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 前回述べた3つの靭帯が骨化していく病気について、簡易にではありますがまとめました。

 これらの病気のうち、特に後縦靭帯骨化症と黄色靭帯骨化症は、せき髄を圧迫する病気であり、これらを患っている方が交通事故に遭われた場合、ムチウチ等の症状と同様、ないしはそれ以上に辛い症状がでることがあります。

※ 前縦靭帯骨化症の場合、せき髄を圧迫しないので前述したように症状が出ることはあまりありませんが、後縦靭帯骨化症が併発しているケースが多いです。

 しかし、一部症状がムチウチの症状と酷似しているため、事故によるものか、病気によるものかの区別ができない場合が多くあります。また、調査事務所もムチウチの後遺症(後遺障害)については症状が信用できるかどうかでみております。MRI画像上で後縦靭帯骨化症等が判明すれば、「既往症あり」として、等級を認めないケースもあります。

 それでは、交通事故に遭われた場合、完全に等級が認められないのでしょうか。

 結論として、事故前から症状があり、症状が交通事故後によりひどくなった場合に、既存障害を前提として等級を認めてもらうように申請をする場合があります。

 例えば、まず交通事故以前に後縦靭帯骨化症を診察されていれば、その時の症状と交通事故後の症状とを比較し、前者が14級9号レベルの症状であった場合で、かつ後者の症状が12級13号レベルの症状であった場合、12級13号を現存障害とし、14級9号を既存障害として認められることがあります。これは自賠独自の「加重」の計算で、

 現存障害(12級の224万円)- 既存傷害(14級の75万円)=149万円の保険金支払い となります。

 裁判上でもこの計算方式が踏襲されることが多くなります。したがって、この差分を前提に裁判基準へと計算し直し、弁護士は相手方保険会社に対して請求する傾向です。
 
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 <MRI・T2画像>
 矢印の3箇所に無信号部分=黄色靭帯骨化症が認められ、硬膜嚢を圧迫している。(『骨軟部CT・MRI』 羊土社 より)
 
 交通事故にはなるべく遭わないように気を付けて頂きたいのですが、特に後縦靭帯骨化症、黄色靭帯骨化症の方々は交通事故に遭わないよう注意して頂く必要があります。それは症状の悪化だけではなく、今後の生活や治療費の額についても、通常の方よりも不利に働くといえるからです。
 

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