現在、道路交通法違反で刑罰の対象となる、あるいは行政処分として切符を切られることはありませんが、後部座席のシートベルトがより強く指導されると思います。

 その理由ですが、50年間の交通事故の歴史を振り返ります。現在、死亡事故は減少の一途をたどっていますが、その理由として、シートベルトの着用が挙げられます。信じられないことですが、昭和30~40年代、運転者の多くがシートベルトをしていなかったのです。私の父も、近距離ではしていなかったと思います。お巡りさんも一々切符を切らず、「注意だけ」が多かったと思います。それでも、継続的に取り締まりを強化した結果、昭和50年頃には運転手のシートベルトが普通になりました。  次いで、助手席です。私が子供のころ、助手席でシートベルトをしている人が珍しかった印象です。1970年代(昭和40~50年)の交通戦争時代は年間1万人以上が交通事故で亡くなっていました。その内、運転者は助かるも、助手席の死亡が多かったことから、助手席のシートベルト強化が進みました。警察、自治体、教習所の指導強化が続きましたが、やはり、取り締まりと罰金が効果的でした。

 そして令和の現在、後部座席への強化に時代が進んだと思います。本日、埼玉県で痛ましい死亡事故がありました。自動車vs対向車との衝突ですが、シートベルトをしていた運転者と助手席の人は助かりましたが、(おそらくシートベルトをしていない)後部座席の方は亡くなりました。

 ここ数年、タクシー乗車時に運転手さんから「恐れ入ります、シートベルトの着用にご協力をお願いします。」と丁重に呼びかけらます。まだ、お願いベースですが、いずれ過去の歴史のように、取り締まり・罰則強化に及ぶと思います。  

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 依頼者さまのお悩みで少なくないものの一つに、被害者感情があります。

 弁護士含め私達の仕事は、正当な補償を勝ち取ることです。実利ある解決とは、金銭の多寡に他なりません。しかし、加害者に対してのモヤモヤした感情のやりどころは・・と逡巡してしまうのです

 賠償金で被害感情を拭うしかないのですが、簡単に割り切ることができないものです。ついには、「お金の問題ではないのです(怒)!」と言う方もおります。

 私達のできることは、被害者感情の解消や気持ちの整理ではありません。ただ、しっかり賠償金を確保して、できるだけ早く解決させることです。また、刑罰においても、加害者への処分は検察が判断し、裁判となれば、裁判所が決定することです。被害者参加制度もできましたが、基本的に被害者抜きに進むものです。

 交通事故の解決とは、身も蓋もない言い方ですが、「お金の問題です」。負の感情を持ち続けることは、決して健全ではありません。賠償金を得て、1日も早く、平穏な日常を取り戻していただくことが一番です。私たちにできる励ましの言葉としては・・車好きの人であれば「賠償金でレクサス買いましょうよ」、旅行好きの人には「賠償金入ったらハワイに行きましょうよ」など、具体的な目標を提案しています。不謹慎な物言いですが、それが意外と気持ちを前向きにさせる効果があったと思います。

        

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注目の判決?

 先日、10歳児童が運転する自転車と乗用車の衝突事故で自転車側に過失100%を認める判決が下されたというニュースがありました。ニュースからの情報しかありませんため詳細は分かりませんが、少し記載してみたいと思います。   ~下記文章は11月18日の産経新聞より抜粋~

 事故現場は信号機のある交差点。男性が運転する乗用車の対面信号は青を示していた。向かって左側に塀があり、見通しは悪い。男性はアクセルペダルを踏まず、徐行して進入。すると左側から赤信号を無視した10歳児の自転車が飛び出してきて、車とぶつかった。車はほぼ停止状態だったため、児童にけがはなかった。

 乗用車の運転手は児童側に修理費用を求めて提訴。大阪簡裁は「本件事故の原因は児童にある」との判断を示し、児童側の過失を認定した。判決のポイントは3つ。1つ目は乗用車側が交差点の手前で速度を落とし、徐行していた点。

 2つ目はドライブレコーダーの映像から認定した児童側の運転の状況だ。自転車は歩道上を徐行せずに走行し、児童は前方の信号が赤であることを確認しなかった。

 3つ目は、車側の事故の予見可能性。この点について裁判所は、現場が見通しの悪い交差点で、赤信号を無視して自転車が飛び出してくることを予見できるとはいえないと指摘した。 児童側は判決を不服として控訴したが、大阪地裁で行われた控訴審でも「児童と男性の過失割合は100対0」と認定された。児童側は上告している。    今回の事故を判例タイムズで照らし合わせると、基本的には【236】自転車80:自動車20となり、そこに児童の修正要素-10が加わり、自転車70:自動車30になることが予想されます。これはお互いに走行していた場合を想定しており、今回の事故では、自動車側がほぼ停止状態にあったということから自転車が勝手に突っ込んできたということになります。また、子どもがケガをしなかったということもポイントかと思います。

 当初ニュースを見たときには、画期的な判例が出たと思いましたが、よくよく調べてみると、個別具体的な判断がなされただけであり、この判例をもって基本過失が変わるとは思えません。ちなみにですが、これがバイク対自動車だった場合は【161】0:100となります。やはり免許の有無が関係しているのかもしれません。今後、自転車にも免許が必要になったならば、過失にも変化が生じてくると思います。  

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 およそ、相談・受任の過半数は捻挫・打撲の軽傷に入るものです。ただし、その内から一定数は軽度とは言えない神経症状に陥り、通院が長びきます。そのような被害者さんに後遺障害14級9号をつけて、実利的な金銭解決を図ります。これが、弊所の考えです。

 一方、被害者さん及びご家族の人生を左右するような重傷案件も少なくありません。そのようなご相談に対しては、先約・予定を飛ばして直ちに駆け付けます。ご本人はもちろん、ご家族の心配は想像を絶するものがあります。できるだけ早く、今後の流れや予想される事態への対処を説明します。これで、ご心配は少なからず解消するものです。でなければ、精神的な疲労で参ってしまいます。

 周囲からの間違った情報や、定かではないネット情報に翻弄されず、正しい解決へのロードマップを引きます。解決まで計画的に進めなければなりません。やはり、ご相談は事故後、早ければ早いほど良いと言えます。死亡案件でも、同じことが言えます。業界の通例では、相手保険会社の対応は荼毘に付すまで、一般的には49日後になります。それまでは、ご遺族にはお見送りに専念することになります。

 死亡事故は取り返しのつかない事態です。秋葉事務所では、死亡の因果関係に疑義でもない限り、とくに調査・証明することはなく、諸手続きのお手伝いに留まり、直ちに弁護士に任せることになります。秋葉事務所の役目は限定的と言えます。生きていればこそ、事務所の力を発揮できるのです。勿論、ご家族の気持ちも、できれば命を取り留めて欲しかったと思います。

 死亡のご相談は、平均年間1~3件でしょうか。今年もすでに2件を数えました。わずかのお手伝いでも、心を込めて尽くしたいと思います。  

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 秋葉事務所では見込み薄い等級申請のご希望に対して、消極的です。いえ、むしろ、止めるように言う事もあります。それだけ、後遺障害の認定が無理な件に対して、無駄な時間とお金を使ってほしくないと考えています。原則はそうですが、年に数回、ご自身の納得の為に受任することがあります。

 それは、可能性は低くとも、完全に医療調査が成されていない、必要な検査が漏れている、つまり、正しく申請されなかった件です。これに対しては、9回裏まで投げ切っていないと表現しています。やるべきことをやっての等級で解決を図るなら良いのですが、中途半端な申請とその結果を受け入れてしまうと・・心残りの原因になります。その為に再請求をすることがあります。これは、解決後の気持ちの整理につながります。

 昨日は久々にそのような相談でした。可能性は低くとも0%ではありません。必要な事をやり切って解決へ向かいたいと思います。交通事故は、被害者さんにとって一生に1度の惨事です。その解決に向けて、時にはロスタイムも必要な時があると思うのです。  

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 秋葉事務所は医療調査が主ですので、(事故の)原因調査はめったにやりません。先日は早起きして、事故現場へ。事故状況の調査と言うよりは、自動車の動きをスピード別に再現するものです。動画と写真、それぞれの撮影に2時間程かかりました。

 保険会社側の調査員・アジャスターは、その目的別に3つに大別されます。自動車の修理費を調べる通称、アジャスター。医師面談等を通じて被害者のケガ・治療状況を調べる医療調査、事故現場の実調などから事故状況を調べる原因調査、です。

 弊社の依頼主は保険会社ではなく、被害者です。物損アジャスターとしての業務ですが、被害車両の金額は工場が見積もりしますので、介入の場面はほとんどありません。事故状況の調査(原因調査)ですが、近年、グルーグルマップのストリートビューで事故現場を確認できますので、基本的な事故状況の把握は大変楽になりました。双方の言い分が食い違えば、まず保険会社側が動きます。その保険会社の調査内容に疑義が無ければ、被害者側で動く事は少ないものです。詳しく踏み込む場合、弁護士が刑事記録を開示するなどして、賠償交渉に備えます。

 やはり、保険金の多寡に最も影響のある医療調査こそ、人身事故の被害者側に常に必要な調査であると考えます。一方、死亡や重傷案件では、事故状況次第で過失割合が決まりますので、原因調査も重要な仕事になるのです。

 

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 秋葉事務所は比較的、遠方を厭わずに受任します。病院同行も、北海道から九州までありました。逆に東京都の中心部での事故はほとんどなかったと思います(もちろん、被害者さんのお住まいは中心部から郊外になりますが)。

 それが今月、事務所の近所、中央区内での事故を二件受任しました。いずれも、交差点歩行中の被害事故でした。灯台下暗しと言いますが、これは珍しいことなのです。

 いずれも、重傷案件です。多くの弁護士事務所がある中、専門性を基準に秋葉をご指名頂きました。期待に応えるべく、鋭意取り組みたいと思います。

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 初回は無料相談ですから、積極的にご利用下さい。大手弁護士事務所が席巻するネット世界で、よくぞ秋葉事務所を見つけて頂いたものだと感心しています。

 相談内容は多枝に渡りますが、やはり、先に弁護士事務所数軒に相談しても、答えが得られなかった末の方が多いようです。たいていは、秋葉事務所の回答で止まります。それは、秋葉が弁護士より優れていることを表すものではありません。交通事故被害者さんの困窮点・疑問点は、法律問題に限らないからに他なりません。

 よくある質問は、自賠責保険や任意保険を初めてとする保険に関する事です。さらには、傷害保険、生命保険、共済、労災など公的保険にまで及びます。これらは、さすがに餅は餅屋、秋葉より詳しい弁護士は少ないと思います。とりわけ、後遺障害に関する相談は、医学的な知見を避けて通れません。この分野に特化した事務所は少なく、弁護士先生の交通事故業務の経験則が問われます。この分野でも、”寝ても覚めても後遺障害”、秋葉事務所に一日の長があると自負するところです。

 最大の問題は、それらの相談がビジネスにつながらない点でしょうか。多くの相談は正式に受任してお手伝いすることにはならず、アドバイスで完結することが多いのです。ビジネスにならずとも、無料相談とはその宿命を負うものです。覚悟して事務所を運営しています。

 

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 全損となった物損請求で毎度、苦戦することは、相手損保の低い査定額です。一応、根拠はレッドブックの査定額ですが、自動車はそのグレードや装備などで大分値段が変わるものです。そのような事情を主張しない限り、損保はいつだって、最低額を示してきます。

 これを腕利きの弁護士が交渉しても、大幅な増額は難しいものです。弁護士は法的な根拠を基に主張しなければなりません。一方、保険畑出身の秋葉は、法律や理屈で戦いません。本件のように、被害車両に車両保険が付いていれば、車両保険に請求するまでです。恐らく、相手損保の提示する全損額より、車両保険の保険金額(アマウントと言います)が高めに設定・契約されているので、車両保険への請求が有利なるケースが多いのです。これを業界では「車両先行」と言います。

 さらに、本件は、同じ保険会社同士です。同じ保険会社なのに、対物の査定額と車両保険の査定額が大きく食い違う・・・「おかしいでしょ(怒)」と。結果、対物担当者は、車両保険と同額を認めてきました。恐らく、同じ保険会社ですから、双方の担当同士で妥結したのだと思います。車両保険だけではなく、人身傷害でも、自身の保険を先行させる策が功を奏す場合があります。面倒な交渉や弁護士頼みも要りません。交通事故の世界では、保険の駆使だけで片付く事が少なからず存在するのです。

まさに、弁護士要らず! だけど、認定後は弁護士の活躍に期待です  

非該当⇒併合14級:頚椎・腰椎捻挫(30代女性・静岡県)

【事案】

右折待ち停車中、後方から追突を受けた。直後から、頚部、腰部とも神経性の痛みが生じ、治療が長引く事に。   【問題点】

初期からの相談であったので、物損交渉から始まった。被害者・加害者共に同じ損保であったので、相手損保が提示するであろう低い査定額をけん制する為、車両保険の先行請求をほのめかしたところ、値切られることなくスムーズに対物の交渉は済んだ。

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 弁護士先生に聞きますと、それ程珍しい現象ではないそうです。双方、判断の基準が異なるからです。民事の場合、一審(地裁)にて事件の事実を究明、認定します。証拠がすべてではありますが、完全な証拠が揃わずとも、裁判官が事実認定することがあります。解り易く言いますと、状況証拠からの判断でしょうか。

 一方、刑事裁判は、人の罪を裁くのですから、証拠が不完全であれば、判断はより慎重になります。よく言う、「疑わしきは罰せず」でしょうか。    交通事故の裁判でも、双方、結果に強弱が生じます。刑事裁判では、加害者への罪は驚くほど軽いと感じます。まず、「わざとやったわけではない」こと、任意保険の加入があれば「損害賠償を実現できること」、さらに、被害者が「厳罰を求めない意向」の場合、相当に減刑されます。それでも、民事上では、ひき逃げや飲酒など、加害者の悪質性を追及して慰謝料増額を主張します。     かつての事故を紹介します。この加害者は、救護せずに現場から立ち去り(ひき逃げですね)、翌朝出頭(アルコールが抜ける時間を稼いだ?)でした。刑事記録の供述調書を閲覧しましたが、状況から明らかに飲酒運転と思います。ただし、直後のアルコール検査はなく、翌日では検査の意味がありません。したがって、刑事事件としては、「自動車運転過失致死傷罪」に救護義務違反が重なりますが、飲酒運転などの厳罰=「危険運転致死傷罪」までは至りませんでした。

 一方、民事では、裁判まで至らず交渉解決となりましたが、(相場よりも)慰謝料の増額を飲んで頂きました。相手保険会社は、ひき逃げ+飲酒の疑いから折れ気味、強硬姿勢は取れなかったようです。    その事故 👉 7級4号:高次脳機能障害(40代男性・神奈川県)      今回、引用する事件ですが、刑事事件では飲酒運転が認められず無罪、行政処分では飲酒運転に相応する処分となり、その処分の撤回を求めた民事裁判で結果が食い違いました。     <読売新聞オンラインさまより引用>

 「酒気帯び運転」」刑事裁判は無罪だったが、民事は認定 ~ 免許許取り消し無効の請求を福岡地裁棄却 5/30(木) 福岡地方裁判所    酒気帯び運転を巡る刑事裁判で無罪が確定した福岡市の男性(40歳代)が、福岡県に対し、運転免許取り消し処分の無効などを求めた訴訟の判決が29日、福岡地裁であった。林史高裁判長は男性が酒気帯び運転をしたと認定し、請求を棄却した。刑事裁判と正反対の認定となり、男性側は控訴する方針。

 男性は2020年1月に同県筑紫野市の路上で酒気帯び運転をし、警察官の顔につばを吐いたとして道交法違反と公務執行妨害罪で起訴され、免許取り消しの処分を受けた。1審判決で懲役10月、執行猶予4年の判決を受けたが、21年の控訴審判決は「第三者が車を運転した可能性が認められる」として1審判決を破棄。道交法違反については無罪として罰金20万円を言い渡し、確定していた。

 この日の判決では、男性が主張する車を運転した第三者について、車を映した防犯カメラ映像からも確認できないことや、誰であるか特定していないことから、裏付けを欠くと判断。男性自らが酒気帯び運転をしたと認められると判断し、処分は適法であると結論付けた。     簡単にまとめますと・・・本人が飲酒運転をしたという絶対的な証拠がなかったので、刑事上は無罪となりました。したがって、免許取り消しなどの行政処分も無効だと主張しました。この人の行いや状況をみれば、完全な証拠がなかろうと、「飲酒運転しただろう」と民事上の判断になったと思います。    

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 昨年までは、行政書士向けのセミナーはやったことがありませんでした。講師はもうすぐ100回に届きますが、同業からはお声がかからなかった・・いえ、正直に言えば2回ほどありましたが、あまりの多忙から、また、趣旨にそぐわないなど、生意気にもお断りしていました。    しばらく行政書士会からの依頼はなかったのですが、昨年10月、九州の仲間から声がかかり、web形式で実施しました。参加数が心配だったのか、九州全県への配信としたそうです。今時、交通事故業務をやっている行政書士など、絶滅危惧種と思いますが・・。

 それが、昨年10月16日でした。予想に反して、アクセスは100に届き、ここ最近のweb研修でも高評価とのお褒めの言葉を頂きました。福岡県会の皆様から、「来年も是非よろしく」とも。まぁ、社交辞令でしょう。「今度、飲みに行きましょう」と一緒です。    しかし、またもや意に反して、今年の8月に「いつが都合よいですか?」との電話が入りました。本当に再登板、軽く驚いたものです。その実施日が本日でした。      2時間半ほどの内容、その中間に恒例の演習問題をいれました。テーマは自賠責保険の死亡限度額の推移です。交通事故で亡くなった、タイガーマスク、キューティーハニー、上杉 和也(タッチ)、ミンキーモモ、槇村 香(シティーハンター)、それぞれの死亡年の限度額を解答して頂きました(答えは下表)。

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 さんさんと輝く太陽の下が湘南のイメージですが、本日は日が落ちた夜八時、帰宅ラッシュとなったJRのつり革にしがみつき1時間、サザンの「希望の轍」が鳴って茅ヶ崎駅に到着です。      さらに、駅から歩く事15分、クライアントさま宅にて出張相談です。重傷で入院中、かつ面会が難しい場合、取り急ぎ、ご家族との打合せをします。初動の段階で手をこまねいている場合ではないからです。    交通事故に限らず、何事も最初の一手が大事です。初期のつまずきによって、解決が難航することは珍しくありません。今回は代理店さまの協力を得て、スピード対応となりました。早いことは常に良い事です。

 残念ながら、秋葉事務所への相談は遅れがちです。初めて交通事故に遭った被害者さん、その多くは相手保険会社の主導で進められ、ある時疑問が生じてから動きます。また、その動きもネットで検索された華麗なHPに誘導されて弁護士へ。ところが契約までは熱心でも、その後は「診断書を待っています」とだけの対応に終始・・・事故初期の様々な手続きに難儀して、後遺障害の立証で右往左往、その時点でようやく、弊所HPにたどり着くようです。    「時すでに遅し」にならないよう、被害者さんが早めにたどり着くことを祈るばかりです。その点、各方面の紹介は有難く、何より、被害者さんが最初から安心して解決へ進めることになります。本件も安心のレールに乗せたいと思います。    

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 昔のバンドメンバーの言葉です。受け売りかもしれませんが。曰く、一度その人を信じたのならば、もう事実はどちらでもでもいい・・実に深い言葉だと思います。    当然、私共士業者はご依頼者の言う事を信じて、そのご希望を達成する為に尽力するものです。これこそ、信任を受けて業務にあたる士業者のあるべき姿、ご依頼者を疑っては仕事になりません。

 しかしながら、嘘偽りを語り、士業者を利用しようとする者が交通事故業務でも存在します。ある交通事故被害者さんの相談内容ですが・・・相手保険会社に対して、車両の修理費とケガの休業損害を請求したところ、担当者が横暴で、「これは出ません、あれも出ません」との塩対応です。気の毒なこの被害者さん、助けを求めて新人弁護士に相談しました。   (仮名)黒井 考男さん(40歳 自営業) 追突事故に遭遇。

(仮名)お花畑法律事務所 仁良 信二 弁護士(26歳 今年、弁護士登録 若手のホープ)   黒井さん:ケガで仕事もできず、車も修理できません。指示された書類を提出しても払ってくれません。担当者は弁護士対応するとまで言ってきています。    仁良先生:それはひどい、保険会社の払い渋りは許せません。私から請求しましょう。早速、車両の写真と見積もりをお見せ下さい。   黒井さん:車は知り合いの工場に任せています。見積もりはこれです。   仁良先生:(写真を観るとバンパーにかすり傷程度)見積もり額は・・えっ、89万円!ですか?   黒井さん:はい、輸入部品を使っているので高いのです。   仁良先生:中古で購入した10年落ちのレクサスで?・・(これはちょっと無理筋ですが)その部品を購入した領収書や証明書は?   黒井さん:失くしてありません。   仁良先生:・・・。 それでは、事故前年の年収はおいくらですか? その収入証明はありますか?   黒井さん:だいたい1000万円です。税金を申告していないので証明書はありません。友人から仕事の委託を受けていまして、その明細ならあります。    仁良先生:(それをみると、具留工務店の署名が入った用紙に、手書きで毎月80万円の支払とありますが)・・・それでは、通帳に入金の記帳はありますか?   黒井さん:現金払いなのでありません。   仁良先生:これでは、保険会社は払わないですし、仮に裁判になっても認められません。   続きを読む »

 足の甲の骨=中足骨は折れやすく、とくに小指側の第5中足骨は、長距離歩行でいつの間にか折れる(行軍骨折)、激しいスポーツや長時間の立ち仕事でも折れたりします(疲労骨折)。本件、母趾側第1中足骨の骨折は比較的少ない部位です。それも、横に水平に割れたようで、きっと歩く度に痛かったと思います。    事故状況ですが・・逆走車と言っても、直線道路の対向車ではなく、交差点の左側が一歩通行で、そこからの逆走車です。これも避けるのは難しい事故と言えます。二重の不幸が重なった事故ですが、相手損保はとりあえず0:100対応してくれましたし、自賠責も14級をすんなり認定となりました。現在、連携弁護士の交渉中ですが、良い解決に向かっています。

これは0:100だよね  

14級9号:第1中足骨骨折(50代男性・神奈川県)

【事案】

バイクで交差点を走行中、左側から一方通行を逆走してきた自動車と出合い頭衝突したもの。

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 なぜなら、↓ の看板をよく見るようになりました。

   自転車搭乗中のヘルメット使用ですが、ついに全国的に努力義務となったようです。ここ数年、死亡事故が年間4000人代と減少傾向になっています。その3割前後は自転車が絡んでいる事故です。    今日は交通事故セミナーで大宮へ。自転車事故に絡めて、交通乗用具の各社比較をテーマとしました。重傷と思ったら、いち早くご連絡を頂きたいものです。  

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 先日取り上げた「聴覚障害者の死亡事故判決」👉 聴覚障害の女児死亡事故 逸失利益は85%3700万円余判決 ① 事件について    この事故について、関西圏の日本テレビの取材を受けました。それが3月4日に放送されましたのでご紹介します。    ただし、肩書や立ち位置が一部不正確に伝わりそうなので、先に2点補足説明の上、放送映像(Youtube)をUPします。   1,放送中、「保険会社に10年以上勤務の・・」とありますが、正確には保険会社に3年、保険代理店14年です。保険会社関係に在籍・・大雑把に捉えられたようです。   2,赤い本が映し出され、「保険会社の賠償提示は・・」と、まるで保険会社と相対交渉の経験があるような、つまり非弁行為をしている印象を持たれる懸念を感じています。取材の意図は、保険会社の考え方や視点を(歯に衣着せず)聞きたかったようです。その観点からの回答です。決して、行政書士の立場で保険会社と交渉していませんし、弁護士と業際を明確に分離して業務をしています。保険時代の経験と、連携弁護士の報告からの回答と解して下さい。その点、誤解無きよう、補足しておきます。    「報道番組ten.」より ⇒ 交通事故の賠償金裁判、そこでは命に“値段”がつけられていた―― なぜ減額されるのか、遺族らを苦しめる賠償金の闇に迫る   

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 障害を追った人は100%の人間ではない、よって、パフォーマンス低下分○%を差し引いて、その人の生産性とします。    実に人権を無視した考え方に聞こえます。    しかし、前日の自賠責保険のルールを基に逸失利益を逆算した通り、損害賠償の公平の為に障害分を将来収入から差し引いて計算すること自体、理にかなった仕組みです。事実、判決後、多くの法学者さんの見解や、連携弁護士先生の意見を聞くと、これは正当な理屈であり、むしろ、裁判所は被害者寄りに踏み込んだ判決をしたとの評価が多いようです。    そうであっても、本件被害者さんは生れてからご家族と共に、それこそ聴覚のハンデキャップを克服する努力を続けてきました。家族の思いは、「この子は普通の子と変わらない」 のです。    一方、賠償上の評価として、仮に障害やハンデがあっても、それを克服する「特別の努力」という概念があります。本人・家族の努力によって、あるいは職場の理解から、障害のマイナスを埋めた結果、他の同僚と同じ賃金、同じ地位の被害者さんも存在します。弊所の連携弁護士も、この「特別の努力」を立証することで、既往症など減額を防ぐ論陣を張っています。

 また、もちろん少数ですが、障害を持っていたとして、他の才能や努力から、健常者以上に稼いでいる被害者さんも存在します。当然、その収入実績を主張することになります。判例上、実態収入を基とした、高額判例も目にします。つまり、個別具体的な立証が必要であると言えます。    さて、子供さんの場合です。未就労者ですから、収入実績を示すことができません。ある程度、進学した場合は高校の成績から大卒の賃金センサスが採用されることがあります。また、何かスポーツや芸術分野で特別な才能を発揮した場合も考慮されるでしょう。しかし、しかし、、小学校の場合です。学業成績にしても、まだ実績が十分とは言えません。将来、大学進学する事や一部上場企業に就職することなど、まだわからないのです。    本件はまさに、将来どうなるかわからない子供を評価しなければならなかったのです。    障害を持った子供の将来を予想するに、普通の子の収入平均で良いのか? 大変、難しい議論なのです。逸失利益算定の難しさを集約する言葉があります。    それは 蓋然性 です。   👉 蓋然性とは?    本件の判示は、「年齢に応じた学力を身につけて将来さまざまな就労可能性があった」と、特別の努力、聴覚障害者でも健常者同様に活躍できる社会の進歩、技術の進歩を踏まえています。それでも、「将来どうなるかわからない」ことを完全に無視はできませんでした。「労働能力が制限されうる程度の障害があったこと自体は否定できない」とのことです。

 現状の法律である限り、蓋然性を検討して、どうなるかわからない将来を「推測する」しかないのです。その推測ですが、損害賠償は何処まで行っても公平な判断でなければならないのです。進歩的に考えて、将来のある子供さんの予想について、「蓋然性はバラ色にすべき」との人権的な意見が存在します。また、法律はそのままに、逸失利益は削っても、その分、慰謝料を増額させて、実質100%に近づける案も目にしました。まさに、人智を絞った、より被害者救済のアイデアが望まれます。    結論になりますが、秋葉の仕事としては1、弁護士の仕事は2です。     1、蓋然性を高める記録・証拠を集めて、弁護士に託す     2、弁護士は法解釈・テクニックを使って、実質の損害額を高める交渉に尽力する     本件は、控訴されるのかどうか、まだわかりません。秋葉への取材は3月4日、関西・読売テレビ「報道番組ten」で放送とのことです(関東では観れません。後日、ネット放送はあるようです)。今後も事件を見守っていきたいと思います。      

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 あくまで、自賠責保険基準からの検討になりますが、自賠責保険の基準=考え方は裁判にも踏襲され、裁判官の判断材料になることが多いものです。

 事件の経緯について、逸失利益計算から自賠責流に逆算していきます。   【1】まず、聴覚障害についておさらいします。    👉 耳の後遺障害 ⑤ 難聴 Ⅰ    本件被害者さんの聴覚障害の程度は不明ですが、

 4級3号:両耳の聴力をまったく失ったもの 

 6級4号:両耳の聴力が耳に接しなれば大声を解することができない程度になったもの    いずれかですが、本件の場合、逸失利益の額から6級4号が推測されます。   【2】次に、逸失利益についておさらいします。

 本件、最大の争点は、亡くなった女の子の将来の損害=逸失利益(うべかりし利益)です。逸失利益とは、「もし、障害がなければ、将来これだけの収入があったでしょう」を予想・計算するものです。    その計算式は以下の通りです。   事故前年の年収 × 喪失率 × ライプニッツ係数(喪失年数-中間利息)=逸失利益    詳しくは 👉 自動車保険の値上がりの言い訳・前編~まず、逸失利益を復習    6級の労働能力喪失率は67%です。      逸失利益の計算は、後遺障害と死亡の保険金算定に生じます。    Ⅰ. 

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