約款チェックが欠かせません!    交通事故被害者の頼れる特約「弁護士費用特約」は自動車保険にはもちろんのこと、火災保険にも一部の会社で付帯することができました。東京海上のトータルアシストすまいの保険では限度額300万円、チャブは限度額が500万円とあり、例え車をお持ちでなくとも、「ご自宅の火災保険も調べてみてください。もしかすると、弁護士費用特約が付帯されているかもしれませんよ。」と今までの被害者の方々には説明してきました。しかしながら、火災保険に弁護士費用特約が付帯(※)されていた方は今まで一人もいらっしゃらなかったのが現実です。

 ※チャブ保険(旧エース保険)のみでした。

 自動車保険の弁護士費用特約も年々掛金が上がっていく中、2019年10月1日から三井住友海上でもGKすまいの保険に弁護士費用特約が新設されました。時期は分かりませんでしたが、あいおいニッセイのタフ・すまいの保険にも弁護士費用特約を付帯することができるようになっていました。

 今後、高齢者が免許返納で自家用車を手放す等、車を所有するという概念が変わりシェアするという流れになっていくことでしょう。公共交通機関の発達している地域では、既に車離れが進んでいます。しかしながら、家というのはシェアという感覚になかなかなっていかないように思います。老若男女、「持ち家」への憧れがありますし、近年は気候変動の影響からか自然災害も多くなっています。車は必要ないけど、家は欲しい。そのような方々のニーズにあった特約が進んでいくかもしれません。メガ損保では、損保ジャパンのみが火災保険に弁護士費用特約をつけていませんが、今後、この潮流に乗るのか動向に注目したいと思います。      

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 格落ち損害、代理店時代からかなりの数の相談を受けてきました。格落ち損害とは、事故で修理した自動車が事故車の履歴が付くことによって価値が下がる、この損害を金銭に換算する考え方です。

 その損害は確かに存在し、法津的には修理費の30%を相場と考えているようです。もっとも、自動車のグレードやプレミア度によって損失が上下するので、修理費に+α程度から新車を超える額まで、実に様々な判例があります。まぁ、それでもレアケースを除き、10~30%でしょうか。

 法的に争えば、以上の説明となります。しかし、現実的には、相手に(任意)保険会社が存在するとして、格落ち損害を請求しても、まず、認められません。直接損害となる修理費は当然に払うとして、格落ち損害などの間接損害はたいてい否定してきます。どうしても、格落ち損害を請求したいのであれば、「訴訟でも何でもしてくれ」とびた一文払わないのが普通です。

 最近では、その損保の姿勢に対して、「弁護士費用特約があるので、弁護士を雇って格落ち損害を請求したい」との相談が目立ちます。弁護士費用特約のない以前では、弁護士:「修理費が30万円ですと、最大その30%=9万円の為に訴訟? 完全に費用倒れです」と、話が終わっていました。

 では、弁護士費用特約があれば費用倒れとならないので、弁護士が引き受けるのかどうかですが・・。訴訟でなければお話にならないので、訴訟前提の仕事になりますが、その手間・事務量を考えると最低でも30万円頂かないと弁護士も嫌がるでしょう。しかし、この仕事は倫理的に問題です。依頼者にとって最大で9万円の経済的利益の為に、弁護士が30万円を得る、さらに、その為に(特約の)保険会社が30万円を払うことになる・・弁護士だけが儲かる仕事? やはり、おかしな話に思えます。費用倒れの考え方は、仮に特約があったとしても、まともな理屈だと思います。    それ以前に、格落ち損害を裁判所がすんなり認めるか?も考えなければなりません。先の説明のように、格落ちとは、その自動車に転売を含めた投機的価値が前提と思います。プレミア度とも言い替えます。中古車でも市場で新車並みの価値で転売されている、○年販売の希少モデル、生産限定車で高値で取引されている・・・などの事情がないと、裁判官も価値の算定に困るのです。    はっきり言ますと、数百万円程度の大衆車は、1日でも乗って中古になれば、そもそも価値などないのです。    民事上、損害賠償の実現とは、原状復帰が原則ですから、直してさえもらえば損害(賠償)は回復したことになります。そもそも、いつでも買える一般車・大衆車に、「格」など端から存在しません。カローラで格落ちを主張するなど、かなりセコい話なのです。だいたい、バンパーやドア、フェンダーの各部品を新品の部品に交換してもらえば、限りなく新車ではないですか。部品の交換では済まない、車体・シャーシが歪むようなひどい損害なら、修理代をもらって新車に買替えば良いのです。修理費は買替費用の一部にしかなりませんが、残額は今までの使用分として納得するしかありません。買ったばかりの新車を壊された、オーナーは大変に気の毒ですが・・。

 とはいえ、理屈はそうでも、憤懣やるかたない気持ちは理解できます。その場合ですが、もし、体に不調あれば、整形外科への通院が数回に及ぶと、相手保険会社からの慰謝料、加えて自ら加入の自動車保険の一時金(10万円が多い)を得ることにより、相場程度の格落ち損害金は回収できます。ケガをしていないのに通院はダメですが、多くの代理店さんは、このようにアドバイスをしているのではないでしょうか。

 損害賠償の世界は理不尽がつきものです。しかし、わずかな物損程度は柔軟に考えて早く解決させるべきです。被害者にとって、取り返しのつかない死亡や重傷案件、生涯治ることのない後遺障害、これらを目にしている私達だからこそ、一層そう思うのです。  

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 久々のシリーズ続編です。数年ぶりでしょうか、過去シリーズは以下のページです。

 約款ウォッチャーの秋葉、人身傷害保険と並び、弁護士費用特約はクロニクルの一つです。   (第1回)弁護士費用特約にまつわるエトセトラ ①   (前 回)弁護士費用特約にまつわるエトセトラ ⑱ 通販系の約款改定動向    さて、今回取り上げるテーマですが、時々、保険会社関係者、代理店さんから入る相談です。事例で説明しましょう。 ※ 登場人物、事例は架空です。

 

<相談:損保代理店の吉田さん>

 先日、お客さんの酒井さんが交差点で出合い頭事故にあっちゃって、修理費見積もりは30万円かな。お互いの保険会社担当の話では、こっちが優先道路なので20:80と一致はしているんだけど・・相手が全然納得しなくてね、保険を使わないとまで言ってきて、交渉が止まっちゃってるんだよね。

 酒井さんは車両保険は入ってなくてさぁ、修理できずに困ってしまって・・。弁護士費用特約(以後、略して弁特)は入ってるんで、弁護士に頼めないかな?   続きを読む »

世の中には2度も3度も結婚する人がいるもので・・    この業界に飛び込んで数年経ちますが、同じような「傷病名」、「流れ」といったものが続くということが多々あります。例えば、HPから「腰椎圧迫骨折の後遺障害申請について依頼したい。」というご連絡があった翌週に「胸椎圧迫骨折で困った人がいるからサポートしてあげてほしい。」というご連絡を頂いたりと・・・。理由はよく分かりませんが、このような流れは「あるある」なのです。

 最近、受任したムチウチ患者さんは、被追突にて整形外科に通院していましたが、相手保険会社から「今回の事故態様・症状を鑑みると、治療費は4ヶ月が妥当だと考えております。」と言われてしまい、有無を言わさず打ち切られることになりました。今後は健康保険を使って通院することになるのですが、被害者さんは「被害者の意見も聞かずに、保険会社が勝手に治療期間を決めるなんて納得できません!」と怒り心頭です。「後遺障害が認定されれば、賠償交渉で取り返せる可能性が高いので、今は怒りを収めて立て替えたつもりで治療を継続しましょう。」と気持ちを切り替えていただき、治療に専念してもらっています。

 そのような案件をサポート中、旧依頼者からご紹介いただいたムチウチ患者さんと面談したところ、保険会社からいきなり「交通事故賠償では「捻挫・打撲・挫傷」の傷病名による治療は、3ヶ月以内に治癒となる方が8割という医療統計があることから、検査上異常がない時には、治療のご対応は3ヶ月間を目処として賠償対象期間と考えられています。当〇〇としましては、受診された医療機関から提出される診断書の内容、受傷機転等から事故賠償における「症状固定」に至っていると判断し、残存する自覚症状による治療については、事故との相当因果関係の問題から目処を付けさせていただきたいと存じます。〇月〇日をもって現在ご通院されている医療機関様との一括対応は終了させて頂きますのでご了承願います。」という通知が届き、一方的に打ち切られたようです。どうやらこの保険会社では、器質的損傷のない方は「3ヶ月で打切り」と決めているようです。この被害者にも同じような説明を申し上げ、現在、自費(健康保険・労災等)で通院しています。

 私は常日頃からこのようなこのような流れを見ておりますので、「またか。」くらいにしか思いませんが、被害者にしてみれば「こちらには過失がないのに、なぜこのような仕打ちを受けなければならないのか!」といったお気持ちはとてもよく分かります。強制的に打ち切る保険会社が悪いのか、骨折等がないのに3ヶ月以上も通院する被害者が悪いのか。元凶は「大した症状もないのに、お金のために通院する詐病者」だと思います。世の中から詐病者がいなくなれば、保険会社も被害者の症状を信用して、このような治療費の早期打切り争いも起こらないのではないか、そんな気がします。

 「詐病者」は交通事故業界全体で排除しなければなりません。秋葉事務所は全ての被害者をサポートする訳ではなく、助けるべき被害者をサポートしております。

 二度あることは三度ある。近々、早期打切りにお悩みの被害者からご相談があるのではないかと期待しながら、7月も頑張ってまいります。  

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 物損事故での自動車の修理見積・査定や過失割合の判定に、AIが導入されていることは聞いていましたが、新たに保険金の不正請求者をあぶりだすシステムができたようです。

 昔から、損保業界では保険詐欺、不正請求を繰り返す人の情報を共有しているのではないか?とささやかれていました。もちろん、そのようなデータの存在など、大ぴらに認められるものではありません。他業種、例えば、商品のクレームでゆすりたかりを繰り返す人は、大手百貨店共通の敵です。某デパートのクレーム係に務めている友人からは、それらしきリストは「ある」と聞きました。たかり屋は同じ手口で各デパートに接触しますから、情報を共有することは悪いことではないと思います。保険金詐欺のモラルリスクが日常である保険会社こそ、必要な情報共有ではないでしょうか。

 今回は東海日動さんとイーデザインさんが、過去データから疑義のある保険請求を抽出するシステムを作ったそうです。これなども、各損保で共有したシステムがより望ましいと思う次第です。

 ちなみに上記イラストを説明します。 アフロス・・・アフターロスの略。すでに壊れていることを隠して車両保険に加入、後に別事故を装って保険請求する古典的手口。      イーデザイン損保、自動車保険の不正請求を早期検知するAI(人工知能)を開発・運用開始! <プエスリリース様より引用>    イーデザイン損害保険株式会社(取締役社長 桑原 茂雄、以下「当社」)は、株式会社PKSHA Technology(代表取締役 上野山 勝也、以下「PKSHA社」)と連携し、契約内容や事故申告状況等に関する情報から不正な保険金請求を早期に検知するAI(人工知能)(以下、AI)を開発しました。2021年6月23日から運用を開始します。

 保険金の不正請求対策は、健全かつ安定的な損害保険制度の運営や保険事業の信頼維持および公平性確保の観点から、保険業界全体の重要課題となっています。一方で近年、不正請求の手口は複雑化・巧妙化していることから、対策には幅広い不正パターンの理解と高度な専門性が求められます。

 この課題の解決のため今般、専用のAIを開発し、高次元の不正請求パターン認識により、保険金請求について自動的かつ高速度・高精度なスクリーニングを行えるようにしました。さらに、不正検知根拠となるデータの可視化により、不正が疑われる請求について事故対応業務に携わる「人」と「ソフトウエア」の協業ができる仕組みを構築しました。

 これにより、当社の専任担当者の持つ専門的ノウハウを活かしつつ、その業務をAIがサポートする形で不正請求対策の高度化を実現します。また、AIが最新の不正請求事例を学習し、環境変化に対応します。  

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 主治医の技術と熱意で、その手術により可動域制限なく回復できました。それはもちろん最良の結果です。しかし、後遺障害の専門を標榜する私達にとっては・・悔いが残りました。

 抜釘手術前であったら、可動域制限の8級2号を標準としていました。しかし、コロナの影響がここでもありました。詳しくは、以下の通りです。

 賠償問題上、抜釘手術による改善は等級認定後で良かったのです    

11級7号:頚椎脱臼骨折(50代女性・埼玉県)

【事案】

自動車搭乗中、センターラインオーバーの車に正面衝突され、さらに後続車の追突を受けた。直後から全身の痛み、上肢のしびれ、なにより、頚部の固定術(C5~6)によっての首の可動が失われた。  

【問題点】

症状固定から半年経過した段階で、抜釘する前に症状固定する選択をしたかった。しかし、新型コロナウイルスの影響により、その判断が延期になってしまった。その期間の渡過により、症状固定前に急きょ抜釘手術に進んでしまった。

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 法律用語でおなじみの蓋然性について。まずは、語意から。

     蓋然性(がいぜんせい)  <実用日本語表現辞典:weblioさまより引用>    蓋然性(がいぜんせい)とは、ある物事や事象が実現するか否か、または知識が確実かどうかの度合いのことである。

 「蓋然性」の「蓋」は「蓋し(けだし)」と訓じ、「おそらく」「たぶん」といったニュアンスである。蓋然性の「然」は「然り(しかり)」と訓じ、肯定や同意を表している。「性」は「物事の性質や傾向」を示している。このことから「蓋然性」とは、「おそらくは当然そのようにそうなるだろう」という推測の度合いを表す言葉と言える。

 「蓋然性」は、英語の「probability」に対応する語。初めて「蓋然性」という言葉が使われたのは、明治時代に出版された日本初の哲学用語辞典「哲学字彙(てつがくじい)」の中で「probability」の訳として掲載された時だと言われる。

 「蓋然性」という言葉は、数学、統計学、哲学などに用いられるほか、投資、特許、会計、法律用語などでも使用される。蓋然とは、必然と偶然の中間に位置する概念で、「たぶんこうなる」と推測する際に「蓋然性が高い/低い」「蓋然性が認められる」といった用法で使われる。法律においての「蓋然性」は、訴訟の勝敗を決める要素として用いられることもある(例:原告の主張の蓋然性が相当程度認められた場合、有罪判決が下る可能性がある)。

 「蓋然性」の類語には「可能性」「確率」などがある。「可能性」はその確率がゼロでない限り存在するのに対し、「蓋然性」は一定以上の度合いで起こりうるかどうかを示すときに用いられる。「可能性」は「あるかないか」が論じられ、中間的な度合いの高低はない。一方、「蓋然性」は「高いか低いか」が論じられる。しかしながら、両者の用法はしばしば混同されている。「確率」は蓋然性を数量的に表す場合に用いられる。

・私が総理大臣になる可能性はあるが、蓋然性は極めて低い。

・現場検証から、出火原因が放火である蓋然性は高いと言える。

 「蓋然性」の対義語には「必然性」などがある。「蓋然性」が物事や現象が起こることが一定以上予測されるという意味であるのに対し、「必然性」は必ずそうなり、それ以外にありえないといった意味合いで用いられる。

 「蓋然性合理主義」とは、確率に基づいて合理的に行動することを好む考え方である。「蓋然性説」とは、刑法総論において犯行が故意か否かを見極める際に、行為者が犯罪実現の蓋然性を相当程度認識しながら犯行に及んだ場合、それは故意であると認める学説である。

  【1】交通事故における損害賠償の請求上、蓋然性が問われるケース   (1)佐藤さん(男子・大学4年生)は就職活動中に交通事故に遭い脚を骨折し、卒業前の3月から3か月間入院してしまいました。もし、事故が無ければ、就職試験を受けていたAKB株式会社に4月から入社できていたはずでした。この場合、”事故がなければ働いていたであろう”4~5月分の休業損害は請求できるのでしょうか?    相手保険傾斜に休業損害を認めさせるためには、佐藤さんがAKB㈱に4月から入社できたであろう蓋然性が問われます。蓋然性を高める証拠として、まず、内定書です。内定が出る前でしたら、AKB社の人事担当者に何等かの証明書を書いてもらうことになります。また、退院後、6月からでもAKB社に入社した事実をみれば、相手損保も認めると思います。

 ここで難解な問題となるのは、入社見送り、あるいは内定取り消しとなった場合、事故のせいで入社とならなかったのか、そもそも佐藤さんの実力が及ばなかったのか・・です。これを区別しなければなりません。もし事故のせいなら、それを立証する必要があります。例えば、この事故で脚に障害が残り、就職先がバレエダンサーなら・・事故による内定取り消しはあるでしょう。このように明らかな事情や関連性がなければ、裁判で争っても「蓋然性は低い」と判断されます。  

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 河野 太郎大臣は、昨年の行政改革担当大臣任命以降、様々な省庁の改革に取り組んでいるようです。最近はもっぱらコロナワクチンの担当者のようですが。    大臣は就任当初、省庁の無駄、縦割りの弊害を改正する項目をいくつか挙げてきました。象徴的には、「印鑑廃止」でしょうか。細かいことかもしれませんが、日本の事務文化上、大改革と思います。

 私達に関わることでは、労災請求書類に印鑑がいらなくなりました。最初はにわかに信じがたく、ちょっとびっくりしました。以下、厚労省の通達です。もちろん、従来通り、請求者本人、職場、医師の署名は必須であることは変わりません。    今年からの通達ですが、ほぼ全国の労基に周知が進んでいます。この手の改正は、省庁内での調整、業界への理解・承諾等、色々と根回しも必要で、普通に1~2年はかかるものです。その点、河野大臣の仕事は迅速だったと思います。このスピード感は、珍しく(政治家さん&お役人さん達へ)称賛に値するものと思います。  

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 人身傷害は保険会社が予め金額を決めた傷害保険なのか、    加害者を肩代わりする賠償保険なのか?    言い換えると、保険会社の支払い基準に準じで計算される定額保険なのか、加害者と被害者が交渉の末に合意した金額を払う「つぐない」の保険なのか? 現在も個別案件で絶えず問題となっています。

  

 平成24年2月の最高裁判決後、各社約款の改定を進めてきました。一部の会社を除き、「裁判での和解・判決なら、その金額を損害総額と認める」約款に改定、もしくは実際の運用でそうしています。すると、裁判外で合意・示談した賠償金総額は、この約款を盾に認めません。そこから交通事故・第2の戦いになります。人身傷害への満額請求こそ、私共にとって一貫したテーマなのです。    この3年は大きな約款改定の動きはないようです。詳しくは、  ⇒ 人身傷害の約款改悪シリーズ 人身傷害保険の支払限度は結局、人傷基準 ①     この問題を一から説明するのは難解で時間がかかります。一言で言えるものではありませんが、早い話、自動車保険の契約時には夢のような補償を説明しますが、実際に支払う際に裏切られることがある、と言うことです。    人身傷害保険発売以来、その売り文句は以下の通りです(某社パンフレットを参考に図示)。

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 介護保険は公的制度です。利用以前にまず、自助努力が望まれます。かく言う、私の家でも父の認知症の進行と共に、支援を受け始めた次第です。この機に介護保険をもっと勉強しようと思っています。

 制度自体は老人介護向けです。交通事故被害者で介護状態となった場合、いわゆる介護保険ではなく、自治体から身体障害者・精神障害者の認定受けて、公的補助を受けることになります。実際の介護を担うのは、介護事業者です。これは高齢者の介護保険適用事業者と被ります。手続きも介護計画と介護認定を進める上で、ケアマネージャーさんとの打ち合わせから始まります。仕組みや利用の流れ、色々と交通事故被害者向けの公的介護と同じに思います。むしろ、違いを覚えた方が理解しやすいかもしれません。    <秋葉家のケース>

 東京に住む私が週1程度で埼玉の実家に戻って、独居となっている認知症の父の面倒を見ております。健康面は問題なく、体力も年齢以上にありますから、介護状態ではないことになります。ただし、独力でできないことは多く、洗濯や掃除その他家事をみていました。幸い、食事や炊事は自立までいかなくも、独力で食べて健康を維持できます。行き届かないことが多い中も、なんとか父の独居生活は成り立っていました。私としては、毎度トイレはじめ水場の掃除はそれなりの負担で、本来、休息をとるべき週末に、掃除の為の帰宅はキツいものでした。

 ところが、ケアマネージャーさんが言うには、「よく頑張っている方」とのこと。男手(息子)女手(娘)共に、別居している子達は、ほとんど実家に戻らず、老父母を放置しているのが現実だそうです。私レベルでも、ましなのだそうです。要支援に該当する条件は満たしているとのこと、加えて「息子さんの負担も限界で」と市役所に申請して下さいました。これで、要支援1に、公的サービスの助力が得られます。自宅に週1でヘルパーさんが派遣され、掃除の補助が得られます。これだけでも、私の負担は減ります。また週1の見守りにもなります。一人では苦しいことも、誰かの手が一つあるだけでも心強く、大変に助かります。    先のケアマネさんの言葉には続きがあります。別居の子供は最初から親を放置か、介護保険に頼るだけで・・少々引いてしまうそうです。公的保険だからと横柄な態度や、図々しい要求をする人達もいるようです。また、同居している場合であっても、まったく面倒をみない子供たちも少なくないそうです。とくに、近年は親の年金で食っているニートさんが多いそうです。高齢者の介護問題に、若者のニートやコロナ失業、非正規労働者増加が加算していると言えます。介護の深刻度によりますが、要支援レベルだと、同居していては介護サービスは受けられないか、相当制限されるそうです。もはや、高齢者を支え切れな若年層=高齢化社会の縮図をみるようです。    10年前に介護制度を解説しましたが、理屈的、数字的な事より介護の実際を取り上げていきたいと思います。今後、ケアマネさんから色々教えて頂こうと思います。      

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 高齢者が転んで入院すれば、即に認知症を発症するか症状が進行します。脚を骨折すれば二度と歩けなくなる、これはむしろ普通のことです。しかし、これが交通事故によるものなら、認知症や寝たきりの責任をすべて加害者に求めることができるのでしょうか?  

 二次的な障害の発症・進行は、”間接損害”と呼ばれ、常に賠償上の難しい問題となっています。交通事故によって直接破壊された部位でなければ、また、直接の原因がなければ、その後遺症は自賠責保険の認定基準から外れます。すべての障害を、老若男女・十把一絡げで判定する自賠責保険の限界を感じるところです。自賠責は良くも悪くも平等、個別具体的な事情は後の賠償交渉で決着するしかありません。

 本件は、受傷初期からそのような事情をご依頼者に説明、症状固定をいたずらに伸ばすことなく、骨癒合をみて8か月目にしました。年齢と骨折箇所から、早期の症状固定と言えます。      秋葉は内孫、おばあちゃん子でしたから・・   11級9号:中足骨・基節骨骨折(90代女性・栃木県)   【事案】

道路を横断中、自動車の衝突を受けたもの。骨折箇所は、上肢は左上腕骨骨幹部、下肢の脛骨・腓骨は骨幹部、右肋骨、左骨盤、右足趾は母指・基節骨、第2~5中足骨。加えて頭部・顔面の打撲。   【問題点】

足趾(足指)を除いては、骨折箇所が関節に直接影響を及ぼさない所ばかり。上肢・下肢は骨幹部で、予後の癒合は良好。また、肋骨と骨盤(恥座骨)も癒合さえすれば、深刻な障害は残らない。しかし、高齢者である。上肢は肩関節、下肢は足関節の拘縮が進み、可動域制限が残存した。

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 長いシリーズでしたが、今日明日の介護給付で一旦終了したいと思います。残った給付項目や労災のルールなどはいずれ取り上げます。   (1)支給要件

 介護状態の程度は、自賠責に同じく2分しています。以下の通りですが、自賠責は細かい要件が非公表ですので、これ(労災)を頼りに想定しています。常時介護と随時介護の概念はおおむね変わらないようです。

① 常時介護、随時介護の下表いずれかに合致すること

② 現実に介護を受けていること

 家族(知人も含む)の介護、民間の介護業者の介護を問わず、”現に介護を受けている”ことが必要です。

③ 病院や診療所に入院していないこと

 入院中は治療中ですので区別されます。これら施設において「介護サービスが提供されている」とみなされます。

④ 介護老人健康保険施設、介護医療院、障害者支援施設(生活保護受給者に限る)、特別養護老人ホーム、原子力被爆者特別養護ホームに入所していないこと。③に同じく、すでに介護サービスを受けているとされます。  

(2)給付額

 毎年4月1日に改正しているようです。

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 添付書類は、ほぼ遺族給付と重複します。遺族給付の申請の際に一緒に請求したいと思います。   お布施は?   (1)給付額

 実際にかかった葬祭費に関わらず、以下のどちらかです。

① 315000円+給付基礎日額の30日分

② 上の額が、給付基礎日額の60日分に満たない場合、60日分    ※ 損害賠償金として葬祭費を加害者(加害者側保険会社)に請求する場合、この労災支給分は既払い分として控除することになります。   (2)時効

 遺族関係の給付は5年の時効ですが、葬祭費は医療費や休業給付に同じで2年ですので注意です。  

(3)申請書  通勤災害は(16号の10) 業務災害は(16号) ・・・番号がだぶるので注意です

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 年金受給が決定した遺族は、1回に限り、年金の前払いを受けることができます。

 前払い一時金は、文字通り年金を先に受け取るものです。先に受け取る以上、利息分を含めた総年金支給額が減ることになりますから、お金に困っていない限り、年金で受け取り続けた方が得です。

 今までの経験から、”事情のある遺族”にとっては有難い制度に感じました。例えば、未亡人で夫(被災した死亡者)の死後、わりと早くに再婚の予定のある方です。再婚によって遺族年金が停止されますから、一時金で受け取っておく?効果が発揮されます。

 受給者である妻の再婚で、次の受給権者(子や父母など)が存在する場合、先取されたらこれら次の受給権者は困るはずです。「この場合、再婚後、元妻はもらい過ぎていた日数分の一時金を返すのか?」、労基に質問したところ、「めったになく、特殊なケースなので、その時の判断で・・」とお茶を濁されました(引き続き調べておきます)。

  (1)請求期限

 被災労働者が亡くなった日の翌日から2年以内かつ年金の支給決定の通知のあった翌日から1年以内です。

遺族年金の時効は5年ですが、前払い一時金は上記の通りですから、注意が必要です。

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 年金ではなく、一時金として支給される場合について。     (1)条件  以下、①と②の場合に限られます

A: 被災労働者の死亡当時、遺族年金を受け取る遺族がいない場合

 どんなケースでしょうか? 想定できるのは、20才の子が被災・死亡した時、生計を共にしていた父母が受給資格の年齢である60才に達していなかったが、翌年60才に達した場合でしょうか。   B: 遺族年金の受給資格者が最終順位まですべて権利を失った時、今までの受給者に支払われた年金(前払い一時金を含む)の合計が給付基礎日額の1000日分に満たない場合

 具体例で説明しないとわかりませんね。例えば、遺族年金を受け取り始めた妻が、再婚又は死亡した場合や、同じく年金を受け取っていた18才未満の子が、18歳になった(正確には18歳になった年度の3月末日を迎えた)ために受給資格者から外れた場合です。このようなケースで、既払いの年金が1000日分に満たない場合、残った金額が一時金になります。既払い額が1000日を超えていれば、一時金は生じません。   (2)受給権者とその順位  

① 配偶者

② 死亡した労働者の収入によって生計を維持していた子→父母→孫→祖父母

③ その他の子→父母→孫→祖父母

④ 兄弟姉妹

※ 子・父母・孫・祖父母は、被災労働者の死亡時の身分です。

  (3)給付の内容と給付額  …労災HP・しおりから抜粋   ① 支給条件:Aの場合

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 労災の死亡給付金は原則、遺族への年金支給となります。先に一時金として受け取る場合はその例外で、申請書を追加します。これは次回(前払い一時金)で解説します。    まずは、受給資格のある遺族を確認しましょう。厚労省のHP・しおりから抜粋します。     (1)受給資格者

 被災労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していた配偶者・子・父母・祖父母・兄弟姉妹です。    妻以外の遺族では、被災労働者の死亡当時に一定の高齢あるいは年少か、一定の障害者であることが条件です。    整理すると、以下の条件・順位となります。   ① 妻、または60才以上か一定の障害の夫   ② 18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか、一定の障害の子   ③ 60歳以上か一定の障害の父母   ④ 18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか、一定の障害の孫   ⑤ 60代以上か、一定の障害の祖父母   ⑥ 18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか、60歳以上または一定の障害の兄弟姉妹   ⑦ 55歳以上60歳未満の夫   続きを読む »

 障害年金を受け取っていた被災者さんが無くなった場合、当然に年金はストップします。しかし、今までの年金支給額の合計が、障害等級に応じて定められている一定額に満たない場合、残りを一時金として遺族が受け取ることができます。   (1)受給資格者

① 労働者の死亡当時、生計を同じくしていた配偶者(事実婚含む)→ 子 → 父母 → 孫 → 祖父母 → 兄弟姉妹

② 上記に該当しない、配偶者(事実婚含む)→ 子 → 父母 → 孫 → 祖父母 → 兄弟姉妹

 …②はつまり、被災者の死亡時の妻は後妻で既に亡くなっており、死亡以前・被災当時の前妻の子らを指すのでしょうか。今度、労基に聞いてみたいところです。     (2)受給額    下記の○日分 - 既に支給された年金(前払い一時金も含む)= 差額一時金

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 障害年金(障害第7級から1級)の受給対象者が一括で受け取りたい場合、この書式で請求します。

  (1)受給額

 下表のように給付額が等級ごとに定められています。

 当然、前払い一時金を受け取ると、毎月の障害年金は支給停止状態になります。復活は、前払い一時金の額に年利5%(※)を加算した額に達した後になります。

※ 現在、3%に変更されたかどうか確認中

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 障害給付・・後遺症が残った場合ですから、基本的な申請書類とは呼べないかもしれません。しかし、交通事故を扱う私達にとってはお馴染みの書式になります。   労災では「障害(補償)給付」、自賠責では「後遺障害」と名称を区別しています。   (1)給付内容  障害等級は重い準から、下表の通り1~14級まで区分されています。    14級から8級までは一時金支給、7級以上は年金となります。   続きを読む »

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「交通事故被害者救済」がスローガン! 病院同行に日夜奔走しています。解決まで二人三脚、一緒に頑張りましょう。

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今月の業務日誌

2021年8月
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