父が入居している介護施設から度々入る電話で、「今朝、お父様の右肘に少し痣がありました。ベッドから降りる際、こすれたようです。」と、些細なケガでも一々報告が入ります。これは、家族が傷や痣を見つけて、施設で暴行、虐待、乱暴な扱いがあるのでは・・と不信感を持つことに、事前に対処しているのかと思います。もちろん、そんなことはないと信頼はしています。それでも、施設は徹底して報告してきます。これは、施設内で利用者を乱雑に扱い、暴行までしていた事件があったことに端を発します。
実際、介護施設で利用者に虐待するなど、極めて珍しい事件です。ただし、一度発覚すれば、大々的に報道されます。実際は、そのような悪い介護職員はほんの少数です。多くの方は真面目に取り組んでいます。どの業種にも不届き者はおります。0ではありませんが、それは圧倒的少数です。しかし、センセーショナルな事件は100%報道されます。一たび起これば、業界全体の信用が揺らぐのです。 例えば、放火が疑われる不審火は、全国で1日平均10数件起きています。ほぼ毎日のように逮捕もあるようです。しかし、無職の方が放火で捕まっても(つまらないのか)、余程ニュースのない日でなければ報道されません。もし、芸能人の不倫でも起きれば、絶対にそちらに時間が割かれます。つまり、マスコミはネタを選別して報道します。耳目を集めるニュースを選んでいるのです。一方、もしも消防職員が放火で捕まれば・・絶対に報道されます。それは、「けしからん(怒)」度合が高い事件になるからです。しかし、消防職員が放火をするなど、百年に1回の珍事なのです。
このマスコミが報道を選別する事象を、私は「消防署員放火の理論」と呼んでいます。それは極めて例外的な事件ながら、100%報道されるセンセーショナルな話題だからです。したがって、「最近の消防署員はけしからん(怒)」と印象を持つことは短絡的で、マスコミの報道選別に操作されていると思うのです。 前置きが長くなりましたが、本件のニュースは「消防署員放火の理論」に合致するものでしょうか? 自身の職業を利用した犯罪者がネットで情報交換をしている姿に、「氷山の一角では?」とすら感じてしまいます。実際は、教員の性犯罪者など少ないと思いたい。「消防署員放火の理論」に同じく、極めてレアケースと願うばかりです。 <AERAさまより>
小学校教諭児童盗撮事件 まさか「学校だより」を担当する先生が…仕事中に「盗撮」する教師の心理とは?
児童を盗撮した画像をSNS上のグループで共有したとして、名古屋市の小学校教諭らが逮捕された事件は世間に衝撃を与えた。その後も教員による児童盗撮などの事件が相次いでいるが、なぜ教員という職にありながらこのような犯罪に手を染めるのか。児童への性加害者らの治療に当たる専門家は「そもそも、学校は性暴力が起きやすい『危ない場所』だ」と指摘し、犯罪が起きにくい環境づくりの重要性を訴える。
6月24日、愛知県警に逮捕されたのは、いずれも小学校教諭で名古屋市の森山勇二(42)と、横浜市の小瀬村史也(37)の両容疑者。秘匿性の高いアプリを使い、約10人の教員らによるSNS上のグループで画像や動画を共有した疑いが持たれている。報道によると、森山容疑者は「学校だより」の作成担当で、普段から児童を撮影する立場にあり、撮った画像を悪用したとみられている。
教員による児童への性暴力事件は後を絶たない。
6月30日には、勤務する小学校の10歳未満の女子児童にわいせつな行為をしようとしたとして、広島市の小学校教諭の男(38)が逮捕。7月1日には熊本県で、勤務先の小学校の教室で女児のスカート内を盗撮した27歳の男性教諭が懲戒免職となったことが発表された。
親世代が持っていた「学校は安全」という常識はもはや通じない時代になりつつあるが、専門家は「むしろ逆だ」と警鐘を鳴らす。「そもそも、学校は性加害が起きやすい条件が整った『危ない場所』なのです。親や先生方には酷かもしれませんが、その事実をしっかりと認識し、危ない場所だという前提に立つ必要があると思います。」
そう指摘するのは、長年、性犯罪者の再犯防止などに取り組む精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳さん(西川口榎本クリニック副院長)だ。学校や家庭のように閉鎖的で、教師と児童、親と子、という絶対的な力関係が存在する空間は、性暴力が起きやすいという。事実、斉藤さんに寄せられる性犯罪関連の相談で、教員が加害者であるケースは多い。