身になってもダメです。ですので18歳で結婚し、19歳で離婚バツ1となった人は、未成年であっても「別居の未婚の子」から外れます。なんか腑に落ちませんが、保険約款が民法の「成年擬制」の条項に準じているためと思われます。

<民法第753条>

未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。

民法上、未成年でも婚姻すれば成年と同じように行為能力者とみなします。男子の場合18歳、女子の場合16歳になると婚姻をする事ができますが、婚姻によっても成年に達したものとみなされます。これによって親権者の同意を得ずに単独で法律行為が可能になります。この効果は離婚しても消滅しません。つまり、法律上20歳で大人ですが、未成年でも1度結婚したら大人と扱う、ということです。

  ★ ポイント4

 この「別居の未婚の子」の解釈は他の特約や保険でも共通です。

・ 弁護士費用特約   ・ 無保険車傷害特約 ・ 個人賠償責任保険 ・ 家族傷害保険(共済)      <まとめ>   保険適用に気付かずに請求漏れが多いと推測します。請求しなければ保険会社は払ってくれませんので。また、弁護士や行政書士に相談しても、その先生方が保険に精通していなければ見落とします。

事故相談で必ずすること・・・「自身の保険契約を洗い直す!」です。

  

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 今朝は保険関係のお客さんの緊急の事故で、現場と警察署へ。  事故相手が「人身事故にしないで!」と泣きついて、警察への届け出を拒否していて困っている、とのことです。現場は近所なので、出向きました。

 相手を説得して、警察を呼び、その後事情聴取で某警察署へ。そこでも自分の都合で「物損事故に」と言っています。つまり人身事故では6点減点で免許停止になる、運転の仕事なので困る、といった身勝手な理屈です。よくある話なので私がやんわり説得を試みている時、お巡りさんが急に怒り出し、 「人身か物損か勝手に決めるなぁ!」と怒鳴り始めました。最近は少なくなったのですが、この手のお巡りさんまだ生存しています。私に対しても、せっかく冷静に話を進めようと間に入っているのに、「何だお前は」扱いです。私も寝不足でいつもの穏便・微笑対応も限界です。大声なら負けません、さらにでかい声で「いつもお世話になっていますっ、行政書士の秋葉です!これくらいの大声でないと会話できませんかぁー!」と。署内の警官全員がこちらに注目です。さすがに上司がなんだなんだと間に入ってきて、その後穏便に話は進みました。大声出すなんて、私もまだ修行が足りません。

 このケースでは、被害者が全治2週間以内の軽傷なので累積点数でもないかぎり、1発免停にはなりません。また6点で1発免停でも半日講習を受ければ、即免許復活です。大騒ぎするほどの事ではないのです。しかし、基本として相手の保障能力や保険契約状況がわからない状態では、しっかりと人身事故の届け出をすべきです。ちなみに交通事故の「届出」は道路交通法72条1項で運転者の義務として定められています。人身か物損かは、実務上、診断書を提出したら人身扱い、となります。

 道路交通法 (交通事故の場合の措置)

第72条第1項

交通事故があったときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。  

無料相談会のご案内

 市町村や公的機関の無料相談、弁護士・行政書士の法律相談・・・交通事故相談はたくさん存在します。しかしそれらに足を運んだが、「悩みが解消した」「方針が定まった」「道が開けた」に至らず、あっちこっちまわっている被害者さんを見かけます。それは解決に向けての全体的な流れ(どの時期に何をするか?)や具体的な作業(どの病院で検査をするか?どの弁護士、行政書士が精通しているか?)に踏み込んでいないからです。  交通事故解決の道は、解決までの方針を固める事、具体的な機関に誘致できること、各分野の専門家を熟知していること、です。それらの施策は早ければ早いほど良いのは言うまでもありません。

 NPO法人、協力行政書士の交通事故専門家が対応する 「無料 首都圏・交通事故相談会」 にてお待ちしています。

【日時】 9月17日(土) am10:00~pm5:00

【会場】 赤坂エクセルホテル東急        東京都千代田区永田町2-14-3

【費用】 無料 

 人数に限りがありますので完全予約制です。当方HPメールフォームから「無料相談会参加希望」と明記し送信頂くか、お電話にて申し込み下さい。追って予約時間・詳細をお知らせします

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 先週末の金曜日は私が所属する行政書士会の有志による勉強会でした。昨年から2か月置き位に実施しています。私のように交通事故といった一部門に特化した書士にとって、他分野の先生方から教えを頂く貴重な研修です。

 テーマは「成年後見人」についてでした。埼玉の行政書士会としても複数のNPO法人を立ち上げ、多くの先生が参加しています。交通事故と関わってくるケース・・・高次脳機能障害で自らの判断能力が不十分となってしまった方にいち早く手続きをする必要があります。後見制度について整理します。

  ■ 後見人の種類

1、法定後見人(法的根拠=民法)

判断能力が衰えて支援が必要になってから、後見人を家庭裁判所に選んでもらう制度。この判断能力は医師の診断によります。「日常生活に関する行為」以外のすべての法律行為を本人に代わって被成年後見人が行うことになります。

※ 日常生活に関すること・・・少量の食料品や日用品を買ったり、電車・バス等自らの交通費や医療費の支払など

※ 法律行為・・・代理権、同意権、取消権、追認権

 保佐人は同意権に、補助人は4つすべてについてそのつど裁判所の許可が必要。  

2、任意後見人(法的根拠=任意後見人に関する法律)

 元気な(判断能力のある)うちに、自分で認知症等で判断能力が衰えた時に備えて、「誰に」「どんなこと」を頼むか事前に決めておく制度。当事者(委任者と受任者)間で行う「契約」の一種で、契約書には必ず「公正証書」とする必要があります。

※ 公正証書・・・公証人役場で公証人立会・認定のもとで交わす契約書。法的な強い認証力をもちます。  

■ 成年後見審判の手続き(法定後見人の場合)

1、申立人調査  面接にて、申立の目的・経緯、本人の病歴・診断書、本人の財産・経済状況等を聴取されます。

2、親族調査 電話や書面照会で申立人、親族間の意見を聴取します。親族間の紛争の可能性をはらんでいるからです。

3、精神鑑定 家族暦・生活暦、生活状態・心身の状態、精神の状態、判断能力を調べます。鑑定には医師の診断が必要で、費用は5~10万円です。本人が植物状態のときは省略されることもあります。

4、本人調査  本人と面談します。入院している場合、調査官が出張してくれます。やはり意思疎通が完全に不可能の場合、省略されることもあります。

5、審判 家庭裁判所で裁判官が誰を後見人に選任するかを決めます。

6、登記 審判決定後2週間以内にだれも不服申し立てをしなければ確定し、法務局にて登記の依頼をする。選任された後見人は1か月以内の本人の財産目録、収支報告書を裁判所に提出しなければならない。

7、後見開始  家庭裁判所から照会・指示があれば必ず従い、報告する必要がある。  

 この手続きは行政書士が完全に代理として行うことはできませんが、十分お役にたてますし、得意とする分野です。他にも身体障害者手帳、精神障害者健康福祉手帳、障害者年金、介護認定・・・など必要となるかもしれません。高次脳機能障害の被害者を担当する場合、障害の立証以外にやることがたくさんあるのです。その対応ができるからこそ、この分野での名乗りをあげているのです。

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 今年に入って時効接近相談者を3件担当しました。時効接近相談者、私の造語です。「時効間際になって駆け込んできた」、「時効の接近に気付かずにいた」被害者さんです。  あと○日!鬼のように書類を集め、寝ずに書類を書きあげ、受付窓口に放り込む・・・(お願いです、相談は早めに来て下さい!)

 さてこの時効ですが、交通事故において 民法の損害賠償請求権 → 自動車任意保険 → 自賠責保険 の3つを確認しておく必要があります。

  1、治療費や慰謝料はいつまで請求できるのか

<民法> 第724条 不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から20年を経過したときも、同様とする。

 事故から3年過ぎて「車を弁償して下さい」「治療費を出して下さい」と言っても「時効なので払えません」と言われても仕方なくなります。  条文2行目の20年とは・・・たとえば相手を知ったのが8年後(ひき逃げ犯が8年後に捕まった」、損害を4年後に知った(脳の障害は4年前の事故が原因であったと診断、やっと認定された)、このように3年を過ぎてしまうことがあります。それでもどんな理由にせよ20年で時効になります。

※ 時効をストップさせるには

・裁判をおこす  ・・・確実にストップできます。 ・催告する   ・・・内容証明郵便等で請求を行い6か月延長させる。ただし6か月以内に裁判 を起こさないと時効となります。 ・債務の承認  ・・・相手に請求を行い、1円でもいいから払ってもらう。これは相手が自分に支 払い義務があることを認めることになります。そこからまた3年です。  

2、任意保険会社と示談交渉中ですが・・

<保険法> 第95条 保険給付を請求する権利、保険料の返還を請求する権利及び第63条又は第92条に規定する保険料積立金の払戻しを請求する権利は、3年間行わないときは、時効によって消滅する。

 昨年の改正前まで2年でした。なんで民法が3年なのに保険は2年と厳しくなっているの?との声が上がったのでしょうか、同じく3年となりました。 時効の中断は民法と同じ扱いです。  

3、相手が任意保険に入っていない/自分で後遺障害の申請をするため ・・自賠責保険に被害者請求をしよう・・

<自賠法> 第19条  第16条第1項及び第17条第1項の規定による請求権は、2年を経過したときは、時効によって消滅する。

 時効を中断させるには「時効中断申請書」を担当損保窓口にに提出し承認を受けます。2週間ほどで承認書として戻ってきます。  

4、民法も3年、任意保険も3年に、それなら自賠責も・・

<保険法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律> 第15条 自動車損害賠償保障法の一部が改正され、「第19条第1項中「2年」を「3年」に改める。

この「○○に伴う関係法律の整備に関する法律」は特別法のようなもので便利に使われます。そもそも法律改正は国会の承認や周知期間など、実現するまで時間がかかるものなのです。そこで他の法律が改正され、急ぎ準じる必要がある関連法律をこのように修正するのです。お堅い法律も柔軟なところがありますね。

これですべて3年。覚えやすくなりました。                             続きを読む »

 恥ずかしながら、私の交通事故体験からお話します。     数年前、直進道路を走行中、右の路外(駐車場)から車が飛び出してきました。危ない!と思って急ブレーキ、それでもぶつかる!と思い左にハンドルを切りました。そして左の電信柱に自車の左角が接触しました。飛び出し車とは50cmを残し接触を避けることができましたが、こちらの車は損傷、50万程度の修理費がかかりました。現場で、「あなたの飛び出しを避けた為の事故なので原因はあなたです。責任をとって下さい」と主張しましたが、「自分は悪くない」と頑な態度です。言い争いをしても仕方ないので「保険会社同士の話し合いに委ねましょう」と同意してわかれました。   双方の保険会社の話し合いでは、私30:相手70 の過失割合が提案されました。まぁ妥当な線だな、と私は納得するつもりでしたが、しかし相手は「自分には責任ない!」と突っぱねました。相手にしてみれば自分の車に損害がないので、そのままでいいわけです。予想はしていましたが、相手保険会社の説得に期待しても無駄なので、法的手続きをする旨を伝えました。     ← 左目わずかにウインクとなった愛車

 法律家相手に虎の尾を踏んだな、と言いたいところですが、大船に乗っていられるのは弁護士費用特約を付けていたからです。この軍資金でいかようにも法的手続きがとれます。その時は「支払督促」を選びました。

■支払督促とは

 正式な裁判手続をしなくても、判決などと同じように裁判所から債務者に対して金銭などの支払を命じる督促状を送ってもらえる制度です。  この制度は、民事訴訟法382条で定められたもので、債権回収(お金を取り返す)の有効な手段です。申立ては金銭債権の額にかかわらず、簡易裁判所で行います。

 普通の人なら裁判所からの「払いなさい!」って通知でビビります。案の定、相手は「取り下げて!(慌)」と泣きついてきました。そして元通り保険会社同士の示談に戻って解決となりました。  結局無駄な回り道をしただけです。そもそも車両保険を付けていた私は自分の保険で車を直せるので意味のない手続きです。しかし「支払督促を一度やってみたかった」ので。(不謹慎ですみません)

■支払督促の費用と手続き

 100万円以下の訴額(請求額)ではその0.5%  今回は請求額が50万円なので   50万×0.5%=2500円 + 切手代  安いです。弁護士費用で支払いました。   1、管轄(通常相手方の住所)の簡易裁判所に出向きます。 2、書類(申請書、事故証明書、事故状況説明書、損害見積、通知はがき)を書いて提出するだけです。 3、1週間ほどで相手に支払督促通知が届きます。 4、2週間以内に相手が異議申立をしない場合、債務を認めたことになり仮執行宣言の手続き(30日以内に)ができます。 5、それでも2週間以内に相手が異議申立をしなければ差し押さえができます。

 書記官さんが書き方等教えてくれます。

 ちなみに司法書士や弁護士にこの手続きを任せて5~10万円払ったとしても弁護士費用でまかなえます。

■ 支払督促の注意点

 債権回収の一手段としてなかなか使えます。しかしこの支払督促、注意があります。それは今回は「相手が泣き付き→保険会社へ任す」という読みどおりでしたが、保険未加入で支払い能力がない、もしくは変な人?には脅しは通用せず、督促に対して異議を申し立ててきます。その場合正式な裁判となります。脅しのつもりが本戦になってしまうわけです。  それでも弁護士を雇う軍資金(弁護士費用特約)を手にしていれば大丈夫ですが。

 双方任意保険に入っていても相手が賠償に応じない、保険を使いたくないとごねるケースもあります。その場合「保険の保険」ともいうべき存在です。思ったより使い勝手がいいのですよ。   

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