そもそもむち打ちは自覚症状(痛み、しびれ等々)のみで、画像所見もなく、医師も「頚椎捻挫ですから安静にすれば治ります」となるケースが多いのです。これが保険会社が「賠償病」「補償症」と呼ぶ理由です。しつこく症状を訴える患者に対し医師も最後には「精神的なものです」と言って心療内科への紹介状を渡します。医師も保険会社も、はたまた家族も誰も自身の症状を信じてくれません。この段階でどうしたらいいでしょうという相談者が後を絶ちません。お気持はわかりますが自分を助けるのは自分です。つまり正しい診断へ辿りつくべき努力が必要です。

4、バレ・リュー症候群

(症状)
 たとえば痛み、しびれはもちろん、めまいやふらつき、吐き気、耳鳴り、不眠などの異常が長期間に及ぶ場合、バレ・リュー症候群の可能性があります。1925年にフランスの神経学者バレ博士が、「頚部の疾患、外傷でありながら頭部や顔面に頑固な自覚症状を訴える症例があり、これらの症例は頚部の交感神経機能と密接な関わりを持つ」と発表したものです。さらに「深部交感神経(椎骨神経)が責任部位であり自覚的所見が症状のほとんどを占める」と続きます。つまり「自覚症状だけ!?」なのです。そんな無責任な!と言いたいですが、バレ博士の教え子リュー氏(だからバレ・リューか!)が多くの症例を集め研究を続けましたが、完全解明されず現在に至ります。
 それでも画像はこの椎骨神経、C4~6部分を注意深く観察し、僅かな変化を探します。

(治療)
 これは整形外科の分野からはずれます。牽引や電気治療を続けても効果はありません。早めに神経内科、ペインクリニック等専門医に診てもうらう必要があります。症状の緩和にはやはり神経ブロックが有効です。その種類・方法は専門医の判断が大事です。
 また受傷直後は安静が大事ですが、過度の安静は間接拘縮、抑うつ傾向によって痛みを強めてしまうので、ポリネックでの固定は避けたほうが良いとされています。この辺が単なる頚椎捻挫の治療と一緒にできないところです。

(後遺障害認定)
 この傷病名が直接、後遺障害の対象とはなりません。あくまで頚部神経症状の一環として12級13号、14級9号の対象です。そして大事なことは神経症状の検査をきちんと行っていること、受傷後遅くとも3か月以内に神経症状の診断を受けてカルテに記入してもらうこと、そして専門医の治療を開始していること、これらを6か月後の後遺障害診断書の段階でやっても遅いのです。後遺障害等級申請のときになってはじめて神経症状と書いてもらっても、「受傷後6か月後に発生した症状で、事故との因果関係に乏しく・・(つまり認められません)」と毎度お決まりの審査回答となります。
 

 私が相談を受けた被害者さんも泣く泣く非該当や低い等級を甘受し、ペインクリニックに自費で通っている方が何人かいます。不眠や耳鳴りはとても辛いとお察しします。この皆さんは受傷後1年たっての相談だったり、すでに等級申請を済ませていたり・・・つまり相談時期が決定的に遅いのです。 
 医師も万能の神ではありません。専門外の症状には素人と変わないかもしれません。周りが「むち打ちなんて」と甘く見ても、自分の事は自分でしっかり見極めて下さい。
                                

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