道路交通法改正!    自転車による交通違反への反則金制度(青切符)の導入を柱とする道路交通法改正案が3月5日に閣議決定されました。成立すれば、青切符の反則金制度は公布から2年以内に施行され、今までくすぶっていた自転車の交通違反取締りが大きく変わると思います。

 今回提出された改正案では、青切符による自転車の取締りは16歳以上に適用され、112の違反行為が対象ですが、このうち重大な事故につながるおそれのある違反を重点的に取り締まることになるようです。尚、反則金の額は今後、政令で決まりますが、原付バイクと同等にする方針のようです。    具体的には、   ・信号無視(6,000円)   ・一時不停止(5,000円)   ・右側通行などの通行区分違反(6,000円)   ・自転車の通行が禁止されている場所を通ること(6,000円)   ・遮断機が下りている踏切に立ち入ること(7,000円)   続きを読む »

 ご存知と思いますが、ニュースで勝手に婚姻届けを出された男性の事件が流れました。なんとも珍妙な事件ですが、詳しい弁護士先生に聞くと、そこそこ起きる事件のようです。

 何故このようなことが起こるのか・・・役所が「届出主義」と言って、法律の要件を満たす文章を提出された場合、必ず受理をしなければならない決まりとなっているからです。役所にしてみれば、不法に作成された婚姻届けを見抜くのは難しく、一々、窓口審査などしていられない事情もあります。そもそも、法は、故意に不実の婚姻届けをする悪意者など、想定できていないと思います。   (テレビ朝日Newsさまより)

被害者男性:「(婚姻の事実を)全く知らなくて。Xで(夫婦の記載が)見える戸籍情報を公開していて。本当にそうならヤバいと思って」、それで市役所に戸籍を取りに行くと、婚姻関係にされたことが事実だと判明。実際に提出された婚姻届を見せてもらいました。   被害者:「完璧に書かれた婚姻届ではなかったので、対策できなかったのかって、役所に怒りをぶつけてしまった」    当然、取り消してもらえるだろうと考えた男性。しかし、男性は思わぬ事態につきあたります。   被害者:「婚姻届で、僕が被害者じゃない扱いになる」    警察に相談すると、届け出が偽造されたとしても、被害者は市役所で、男性が被害届を出すことはできないというのです。    市役所に取り消しを申し入れると、家庭裁判所で夫婦関係にない証明をする必要があると言われてしまいました。   被害者:「家庭裁判で婚姻無効になるまで半年はかかる。だいたい1年は覚悟してと、弁護士に言われた・・・」

 

 結婚するには、戸籍法で定める婚姻届を役所に提出しなければなりません(民法739条1項)。民法は「届出なければ結婚なし」という届出婚主義を採用しています。

 法律では、「結婚」のことを「婚姻」といいます。届出がなければ、いくら事実上の夫婦生活が続いていても、法的な婚姻にはなりません。法律の根拠がない=「事実婚」と区別します。

 また、届出は、当事者双方および成年の証人2人以上から、口頭または署名した書面でしなければなりません(民法739条2項)。 条文は以下の通りです。    民法739条(婚姻の届出)

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 webにて受講です。日本行政書士会、所属する東京会と、2つの受講が義務付けられています。毎度、職務上請求書の適正利用が最重要課題となっています。それだけ、行政書士による不正使用が、他士業よりダントツに目立つそうなのです。

 職務上請求書とは、相続手続きなどで、ご依頼者の戸籍謄本などを代理で取り寄せできる書類なのですが、別の目的で使用する書士が存在するそうなのです。「目的外利用はダメ」と言う簡単なルールなのですが、一部の心無い書士のおかげで、注意喚起と言うべき研修を、何度も繰り返し受講しなければなりません。

 とは言え、行政書士法や関連規則を復習、見直す契機となり、ルール順守のチェックになります。ただ、その中で毎度難しく感じる部分は、倫理綱領です。法律の条文であれば、明確な規定が定められていますが、こと、「倫理的であれ」は、具体性がなく、また、解釈も人それぞれ違いますので、やっかいです。例えるなら、不倫です。これは民事上の問題、当事者同士の問題でありますが、字義通り倫理的ではないこと=道徳から外れる行為とすれば、「行政書士が不倫をするなど、もっての他!」となります。<行政書士倫理第25条乃至第31条:行政書士としての品位を保持しなければならない>は、そこまで要求しているとは思いませんが・・。 

   一応、研修では、場面に応じて様々な事例を示しています。もちろん、それらは常識的です。ただし、対依頼者さまの事例の中で、弊所が迷う部分は以下の3つです。   ① 正当な事由なく依頼を拒んではならない   ② 依頼を拒むときは説明義務がある   ③ 不正の疑いがあるときは事件を受任してはならない    業務の性質上、ご依頼に対して、お断りすることは少なくありません。そこで、その理由が正当であるか否かが、問われます。②の説明義務は当然で、理由の説明は避けられません。その理由が正当か否か、意見が分かれるところです。模範回答には無難に「依頼者の希望する期限に業務を完了できないから」とありましたが、単なる断り文句=ウソかもしれません。嘘は倫理的ではなく、品位にもとるかもしれません。

 ③は疑いだけで(証拠がなくても)良いのであれば、ある意味、依頼者さんの正邪を勝手に判断することになります。ご依頼者を信じるのか疑うのか、倫理感に揺れることになります。    各士業でも、ほぼ①~③は同じく規定があるようです。どの先生も、ご依頼者によっては「性格的に合わないかな」と感じることはあります。士業と言えども民間企業、企業の都合でお客さんを選ぶ権利はあると思いますが・・。そこは簡単にご依頼を断れないジレンマがあるのです。  

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 最近のドラマ、昭和では許されていた事が令和ではコンプラ違反になる「不適切にもほどがある」が話題です。確かに、会社では少し前の時代、それ程目くじら立てることもなかった風習・言動が、今やパワハラ・セクハラにあたります。当然に、昭和の時代を生きてきた年配の人達は、十分に気を付けていると思います。ところが、例の市長さんのニュースから、日本全国、そのようなおじさんの存在が明るみに出ています。言わば、おじさんのハラスメント版「Me Too運動」でしょうか。

 逆に、寛容性が失われているとの見解も聞きます。確かに、行き過ぎたハラスメント糾弾は、糾弾自体が目的と化しては、健全ではありません。何事も極端はいけません。ただし、おっさん側から、「最近は寛容性がない社会でギスギスしている」と言うと、自己弁護にしか聞こえず、若者は引くと思います。    それでは、ハラスメントと寛容の線引きですが、どのように基準化すべきでしょうか?    実は、その答え=線引きは、昔も今も変わらないように思います。まずは、相手を慮る配慮だと思います。幼稚園の時、誰もが保母さんから、「相手が嫌がることをしてはいけませんよ」と教わったはずです。自分は何ともないが、相手が嫌に思うことはあります。それを察する必要があります。また、誰にやられるか、言われるかによっても違います。ハラスメントの線引きの難しさは、絶対的基準ではなく、(相手によって変わる)相対的基準だからにつきます。

 例えば、キムタクは女子に対して、「お前さぁ」と呼びかけますが、これこそまさに、日本ではキムタクだけに許されています。通常、「お前」などと呼ばれるのは、それが上司・先輩であっても不愉快に思うでしょう。壁ドンも、キュンとなるか、恐怖となるか、当然に相手次第なのです。これら好悪の感情は、普遍的に相手次第、時代と無関係に思うのです。    相手の気持ちを慮ることは、いつのどこの社会でも、マナーとして身に着けるべきです。そして、自分がキモいおっさんなのか、キムタクなのか、自己判断が必須です。自分が誰なのかを正確に知ること事こそ、コンプライアンスの第一歩、平たく言えば、「優しさ」につながるものと思います。    とは言え、自分のことを客観視することは難しいものです。そこで来月、損保営業マン向けに、「弁護士によるパワハラ・セクハラ等のケーススタディ」の研修を企画しました。該当地域の方にご案内を送りましたが、興味ある方は秋葉事務所までお申し込み下さい。    不適切発言が頻発の秋葉も参加します。    

 

 

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 今年も色々なニュースがありましたが、交通事故絡みに関しては、時々意見展開しています。今回は、交通事故と直接関係ない事ではありますが、愚見をお許しください。   (1)韓国の女性DJさんへの痴漢行為

 このニュースに関しては、テレビやネットで侃々諤々、様々な意見が飛び交いました。それらの意見の多くは、以下ABに二分しているようです。    A: 痴漢行為を受けて当然の恰好や、受ける可能性が高いシチュエーションに自ら飛び込んだ・・痴漢行為をされる側にも責任がある。    B:痴漢行為は100%加害者が悪い。加害者の為に、何故、(この場合)女性が服装や行動に制限を受けなければならないのか(怒)。     どちらの意見が正しいか? それは当然、Bに決まっています。犯罪行為の是非など問うまでもないと思います。ただし、Aの意見が根強いことも事実です。すると、B派は、女性に対する不当な抑制だのと激昂、Me Too運動、広くジェンダーの問題に発展させるのです。     ちょっと、待って、    この場合、議論を二つに分ける必要があります。   C:痴漢行為自体は、犯罪ですから絶対的に悪であり、加害者が100%悪いことで、ひと段落とします。次に、犯罪行為を惹起する服装や行動、管理体制については、相当に問題があったと思います。誰でも予想のつく事件で、起きても何ら不思議な事件ではないのです。残念ながら、世の中には悪い人や、避けようのない事故や天災が存在します。生きていく上でリスク管理が必要なのです。その点、被害者側の「うかつさ」は問われて当然です。つまり、この問題は、両極端な意見の勝敗や正誤ではなく、二つの問題として、別々に議論する必要があります。    少数ながら二つを分けて意見展開する=C派の方も散見しました。C派の人で、交通事故を例に、上手い説明をした方の意見をみました。それを引用します。「交差点で青信号になったので、渡りました。すると、信号無視の自動車に跳ねられました。これは、自動車が100%悪いです(0:100)。ただし、ケガをして大変な目に遭います。だから、青信号でも左右を観て渡りましょうね、と安全指導されるのです」。自動車運転過失傷害罪と交通安全指導、別々の問題ですね。まさに、本件の痴漢問題にも当てはまります。

 世の出来事は複雑です。物事を二つの対立軸にすることは、「おろか」とまでは言い過ぎですが、まったく未熟な発想で、その発想が極端であることが問題なのです。何事も善悪、白黒では計れない事があります。善悪は立場で逆転しますし、どっちとも取れないグレーもあれば、問題をいくつかに分けて考えるケースもあるのです。本件は、まさに、痴漢行為と予防対策、別々の議論にすべきなのです。    (2)マスク拒否男性の無罪主張

 この事件、高裁でも威力業務妨害などの判決となりましたが、最高裁へ上告するようです(周囲の弁護士さんによると、最高裁では却下されるとの予想です)。これは、意見が二分することなく、被告であるマスク拒否の男性への判決が正当との意見が大多数、議論の余地はないようです。それでも、小数意見を蔑ろにせず、審理することは民主主義の根幹です。

 ただし、裁判の争点ですでに問題がズレています。この裁判はマスクの規制の正当性は関係ありません。切符は、乗客の規定順守を条件で購入していますから、乗客は航空会社・乗務員の指示に従う事になっています。マスクの着脱どころか、フライトに適さない服装なども規制の対象で、極論すれば、フライトの安全確保の為には、ある意味、人権すら制限されているのです。本件の場合は、乗務員の指示に従わないこと、乗務員の腕をつかむこと(暴行と判断された)、騒ぎを起こすこと、結果としてフライトが遅れること、これが問題なのです。飛行前の機内は、マスク着脱の論争をする場ではないのです。この点、議論が平行線となっています。

 被告は暴行や職務の妨害を否定していますが、10月30日の高裁判決は「乗務員は被告に対応するため、機内監視などの保安業務や他の職務ができない状態だった」と、判決の理由としています。つまり、マスクの是非など、審理の外、どうでもよいのです。フライトの安全の期する規制と、コロナ対策としてのマスク義務は、別の議論なのです。完全に別問題と言ってもよいでしょう。

 もっとも、普通であれば、不承不承マスクをして乗り、後に(マスク規制は人権侵害だと)問題提起する。あるいは、降りる。このように対処すべきでしょう。どうして、たかがマスクの着脱で、こうも頑張るのかなぁ、その人にとっては、その場で絶対に譲れない、その場で絶対に解決しなければならない、大事な問題なのでしょうが・・。    マスク警察・・もはや思い出になってしまった感があります。確かに、同調圧力や過剰な正義を振りかざすことに対する警鐘は必要だと思います。コロナ対策の総括として、議論すべきことは残ったと思います。ただし、これは飛行機の搭乗中のいさかいとは、まったく別の問題です。この方は、その場で、分けて考えることはできなかったのでしょうか。    もっとも、議論すべき意見の相違ではなく、必要な検証でもなく、単なる思い違いを起こす人、巷に少なからず存在します。裁判まで発展する前に、知恵で回避できないものか・・と思ってしまいます。     

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 障害を追った人は100%の人間ではない、よって、パフォーマンス低下分○%を差し引いて、その人の生産性とします。    実に人権を無視した考え方に聞こえます。    しかし、前日の自賠責保険のルールを基に逸失利益を逆算した通り、損害賠償の公平の為に障害分を将来収入から差し引いて計算すること自体、理にかなった仕組みです。事実、判決後、多くの法学者さんの見解や、連携弁護士先生の意見を聞くと、これは正当な理屈であり、むしろ、裁判所は被害者寄りに踏み込んだ判決をしたとの評価が多いようです。    そうであっても、本件被害者さんは生れてからご家族と共に、それこそ聴覚のハンデキャップを克服する努力を続けてきました。家族の思いは、「この子は普通の子と変わらない」 のです。    一方、賠償上の評価として、仮に障害やハンデがあっても、それを克服する「特別の努力」という概念があります。本人・家族の努力によって、あるいは職場の理解から、障害のマイナスを埋めた結果、他の同僚と同じ賃金、同じ地位の被害者さんも存在します。弊所の連携弁護士も、この「特別の努力」を立証することで、既往症など減額を防ぐ論陣を張っています。

 また、もちろん少数ですが、障害を持っていたとして、他の才能や努力から、健常者以上に稼いでいる被害者さんも存在します。当然、その収入実績を主張することになります。判例上、実態収入を基とした、高額判例も目にします。つまり、個別具体的な立証が必要であると言えます。    さて、子供さんの場合です。未就労者ですから、収入実績を示すことができません。ある程度、進学した場合は高校の成績から大卒の賃金センサスが採用されることがあります。また、何かスポーツや芸術分野で特別な才能を発揮した場合も考慮されるでしょう。しかし、しかし、、小学校の場合です。学業成績にしても、まだ実績が十分とは言えません。将来、大学進学する事や一部上場企業に就職することなど、まだわからないのです。    本件はまさに、将来どうなるかわからない子供を評価しなければならなかったのです。    障害を持った子供の将来を予想するに、普通の子の収入平均で良いのか? 大変、難しい議論なのです。逸失利益算定の難しさを集約する言葉があります。    それは 蓋然性 です。   👉 蓋然性とは?    本件の判示は、「年齢に応じた学力を身につけて将来さまざまな就労可能性があった」と、特別の努力、聴覚障害者でも健常者同様に活躍できる社会の進歩、技術の進歩を踏まえています。それでも、「将来どうなるかわからない」ことを完全に無視はできませんでした。「労働能力が制限されうる程度の障害があったこと自体は否定できない」とのことです。

 現状の法律である限り、蓋然性を検討して、どうなるかわからない将来を「推測する」しかないのです。その推測ですが、損害賠償は何処まで行っても公平な判断でなければならないのです。進歩的に考えて、将来のある子供さんの予想について、「蓋然性はバラ色にすべき」との人権的な意見が存在します。また、法律はそのままに、逸失利益は削っても、その分、慰謝料を増額させて、実質100%に近づける案も目にしました。まさに、人智を絞った、より被害者救済のアイデアが望まれます。    結論になりますが、秋葉の仕事としては1、弁護士の仕事は2です。     1、蓋然性を高める記録・証拠を集めて、弁護士に託す     2、弁護士は法解釈・テクニックを使って、実質の損害額を高める交渉に尽力する     本件は、控訴されるのかどうか、まだわかりません。秋葉への取材は3月4日、関西・読売テレビ「報道番組ten」で放送とのことです(関東では観れません。後日、ネット放送はあるようです)。今後も事件を見守っていきたいと思います。      

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 あくまで、自賠責保険基準からの検討になりますが、自賠責保険の基準=考え方は裁判にも踏襲され、裁判官の判断材料になることが多いものです。

 事件の経緯について、逸失利益計算から自賠責流に逆算していきます。   【1】まず、聴覚障害についておさらいします。    👉 耳の後遺障害 ⑤ 難聴 Ⅰ    本件被害者さんの聴覚障害の程度は不明ですが、

 4級3号:両耳の聴力をまったく失ったもの 

 6級4号:両耳の聴力が耳に接しなれば大声を解することができない程度になったもの    いずれかですが、本件の場合、逸失利益の額から6級4号が推測されます。   【2】次に、逸失利益についておさらいします。

 本件、最大の争点は、亡くなった女の子の将来の損害=逸失利益(うべかりし利益)です。逸失利益とは、「もし、障害がなければ、将来これだけの収入があったでしょう」を予想・計算するものです。    その計算式は以下の通りです。   事故前年の年収 × 喪失率 × ライプニッツ係数(喪失年数-中間利息)=逸失利益    詳しくは 👉 自動車保険の値上がりの言い訳・前編~まず、逸失利益を復習    6級の労働能力喪失率は67%です。      逸失利益の計算は、後遺障害と死亡の保険金算定に生じます。    Ⅰ. 

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 昨日は行政書士会の「第15回倫理研修」をwebで聴講しました。足を運ばずに研修を受けることは非常に楽で助かります。コロナ禍で唯一の美点と思います。    行政書士法はじめ、各法令に順法であることは当然のことです。定期的に業務のチェックを怠ならいよう、注意喚起のきっかけとして、このような研修は定期的に受講すべきものです。今回のカリキュラムで、とくに気になったことは掲題の「倫理」です。行政書士法とは別に、わざわざ、倫理綱領として明文化しています。これは、法律で律しきれないことを謳ったものです。

 ただ、法律と違って具体性がなく、抽象的な表現が多く、人によっては解釈が分かれそうです。「道徳的であれ」、これは、意外と難しいルールかもしれません。   第一章 一般的規律

第1条 行政書士は、誠実にその業務を行うとともに、行政書士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない。    果たして、私に品位があるのか・・・。自問自答してしまいます。ふざけた言動はダメなのか、風刺の効いたHPのイラストも引っ掛かりそうです。聖人君子といかないまでも、気を付けるべきことは多いように感じました。   👈 品位がない?  

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今回は歩行者の何気ない行動が過失に影響する事例をご紹介します。  

(今回は通勤経路内ではありませんが、病院へ向かう際に危険を感じた場所です。)

   歩車道の区別のない道路を歩行する場合、皆様はなにか特別に気を付けていることはありますでしょうか。ほとんどの方が特に気にすることなく、その時々によって歩く場所を変えているのではないかなと推測します。尚、写真の道路ですが、駅や大通りへの抜け道になっているため、自動車の往来が非常に激しい場所です。

 実は、ここに大きなポイントがあるのです。道路交通法によって、「歩行者は、歩車道の区別のない道路においては、道路の右側端に寄って通行しなければならない。」と定められているのです。(※「一定の場合には道路の左側端に寄って通行することができる。」という文言もついております。)

 道路交通法を守り、右側端を通行していた場合には、当然歩行者に過失はありませんので歩行者0:自動車100となります。但し、「ふらふら歩き」(このふらふら歩きというのは、自動車の予想を超えた動きを想定しているため、よほどのことがない限りは適用されないみたいです。)があった場合には、修正要素として歩行者に+5となっております。(判例タイムス【43】)

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歩行者は守られています    今回は歩行者側に問題のある事例を紹介します。年齢・性別を問わず目立つのが歩行者の信号無視です。ドライバー側からしてみれば、歩行者が違反を繰り返したとしてもお咎めなしというのは正直納得できません。違反切符を切られてもいいような気がしますが、それはさておき歩行者の赤横断と自動車の青信号進入の過失について見てみましょう。  

(前回同様、私の通勤経路内で最も信号無視をする歩行者が多い交差点です。)

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銀ブラではなく、銀座サク(サクサク歩いて通勤)    最近、運動も兼ねて最寄りの八丁堀駅よりも3つ前の銀座駅で降りて、歩くようにしています。猛暑のおかげで、事務所に到着する頃には汗だくになっていますが、たまに吹く風が心地よく、今後も続けられそうです。さて、今回は通勤中によく目にする歩行者VS自動車の事例についてまとめてみます。

 危険な場面に遭遇することが特に多いのは、「信号のない横断歩道」です。(下の写真は私が普段から横断している交差点です。)  

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 よく会社・法人様から相談される問題です。    従業員が現場への移動中の交通事故で、相手にケガをさせてしまった。この場合、会社が責任を問われないか?    このご質問・ご不安に関して、まず、顧問弁護士に見解を求めたそうです。法的には従業員が不法行為で第3者に損害を与えた場合、使用者である会社にも責任を問われることになります。法律の専門家である顧問弁護士は、法的根拠を検討し、過去の判例なども紐解いて、会社への訴えを回避する策を練ることになります。

 会社に責任を問うとなると・・従業員の指導・管理に問題があって起きた事故か否かが問われます。その交通事故が、単に従業員のハンドルミスではあれば、会社には責任がないように思います。しかし、被害者側に弁護士が立てば、加害者である従業員に対しては「会社の無理な超過勤務で疲労していた」、「会社がしっかり安全講習をしていなかった」などの理由から、会社へ難癖をつけて会社の責任にしようとします。それは、本音を言いますと、個人よりも支払い能力のある会社へ賠償金を請求する方が、回収の目途が立つからです。実際に裁判では、使用者責任が成立するかなどお構いなしに、加害者と会社を一緒に訴えることがマストなのです。    まるで、「飼い犬が噛んだら、その責任は飼い主や」 のようです。それだけ、会社の立場は弱く、使用者責任は容易に用いられる概念なのです。    もっとも、交通事故ですから、自動車に自賠責保険、任意保険がついていれば、従業員と会社共に、その責任を肩代わりして支払ってくれます。使用者責任などを真剣に問う、あるいは回避しようと思案する必要はなくなります。

 交通事故に係わらず、事故の多くは法律より保険で解決している現実があります。私どもは、もめ事や事故に対して、「加害者に賠償保険の加入があるか」に注目します。事故の多くはたいてい保険が解決するものと思っています。    他の例として、   (例1)小学生(10歳)のA君が公園で遊んでいて、他の小学生B君を押し倒して腕を骨折させました。Bくんの親御さん、「Aくんの親に治療費を払わせる!」とすったもんだの始まり・・。   ⇒ 確かにA君の親御さんの親権者責任が問われます。が、そんなことより、Aくんの家族に個人賠償責任保険があるのか、まずこれに注目、保険加入を調査します。個人賠償責任保険相手に、治療費や慰謝料など、賠償請求を突きつければ良いのです。

  (例2)A社の社員さんが市場でフォークリフトで作業中、他社Bの社員の足をひいてしまい、足の甲を骨折させた。「B社の労災の支払いでなんとか収めたい」   ⇒ フォ―クリフトに自賠責保険、任意保険の加入はわりとあるものです。構内事故であっても自賠法上、交通事故は成立するのです。A社B社、共に悩んでいないで、さっさと労災事故を交通事故に転換すれば良いのです。もちろん、治療費と休業補償はまず労災に請求、その不足分は慰謝料と一緒に自動車保険に請求します。A社の使用者責任を問う事より、円満に話は進むはずです。    

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 例の山口県阿武町の誤入金問題で大きな進展がありました。ニュースの通り、電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕されたT容疑者さんの出金先、決済代行業者3社が町に約4300万円をあっさり返還しました。  

 阿武町側が田口容疑者が税金を滞納していたことから、税金滞納者に対する徴収法に基づき、同容疑者の口座があるA銀行に情報提供を求め、口座からの金の動きを把握、決済代行業者を揺さぶった結果です。回収を果たした阿武町の代理人弁護士である中山先生は、テレビでしらっと「どういうわけか全額振り込んできました」のような事を言っていましたね(正確には9割回収)。法律関係者は気付いています。「たかが地方税数万円の差し押さえ手続きのついでに、少し脅しをかけただけで・・4000万円が」と言う「してやったり」、あるいは皮肉が込められているのです。

 多くの識者、周囲の弁護士さん達が感心していることは、中山先生がT容疑者の地方税滞納(わずかな金額でしょうが)に着目し、その取り立て・差し押さえを可能とする国税徴収法に基づいて、決済代行会社に圧力をかけた点です。法知識は元より、法律を応用して回収を果たした力業は称賛です。

 国税徴収法に基づく財産調査であれば、迅速にお金の流れを調査でき、滞納処分は強い処分なので、滞納処分の税金が少額であっても、口座全体を押さえることができるようです。今後、様々な事案に応用できる手段だと思います。以下、この機に少し勉強しました。   続きを読む »

 保険代理店時代、顧客さまで公共工事を受け持つ建設会社から、曳家(家をそのまま別地に移動せる工事)の保険契約の依頼が入りました。工事の依頼主はその家主ではなく、○県です。つまり、行政が代わりに行うので代執行になります。その工事を請け負った会社が、諸々の保険を手配したいとのことです。請負賠償責任保険・施設賠償責任保険・生産物賠償責任保険などに加入済ですが、万全を期すため、その家屋自体に保険をかけました。なんでも訳ありで、道路新設工事で立ち退きとなった家がどかないので、移動させるとのことです。○県からも慎重な対応が求められているようです。

 昨日の記事でも触れましたが、単にどかないだけの家屋を強制執行で移動させるなど、憲法・基本的人権が許しません。道路工事程度で”公共の福祉に反する”から強制執行・・などできないはずです。でも、この件には理由がありました。家主は立ち退き交渉に応じて、一旦補償金を受け取っていました。ところが、すぐさま引き出しておいて、信じられないことに「そんなお金は入っていない」としらを切り、居直ったそうです(子供かっ?)。これには○県も激怒、強制執行に踏み切ったそうです。その日、建設会社の担当者と一緒に私も立ち合いました。仕事<興味ですね。    朝から物々しい雰囲気です。○県の担当者と弁護士、警察も立ち合っています。そして、例の家主夫婦も自らの家が隣の空き地に引きずられていく間、行政の横暴を訴え続けています。定番の「聞いてないよー!」「訴えてやるー!」との叫びもありました。事情を知っている関係者は、一様にしらーっとした態度で無視しています。珍妙な場面です。ある意味、ダチョウ倶楽部のコントを見るようで、おかしくさえ思えてきました。

 一日中眺めている時間もないので、数時間で立ち去りました。後日、近くを通りましたが、その家は解体されていていました。近所でもすっかり有名となった、居直り夫婦は引っ越したそうです。中途半端な土地に家を移動されたことはもちろん、こんな騒ぎを起こして住み続けるメンタルはなかったと思います。

 行政と対立するにも、法的根拠は元より、正義が無ければ圧倒的な力に屈することになります。4630万円誤送金男も、刑罰が付かなかったとしても同じような運命になると思います。    

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 例の4630万円誤送金問題、進展がありそうですね。国や地方自治体が強制的に差し押さえする方法がありますが、個人口座から出金されてしまったら、時すでに遅きになるかもしれません。    さて、今回の事件のような行政庁と個人の紛争から、代執行を思い出しました。行政側が直接、個人に代わって行動を起こすことです。強制手続きとなりますが、誤送金問題は差し押さえ手続きなので、少し違う話ではあります。    行政代執行(ぎょうせいだいしっこう)・・・法律上、行政上の強制執行に類します。義務者が行政上の義務を履行しない場合に、行政庁が、自ら義務者のなすべき行為をなし、又は第三者をしてこれをなさしめ、その費用を義務者から徴収することをいいます(行政代執行法1条、2条)。単に「代執行」とも言います。    めったにないことですが、よくある例としてゴミ屋敷や空き家問題があります。前者の場合、悪臭やネズミ・害虫の発生だけではなく、道路交通の遮断や火災などから、周辺住民に差し迫った危険があると判断されます。再三の警告に従わなければ、ゴミは強制的に撤去され、家主に撤去費用の請求が届きます。この場合、家主(国民)の人権は二の次にされるわけです。後者ですと、行政が税金で空き家を解体することになります。多くの場合、家主や相続人の不在・不明から、持ち主の意思が確認できないので仕方ありません。  では、あくまで行政の言う事を聞かない場合はどうでしょう。道路建設などの立ち退き問題で散見されます。いくら説得しても、補償金を提示してもどかないので、最終的にはその家を避けて道路を作るしかありません。道路の中央分離帯に不自然に家が建っている、そんな映像をテレビで見たことがあります。居座る住人のメンタルはすごいものがあります。この場合、個人の人権が優先され、さすがに強制執行まではできないのです。私の実家も足立区の高速道路建設で立ち退き、埼玉に引っ越した経緯がありました。住民で反対運動の機運もあったようでしたが、結局「国には逆らえない」と、皆、補償金を貰って引っ越したそうです。

 強制執行とは文字通り国民の権利を蹂躙することですから、法治国家では簡単にできません。それでも強制的に代執行を進めるには条件があり、行政代執行法に規定されています。以下、久々に復習しました。  

 行政代執行法について以下、条文を抜粋します。行政書士試験の記述問題に出題されそうです。   <要件> ○ 代執行の対象となるのは、法律等(法律のほか、法律の委任に基づく命令、規則及び条例を含む)により直接命ぜられた行為、又は法律等に基づき行政庁により命ぜられた行為のうち、他人が代わってなすことのできるもの(代替的作為義務)である(2条)。

○ また、他の手段によってその履行を確保することが困難であり、かつその不履行を放置することが著しく公益に反すると認められることを要する(同条)。

<手続> ○ 代執行をなすには、原則として、相当の履行期限を定め、その期限までに履行がなされないときは、代執行をなすべき旨を、あらかじめ文書で戒告しなければならない(3条1項)。

○ 義務者が、この戒告を受けて、指定の期限までにその義務を履行しないときは、当該行政庁は、代執行令書をもって、義務者に通知する(3条2項)。

代執行令書の記載事項(3条2項)

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高齢者の免許更新に新情報

 さて、今回の講習では最近の道路交通法令の改正について、解説がありました。この記事を読んでくださっている方々には、まだ早いかもしれませんが、ご家族に該当する方がいるかもしれませんので、チェックしてみてください。

 申請による運転できる自動車等の種類を限定する条件等の免許への付与または変更に関する規定が整備され、安全運転サポート車等限定条件付免許が導入されたようです。(令和4年5月13日以降)近年、自動車の性能向上により様々な機能が搭載された車が増えてきましたが、「自動ブレーキシステム」や「ペダル踏み間違い抑制装置」などです。限定の対象となるのは普通自動車で、次のいずれかに該当するものに限定されます。

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キックボードシリーズ第3弾!   👉 電動キックボード流行の兆し    👉 電動キックボードの取り締まり強化    先日の衆院本会議にて電動キックボードをめぐる新しい規制を盛り込んだ改正道路交通法が可決・成立しました。改正法では、「特定小型原動機付自転車」という区分が新設されています。ざっくりといえば、原付バイクと自転車の間のものといったところでしょうか。以前、2回にわたり電動キックボードについて触れましたが、どのように変わったのか早速みてみましょう。   ① 運転免許証の携帯が必要でしたが、それが16歳以上であれば不要となりました。そもそも運転免許証は16歳からしか取得できないため、年齢制限としては変わらないが、免許が要らなくなったため、より気軽に乗れるようになりました。

② ヘルメット着用の義務(特例措置区画においては、元々ヘルメット着用は不要)がありましたが、努力義務に変更となりました。

③ 車道の左端を走行しなければいけませんでしたが、自転車通行可の歩道であれば走行が可能となりました。

④ 最高速度が15km/hでしたが、20km/hになりました。    基本的には、電動キックボードを自身で所有するというスタイルは流行らないと思いますので、自賠責加入等の話はさておき、最近では、1日1回は電動キックボードに乗っている人を見かけるようになりました。(弊所付近でもサラリーマンが乗っていました!)    電動キックボードは若年層が大半を占めると思いますので、悲惨な事故も頻発するでしょう。(恐らくほとんどの方がヘルメットを着用せずに乗車すると思いますので…。)私は電動キックボードに乗らないから大丈夫だと思っても、そこら中に電動キックボードが走っているということは、自動車やバイクを運転する方は、以前にも増してより一層注意して運転しなければいけないということです。保険料の値上げ等にも関わってきますし、今後の普及について目が離せなくなりそうです。    因みに私としては電動キックボード<セグウェイですが、全く流行らなかったですね。     続きを読む »

そんな決定権がお前にあるのか!?    今回は年齢変更でも変わらないことについて触れてみたいと思います。お酒やたばこ、公営競技(競馬、競輪、オートレース、モーターボート競走)に関する年齢制限については、20歳のまま変更はありません。飲酒については、「未成年者飲酒禁止法」から「二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律」に、喫煙については、「未成年者喫煙禁止法」から「二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律」と題名が改正されました。競馬、競輪、オートレース、モーターボート競走についても、競馬法、自転車競技法、小型自動車競走法、モーターボート競走法も同様です。    飲酒については国税庁に記載がありましたので、ご参照ください。尚、HPには未成年者との記載がありますが、こちらで20歳未満と変換しております。

20歳未満がお酒を飲んではいけない5つの理由

1. 

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未だに嫁さんも貰えん    前の記事では、年齢変更(引き下げ)による「契約」について取り上げましたが、引き上げられたこともありました。それが婚姻の年齢(女性)です。2022年4月1日から男女ともに婚姻年齢が18歳となりました。今までは女性のみ16歳から婚姻できましたが、ようやく同じになったのです。   民法第731条 (改正前)

「男は、18歳に、女は、16歳にならなければ、婚姻をすることができない。」   民法第737条

「1.未成年の子が婚姻をするには、父母の同意を得なければならない。

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