先日のMC研修において、十分に説明できなかった弁護士法27条について追補します。

弁護士法27条

弁護士は、第七十二条乃至第七十四条の規定に違反する者から事件の周旋を受け、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。

 72条は前回解説した通り、「お金をもらって人様に代わり、もめごとの解決をできるのは弁護士だけ」とする規定です。74条は「弁護士でないものが弁護士、もしくは法律事務所と名乗ってはいけない」ということです。この27条は「非弁提携禁止規定」と解されています。つまり弁護士の名を使って、弁護士でないものに、弁護士の代理権を使わせてはならないことを規定しています。例として債務整理などの仕事を下請けの整理屋さんにやらせることや、離婚業務を探偵社から紹介を受けて、対価(紹介料)を探偵社に支払うことを禁じています。これは2004年日弁連が作った「弁護士職務基本規程」により具体的に書かれています。  

(非弁護士との提携) 第十一条 弁護士は、弁護士法第七十二条から第七十四条までの規定に違反する者又はこれらの規定に違反すると疑うに足りる相当な理由のある者から依頼者の紹介を受け、これらの者を利用し、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。 (報酬分配の制限) 第十二条 弁護士は、その職務に関する報酬を弁護士又は弁護士法人でない者との間で分配してはならない。ただし、法令又は本会若しくは所属弁護士会の定める会則に別段の定めがある場合、その他正当な理由がある場合は、この限りでない。 (依頼者紹介の対価) 第十三条 弁護士は依頼者の紹介を受けたことに対する謝礼その他の対価を支払ってはならない。   2 弁護士は、依頼者の紹介をしたことに対する謝礼その他の対価を受け取ってはならない。    は、これを私達メディカルコーディネーターにあてはめてみます。

  <11条:弁護士との提携> メディカルコーディネーターは代理行為をしません。行政書士資格者は裁判に提出する書類以外は代書行為ができます。また弁護士と連携した業務であっても、弁護士(弁護士事務所)名の書かれた名刺、書類などを使って仕事はできません。

<12条:弁護士報酬の分配> 弁護士が得た報酬を正当な理由なくシェアしてはいけない。

<13条:紹介料> 案件を紹介する際、弁護士から紹介料を貰ってはダメ。また紹介された場合、紹介料をあげてはダメ。

 このように、はっきりと「ダメ」と規定されていることは遵守しなければなりません。

 どの規定も”弁護士の代理権を資本主義の下に組み敷かない”と言った崇高な理念が根底にあると思います。代理権の保護は結局、依頼者の利益につながります。

 他士業、無資格者を問わず、これを知らない、確信犯、理解しない、曲解する輩が後を絶ちません。私達も弁護士と連携する際、この規定に細心の注意を払っています。現場でも弁護士ともよく協議し、遵法を第一としています。  どのような仕事、遊びにもルールがあります。被害者救済を大看板にしている以上、この程度のことが守れないようでは困るのです。

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 本日、午前中は埼玉県の病院同行、その足で甲府へ向かいます。久々に自動車使用です。

 甲府と言えば先週、気温39度を記録し、日本一の酷暑地となりました。相当の覚悟をもって現地入りしましたが、今週から気温が下がり、まぁ普通の暑さです。山梨県内で今日明日と合計6件の病院同行です。様々な病院、医師を経験しました。

 毎度のことですが、後遺障害診断書の記載について、医師の考え方もかなり隔たりがあるようで、記載するか否かの判断も医師固有の権限に基づきます。医師法第19条と2を見てみましょう。

 

第19条 診療に従事する医師は、診察治療の求があった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。

    2  診察若しくは検案をし、又は出産に立ち会つた医師は、診断書若しくは検案書又は出生証明書若しくは死産証書の交付の求があつた場合には、正当の事由がなければ、これを拒んではならない。

 

 19条では、正当な理由がなく治療を拒んではいけないこと、同2では診断書も同じように正当な理由なく記載を拒んではいけないことが明記されています。診断書を書く書かないの判断はこの医師法19条の2で医師にあると解されますが、よく読んでみると医師の「権利」というより「義務」に近いニュアンスです。しかし「書くか書かないかは私が決める」と断言する医師は多いものです。すると問題は「正当な理由」の解釈となります。医師の判断に基づいて書かない・・・これでは正当な理由の説明にはならず、拒むだけの理由がなければなりません。

 このように法解釈を弄しても、実際の現場では医師の人間性や医師と患者の信頼関係が左右します。診察でお忙しい中、時間を割いて診断書を書いていただくこと・・・有難いことに変わりはありません。

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行政書士法1条

第一条の二  行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以下この条及び次条において同じ。)その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする。 2 行政書士は、前項の書類の作成であっても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない。

 

 この下線部によって、行政書士に役所への申請書類の代書、代理提出以外にも、一般的な法律書類も含んだ代書権がありとされています。ここで注意が必要なのはすべての法律書類ではありません。「権利義務、事実証明」に限定されています。これが弁護士と行政書士の仕事の境界線となります。  これは「事件性の必要説、不必要説」と呼ばれる学説の対立に及ぶ話なので、本一冊では済まなくなりますのでスルーします。大まかな対立は、過去の判例で、「法律書類は弁護士のみ:A説」と判決されたこと、「もめごとに発展するまでは他士業でもOK:B説」とされたこと、この2つの説の対立につきます。現状は決着がついたとは言い難いようです。 実例で話を進めましょう。   

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 私は一応、行政書士資格にて仕事をしていますが、交通事故業務でこの資格を根拠をして行う事務は非常に限定されています。やはり交通事故業務は弁護士の代理権のもとに行うことが適法ですし、また全面的な被害者救済を果たすにもっとも合理的と思います。  そうは言っても交通事故取り巻く環境は有象無象、様々な業界の人が介入し、かなり曖昧であるのが実状です。そして毎年のように非弁行為で捕まる示談屋さんはもちろん、行政書士や各士業者が後を絶ちません。

 研修では「できること、やってはいけないこと」を説明することから始まります。退屈ですが法律解釈の時間もとります。いくつか触れてみましょう。

弁護士法72条

第七十二条  弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。  簡単に言うと「お金をもらって、人様に代わり、もめごとの解決をできるのは弁護士だけ」ということです。これはもめごとに介入してお金を取る示談屋さんを違法とし排除する根拠法となります。もちろん無償で相談に乗ることは問題ないのですが、それで代金を取ってはこの72条違反を構成します。日常、人のあるところもめごとは存在しますが、もめごと=紛争性の高い事件の仲裁はお金になるもので、大昔から仲裁屋、示談屋が存在するのです。 

 しかしすべての代理権がこの法律によって弁護士のみとされていては、回らなくなるのが世の常です。他士業もその業務の専権内である程度の権利を確保しています。それを許すのが下線部の例外条項です。例えば簡易裁判所にて訴額140万までの事件は司法書士にも代理権が認められています。同様に労災申請の代理は社労士に、税金の代理申告は税理士に。もちろん行政書士にも一定の法律文章について代書権が明文化されています。

 明日に続く

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 午後は被害者面談1件、弁護士と打ち合わせ後、羽田空港へ。明日の那覇相談会に向け、夜から現地入りです。

 昨年から勉強のため全国各地の交通事故相談会に参加していますが、沖縄は初です。日本は全国共通の法律、交通事故でいえば、道路交通法、刑法、民法を根拠に解決を図ることになります。しかし世界ではこれは当たり前のことではありません。アメリカには州法があり、場合によっては連邦法より優位に作用することがあります。道路交通法や軽犯罪法などは量刑に州ごとにかなり差があります。また極端な例ではパキスタンのアフガニスタン国境、カイバル峠の一帯”トライバルエリア”です。この地域はパシュトゥーン族の自治地域としており、パキスタンの法律は適用外としているのです。

 さて、話が飛びましたが、日本でも日本の法律で単純にくくれない地域があります。それは米軍の基地内です。特に基地の多い沖縄では大問題です。基地内はあくまでアメリカとしても、基地の外ではアメリカ人の法的な立場が問題となります。交通事故で説明しますと自賠責保険加入は日本では車を運転する上で法的義務です。しかしアメリカ人に厳密に適用できるかが議論となります。これについて憲法に詳しい弁護士の先生に質問したところ、法的な根拠を追究すると、ここに行きつくそうです。

 日米地位協定 U.S.

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 もう一日だけ無駄話を・・法律の講義みたいで実務に役に立ちませんが。

過料

 「過料」は3種に分かれ「秩序罰としての過料」「執行罰としての過料」「懲戒罰としての過料」があります。それぞれ行政処分の一環と解釈されています。これは行政書士試験にてお馴染み、行政書士の専門分野でもあります。

「秩序罰」というのは主に行政上の義務違反に対するもの、地方公共団体の条例・規則違反に対するものです。例えば地方税の未納者に対する強制徴収が代表的です。また自治体の条例で「歩きたばこ禁止」が定められていれば、違反者に対して罰金ではなく、過料として徴収します。もっとも支払う側は罰金以外の何物でもないと感じます。

「執行罰」は行政処分ですが、戦前の行政執行法では不作為義務(たとえば、許可を受けずに営業してはならない義務)または非代替的作為義務(たとえば、予防接種義務、医師の診療義務)の不履行に対する行政強制の一種として広く認められてきたものです。戦後になって、金額が高すぎれば強力すぎるし、金額が安すぎると機能しないとして一般には廃止され、今日では形骸化、砂防法第36条に法文の整理漏れの形で残っているにすぎません。

③ 「懲戒罰」としての過料は、規律維持のため、義務違反に対し制裁を科すことをいいます。 裁判官や公証人の懲戒があります。最近の例では、裁判員制度において裁判員(又は裁判員候補者)の虚偽記載や出頭義務違反等に科される過料も、懲戒罰としての過料に当たると解されています。

罰金と過料(反則金)の関係

 交通事故の反則金は行政処分、つまり過料に類似したものです。秩序罰に近い性質ですが、根拠が道路交通法違反ですので、法律違反に対するペナルティとなります。つまり違法行為に対する罰なので、法律(刑法)に乗っ取った処分でなければなりません。そうなると刑事処分なのか?このように解釈が定まらない、あくまで例外的な制度であり、行政処分と刑事処分の中間的存在のようになっています。

◎憲法では「二重処罰の禁止」がうたわれています。では罰金(科料を含む)と過料が同じ罪に対し、二重に適用されることに問題はないのでしょうか?

 第三十九条「何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。」がこれにあたります。

 しかし過料はあくまで刑罰ではありませんので罰金(科料)と過料が二重で科されることも理論上可能です。もっとも交通事故の反則金は、それを収めてしまえば刑事処分には進みません。つまり罪に問われないので、罰金は科せられなくなります。

 もちろん行政処分としての免許の違反点数、停止、取消は以前に説明した通り、刑罰と重ねて科されることがあります。これは判例で「行政処分」と「刑事処分」は別の性質のものと決着しているからです。

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 ついで罰金と反則金について法理論からも解説します。これは法律に興味のある方だけ読んで下さい。(注)理屈っぽくて、つまらない内容です。

 罰金は刑罰、免許停止や反則金は行政罰と区別しました。さらに罰金は単なる罰金と科料があり、また行政処分である過料も三種に区別されます。

 軽微な犯罪で、厳密な刑事罰の適用がなじまないケースがあります。この重い刑罰を科すことが適当ではない犯罪に科料が適用されます。

科料

 科料が適用される犯罪で代表的なものを挙げます。

公然わいせつ罪(刑法174条) 単純賭博罪(185条) 暴行罪(208条) 侮辱罪(231条) 器物損壊罪(261条)   その他 軽犯罪法違反など

 まず「科料」は刑罰の一種で、罰金と科料との違いは金額の相違です。罰金は1万円以上と規定され(刑法第15条/裁判官の判断で減軽し、1万円未満もあり)、科料は、1000円以上1万円未満です(刑法第17条/1000円が下限です)。1万円以下ですから、比較的軽い罪の罰則ということになります。  しかし1万円未満の軽い科料でも、納付しなければ、「労役場留置」といって、刑務所に収監されて、1日いくらと定められた額で払い終わるまで働かされます。例えば判決主文に罰金8000円(1日2000円)とあり、それを納付しなければ、4日間刑務所で労務に服することになります。

 比較的悪質度が高くない犯罪に対する財産刑が科料であれば、過料と同じようなものでしょうか?

「科料」と「過料」の違い

 両方とも読みは「かりょう」です。区別する意味で、「科料」は「とがりょう」、「過料」は「あやまちりょう」とも読みます。両者ともにお金を払うことですから、似たようなものに思えますが、法律構成上は異なったものです。  一般に、「科料」は「刑事罰」で刑事処分、「過料」は「秩序罰」で行政処分といわれています。実務においては、反社会性の強いものには、犯罪として刑事手続を経て法の下に科料の処分となり、逆に反社会性の弱いものは、義務の履行を促すものとして行政庁から過料を科すという傾向にあります。交通反則金はまさに秩序罰の性質を帯びます。

 問題は科料、過料の金額が刑罰の罰金に比べて低いため、刑法に規定されている犯罪に比べ抑止力はないといわれていることです。さらに過料は徴収コスト上、必ずしも厳格な執行は期待できないようです。実際、駐車違反の反則金を払わず、そのまま何もない・・ことも珍しくありません。もっとも悪質な未支払い常習者には刑事手続きをとることもあります。

つづく

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 前回の行政処分から間が空きました。続く罰金ですが、曖昧な解釈の方が多いようです。交通事故における罰金と言っても、交通反則金と罰金があります。この二つは法的性質が異なり、交通反則金は罰金とは別物です。まずこれを整理します。

 交通違反(ここでは軽微な人身事故を含む)に対し、一律に刑事手続きを行っていますと検察庁、裁判所はパンクします。なんといっても違反者の数が交通事故は桁違いです。そしてすべてに刑事処分を適用すれば、国民のほとんどが前科者になってしまいます。したがって交通違反の爆発的な増加に伴い昭和43年、交通チケット制度(俗に青切符)ができました。軽微な違反に対し、一定の金額を収めれば、刑事処分を免除しようとするものです。  この反則金は罰金ではなく、行政庁が課す一種の制裁金であり、分類も「行政処分」の一つとされています。しかし納付しなければ刑事処分に進みますので、厳密に言えば反則金は行政処分と刑事処分の中間に位置するものとも言えます。

 人身事故の場合、原則直ちに、刑事処分に進みます。したがって交通反則金(青切符)は無関係となります。しかし行政処分としての免許の違反点数、停止、取り消しは重ねて科されます。この辺がもっとも「★よくある間違い」なのです。

 罰金を中心に交通事故の刑罰を以下の表にまとめました。しかし軽傷(全治2週間以下)や物損事故はほとんどが不起訴となり、罰金が科されるケースは少ないものです。

 交通事故の刑罰 相場表

責任の重さ

ケガの重さ

刑事処分

故意、飲酒、悪質、 重大な過失

死亡 ※危険運転致死罪が適用された場合

懲役刑 1年~20年

過失によるもの 死亡 懲役刑もしくは禁固刑 7年以下 続きを読む »

交通事故を起こすと加害者に3つの責任が科されます。

1、 行政処分 2、 刑事罰 3、 民事賠償

普段、交通事故の解決と言えば3の民事賠償が中心の話題となります。しかし事故相談において加害者側の相談も少なくありません。加害者には被害者への賠償以外にも2つのペナルティがあります。いわゆる免許点数の減点や反則金、罰金のことです。これらを混同している方も多いので、1の行政処分と2の刑事罰について、できるだけ簡便に説明しておきます。

1、行政処分

行政処分は免許の点数制度に減点が加えられること、程度によって反則金が課されることです。交通事故の場合、計算は以下のようになります。

基礎点数 + 付加点数 + 措置義務違反の加算 = 合計点数

基礎点数とは駐車違反やスピード違反など、安全運転を怠った場合の減点です。事故の場合これに付加点数が課されます。ひき逃げ、当て逃げには措置義務違反点数がさらに加算されます。

<計算例> 交差点で信号無視の自動車が横断中の自転車を跳ね、逃走。後日、目撃証言から加害者は捕まりました。被害者は脛骨骨折で全治1か月です。

信号無視2点 + 全治1か月&専らの責任 9点 + 救護措置違反23点 = 34点

2年間免許取り消しとなります。

付加点数について以下の表にて整理しました。

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 中断していましたシリーズを再開。前回まで 被害者救済業務 を分析 ④

 テーマは 「交通事故業務を保険会社から弁護士の手に取り戻せ!」

 なぜこのようなテーマに至ったのか、交通事故における保険会社vs弁護士の歴史で解説します。  

<1> 交通大戦争

 1974年3月に示談代行付きの自動車保険が販売されました。一番の注目は「示談代行を保険会社がやってくれる」ことです。当時の日本は60年代のモータリゼーションを経て、一家に一台自動車保有が定着した頃です。そして「交通大戦争」と呼ばれるほど交通事故が多発していた時代でした。

 警察庁交通局「平成24年中交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取締り状況について」から事故数の推移を見てみましょう。(↓クリックするとはっきり見れます)

 74年当時の数字を見てください。死亡者数、年間16000人超のピークから12000人まで減少したとはいえ、5000人以下に減少した平成24年に比べすごい数です。もちろん負傷者数や物損を含む事故総数自体も、当時の車の台数約4000万台と現在の約9000万台と比べると異常な件数であることがわかります。  

<2>弁護士vs保険会社

 このような背景から、保険会社の自動車保険の販売促進と内容充実は社会的要請でもありました。この膨大な事故数に対し、当時9,830人の弁護士が担うことには限界があります。ちなみに平成24年は司法制度改革の成果で32088名となり、当時の3倍超となっています。  そのような状況で保険会社は「示談代行付き保険」の認可を求めました。現在では当たり前となりましたが、保険会社が対人事故や対物事故で、加害者と被害者の間に入って交渉をしてくれるのが「示談代行付き保険」です。しかし弁護士会は「弁護士以外が他人の事件に介入し、示談をするのは弁護士法72条『非弁行為』にあたる」と反対したのです。簡単に言いますと、「お金を取って、他人に代わり、示談交渉ができるのは弁護士だけ!」と弁護士法で定められているからです。しかし大量の事故の解決には、保険会社が間に入って交渉するのが合理的なのはわかりきっています。保険会社、弁護士の両者で行政を巻き込み調整作業が行われました。

 

<3>示談代行付き保険、ついに発売、その背景

 法的な解釈論は長くなりますので、ここもざっくり言いますと、「法的に白黒つけず、被害者保護に乗っ取った社会的な公益性を優先させた」決着をしました。弁護士法72条は弁護士の職域を守るものではなく、示談屋さんなど被害者を食い物にする悪い人を排除するのが正当な目的です。だから保険会社さんの示談は悪いことではない・・と解釈が進みます。  そして、保険会社、弁護士両者の調整は以下の制度を作ることによって成されました。まさに現在の交通事故業界を形作るシステム(下線)がこの時生まれたのです。

  ① 特段の支障がない限り、原則として被害者が直接請求権を行使できるものとして、被害者救済の途を開くとともに、これによって、保険会社の当事者性を強く打ち出すこととした。

・・「他人のために」示談をすることがダメなら、保険会社は「保険金支払い義務を負う当事者でもあるので、他人のためだけではないよね」・・・このような解釈とし、違法性から遠ざけます。

 もっとも72条違反を回避する目的での「直接請求権」ですので、現場ではほとんど意識されていません。例えば、加害者が自分に責任がないと思って、自分の契約している保険を使わないと言えば、保険会社の担当者の多くは、「契約者(加害者)が保険を使わないと言ったので、うちは対応できません」としれっと答えます。そのような場合、被害者は「直接請求権」を発動すればよいのですが・・・この議論は本筋にはずれますので別の機会に取り上げます。

  ② 「交通事故裁定委員会」の設立。被害者(または被保険者)に不満が生じた場合に備えて、中立かつ独立の第三者機関である「交通事故裁定委員会」を設立することとした(昭和49年2月27日発足)。この裁定委員会は、学識経験者および弁護士により構成され、被害者等の正当な利益の保護に資することを目的として、自動車保険に関し、保険会社、被保険者および自動車事故の被害者のうち二者以上を当事者とする民事紛争について、無料で和解の斡旋を行うこととしている。  裁定委員会はその後昭和53年3月に「財団法人 交通事故紛争処理センタ-」に改組され、現在では、高等裁判書が所在する8都市(東京、札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、高松、福岡)および金沢とさいたまに設置されている。

・・・行政側は保険会社に示談権を与えた(あくまで代行権、代理権とは歯切れ悪いながら区別)、つまりこれは絶大な力です。なぜなら、支払う側の保険会社が交渉上、有利に決まっています。お金を握っているのだから当然です。したがって被害者が保険会社と交渉決裂した場合、駆け込み寺が必要となります。こうして一種のガス抜き機関、紛争センターが誕生したのです。

  ③ 保険会社が顧問弁護士、協力弁護士を一定数、常に契約し続ける。

・・これは明文にされていないので裏協定かな? 保険会社からの仕事は新人弁護士にとって良い収入源となります。

  ①で法的な問題を回避、②で行政の立場から公平性を確保、③で弁護士にも利益を、でしょうか。

難しいことを簡単に説明するのは難しいです。来週に続きます。

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 昨日、カルテの保存期間を5~7年と曖昧な書き方をしましたので、少し説明を加えます。

 保存義務と期間は医師法に定めれています。

<医師法> 第24条(診療録の記載および保存) 第1項 医師は、診療をしたときは、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない。 第2項 前項の診療録であつて、病院又は診療所に勤務する医師のした診療に関するものは、その病院又は診療所の管理者において、その他の診療に関するものは、その医師において、5年間これを保存しなければならない。

 1項で記録義務、2項で保存義務が明記されています。町の病院では5年きっかりで処分しているようです。大病院だとカルテは地下の文章室などに保管されており、割と長めに保存されています。文章係に聞くと「当病院では7年間保存しています」と答えが返ってきました。なぜか7年と病院内で規定されている病院に出くわします。いずれにしても保存スペースが限られていますので、長い期間の保存は敬遠気味です。

 さて、このカルテも遅ればせながらデジタル化の波が押し寄せています。「電子カルテ」、導入が進んでいます。今週訪問した病院でも導入が決定、文章科の職員の仕事もシステムオペレーターとなります。英語、独語まじりの複雑怪奇な文字を解読する手間が省けて、私達は大歓迎です。将来あの達筆が見られなくなる?のは寂しいですが。

  

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 昨日の記事には少なからず反響をいただきました。

 「そんなことはない!」と弁護士から反論が来ると思っていましたが、まるで逆で、「痛いところを突いてくるなぁ」、「その通り!よく言った!」とおおむね共感する意見です。被害者救済を根幹に置いている弁護士先生には清々しい物言いに聞こえますが、複雑な心境の先生もいらっしゃると思います。この手の議論で迷ったら私たちのチームはこう考えます、

 「それが被害者のためになるのか」

 被害者救済をスローガンにする限り、答えは明らかです。色々な考え方があっても決してブレません。     ではテーマを変えて行政書士の書面交渉も検証してみます。

書面による賠償交渉は適法or違法?→ 有効or残念?

 10年前より多くの行政書士が交通事故業務に参入しています。昨日の議論「事前認定か被害者請求か?」について言えば、大多数が被害者請求を推奨しています。さすがに「事実証明」が仕事なので、まさに等級認定業務はそれにかなうものです。  しかし少なからず違った業務を主としている先生もおります。それは等級が認定されてから相手の保険会社と交渉をしている先生です。被害者請求すらせず、事前認定で等級認定作業を相手保険会社に任せて、等級がでたらそれをもとに裁判基準で賠償金請求書を作成、保険会社に提出する作業です。私なら30分でできる作業です。いやいや中には凝った先生もおり、様々な判例やデータを添付し、良い仕事をするなぁと感心することもあります。                        もちろん直接、保険会社の担当者と顔を突き合わせての交渉は「代理行為」なのできません。紛争センターなどの斡旋機関でも同席できません。被害者の「代理行為」ができるのは弁護士資格をもつもののみだからです。では書面作成だけなら代理行為(交渉)ではない?このような議論になります。多くの弁護士会の見解では「たとえ書面作成であっても実態上は賠償交渉ではないか?」と厳しい目をむけております。

 さてこのような議論を前に、私の見解はこうです。

 「それが被害者のためになるのか」

 難しい法解釈は学者先生に任せるとして、被害者救済の最前線の実働部隊である私たちは、書面による交渉など「生ぬるい」と感じています。なぜなら、最初から被害者に寄り添い、損害の立証作業を積み重ね、適正な後遺障害認定へ導くことが一番大事と考えています。そしてもう一つ大事なことである賠償交渉においても、連携弁護士による裁判・紛争センターを前提とした強交渉で良い結果を量産している事実があります。

 ここで、某大手保険会社の担当者Ζさんの本音を、

 「あくまで被害者本人との交渉では、いくら書面で裁判基準を要求してきても、『相対交渉なので自社基準でしか払えません』と、突っぱねます。まぁ少しは上乗せしてあげますが。」

 そこで行政書士が被害者と同席して交渉に臨んできても、

 「被害者との交渉で、相手に行政書士が入ってきて話をするのはある意味、楽です。なぜなら弊社の提示額と赤い本(≒裁判基準)の中間くらいで手を打ってくれますので。もし赤い本基準の満額要求で引かなければ、『先生、これ以上の交渉は非弁行為ですよ』と言えば引っ込みますので(笑)」

 とまぁ、実態はこのような体たらくです。(担当者喜ばせてどうするのよ!)

 ここで保険会社と被害者置き去りの妥協的解決を図るか、紛争センターに持ち込むかの選択となります。紛争センターでは被害者一人を交渉に向かわせ、ここでも書面だけ渡して、先生自身は廊下で遠隔操作です。以前も取り上げましたが、こんな中途半端な方法で満足のいく数字は取れませんし、このようなサポートに被害者から多額の報酬を取ることに疑問が残ります。

 ここで、紛争センターの斡旋弁護士の本音を、

「僕が苦労してあなた(被害者)のために保険会社から弁護士基準の賠償金を交渉してあげているのに、なんで計算しただけの行政書士に何十万も払うの?その報酬は払う必要はないよ!」。

 とまぁ、実態はこのような体たらくです。書類を持たすだけで「増額は行政書士の(仕事の)おかげ」と見せかけて、成功報酬を得る、これはズルいと思われています。  このような周囲の厳しい監視から、行政書士は賠償交渉の場面に、こそこそ介入するしかない立場なのです。  もちろんごく少数の被害者に「自ら交渉をしたい、書面、資料だけサポートしてほしい」というニーズもあります。しかし保険会社はそんな甘い存在ではないことを認識してほしいと思います。紛争センターでも徹底的に争う姿勢が大事です。ここでダメなら訴訟をも辞さない気概を示さねばいい数字は獲れません。これは有能な弁護士により成し得る交渉です。

 昨日、今日と同業批判のような記事になってしまいましたが、誤解しないで下さい。自由経済では書面作成や交渉も経済活動の一つに過ぎません。違法でなければどのような解決方法でもニーズがある限り、私ごときが口をはさむ問題ではありません。

 しかし被害者は情報過多の中、しっかり解決方法を吟味し、ご自身にとって最適な専門家を間違わずに選択してほしいと思っています。だからこそ包み隠さず、関係者の本音をあえて披露しました。

 これから誰に交通事故の解決をゆだねるのか?しっかりと見極めて下さい。

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さらに弁護士費用の第2条(4)について。

第2条 (4)この特約において弁護士費用および法律相談費用とは下表のとおりです。

①弁護士費用 あらかじめ当社の同意を得て弁護士、司法書士、行政書士、裁判所またはあっせんもしくは仲裁を行う機関に対して支出した弁護士報酬、司法書士もしくは行政書士報酬、訴訟費用、仲裁、和解または調停に必要とした費用 ②法律相談費用 法律相談の対価として弁護士、司法書士または行政書士に支払われるべき費用

    弁護士費用が支払われる対象者と内容についてさらに詳しく規定しています。T社他、国内損保はおおよそこのような内容となっております。外資系通販損保は司法書士や行政書士が対象外となっている会社もあります。

ここでのポイントは下線「あらかじめ当社の同意を得て」の部分です。これは弁護士等が依頼者と先に報酬を取り決め、契約したとして、その金額を無条件で支払うことはしません、ということです。あくまで保険会社の納得する金額までしか払いません、という意味です。これは保険会社の約款には欠かせない、毎度おなじみの条件です。この条件をめぐって、以下のやり取りが繰り返されています。  

依頼者:「先生、交通事故で依頼をしたいのですが、費用はどのくらいかかりますか?」

弁護士:「ご安心下さい。あなたには弁護士費用特約が付いていますので、保険会社に請求します。」

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 今朝の病院同行は後遺障害診断書の訂正・加筆依頼です。医師に書いていただいた診断書に修正をお願いするとき、メディカルコーディネーター(MC)や病院同行者が注意しなければならないことについて・・・

 

 無事に医師に診断書を直していただいた後、お礼を述べて診断書を受け取って帰ります。

 しかしそのままでは危険です。必ず医事課や文章課を通して診断書のコピーを病院に残すようにしなければなりません。

 診断書は公的な証明書でもあります。そして診断権を持った医師しか書けません。通常患者に交付する際、必ずコピーを取って病院に残します。後で改ざんされ不正使用、悪用を防ぐためです。これはどの病院でも徹底されています。しかし修正の場合は、うっかりして修正後の診断書のコピーを医師や医事課が忘れてしまうことがあります。

 するとどうなるか・・・  後で診断書の内容が争いになっとき、相手側の保険会社や弁護士が病院に開示を求めて、修正前の診断書を入手したとします。そこで修正後の診断書と食い違うことに気づきます。

 これは誰が修正をしたのか?それは被害者(側の弁護士が)勝手に修正したのでは!・・・このような疑いをもたれてしまいます。

 そして疑いを晴らすため病院に修正を証明してもらうよう、奔走しなければなりません。

 さらに、もし書いた医師がそのことを忘れてしまったり、転勤してしまっていたり、病院側、医事課の方々も修正のことなど覚えていないとしたら・・・

 「私文書偽造等罪」(刑法159条各号)の成立です。

 このような危険をはらんでいますので、こちら側(MC)が気を付けて、医師もしくは医事課・文章課に「コピー残しました?」と確認してから受け取るようにして下さい。

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離婚、相続分野について

・離婚時の離婚給付(財産分与、慰謝料)に関する紛争

・離婚後に生じた離婚給付(財産分与、慰謝料)に関する紛争

・遺産分割協議に関する紛争

これは今まで行政書士が行ってきた業務をなぞるようにADRの対象となりました。離婚も相続も膨大な件数が発生します。これらのほとんどが、厳密な法的判断を必要としたり、高額の慰謝料の争いとはならないものです。当事者間の話し合いで解決するのが理想です。しかしそれはそれでもめ事、冷静な第3者の仲裁、助けがないとまとまらないものです。ADRの本丸はここかもしれません。

 今までもこの分野に多くの行政書士が介入してしてきた事実があります。代理権を持たない行政書士が有償で離婚や相続の解決に乗り出すこと自体、弁護士法72条「非弁行為」(弁護士以外は代理人として有償で交渉してはいけない)に抵触するといった解釈があります。交渉を伴わず、文章作成にとどまる業務であれば、行政書士でもOKとの認識もあります。しかし当事者の間に入って説明・説得という場面は常に生じやすく、厳密な法解釈は実情にそぐわないと思います。やはり代理交渉までいたらずとも、それなりの介入が望まれます。だからこそ、このグレーゾーンというべき民事部門に行政書士が関わるなら、紛争性を帯びた瞬間にADRの利用、弁護士への連携という流れが適切かつ自然であると思います。  つまり常に紛争化の危険をはらむ民事業務について、ADRは行政書士で完結できる流れを作り出したといえます。

賃貸借について

・居住用賃貸借建物の敷金の返還に関する紛争

・居住用賃貸借建物の現状回復に関する紛争

簡単に言うと”大家と店子のもめごと”です。アパート退去の際、「敷金の返却が少ない!」、「クロスや畳の取り換え費用を請求された!」など頻繁に起きる問題です。近年、仲介業(不動産屋さん)に対して、賃貸借契約の約款をわかりやすく明示すること、事前説明の徹底について厳しく行政側は指導をしています。私も最近物件を借りる時、不動産屋さんの担当者から丁寧な説明を聞いて、それを実感しています。  さらに敷金というしきたりも、もはや都市圏では下火、どんどん無くなってきています。さらに修理費についても法的解釈がはっきりしており、「畳やクロスの日焼けは自然劣化であり、店子の現状回復義務(元通りにして退去する約束)には入らない」となっています。  それでも特に地方では古いしきたりや、ルールの不徹底から、賃貸借にまつわる紛争は少なくありません。この問題も一つ一つ司法判断に頼っていくには数が多すぎます。当然ながら、争うお金の額からも裁判には馴染みません。第三者の仲裁・斡旋で解決することが適切です。簡易裁判所の調停や少額裁判という方法もありますが、行政書士に相談が持ちかけられることが多い案件でもあります。なにせ全国に4万人以上も行政書士がいるのです。紛争化した時の受け皿(ADR)があってこそ、積極的に相談が受けられる土壌ができたといえます。

 時間が無くなってきたので「交通事故」は明日に

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 昨夜は全国のMCとスカイプ会議でした。集合せずとも、様々な議案について同時に意見交換ができるので便利です。  それぞれ地域、環境が違う中、抱えている問題にも若干の温度差を感じました。その中で各地の行政書士会が推進するADRに話題が及びました。

 ADRとは「裁判外紛争解決手続」の略で、訴訟社会のアメリカでは広く知られています。アメリカは桁違いに訴訟が多く、裁判所の渋滞を防ぐため、軽微な紛争はこのような斡旋・仲裁機関での解決が必要とされています。これの日本版を行政書士会が認証機関となり主宰するのです。つまりもめごとの解決を当事者がADRに申し込み、そこで話し合いがなされ、合意された内容を公に認めるものとする働きをもちます。

 司法制度改革の一貫でADR法が制定されて以来、各地の行政書士会が続々と組織を立ち上げています。私の所属する埼玉会でも「行政書士ADRセンター埼玉」がこの夏、発足しました。奔走された諸先輩方には頭の下がる思いです。

 内容は民事部門で4つに整理されています。早速みてみましょう。

離婚

・離婚時の離婚給付(財産分与、慰謝料)に関する紛争

・離婚後に生じた離婚給付(財産分与、慰謝料)に関する紛争

※ 未成年の子供がいる夫婦の離婚は除く

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 法令から読んでも具体的にとらえられませんので、厚生労働省のパンフレットから転載しました。認定基準にもう少し踏み込みます。

  (1)介護の手間に係る審査判定   1. 要介護認定は、介護サービスの必要度(どれ位、介護のサービスを行う必要があるか)を判断するものです。従って、その方の病気の重さと要介護度の高さとが必ずしも一致しない場合があります。

 [例]認知症の進行に伴って、問題行動がおこることがあります。例えば、アルツハイマー型の認知症の方で、身体の状況が比較的良好であった場合、徘徊をはじめとする問題行動のために介護に要する手間が非常に多くかかることがあります。しかし、身体的な問題が発生して寝たきりである方に認知症の症状が加わった場合、病状としては進行していますが、徘徊等の問題行動は発生しないため、介護の総量としては大きく増えないことが考えられます。

2. 介護サービスの必要度(どれ位、介護サービスを行う必要があるか)の判定は、客観的で公平な判定を行うため、コンピュータによる一次判定と、それを原案として保健医療福祉の学識経験者が行う二次判定の二段階で行います。

3. コンピュータによる一次判定は、その方の認定調査の結果を基に、約3,500人に対し行った「1分間タイムスタディ・データ」から推計します。

 要介護度判定は「どれ位、介護サービスを行う必要があるか」を判断するものですから、これを正確に行うために介護老人福祉施設や介護療養型医療施設等の施設に入所・入院されている3,500人の高齢者について、48時間にわたり、どのような介護サービス(お世話)がどれ位の時間にわたって行われたかを調べました(この結果を「1分間タイムスタディ・データ」と呼んでいます。)。

4.① 一次判定のコンピュータシステムは、認定調査の項目等ごとに選択肢を設け、調査結果に従い、それぞれの高齢者を分類してゆき、「1分間タイムスタディ・データ」の中からその心身の状況が最も近い高齢者のデータを探しだして、そのデータから要介護認定等基準時間を推計するシステムです。この方法は樹形モデルと呼ばれるものです。

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 認定する際の審査体制と区分について続けます。  

9 介護認定審査会について

(1)審査判定業務を行わせるため、市町村に介護認定審査会を置く。・・・法第14条   (2)認定審査会は、委員のうちから会長が指名する者をもって構成する合議体で、審査及び判定の案件を取り扱う・・・施行令第9条第1項

(3)合議体の委員の定数は、5人を標準として市町村が定める。・・・施行令第9条第3項 10 一次判定、二次判定の位置づけ

介護認定審査会は、基本調査の調査結果及び主治医意見書に基づくコンピュータ判定の結果(一次判定)を原案として、特記事項及び主治医意見書の内容を加味した上で決定(二次判定)を行う。(「介護認定審査会の運営について」平成21年9月30日老健局長通知)

11 法第7条第1項の厚生労働省令で定める区分(要介護状態区分)について 「要介護認定等基準時間」により状態を区分(要介護認定等に係る介護認定審査会による審査及び判定の基準等に関する省令)

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用語と法令について続けます。今日は認定に関わる事項について。

6 要介護(要支援)認定について 1) 介護(予防)給付を受けようとする被保険者は要介護(要支援)者に該当すること及びその該当する要介護(要支援)状態区分について市町村の認定を受けなければならない。 ・・・法第19条第1項及び第2項

(2) 介護認定審査会は、審査及び判定を求められたときは、厚生労働大臣が定める基準に従い、当該審査及び判定に係る被保険者について、審査及び判定を行い、その結果を市町村に通知する。・・・法第27条第5項

※ 厚生労働大臣が定める基準:要介護認定等に係る介護認定審査会による審査及び判定の基準等に関する省令

(3) 市町村は法第27条第5項前段の規定により通知された認定審査会の審査及び判定の結果に基づき、要介護(要支援)認定をしたときは、その結果を当該被保険者に通知しなければならない。・・・第27条第7項及び第32条第6項

7 「認定調査」について

市町村は、被保険者から要介護認定等の申請があったときは、当該職員をして、当該申請に係る被保険者に面接させ、その心身の状況、その置かれている環境その他厚生労働省令で定める事項について調査させる。・・・法第27条第2項

※ 厚生労働省令で定める事項:要介護認定申請に係る被保険者の病状及び当該者が現に受けている医療の状況

8 「主治医意見書」について

市町村は、被保険者から要介護認定の申請があったときは、主治医に対して、身体上又は精神上の障害の原因である疾病又は負傷の状況等について、意見を求める。・・・法第27条第3項続きを読む »

交通事故で受傷し、介護認定を受けるケースがあります。 改定が多い介護認定制度ですが、数回にわたり勉強していきましょう。まずは用語と関連法令を確認します。

1 介護保険制度における被保険者の定義・・・法第9条

① 市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者(第一号被保険者)   ② 市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の医療保険加入者(第二号被保険者)

2 「要介護状態」の定義・・・法第7条第1項

身体上又は精神上の障害があるために、入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部又は一部について、厚生労働省令で定める期間にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態であって、その介護の必要の程度に応じて厚生労働省令で定める区分(要介護状態区分)のいずれかに該当するもの(要支援状態に該当するものを除く。)をいう。 ※ 厚生労働省令で定める期間:原則6ヵ月

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