交通事故・科学の教科書において定番の、「ビル落下時の衝撃」から説明しましょう。

 自動車が衝突したときの衝撃について、そのスピードから換算すると以下の図のようになります。<『図解 交通資料集』立花書房より >・・いつも、参考にさせて頂いています。

 例えば、時速60km/hで壁に激突した場合、ビル4階(およそ高さ14m)から地面に落下した衝撃と同程度の衝撃となります。高速道路で80kmを超えるような追突だったら、車ごと人間も潰れてしまいそうです。逆に渋滞中、ブレーキから足が離れたクリープ走行で追突された場合、せいぜい10km以下ですから、衝撃はバンパーで十分吸収できます。つまり、大したことない衝撃となるはずです。  

 計算式は以下の通り。時速36km(秒速10m/s)の場合です。40キロに満たなくとも、すごい衝撃となります。

※ 空気抵抗を無視した計算です。考慮するともう少し高くなります。    空気抵抗を加えると文系の私では手に負えない計算式となりますので、大よそはこの計算から衝撃度を想定します。このような計算は、弁護士が裁判で事故の衝撃を立証する際、用いられる科学的根拠=理屈です。加害者側保険会社においても、物損損害でもめた場合(自動車がそんなにひどく壊れたのか?)、アジャスターの損害調査に加えて、科学鑑定を依頼する場面に登場します。

 被害者の医療調査を請け負う私達も、知っておくべき知識です。もっとも、自賠責保険側が考える”衝撃度”の検討は、被害車両の修理額から小破・中破・大破でおおまかに分類、判断していると推測しています。当然、「少破程度の被害から、むち打ちで後遺症になった」としても説得力は下がります。

 つづく  

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 むち打ち・打撲捻挫の類は、骨折などの明らかな人体の破壊がないので、普通、その衝撃はそれほどでもない、大したケガではないと判断されます。

 相手保険会社は「打撲捻挫など腫れが引けば治るもの」と考え、3ヶ月を超えるような長期通院に理解など示しません。早期の治療費打切りに及ぶでしょう。さらに受傷時の衝撃具合は、後遺障害認定における14級9号の判定に絶大な影響を与えます。「その程度の衝撃で後遺症を残すほどの重傷なの?」・・・当たり前の疑問です。

 このような受傷時の衝撃を説明するものが「受傷機転」です。どのように接触・衝突、事故となったのか、です。バンパー交換程度の軽微な追突、交差点の出会い頭衝突でもバンパーの角がつぶれた程度、二車線道路で割り込み車とフェンダーがこすった程度、これらの衝撃で何日も病院に通うなど、誰がみても大げさにみられるのです。

 ところが、打撲捻挫でも症状が長引く被害者さんも一定数存在します。保険会社の冷たい対応を受けてご相談を頂きます。ご依頼となれば、症状の証明に奔走、後の後遺障害立証についても全力でフォローすることになります。しかし、受傷機転だけは変えようがありません。私達の努力が及ばない部分なのです。

 かつて、すれ違いざまに対向車とドアミラーがこすっただけの接触事故ながら、頚椎捻挫で数ヶ月通っている被害者さんの相談を受けました。頚部痛のみならず、めまいと頭痛、不眠、肩こり、不安症も重なり、今でも過呼吸で倒れそう・・心療内科へ一直線です。さらに、視力低下、難聴、便秘、生理不順、夫婦仲の悪化や子供の教育問題まで、ほとんど更年期障害の症状はおろか、交通事故による家庭崩壊まで訴えるのです。そして、保険会社の(治療費打切りの)横暴を1時間に渡りまくしたてます。

 残念ながらいくら熱弁しようにも、受傷機転から訴える症状の信憑性を見出すことはできません。主治医も、もはや面倒な患者に関与せず、医学的な証明など程遠いところに行ってます。せいぜい心因性の関与しか診断できないでしょう。対応できるのは心療内科医か、はたまた心霊治療、悪魔祓いの選択です。保険会社の治療費打切りが至極当然に思えます。  

 連携弁護士も丁寧にお話を伺い、色々と対策を思案します。しかし、事故状況・衝撃から発症したその症状は、あらゆる自然科学、物理法則に逆らうスーパーナチュラル(超自然現象)なのです。治療費の請求など絶対に通りません。常識や科学に反した請求など、ダメなものはダメなのです。  

 大なり小なり、このような相談を何十件、いや何百件も受けてまいりました。当然、お力にはなれません。それでも、数件は真剣に検討したものです。

 それは明日以降に。  

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オーローウォンチューバイミー♪

アーメルデスベーンツ♪

マーイフレーンオードライポールシェー♪

 

詩:マイケルマクルーア

歌:ジャニスチャプリン

 

どーも、金澤です!

今日は、代車使用料について判例を見あさっていると面白い判例を見つけたので紹介いたします!

 

ベンツ乗りのキャバ嬢が事故に遭い86日間代車でベンツに乗った判例です。

 

 

保険会社が払う代車使用料とは

 

相当な修理期間又は買い替え期間中、レンタカー使用料などにより代車を利用した場合に認められる。

なお修理期間は1~2週間が通例だが、会社などは部品を海外から調達する為に長期になる事も有り、ケースバイケースで認められる。

 

 

 

仮にベンツに乗っている人が追突され、ベンツが壊れたとします。

だからと言って、代車でベンツを受け取るという事は、通常あり得ないことです!!

代車でベンツを使うことの必要性と妥当性が決め手になります。


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 自転車による加害事故は交通事故が全般的に低下傾向の中、微増との統計があります。他県ではすでに義務化が増えており、以下、産経新聞さま記事より引用。最後の関連記事も併せてお読み下さい。

多発する自転車事故 東京都が保険加入義務化へ

   東京都内で発生する自転車事故が近年、増加傾向にある中、都は自転車を利用する都民に損害賠償保険の加入を義務付ける方針だ。9月の都議会定例会に「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」の改正案を提出する。可決成立すれば、施行は来春になる見通し。自転車事故をめぐっては近年、大きな被害や多額の損害賠償が生じることもあり、都の担当者は「保険加入率アップを期待したい」と話す。

 自転車損害賠償保険などについては、現在は加入が「努力義務」とされているが、都の平成30年度の調査によると、加入率は53・5%。

 他自治体では義務化により、加入率が7割に上昇した事例があり、都の専門家会議も7月9日、「自転車は車両だという意識が高まり、安全利用の推進につながる」などとして、加入義務化の必要性を指摘する報告書を作成していた。

 条例改正案では、自転車の利用者に損賠保険(個人賠償責任保険を指す)の加入を義務化。ただ、義務違反に対する罰則などは盛り込まれていない。

 このほか、企業は通勤時に自転車を利用する従業員に対して、自転車販売店は顧客に対して、それぞれ保険加入の有無を確認する努力義務があるとされている。改正案は既に公表されており、8月2日まで一般から意見を公募をしている。

 警視庁などの調査によると、都内の自転車関連事故は30年で1万1771件。前年の1万949件より822件増、一昨年の1万417件より1354件増と多発傾向にある。交通事故全体に占める自転車関連事故(30年)の割合も36・1%を占め、全国平均の19・9%の約2倍に上る。

 自転車事故をめぐっては、神戸地裁で25年7月、歩行者の60代女性を自転車ではねて、重篤な状態にさせた当時小学5年の男子児童の母親に対し、約9500万円の支払いを命じる判決が出るなど、多額の賠償金を求める事例が続出している。   関連記事 ⇒ 個人賠償責任保険をあらためて解説

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 とくに重傷者の場合、ご本人はじめご家族の不安はいかばかりでしょう。

 本日は朝に事故の連絡を頂き、即日、神奈川県西部の入院先の病院へ伺いました。そしてご家族に、即時の対策と今後の流れを説明しました。先の見えない事態に被害者の皆さんは心が潰れそうです。そこで、明確に解決までの展望を示すこと、そして何より相談を受ける私達の顔を見ていただくこと、これが安心につながるものと思います。

 このような即時の対応は自動車保険に望まれますが、弁護士さんはじめ多くの業者にとって、多忙の中で困難のようです。そこは秋葉事務所、初期対応は優先順位の最上、予定を入替えて臨みます。

 昨日、初期対応で打合せした7つの項目は以下の通り・・・

① 今後の治療の方針・・・手術、リハビリ、転院、セカンドオピニオンまで展望します。

② 警察への対応・・・現場検証、事情聴取に対する対策、相手への処罰感情への回答、刑事記録の取り寄せの予定まで。

③ 労災・健保手続き・・・過失案件ではマスト、即座に手続きのフォローを行います。

④ 物損交渉について・・・保険会社対被害者でまず交渉、結果に応じて弁護士へ。

⑤ 弁護士選定・・・事案に沿った最良の弁護士と介入時期を検討、そして紹介へ。

⑥ 後遺障害と賠償金の見当・・・障害等級の予断と予想賠償金を見当、そして解決の時期まで及びます。

⑦ 相談体制の確認・・・当面の相談窓口と連絡体制の設定。

 以上、1時間の打合せ、被害者さんとご家族の不安顔はみるみる安堵へ変化します。

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何の例えかと言いますと、ズバリ弁護士のことです。正確には保険会社から見た弁護士です。

保険会社 対 弁護士、この構図の多くは交通事故案件になるかと思います。この10年、弁護士と数多くの案件を解決してきました。連携した弁護士はそれこそ北海道から沖縄まで、全国18事務所、弁護士も50人に及びます。交通事故を専門に取り扱う先生もいれば多くのジャンルを扱う先生、業界の有名先生から若手まで、様々でした。良い解決もあれば、残念な解決もありました。残念な解決でも反省や進歩の無い先生とは、以降仕事はしません。それっきりになります。そして、案件を重ね、経験を積んだ先生は、ついに裁判で画期的な判決を取るに至ります。「交通事故のプロ」の誕生です。

交渉でも裁判基準相当額にならなければ、裁判や紛争センターに全件持ち込む、この硬派で頑固な姿勢を貫くと、保険会社も「この事務所は裁判基準じゃないと折れないんだよなぁ・・どうせ、裁判や紛センに持ってかれるなら・・」と交渉でも裁判基準まで払ってきます。保険会社は感情で仕事をしているわけではありません。ちゃんと弁護士の姿勢、所謂足元を見ているのです。

対して、効率・利益を第一に求める事務所は、一つ一つの案件に時間を割きません。交渉が続き、裁判基準満額まであと50万円増額の余地まできた場面では・・依頼者にとって大金であっても、弁護士の報酬はその10%=5万円なのです。その事務所にとって5万円の売上増加の為に、裁判で半年~1年、あるいは紛センで4~6ヶ月解決が延びるなど、経営効率が悪いのです。だからこそ、依頼者に「交渉で大分増額させました。どうしますか?」と聞きます。または「裁判となれば、この提示額の保証はなく、リスクがあります」と説明します。すると、大抵の依頼者は判断ができず、「先生にお任せします」となるのです。これで、安くあげたい保険会社と、早く案件を終えたい弁護士の利害が一致、簡単解決となるのです。

つまり、経営効率主義の弁護士事務所は、保険会社からこう見られているのです。「先生、どうせ裁判はしたくないでしょ、妥協を待ちますよ(依頼者を丸め込んで下さい)。」

交渉解決は楽です、電話とFAXあるいは郵便の往復で解決できますから、保険会社・弁護士共に楽なのです。裁判はそれこそ訴状の作成や証拠の集積、数回の期日に裁判所へ足を運び・・大変な手間と時間がかかります。信じられないかもしれませんが、裁判などしたくない弁護士が多いのです。それを、「紛争(裁判)を未然に防ぐことが弁護士の役目」と美化する先生もおりました。もちろん、その姿勢は人同士の争いでは大事です。しかし、交通事故に関しての請求相手は保険会社という民間企業・全国組織ですから当てはまりません。このような(裁判を避けたい)姿勢=弱腰は必ず保険会社に伝わってしまうのです。

保険会社はバカではありません。交通事故を扱う弁護士事務所への対応について、ある程度リスト化していると思います。依頼者に1円でも多く獲得すべく譲らない事務所、裁判基準の満額の7~8割で手を打ってくれる事務所を識別しています。前者はその姿勢を続けると、裁判や紛センに持ってかれる位なら、交渉でもほぼ満額支払をしてきます。だって、刀を抜かれる(裁判や粉セン)からです。 逆に、交渉である程度の増額で楽に収めたい先生が強気で賠償請求・交渉してきても、

「先生、どうせ竹光でしょ」となります。抜かない刀ではまったく脅しが効かないのです。 ここまで説明すればお判りと思います。交通事故被害者さんが弁護士を選ぶ場合、最初に解決方針をしっかり聞く事です。「先生、裁判基準満額が取れない場合はどうしますか?」この質問に対し、妥協なき方針、確固たる戦略を提示できない先生は、竹光を差した効率先生と思って下さい。

 

不可能を可能にする秋葉事務所と弁護士の連携記事 →実績投稿:異議申立 連勝中! ④ 頚部の運動障害の認定、弁護士との逆連携の成果

お時間のある方は、あわせてこちらの記事をお読みください。

弁護士の選び方 ① 交通事故弁護士にも2種類あります

弁護士の選び方 ② 専門を見極める

弁護士の選び方 ③ ...

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こんにちは、金澤です。

先日、上司と病院同行をご一緒させて貰いました。

我々の役目は後遺症の審査側に正しく明確な情報が伝わるようにする事。つまり診断書に、被害者の情報を正確に伝わりやすい形でお医者様に書いて頂くように、医師・患者の間に入り調整を図る役割です。どうしても、医療知識がなければ症状の事を的確に伝える事は非常に難しく、だからといってやみくもに痛い痛い、悪い!悪化している!と医師に訴えても、あまり良い結果にはなりません。

そこで我々が知識や経験から、そのような症状であればこのように伝えると、伝わりやすいかもしれませんね。等とアドバイスをしたり、お医者様に、この検査をお願いします!等とお願いをしたり。

現在身体の色々な部分に症状が出ているが、全てを訴えるのではなく、この部分とこの部分を重点的に訴え比率を調整したり、様々な事を考察し、ポイントを絞ることにより、等級を取る確率を上げることが出来るのです。

先日同行した病院のお医者様は、非常に患者さん思いの先生で、患者様の訴える症状・我々の願いに真摯に対応して頂き、丁寧な検査等をして頂けました。 患者に譲歩するのではなく、真摯に向き合ってくださる医師の姿勢に関心致しました。無事医師との面談も終え、良い結果となりました。

ですが、全ての医師がこのような対応をして下さるわけではありません。時には検査をしてもらえる様に現場判断で誘導することもありますし、診断書の記載を誘うときもあるのです。それは不正な記載を誘うのではなく、本当の患者の訴えを審査側に伝わるようにするサポートです。

この仕事に携わるまではそれがどれほど難しいことかは想像をしていませんでしたが、患者一人でこれをしていくにはあまりにも酷な事だと改めて痛感しました。

少しでも皆様のお役に立てるよう、頑張りたいと思います! 続きを読む »

交通事故被害者さんに対する無責任なアドバイス・・「弱気ではダメ、保険屋には強気でガンガン言うべき」・・・元保険会社側の秋葉が検証します。

あくまで、保険会社側からの視線ですが、生意気な被害者、具体的には被害者感情丸出しの態度、乱暴な口調、過大・増長した請求や滅茶苦茶な請求、あるいは、「担当者を代えてくれ」、「会社のお客様相談に陳情」・・・これらは、絶対に自身に不利に跳ね返ってくると思います。

弱気の態度では保険会社に舐められる?・・確かに一理ありますが、賠償請求とは、証拠書類を揃えて紳士的に理路整然と交渉することで果たせばよいのであって、ケンカ腰で口論することではありません。保険会社の担当者も人間ですから、当然、「俺は被害者様だぞ!」との態度では頭にきます。恨みを買えば、露骨な意地悪はしないにせよ、今後、良い対応は望めません。100件もの案件を抱える担当者にとって、「よく吼える犬だなぁ」位にしか思わないのです。

仮に担当者を変えても、それは口調が柔らかくなるだけ、もらえる賠償金など大して変わりません。彼らは同じ穴の狢(ムジナ・・・穴熊のことらしいです)です。ケンカ上等の交渉態度では、いずれどこかで足を引っ張られます。また、最悪は弁護士対応となって突き放されます。 続きを読む »

 これが保険会社の声です。

 骨折等ない、打撲・捻挫・挫傷・・・これらは普通、軽傷と判断されます。湿布貼って数日安静にしていれば大抵、治るものです。むち打ちも然りです。一定数は頚部の神経症状が起きて長引くこともありますが、それなりに少数例のはずです。しかし、こと交通事故の被害者となれば、被害者感情から長引くもので、保険会社は賠償病と揶揄しているわけです。保険会社が示す一つの例として、自分でぶつけた事故と誰かにぶつけられた事故、同じような衝撃と傷病名であっても、後者は3倍の治療期間を覚悟しなければならないそうです。だいたい、被害者さんの人生で、打撲捻挫の類で何ヶ月も通院した経験などあるのでしょうか。    本人の苦しみは本人しかわかりませんが、他人からみれば、際立って大げさにみられているのです。    また、過去の相談例からですが・・・その程度の衝撃でそんなに大ケガになるものか?、と疑問をもたれたケースは以下の通りです。

・交差点で信号待ち停車中、後続車がブレーキペダルから足を離してしまい、いわゆるクリープ走行・時速5kmでの追突。コツン程度の衝撃にも関わらず、むち打ちで長期通院、後遺障害も申請したいと・・。

・対向車とすれ違う際、お互いのサイドミラーが接触し、その衝撃で頚椎捻挫となって通院?・・誰が考えてもケガにならないはずです。

・自動車走行中、道路の反射板(デコボコしたやつ)を踏み、その衝撃で腰痛捻挫となって長期休業?・・そんなガラスの腰を持つ人は、そもそも車の運転などしない方がいいのでは?あるいは、元々痛めていたのでは?

・後部座席に搭乗中、急ブレーキによって脚を踏ん張った為、膝を痛めた。同じく程度問題ですが、そのような弱い膝で外出は危険なのでは?      これらも、本人の苦しみは本人しかわかりませんが、他人からみれば、際立って大げさにみられているのです。    保険会社のみならず、警察も病院も「大げさでは?」と思うものです。治療費を払う立場の保険会社は、まず常識判断をします。そして、間違いなく早期の治療終了を迫ってくるでしょう。運悪く、軽い事故状況や軽い診断名に比べて、通常ありえないほどの症状に陥ってしまった被害者さんは、(その疑いの目の中)茨の道を進むことになります。

 私達の立場は被害者さんを助ける側です。明らかな詐病者、保険金詐欺の類は除外するとして、依頼者さまの訴える症状を信じ、医師の診断はもちろん、出来るだけ前後関係の状況説明をもって、ある程度の治療費を確保したいと思っています。そして、欲張らず相応の慰謝料で我慢、解決まで軟着陸を目指します。それでも、前もって限界があることを伝えています。どんなに頑張っても、医学的・物理的常識を超えるほどの言い訳が出来ないことも多いのです。    

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 令和元年、日本の人口比率では、60歳以上は3人に1人、70歳以上は5人に1人です。統計上、交通事故被害者の比率もほぼ同じになります。高齢者ドライバーの、逆走、ブレーキとアクセルの踏み間違いなど、加害事故がニュースで取り立たされていますが、実は、高齢者の被害事故の方が圧倒的に数が多く、深刻であると思っております。秋葉事務所でも開業以来、60歳以上の被害者さんがおよそ25%を占めています。

 高齢者は若い人と違い、ケガも重篤になり、治療期間も長くなり、なによりより障害が残りやすくなります。そして、80歳を超えるような方は、些細なケガであっても、それがきっかけで、歩行困難⇒寝たきりとなることが少なくありません。さらに、事故のショックから認知症を発症⇒わずか2週間の入院で認知症が劇的に進行するケースも珍しくありません。

 そのような、加齢による損害の拡大を、加害者側の保険会社はいつも警戒しているのです。高齢者に対しては早期の治療費打切りに力が入ります。交通事故による直接(因果関係が明白な)被害は当然に賠償の対象としますが、高齢による傷病の進行、二次的な症状は、いつも争点となります。その点、自賠責保険の後遺障害審査で、今まで多くのケースで助けられてきたと思います。自賠責保険の審査基準でも、当然に直接因果関係を検討します。しかし、高齢者~若年者を分け隔てしない自賠責の認定等級は、加齢の影響を加味しない認定等級となることがあります。以下の実例は高齢者であるが故、通常よりケガが重篤になってしまったケースです。    実例の一つ=併合3級:下肢切断・足関節機能障害+足趾用廃(90代女性・千葉県)    そして、無職・年金受給者の被害者さんが80歳を超えると、自賠責・後遺障害等級の定額化した慰謝料・逸失利益は、等級が上がる程、裁判等で争う賠償金額を上回るケースが増えます。被害者に過失がある場合はそれがより顕著となります。自賠責保険では被害者に70%も責任がない限り、過失減額しないからです。    実例の一つ=別表Ⅰ 1級1号・加重障害:高次脳機能障害(80代女性・静岡県)    高齢者の被害事故の場合、上記実例が示す通り、あたかも自賠責保険請求が勝負を決するのです。交通事故の解決とは法的な争いではありますが、保険請求だけで十分な賠償金を確保できたことになります。つまり、自賠責保険を熟知し、それに連なる医療立証、請求実務をマスターすることが、交通事故の解決力となります。秋葉はその力を持つ事務所であると自負しています。弁護士の賠償交渉・訴訟の陰になることが多い秋葉事務所の働きですが、高齢化社会において益々活躍の機会があると思っています。  

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こんにちは、金澤です。   連日、重大事故のニュースが続きますね。私は人生で2度人が大けがをする交通事故の瞬間を目撃しました。 そして1度事故に巻き込まれたことがあります。   事故に巻き込まれた時は、当時剣道部の大会で仲間たちとタクシー移動をしていた時でした。交差点出会いがしらでタクシーと車がぶつかりました。こちらのタクシー側が止まれの標識を無視していましたので、タクシーが悪い事故でした。 その後、タクシーの運転手は相手に名刺を渡し、そのまま壊れた車で私たちを会場から駅まで送り届け、きっちりお金をとり、そそくさと後にしておりました。当時子どもながら、「お金取るんだなー」 と思った記憶が鮮明にのこっています。

今思うと、結構衝撃の強い事故で。私はぶつかりそうだと思い、子供ながら足をダッシュボードに付け、膝を曲げてクッションにしようと、とっさに行動していました。車はフロント部分はぐちゃっとつぶれており、何とか走行していた程です。 ...

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 交通事故死亡者のピークは昭和45年、実に年間16765人が亡くなっていました(参照⇒交通事故で亡くなったアニメキャラ)。それに比べ、車の登録台数がほぼ二倍になった平成29年以降はおよそ4000人弱にまで減っています(参照⇒2017年の交通事故死亡者数)。    最近の死亡事故では、二つのポイントがあると思います。一つは高齢者ドライバーによる事故、二つ目は横断歩道や歩行者天国に暴走車、でしょうか。両親を例に少し語りたいと思います。    高齢者ドライバーの免許更新は近年相当厳しくなっています。高齢者の免許更新期間を短く、また、免許が必要かどうか、地域の事情を加味した免許制度も盛り込むようです。一方、免許自主返納の意識も高まっています。私の父も80歳を前に自主返納しました。返納直前になってかなり未練があったようですが、私も強く賛同して(決断が変わらぬうちに急いで)警察に連れて行きました。「まだまだ大丈夫だが」と思っている時こそ、タイミングかと思います。自分で大丈夫かどうかが、わからなくなってからでは遅いのです。これも最近の事故も含め、教訓ではないでしょうか。    青信号の横断歩道を渡っているときに、酒酔いや居眠りの自動車に突っ込まれて・・これは逃げようがなく、まったく不運としか言いようがありません。当然、加害ドライバーには厳罰が科されますが、被害者の命は戻りません。暴走車を予見すべきとは言わないまでも、道路上では十分に気をつけて、自らを守る心構えが望まれます。

 かつて、弊所の依頼者さまでも、歩道で信号待ちしているところに、交差点で衝突した2台の自動車の一方が、その反動で歩道に乗り上げて依頼者さまを跳ねた件や、居眠り運転の自動車がが歩道に突っ込んできた件ありました。横断歩道上で信号無視の自動車に跳ねられた件など、数え切れません。これらはまったくのとばっちりです。もちろん、このようなケースで歩行者に注意を求めることは酷です。それでも、1人は信号待ちの間、タバコに火をつけるためにうつむいた状態で、衝突まで気付かなかったそうです。とっさに避けることは難しくとも、まったく身構えていない場合にくらべ、危険を意識した場合の受傷ダメージは下がるものです。人間の体は不意打ちに弱いからです。

世界一有名な横断歩道ですが、実際は車がビュンビュン、4人揃っての撮影は難しいようです

   やはり、往来では、車の行き来に気をつけるべきです。タバコやスマホを見ている場合ではないのです。私も、信号は単なる目安とまでは言いませんが、青信号でも周囲に軽く注意して渡ります。逆に赤信号でも車が来なければ渡ってしまってもいいのではと思います(ダメです、交通違反です!)。信号や交通ルールに守られてはいても、最後は自分で身を守る心構えが必要ではないでしょうか。

 私の母は、食品の賞味期限を守らない人でした。子供の頃、古くなった食品でも、「舌先で舐めてピリピリ感がなければ大丈夫」「これは火を通せば大丈夫」「水で表面を洗えば大丈夫」など、キッチンでのサバイバル術?を伝授されました。なんて野蛮な!と言われそうですが、その母は逆に、買ったばかりで賞味期限内の商品の異常に気づいて、傷んでいることを察知することができました。指標に頼らず、自分で判断する人だったのです。

 悲惨な事故を減らすために、加害者を重く罰することや、インフラの整備も当然に必要な努力です。それに加えて、明日の被害者になるかもしれない皆が、安全を人任せにせず、自己判断に基づく自己防衛も意識すべきと思います。  

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 何事も10年ぶれずに続けていくことは、周囲の信用・信頼につながるものです。それが、相手損保や自賠責調査事務所など、被害者側からしてみれば反対となる立場の方からも、時折好印象を頂いています。秋葉事務所の立場は被害者側の損害を調査・立証するものですから、相手保険会社にとって保険金支払いの増大を図る憎い存在?にもなろうものです。しかし、現場はそれ程単純ではありません。理由は以下の通りです。    損保担当者は、常時100件の案件をどんどん消化していく必要があります。解決が遅れるとファイルが山積み、えらい事になります。したがって、早期解決の第一歩として治療費の打切りを急ぐのです。それに対し被害者側は、「保険金を払い渋っている!」と考えがちですが、担当者にとって、”早く処理する”ことがまず大目標なのです。むち打ち患者の一定数は症状が長引き、治療の長期化となれば、担当者は早期の治療費打ち切りが命題となります。秋葉事務所は被害者側ですから、一定の治療期間の要求はします。それでもきちんと6ヶ月で症状固定させるものですから、うっとおしい打切り打診をせずに済んだ担当者から、(連携弁護士を介してですが)「助かります」と言われることになります。

 単純に払い渋っているのかな?

 損保の対人担当者にとって、早期処理が成績評価になります。その後、後遺障害等級が認められ、損害額が増大したとしても、それは自賠責のジャッジであって、担当者に責任はありません。次いで、被害者に弁護士がついて、さらに支払額がUPしたとしても、それは”弁護士が介入した”からであって、担当者の責任ではありません。

 ここまで言えばおわかりと思います。彼ら担当者はサラリーマンですから、自分に責任のない事に躍起になりません。上司に怒られさえしなければ良いのです。仮に、打撲捻挫で1年も打切りが出来ないケース、被害者との直接交渉で折れて保険金を多く支払った解決・・これこそ、上司の激怒と勤務査定の低下となるのです。    被害者さんはもちろん、交通事故に関わるすべての業者さんは、このような保険会社の側面を知るべきです。    これ以外にも、自賠責保険の調査事務所からも、感謝の意が届きます。等級審査で自賠責が毎度難儀していることは、病院への追加的な書類、不足画像の請求、その他診断書の修正などです。病院は大抵迅速に回答してくれません。これらが審査の遅れる主原因となります。それを被害者に代わって速やかに進める私達の存在は、第一に被害者の利益を求めながらも、自賠責の審査業務を助け、早期解決を求める相手側の利益につながります。

 確かに、被害者側の損害を明らかにする医証(診断書や検査結果など医学的な証拠)は、相手損保の支払いを増大させることになるかもしれません。しかし、自賠責保険の審査を助け、後の交渉・斡旋・裁判に進展した際にも、紛争の決着に決め手となる書類の完備と早期収集は、大局的には関係各者にとって歓迎すべきことです。もちろん、決定的な書類を突きつけられた上での(保険会社が困る)結果についても、保険会社担当者へはなんら責任は問われません。裁判での決着など、保険会社にとって「仕方ない」ことですから。

 秋葉事務所の活動は、被害者さんの利益の為の業務でありますが、保険会社にすんなり支払いを促す効果を併せ持つ業務になります。被害者さんの損害を明らかにする=事実証明を明瞭・迅速に進め、紛争の防止と拡大を防ぐ、まさに社会貢献につながるものと自負しています。  

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 自宅でくつろいでいる時に交通事故? 珍しいケースですが、昨年は2件も受任がありました。

 避け様のない究極の不意打ちである事故、むしろ、むち打ち程度で済んで良かったと思います。家屋の損害と併せて、相手の保険会社(対物担当)と連携弁護士が解決中です。    地震か何かの爆発か? びっくりしたそうです。

14級9号:頚椎捻挫(50代女性・埼玉県)

【事案】

自宅で座っていたところ、車道から自動車が自宅に衝突してきた。直後から頚部痛、両手のしびれ等、強烈な神経症状を発症する。   続きを読む »

 これは、どの商売にも共通することと思いますが、ご依頼者が相談に訪れてきたら、まず、お話を傾聴し、信じることから受任者としての仕事を始めます。依頼を請け負うとは、相互信頼があって成立するものです。

 かつて保険販売の場面で、お客様のお話にどうも嫌な感じがして、契約を慎重に構えていました。上司に相談するも、「バカ、お客様を信頼しないでどうする!」と叱られたことがあります。至極、もっともなことです。しかし、とりわけ保険業界はそれ程単純ではありません。上司はこう続けました。「まず、信頼が基本だが、よく話を聞いて、慎重に契約判断をすることも大事だ」と。結局、契約を引き伸ばす私に見切りを付けて、そのお客様は去りました。後でわかったことですが、そのお客様は、(不自然な)保険金支払い歴が10回を越える要注意人物でした。今で言うところの、「保険支払、半端無い」保険会社が契約を拒んで当然のお客様だったのです。

 保険の営業マンは、このお客様を直ちに保険金詐欺者と断定する立場ではありません。それでも、正しい保険運営には、契約段階から未然に不当な支払を防ぐことが絶対に必要です。残念ながら、信頼してはいけない契約者、依頼者も一定数存在するのです。

 被害者救済業とはいえ、今もそのスタンスは変わらないと思います。交通事故の受任経験の少ない、若手弁護士さんなどが、依頼者を信じて受任してしまい、後に保険会社と裁判上で、(不正請求の)証拠を突きつけられて火達磨に・・少なからず聞いてきました。依頼者を信じるという、原則的な美徳を持ったこの弁護士さんを責めることはできません。しかし、迂闊に保険金詐欺の片棒を担ぐ事は、故意過失は無いにしろ、犯罪に加担することになります。その点、士業者は盲目的な受任を避けるべきで、犯罪を未然に防ぐ、助長を防ぐ、社会的役割があるように思います。

 昨年も、ある交通事故被害者さんが相談会にやってきました。相手保険会社の横暴な対応を切々と訴えています。実際、相手弁護士から債務不存在確認訴訟(「びた一文支払う言われはない!」と加害者側から逆訴訟されて・・)を打たれました。気の毒な被害者を救うべく、受任することになる寸前、「本当に助けるべき被害者なのだろうか?」私の頭を過ぎりました。・・・調べてみると、数度の保険金詐欺容疑で実刑判決を食った経歴がありました。本件事故の状況や経過も、過去の手口に類似しています。直ちに、弁護士に受任謝絶するよう伝え、事なきを得ました。

 依頼のお断りを伝えた際、その被害者さんは「今後、私は交通事故にあっても信じてもらえないのでしょうか?」と言いました。

 私はこう答えました。「そうですよ。イソップのオオカミ少年の童話を知っていますか? 人の信用を踏みにじった以上、仕方ありませんよ。 もっとも、まったく疑いのない事故状況で、それなりの大ケガをすれば別ですが。」

 実際にオオカミに食われるまで、信用の回復は難しいということです。

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 近年、悪質・危険な運転者に対する罰則強化のために、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(略称:自動車運転死傷処罰法)が、平成26年5月20日施行されました。従前の過失運転致死傷罪とは別物になったのです。

 交通事故で他人を傷つけたとしても、それは故意犯=「わざとではない」ので、殺人罪に比べてはるかに軽い罪に扱われてきました。確かに、飲酒運転や悪質な運転で被害にあった人にとって、「過失によるもの」など受け入れがたく、故意犯に近い厳罰を求める声が強かった背景があります。早速、内容を確認してみましょう。

 

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(2)飲酒ドライバーの仲間達も・・ 

 

  ※ 自転車での飲酒運転に対する罰則

 自転車は道路交通法上、軽車両の扱いになり、道路交通法第65条の「車両等」とは軽車両=自転車も含まれます。したがって、自転車でも正常な運転ができないほど酒酔運転をした場合、自動車に同じく、「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」が科せられます。また、自転車での交通事故によって他人を死傷させれば、当然に民事上の責任も問われます。 続きを読む »

 年末です。飲みの席が多いこの季節、注意したいのは飲酒運転です。罰則強化の影響で違反者・摘発数は減少傾向です。それでも、今年は元アイドルグループの飲酒ひき逃げ事故など、飲酒運転をする人は一定数いるものです。

 近年の改正で処分・処罰の範囲が広がっています。まずは、飲酒運転者の基準について復習したいと思います。  

(1)飲酒ドライバー

   ちなみに、元M娘のYさんは、報道によると0.58mg/1ℓが検出されたそうです。つまり、上表0.15mgの4倍と言うわけです。体質の個人差や体調の影響があるにせよ、昨夜の酒が残っていた?などの言い訳はできない数値なのです。 続きを読む »

 本日は都内近県の親しい事務所さんが集まっての忘年会でした。内輪の会ながら、4弁護士事務所のご参席を得て、近況、最近のニュースなど、話がはずみました。    その日は、例の「あおり運転に危険運転致死傷罪が適用されるのか?」の一審判決がでました。当然、真っ先に話題となりました。判決文をまだ詳しく読んでいませんが、あおり運転で高速道路で停車させた行為を、危険運転致死傷罪の範疇とするか、それとも別の罪状とするのか?、また、危険運転致死傷罪を適用するにしても、準用的な解釈・適用とするのか?なども検討できそうです。法律家の意見が分かれる、非常に注目すべき判断でした。ご存知の通り、真っ向から危険運転致死傷罪が適用、懲役18年となりました。

 私は今までに交通事故を通じて、それこそ50人近い弁護士先生と一緒に仕事をしてきました。新しい事件のたびに思いますが、弁護士先生でもそれぞれ意見が分かれることです。法律家それぞれの解釈の違いは別として、法律とは、見方で、立場で、検討の仕方で、時代背景で、感情で、結論が違ってしまうものなのでしょうか。

 法律には解釈の問題があり、幾多の事件に法適用がそぐわなくなれば法改正となります。何事も答えは一つではなく、簡単に白黒・勝ち負けを付けることは拙速かもしれません。事実は一つでも、解釈は人それぞれです。人には色々な考えがあり、必ずしも自分の意見が通るものではありません。これは、多様性を容認するスタンスに通じると思います。自身を振り返ると、知識が増えたことで、つい結論を急でいると思います。何かと固定概念が邪魔になっているとも自省するところです。来年は少数意見を含め、多様な意見を丁寧に聴いて、思考の包容力を磨いていきたいと思います。

 ご参加された諸先生方、お忙しい中ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。     あとそれから、

 引越し以来、素っ気無かったエントランスに絵をかけました。「19世紀のパリ」でしょうか。

 

 もちろん、クマさん達、今年も大活躍です。

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 若手に指導する立場となって数年・・事務所でも偉そうに訓戒をたれている毎日です。

 知識は文献をあさり、技術は経験で磨くものと思います。さらに、現場での応用力は、その人の持つセンスや人間性を加味した総合力の結集です。弊所の医療調査業務も、応用力が究極のスキルです。それは、まず原則を知ることから始まり、例外の経験を重ね、終には原則を打ち破る仕事を到達点と考えています。

 他事務所に目を向けると、以前から気になっていたことですが・・交通事故の経験浅い弁護士が、相場を大きく上回る慰謝料・逸失利益で賠償請求、結果として交渉が難航、解決まで大幅に時間を食っていることです。他事務所のことでもありますし、また、法律の専門家に対して苦言をできる立場ではないことは重々承知しています。しかし、明らかに知識の欠如に思えるケースが目につくのです。

 実例で説明します。交通事故・後遺障害の実に70%近くを占める、頚椎捻挫(腰椎捻挫含む)で相手の損保に逸失利益(将来の損害)を請求する場合、特殊な事情がない限り、通常、裁判上でも喪失期間は最長5年が相場です。当然、個々の症状に軽重はありますが、生涯その障害で苦しむ事は極めて稀で、神経症状は数ヶ月~数年で収まります。それを越えるものは、単なる頚椎捻挫を越えるもので、別の診断名で手術適用となります。単純なむち打ちであれば、相手損保も医学的なデータから、神経症状の残存をおよそ2年と主張してきます。対して、弁護士は交渉あるいは斡旋機関、裁判で5年の満額を目指して戦うことになります。ところが、赤い本の慰謝料満額である110万は良いとしても、なんと、むち打ちでほとんど生涯をふいにする=67歳までの逸失利益を請求する先生が今まで何人かおりました。

 おそらく、相手損保の担当者も苦笑していることでしょう。「ど素人先生」と内心小バカにしているかもしれません。世の中には相場というものがあります。確かに交渉ごとですから、最初は大きくふっかけるものでしょうが、度を越した山盛り請求は逆に、相手どころか斡旋機関や裁判官の心証を損なうリスクとなって跳ね返ってきます。これは業界における無知をさらす事になるのです。大体、捻挫の診断名で神経症状が一生続くなど・・医学・法律以前に、まず一般常識で考えればわかるでしょう?と言いたくなります。とりあえず単純に「最大限の請求を!」と、論拠乏しく計算したのかと思います。その点、事務所のボス・先輩弁護士が、あまりにも手放しで案件を任せていることは気になります。無法図な主張を放置ですから、しっかり監督・指導していないのでしょう。

 では、原理・原則に縛られ、判で押したように相場の範囲の主張に終始する姿はいかがでしょう?

 被害者の症状・事情を鑑み、個別具体的な賠償論を構築することこそ、法律家ではないかと思います。それらが成果となれば、判例ジャーナル等に掲載されますので、類似ケースを戦う者にとって大きな指標になります。もし、医学的常識を越えるようなひどい症状の被害者に対して、67歳まで神経症状が続く理由を立証し、賠償金を獲得すれば、それは画期的な仕事に生まれ変わります。それこそ、「常識を知って、常識を打ち破る」仕事かと思います。

 もちろん、法律家に限らず、あらゆる職業で応用力を発揮し、新しいアイデアを打ち立て、刮目すべき成果を残す者がおります。攻める姿勢は、原則を熟知したところからスタートします。原則を知らずに突っ走るなど蒙昧の徒に他なりません。まず、原則を知って、原則に拘泥することなく挑戦する姿勢はすべての仕事に通じると思います。    <最期に例題を> 

 ご存知、漫画・アニメのタッチから。17歳高校生で甲子園予選を前に、交通事故で亡くなった、主人公 上杉 達也の双子の弟 上杉 和也くん。彼の死亡による逸失利益を最大限に獲得する法理論構成をお願いしたいと思います。

 事故状況は、子供を守るためとはいえ、自分から急に道路に飛び出したので、相当に過失減額されるはず。判例タイムスによる基本は70:30です。当時は人身傷害保険がないので、自己の過失分補填は期待できません。過失減額の無い(相手車の)自賠責保険、当時は死亡で2000万円です。仮に70%減額されても、賠償額は2000万円をオーバーするはずです。したがって、(相手に任意保険の付保があるとして)裁判で最大限に賠償金総額を積み上げることを目標とします。そこで、逸失利益の最大化がポイントとなります。以下の点において、画期的な判例を期待したいのです。   ・甲子園で活躍する前(予選も突破していない状態)だが、相当期待されたのピッチャーであるところ、将来のプロ野球選手の蓋然性を主張できないか?   続きを読む »

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