山本さんイラストsj連日の登板!

 後遺障害等級の等級を決めるためには、基本的には自賠責調査事務所に申請をする必要があります。この自賠責調査事務所の申請先は、交通事故の加害者が加入している保険会社(共済)が窓口となります。申請先が知りたい場合、事故証明書で確認できます。

 自賠責保険(共済)は、自動車 やバイクを運転する際に、自動車損害賠償保障法によって加入が義務づけられている強制保険です。よって、滅多なことでは自賠責調査事務所に後遺障害等級の申請ができないということは生じません。しかし、例外的に自賠責調査事務所に申請ができないことがあります。

 例えば、そもそも加害者がいないような事故であることはもちろんですが、加害者がいても、ひき逃げ等で見つからなかった場合や、加害者の車検切れで自賠責保険(共済)切れにもなり、その後加入されていないような場合、自転車による事故等があげられます。

 後遺障害の審査は別として、保険未加入でも加害者に賠償金を請求できますが、大抵、そのような加害者はお金を持っていません。    ない袖は、c_y_56  そのような場合、被害者ご自身の保険会社(任意保険)の人身傷害特約や無保険者傷害特約への請求をしている場合があります。もしこのような任意保険の保険もない場合には、政府の保障事業を利用できる場合があります。

 政府の保障事業で治療をしている場合には、審査は自賠責調査事務所にすることになりますが、任意保険の場合、後遺障害等級の申請は、自社認定となります。自社認定とは、端的に言えば、自賠責に出さずに任意保険会社で等級を決定する方法です。よって、任意保険会社に後遺障害診断書や画像、診断書・レセプトをすべてそろえた上で提出することになります。

 ある相談者から指摘がありましたが、自社認定の場合、自賠責調査事務所のような第三者的(客観的)に等級を判断する機関ではなく、あくまで支払う側がする審査なので、公平に審査して頂けるのか不安があるとのことです。任意保険会社の担当者も専門的な判断が要求される場合、やはり、慎重になります。そこで、そのような場合には自賠責に諮問をかけます。

 自賠責に諮問をかけ、その意見によって等級が決まりますので、自社認定であっても、主治医にしっかりとまとめて頂いた後遺障害診断書や画像、必要な検査をした場合には、その検査表、診断書・レセプト等、自賠責調査事務所に申請をする場合と同じように書類等をそろえる必要があります。

 結局は遺漏なき提出書類の完備と、それに付随する十分な医療調査が必要です。どこで審査されようと、被害者側が損害を立証する基本は変わりません。  

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山本さんイラストsj久々に投稿します! 前回のつづきです   ⇒  前記事    異議申立は何度も挑戦できるか?    交通事故に遭い、後遺障害申請をしても非該当であったり、等級結果に納得がいかない相談者がいらっしゃいます。中には既に自賠責調査事務所に異議申立を実施した方もいらっしゃいます。そのような場合、もう一度異議申立ができるのか、仮に可能であっても等級が認定されることはあるのか、等を相談されます。

 結論として、自賠責調査事務所に対して異議申立は何度でも可能です。

 よって、納得のいくまで挑戦をすることができます。

 しかしながら他方で、異議申立が通る可能性は低く、初回の異議申立であったとしても全体のうち約6%しか通りません。さらに、2回目以降の異議申立が通る可能性はさらに低くなります。

 そのような状況から、異議申立は何度も可能ではありますが、通る可能性は極めて低いといえます。上記内容は、自賠責調査事務所に対する申請でしたが、これとは別の機関に審査を依頼する方法もあります。

 より公正・中立な判断を行う第三者機関として、平成14年に「一般財団法人 自賠責保険・共済紛争処理機構」が設立されました。    申請に必要な書類は以下の通りです。

① 紛争処理申請書 ② 紛争処理申請書記入要領 ③ 申請書別紙 ④ 同意書 ⑤ 委任状 ※

 上記書類の書式は上記機構のHPからダウンロードできます。

※ 弁護士等に依頼する場合、委任状が必要ですが、その委任状はダウンロードできません。相談された弁護士等に委任状を用意して頂く必要があります。    上記機構は、外部の医師、弁護士等、第三者の参加があり、より中立・公平に審査ができる点でメリットがあります。しかしながら他方で、自賠責調査事務所に対する異議申立の場合と異なり、申請は一度しかできませんので、異議申立をするにあたってはご注意ください。  

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○ 鼻の障害は、

 外貌の醜状(鼻の欠損、鼻が曲がった)と嗅覚障害 に大別できます。   ○ 口の障害は、

 咀嚼障害(食べ物を噛み砕けない)、嚥下障害(飲み込めない)

 言語障害(上手く話せない)

 歯牙の障害(抜けた、折れた、補綴(人工物を使って修理)した)

 味覚障害(味がしない)  このように、大きく5分類できます。

   例えば、顔面の多発骨折や脳損傷の場合、上記の障害が複数生じる可能性があります。しかし、顔面や脳の手術が優先され、その後のリハビリが続く中、徐々に上記の障害が確認されていくのです。鼻の醜状や言語障害は周囲が気付きますが、咀嚼や嚥下、味覚・嗅覚は注意深く観察する必要があります。とくに、高次脳機能障害の被害者さんの場合は、周囲がチェックしなければ、何かと見落とされるものです。

 本人が主張しない症状、家族が気付かない症状、そして、医師が見落とした症状は・・「障害はなかった」ことにされてしまいます。

 交通事故外傷による後遺障害の世界では、”病院にさえかかっていれば”、障害が自動的に認められるわけではありません。目耳鼻口の中でも感覚器の障害は、被害者側の医療調査・損害立証の必要性を強く感じる分野でもあります。    それでは、味覚障害が(そもそも、高次脳機能障害が)見落とされた実例をご参照下さい。   

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 目と耳に続き、鼻と口の実績ページをまとめました。     c_n_2  c_n_6

○ 鼻の障害は、

 外貌の醜状(鼻の欠損、鼻が曲がった)と嗅覚障害 に大別できます。

○ 口の障害は、

 咀嚼障害(食べ物を噛み砕けない)、嚥下障害(飲み込めない)

 言語障害(上手く話せない)

 歯牙の障害(抜けた、折れた、補綴(人工物を使って修理)した)

 味覚障害(味がしない)  このように、大きく5分類できます。      これらの障害について、当然に画像所見が要求されます。さらに、嗅覚・味覚等、感覚器の障害を認定するには、以下のプロセスをたどります。    嗅覚障害を例にしますと・・   1、鼻腔が外傷で損傷

 鼻に実質的な破壊があり、物理的な変形が残存した結果から、鼻の中の鼻腔が損傷、又は狭くなり、臭いがしなくなったケースです。いわば、マイクの故障でしょうか。

2、嗅覚神経が切断された

 臭いは、鼻の奥の嗅粘膜に臭いの分子が付着し、嗅細胞から電気信号に変換されて脳に伝達されます。顔面の骨折などで、この回路が壊れてしまった、いわばケーブルの断線で嗅覚を失うケースです。

3、脳損傷による嗅覚障害

 臭いは最終的に脳で判断することになります。上記の1~2までは問題なしでした。しかし、脳に外傷があった場合、脳損傷による嗅覚異常があり得ます。経験上、前頭葉に脳損傷があった被害者さんに多くみられました。これをパソコンで例えればCPUの故障です。    感覚器の障害はおおよそ、このように段階的に原因を探ります。次に検査です。   4、障害の有無・程度を検査

 原因の見当はつきました。さて、問題は、医師が単に「嗅覚障害」と診断書に書くだけでは、障害認定とならないことです。医師は「臭いがしないから、ここに来たのでしょ?」と患者の訴えに疑いを持ちません。しかし、賠償問題となると、審査側は「臭いがしなくなった証拠」を必要とするのです。したがって、適切な時期に該当する検査をしなければなりません。障害の程度を測る上でも、検査はどうしても必要なのです。   c_n_26続きを読む »

 目や耳では様々な障害の種類があります。代表的な症状に、視力を失う失明や視力低下、二重に見える複視、見える範囲が狭まる視野狭窄があります。耳であれば、聴力が低下する難聴、耳鳴りでしょうか。これらが障害として認定される場合、目や耳、または脳に直接の損傷あれば容易でしょう。しかし、直接の損傷がない場合が問題なのです。   c_g_e_13  c_g_ea_2

 目立った外傷のない頭部への衝撃や、頚椎捻挫(いわゆる、むち打ち)で視覚や聴覚の症状を訴える被害者さんは多く、今までも相談会に多数参加されました。おそらく、神経系統に何らかの衝撃があったのでしょう。しかし、直接の器質的損傷がないケガでは、自賠責は因果関係を疑います。確かに、ケガがなくとも視力や聴覚の低下は起きますので、内在的な病気の影響を捨て切れません。

 秋葉事務所では、これら因果関係に乏しいケースの立証に数例、成功しています。ポイントは受傷直後からの症状の訴えと専門科の受診、早期の検査実施です。そして、その症状が好悪転せず、一貫して続いていることでしょうか。自賠責は、因果関係に確固たる証拠がなくとも、症状の信憑性と一貫性で認定することがあるのです。

 逆に、障害を否定された被害者さんは、症状の発生、もしくは訴えが事故受傷からしばらく経ってからで、眼科・耳鼻科への受診が遅く、又は、検査数値が好調不調から?上下動します。つまり、原因が事故外傷から離れてしまうのです。

 以下の実例からも、「顔面骨折や脳損傷なら立証は容易、直接に損傷の無かったケースは苦労」、がお解かりと思います。   

 

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 桜のピンクが去り、新緑の葉が街路樹を埋め尽くしています。事務所周辺にあるカフェやバーのオーブンデッキで、そよ風を浴びながらの一杯が最高です。お日さまの下で飲食ができる、希少な季節となりました。

201705事務所からの景色も一際明るく映ります。

   GWの営業は暦通りとなります。メール相談なら、連休中も随時受け付けております(返信に2日ほど余裕を下さい)。

 さて、近況ですが、特に変化なく、まずまずの業務状況です。年初から相談会の参加数が例年に比べ振いませんでしたが、先月から好転傾向です。年初の不調は、大手のみならず、中堅法人事務所がリスティング広告で大挙、ネット参入している状況から、相談者・依頼者の分散が原因と考えています。

 現在、ネット上の激烈な宣伝競争から、交通事故被害者は相談・依頼先をあれこれ検索し、選択に悩む時代となりました。やはり、他の商売に同じく、露出の多さ=宣伝力=資金力がものを言うようです。その点、大手法人事務所の優位は続くでしょう。しかし、宣伝費が回っているうちは良いとしても、肝心の対応力・実力が「評判」と言う形でじわじわと効いてくるものです。私達のような小事務所、まして、交通事故外傷・後遺傷害に特化した事務所は、しっかり対応、好実績を重ね、実力を示していくしかありません。

 秋葉事務所の依頼者の一定割合はかつての依頼者様からの紹介です。派手さはなくとも、実力は評価されるものです。地道に良い仕事を継続していくことが、最大の宣伝と思っています。

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 非器質性精神障害とは、脳神経に外傷がない精神的な障害を指します。その代表的な傷病名であるPTSD(心的外傷後ストレス障害)は一般的に知られるようになってきました。現代人の4人に1人は日常や仕事に強いストレスを感じており、心療内科の診断・カウンセリングを受けている人も20人に1人との統計データを目にします。もはや、心の病気は国民病の様相です。当然ですが、交通事故を契機に重度な症状に陥る方もおります。

 交通事故の被害にあえば、誰もがブルーになります。ケガの痛み、治療の苦労、保険会社との折衝でイライラ、その他、労災やら健保やらが絡んで・・まさにストレスの大洪水です。夜も眠れず、事故の場面が常に頭から離れない・・これでは皆、程度の差こそあれ、鬱になってしまうでしょう。 c_g_ne_83 c_g_ne_85  しかし、それが治らないもの=後遺症として、日常生活や仕事に深刻な支障をきたし、専門医の継続的な治療が必要な疾病と認められるには、一定の基準が存在します。それがタイトルの2大ポイントです。加えて、症状の程度や既往症(事故前からの心身症治療歴)も検討されます。自賠責保険では、とくに事故との因果関係を重視します。

 専門的な解説ではなく、わかりやすい実例から説明しましょう。

  1、死を意識するような事故状況であったのか?

○ 多重衝突で潰れた車に長時間、閉じ込められて、ガソリンが漏れている中、救出されるまでの恐怖で・・。

○ 自動車が壁に衝突し、脱出できないまま、血だるまとなった隣の家族が息を引き取るまで見届けた・・。

× ...

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 あらためて復習しましょう。  ~ むちうち研修から   c_byo_k_11   1、受傷から6ヵ月未満で後遺障害が申請されたもの

 受傷の翌日、1ヵ月後であれば、申請した全員に後遺障害が認められることになります。 後遺障害とは、生涯、治りきらない症状のことであり、であれば、一定期間、6ヵ月間の治療の後に申請することになります。調査事務所は、医師が症状固定と診断したものであれば、6ヵ月間には拘らないと公言していますが、むち打ち、腰椎捻挫など、骨折や靭帯、軟骨に損傷がない傷病の場合、短期の症状固定はほとんど非該当とされています。 c_g_a_3  なお、ムチウチの14級9号では、地裁であっても、逸失利益の喪失期間は5年が最大の認定です。 ムチウチは生涯、治りきらない後遺障害と判断されているわけではありません。

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 あらためて復習しましょう。  ~ むちうち研修から

   当然ですが、すべてのむちうち患者が何ヶ月も何年も症状が続くわけではありません。多くは、初期の消炎鎮痛処置にて改善します。それでは、「頑固な症状」とはどのようなものでしょう。先ほどから「神経症状」の表現を用いていますが、これは神経性の疼痛を意味します。頚部の鈍痛はもちろん、上肢(肩~腕~手~指)にかけての「しびれ」が一つの特徴です。そのような症状の被害者さんが認定を得るには、以下の条件をクリアしなければなりません。 c_h_94

1、受傷機転  「どのようにケガをしたのか?」

 当たり前ですが、バンパー交換程度の軽度な追突被害、明らかに軽い衝撃のケガでは、症状が長きに渡るものとは判断されません。自賠責はまず、常識で判断していると思います。

2、受傷から症状固定まで継続的な症状  「痛みはずっと続いているのか?」

 最初たいした事はないと思って病院に行ったのは3日後だった。仕事の繁忙期に入って、途中1ヶ月間リハビリに行かなかった。最初は首の痛みだったが、3ヶ月目から腰に移った。・・・これらは症状の一貫性、継続性が無いものとして、対象から離れます。「むちうちは後から痛みがでる?」このような都市伝説は医学的ではありません。外傷で痛めれば、直後が一番痛くて症状が重くなければおかしいのです。

3、病院での通院実績  「継続的に治療・リハビリしていたのか?」

 症状の緩和の手段として、病院以外の治療機関、例えば整骨院・接骨院、鍼灸、整体、マッサージ、色々な手段があります。しかし、医師のいない、これらは治療類似行為のレッテルから、治療実績が低く判断されます。決して、これらの治療効果を否定しているわけではありませんが、審査側は医師の診断・指示によるリハビリ実績を重んじています。経験上、整骨院の施術を続けた患者より、整形外科でリハビリを続けた患者の方が、圧倒的に認定率が高いのです。

4、MRIの検査  「単なる捻挫では済まない症状?」

 骨折の有無はレントゲンで観ます。むちうちは骨折がないので、画像検査はレントゲンで終わりです。しかし、神経症状が長引くということは、頚部の神経に椎間板ヘルニアや椎骨の角が圧迫・接触していることを原因としているかもしれません。その確認の為に、MRIが有効です。仮に、MRIで異常がない、もしくは加齢からくる自然な変性であっても、医師がMRIを指示したことは、イコール、神経学的所見を疑ったことになります。審査側は、この医師の観点を重視しているのです。

5、神経学的所見の有無  「神経学的所見あり?」

 単なる打撲・捻挫ではみられない所見は、いくつかの検査でも示す事ができます。

c_byo_k_6  c_kei_7続きを読む »

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 ご存知の通り、後遺障害は任意保険会社が認定するのではなく、自賠責保険の調査事務所が審査を行っています。自賠責の発表した統計、ここ8年ほどの推移をみますと、傷害事故は年間およそ115万件発生し、その内、後遺障害の認定6万件前後です。つまり、傷害 で自賠責保険が支払われた(任意社一括払いを含む)被害者の約5%に後遺障害が認められています。さらに、その5%=6万人の内、およそ59%となる36000人前後が14級9号(一番軽い障害等級)です。14級9号のほとんどは頚椎捻挫か腰椎捻挫です。毎年、35000人前後がむちうちで後遺障害が認められていることになります。

 その数が多いのか、少ないのか、あまり実感がわきません。しかし、3ヶ月以上、痛みが治まらず、通院を続けている被害者さんがいるとすれば、これはむちうち14級の予備軍とみて良いでしょう。この予備軍の中で、大げさに通院を続けているわけではない、単なる打撲・捻挫の類ではない患者さんについて、自賠責では「神経症状の残存」として、後遺障害の対象とする可能性があります。したがって、神経症状といった、単なる痛み一辺倒ではない被害者さんを選別、しっかり等級認定へ誘導して差し上げる必要があります。その活動の結果は以下のデータをご参照下さい。  

 秋葉事務所のむちうち・後遺障害14級9号認定 データ 続きを読む »

佐藤イラストsj佐藤も困った

 先日、いつものように病院同行し、院長先生と面談をさせていただきました。しっかりとお話しを聞いてくださり、患者想いの先生だなと感じておりましたが、一度退席を求められ患者と一対一に。退席し、外で待っていたのですが、「こういう業者は必要ないから解任しなさい。お金がもったいないよ。MRI検査も必要ないからね。なんでこんな業者にお願いしたの?」と患者を説得するかのように熱弁をふるっていました。依頼者さんも院長になぜここまで言われなくてはならないのかと思ったそうです。また、大抵このような医師の書く診断書こそ穴だらけで、精査・修正が必要なのです。その後入室し、医師から今後の説明を受け、その日は無事に終了しました。 demisshi2  また後日、同行したのですが、その日はあいにく院長先生が休診だったため、副院長先生の診察を受けることになりました。副院長先生は院長先生のご子息で、診断書等も全て副院長先生が記載しているとのことでした。面談のために入室しましたところ、「後遺障害申請にこのような業者を入れるのは間違っている。」と私を無視して依頼者の説得を始めたのです。「診断書は本人から受け取るから、記載が終わったら保険会社に提出すればいいんだよ。こういう業者は書類を横流ししているだけで、仕事は一切しないよ。そのためにお金を払うのは馬鹿馬鹿しいでしょ?」というように10分間お話は止まりませんでした。親子二代、偏見とは言い過ぎかもしれませんが、極端な主義者です。    地域性なのかこの病院だけなのか分かりませんが、これほどまでに業者を嫌う医師も珍しいです。過去に行政書士との間になにかあったのでしょうか。きっとなにかあったのでしょう。確かに、この医師の説明のような行政書士も存在しますので・・。    交通事故では、加害者側の保険会社が医療調査を行い、打切りや症状の重さについて医療調査を行うことが一般的です。後遺障害の評価も自賠責保険が行います。しかし、本来、その作業が望まれるのは被害者側なのです。被害者はケガの苦しみに耐え、解決までの事務をたった一人で戦っています。もちろん、ずべての被害者さんに病院同行や立証作業が必要とは言いません。しかし、一定数は適切なフォローが必要であり、残念ながら本件の医師が言うように、医師任せ・保険会社任せで、常に、自動的に、間違いのない障害認定が下るわけではありません。    被害者側の病院同行、医師面談、医療調査という作業が一般的に及ぶのは、まだまだ先になりそうです。被害者側からの医療調査の重要性を、これからも地道に広めていければと思っております。  

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 以前も意見しましたが、頚椎と腰椎の14級9号は一緒に、あるいは別の部位で等級認定がある場合、ついでに認定される傾向です。

 ⇒ 併合にゲスの勘ぐり

 本件は膝の靱帯損傷(疼痛・神経症状)で14級が認められた件ですが、腰椎単独では絶対に非該当だったでしょう。頚部と腰部の症状は再発多く、慢性化しやすいものです。もし、次の交通事故で再び後遺障害申請をされた場合、「以前の事故で14級が認めれていますので・・加重障害として支払いはありません」と切り易くなります。

 加重障害とは、同じ障害を二度被った場合、2度目は保険金0円となります。従前の障害を上回る障害となった時は、差額の保険金が支払われます。自賠責独自のルールながら、よくできたものです。被害者に幸いすることもあり、不利に働くこともあり得ます。私達としても、「ついでの認定」には複雑な心境です。

佐藤イラストsj14級をたくさんとっても良いのでしょうか?

14級9号:腰椎捻挫(30代女性・埼玉県)

【事案】

道路工事の警備中、停止させていた車に衝突され受傷した。直後から腰部痛のみならず、足のしびれ、強烈な神経症状に悩まされる。

【問題点】

アルバイト中であったため、救急車は呼ばずに自力で帰宅し、当日は整骨院に行き、次の日に総合病院へ受診することに。その後1ヶ月間、病院の通院が空いてしまった。本来なら14級9号の認定はない。

【立証ポイント】

本件は腰椎捻挫のみではなかったため、1ヶ月の空白があっても認定されたが、通常であれば非該当確実のため、注意が必要。その後紹介した整形外科に8カ月間、労災で治療し症状固定となる。診察のたびに医師が変わるため、後遺障害診断の際には苦労したが、なんとか14級9号認定となった。  

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 腰椎捻挫の14級9号もむち打ちに同じく、他覚的所見が乏しくとも、症状の一貫性と信憑性から認定の余地があります。

 そもそも、神経症状は画像上明確な所見が得ずらく、神経学的所見も明確ではないケースが大多数なのです。私達はある意味、その中で認められる被害者さんを見極める作業をしているのです。認められるべき被害者を選び、認められるべき所見を添えて、審査に上げています。  しかし、常に審査側とシンクロするわけではありません。本件は2度の申請を要することになりました。本来なら、依頼者を説得してまでも最初からお手伝いすべきだったと言えます。 山本さんイラストsj異議申立ては大変です・・

非該当⇒14級9号:腰部捻挫(30代男性・東京都)

【事案】

オートバイで運転中、信号待ちしていたところ、後続車の追突を受ける。直後から頚部痛、腰部痛に悩まされる。

【問題点】

MRIを頚部・腰部でそれぞれ撮影し、通院回数が100を超えていた。相談当時、弊所ではやることが特になさそうであった。依頼者も自分で申請できると考えており、相談時には被害者請求の方法についてのアドバイスに留まった。

その後、結果は非該当となり再び相談会に参加。自覚症状と症状固定後の通院状況の確認をしたところ、腰痛が特に残存していたことから、今度はお手伝いとなった。

【立証ポイント】

異議申立(2度目の申請)はハードルが一気に上がる。まず、症状固定後も症状が残存していることが絶対であり、神経学的所見、画像所見等を「頚椎捻挫・腰椎捻挫の症状の推移について」「神経学的所見の推移」にまとめる必要がある。しかし、本件では目立った神経学的所見がない。相談会で実際にSLR等を試みたが有用な反応は無かった。  続きを読む »

 交通事故解決は、病院任せ、保険会社任せで自動的に良い結果になるわけではありません。

 やはり、被害者自らの努力が欠かせません。しかし、自力でスイスイ進めることができる被害者さんばかりではありません。病院選び、保険会社との折衝で最初からコケてしまう被害者さんが少なくありません。ここで、誰かが助けに入り、治療、立証、賠償、の3つを協調させる必要があります。交通事故の解決にはその指揮者が必要なのです。 山本さんイラストsj本件のマエストロは山本

14級9号:腰部挫傷(50代女性・東京都)

【事案】

自動車搭乗中、直進道路で後続車から追突され、その衝撃で前方自動車に衝突する。いわゆるサンドイッチ追突に。直後から頚部痛・腰部痛に悩まされる。

【問題点】

夫婦で(ご主人は運転者)事故に遭われており、相談時にはそれぞれの症状や通院状況を確認した。ご主人は症状が軽減していたため、後遺障害等級は諦めて通院慰謝料での解決を、奥様は症状が継続しており、このまま治療を継続して事故から半年後に症状固定する方針でいくことになった。しかし、奥様が通っていた整形外科は自宅や職場からやや遠く、通い辛いのが問題であった。主治医も転院を勧めており、病院探しから始めることとなった。

【立証ポイント】

奥様の希望で職場近くの駅付近で整形外科(交通事故治療に理解のある医師)を探すことになった。まず弊所から交通事故の治療ができる整形外科を調べた。候補の院に奥様と共に医師面談を実施、主治医の理解を得た上で通院先とした。

続いて、治療費についての打ち合わせは連携先の弁護士に連絡を入れて保険会社と交渉して頂く。その後、通院を重ねた結果、主治医の治療努力から頚部痛が消滅した。他方で腰部痛が残存したため、後遺障害診断をお願いした。自覚症状や神経検査、画像所見等を丁寧にまとめて頂き、申請に臨む。結果、14級9号が認定された。   私達の病院選定、弁護士の交渉、主治医の治療、3者すべて理想的にまとまった案件であったといえる。  

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 今年に入って、腰椎の実績が続いたので、いくつか紹介しましょう。

 腰椎捻挫は頚椎捻挫、いわゆるむち打ちに続いて多い交通事故外傷と思います。その認定もむち打ちに同じく、症状の一貫性・信憑性がポイントです。骨折等のない障害の立証は”信じてもらう作業”と言えるでしょう。

 対して本件は骨折が診断されていたので、立証は比較的容易ながら、今度は圧迫骨折の11級が認められる椎体の変化を追う必要がありました。椎骨の圧迫骨折11級の認定では、どうやら圧壊率○%との明確な基準はないようで、画像上で明らかに確認できるほど椎体が潰れている必要があります。 佐藤イラストsj本件は佐藤が追いかけました

12級13号:腰椎椎体骨折(70代男性・静岡県)

【事案】

タクシー搭乗中、右折待ちで交差点内で停止していたところ、信号無視のトラックに正面衝突され受傷した。直後から全身の痛みに悩まされる。 c_y_63 続きを読む »

20150108kai(脊髄損傷のMRI画像における高輝度所見)

脊椎に軸圧、屈曲、回旋、伸展、剪断、伸延などの強力な外力が加わり、脊髄の神経伝導路が遮断され、運動麻痺、知覚麻痺、自律神経障害、排尿排便機能障害を起こします。一口に脊髄損傷と言っても、タイプや症状の軽重は様々です。

まず、完全損傷と不完全損傷に分かれ、不完全損傷は4つの典型に分かれます。等級は表の通り1級~9級ですが、脊髄損傷の有無は不明瞭ながら、軽度の麻痺の場合は12級評価もあります。   完全損傷

脊髄が完全に脊椎や椎間板によって遮断されたり、脊髄そのものが引きちぎれるので、非可逆性で回復はしません。ほぼ、全身麻痺で寝たきり状態は必至です。環椎・軸椎部分の場合、呼吸困難で多くは死亡となります。

不完全損傷

① 前部脊髄損傷・・・運動麻痺はあるが、触覚、位置覚、振動覚は保ちます。 ② 中心性脊髄損傷・・・下肢より上肢の運動障害が強く、温覚と痛覚が麻痺、触覚は保ちます。 ③ 後部脊髄損傷・・・少数例。触覚、位置覚、振動覚は麻痺しますが、運動障害はありません。 ④ ブラウン・セカール型損傷・・・脊髄の片側損傷で、損傷側の運動麻痺と反対側の温覚・痛覚が麻痺。  

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 今年の桜は春とは思えない冷え込みで、開花の遅れに加えて、花が長く持った感があります。今月2回目の東京相談会は再び桜の中、むかえられそうです。

2017040921360000 事務所近く、祝橋の桜

 さて、今週15日土曜日も東京相談会です。新年度のスタートから連日のように、ご相談・ご予約をいただき、まことにありがとうございます。定員があるわけではありませんが、予約の空きは以下の通りです。5月相談会はGW後の5/20(土)になりますので、早めのご参加をお待ちしております。  予約枠が全部埋まると否応なしに気合が入ります!

 ① 10:00~ 1枠 のみ!

   かつての最多参加相談会は平成24年1月の東京会場で、なんと28名でした。朝8時から夜8時まで・・よく、全件対応できたものと感心しています。    

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 自賠責保険の認定基準は公表されている労災基準に準用としているだけで、詳細を明かしていません。おおよそは同じ基準ですが、私達は経験から見当、割り出している部分もあります。醜状痕の認定等級は以下のとおりです。業界初の完全整理票です。

 次いで、実例を列挙します(「女子・・」とある例は、旧基準で男女差があった時代の認定例です)。  

自賠責保険 醜状障害の新認定基準後遺障害認定等級(平成23年改正)

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 それでは、腰椎捻挫で12級13号が認められるには?を実例・実績から検証します。    腰椎捻挫の12級13号認定もむちうちに同じく画像勝負です。単なる加齢による年齢変性ではすまない、MRI上の明確な圧迫所見が条件です。    それが、この画像です。私達はこのヘルニアの圧迫画像を「ドスン」と呼んでいます。

youtui herunia dosun  このレベルの画像であれば、あとは神経学的所見を丁寧に拾い上げるだけです。  

 

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 国民の5人に一人は腰痛持ちとされています。

 事故によって症状が発症したことを立証しなければなりません。 ne25-6

 交通事故外傷でも頚椎捻挫、いわゆるムチウチに次いで多い傷病名です。後遺障害認定の条件は頚椎捻挫に同じく、症状の一貫性と信憑性です。事故に遭えば、皆一様に「痛い」と主張するわけですから、疑わしいものは排除されます。やはり、受傷初期から丁寧に治療・リハビリを進めて、後遺障害申請に備えるべきでしょう。

 傾向として、首と腰の両方の痛みを訴える被害者(申請者)が多いことから、14級の場合、頚椎・腰椎の両方に等級認定がされるようです。  

 

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