前回は弁護士の実例でした。今度は行政書士の実例について触れたいと思います。

 行政書士で後遺障害の立証から賠償交渉まで、事故の解決までトータルな活動をしている先生がおります。2年前はその取組について実際に研修を受けたり、執筆された書籍を熟読したり、またその先生と直接お話をしたり・・。

 しかし、一抹の疑問、腑に落ちない点が澱のように心に残ったこともありました。

 それは行政書士が交通事故を解決するのは限定的な部分であって、賠償交渉に出しゃばり過ぎるのではないか?結果として被害者にとって最適な選択とはなってないのではないか?です。また実例で説明します。
 

<実例1> 紛争センターに介入したおかげで・・

  後遺障害の認定12級を取れたFさん。それまで適切なアドバイスと自賠責保険の請求手続きをしてくれた行政書士Gさんに感謝しきりです。そして最終的に保険会社に赤本(弁護士会が編集している裁判判例から割り出した支払基準)で賠償金額を計算し、Fさんに賠償金請求書を持たせました。「これを紛争センターに持って行って、○×△こう交渉しなさい」とアドバイス。そしてFさん、月に1回合計3回の出席で斡旋案が提示され、無事交渉は成立しました。

 ただしその際、紛争センターの斡旋弁護士から「この書類誰に作ってもらったの?行政書士?いくら報酬を払うの?」と怪訝な顔で聞かれたそうです。そしてその斡旋弁護士はこう締めくくりました。「僕が苦労してあなたのために保険会社から弁護士基準の賠償金を交渉してあげているのに、なんでその行政書士に何十万も払うの?その報酬は払う必要はないよ!」。そう言われたFさんもびっくりです。

 確かに斡旋弁護士さんは「保険会社の基準で決まっていますから」と言いビタ一文賠償金を上げてくれない保険担当者相手によく話をまとめてくれました。行政書士の持たせた賠償金請求書と関連する証拠書類のおかげで話が早く進んだことは認めますが、それによって賠償金が上がった実感はありません。なぜなら斡旋の手順は斡旋弁護士が赤本の基準で斡旋案を計算し、減額主張をする保険会社との調整をする、といった流れだからです。
 中には保険会社寄り?のような斡旋弁護士もおりますが、正義感や被害者救済意識の高い弁護士先生もたくさんおられます。このような先生にはいつも感謝しております。

 もうおわかりですね。書類を作って持たせたことで劇的に賠償金が上がったわけではないのです。紛争センターに同席して交渉をしてくれるならまだしも、紛争センターの廊下までの付き添い?・・・情けないと思わないのでしょうか。

 これは弁護士と違って代理権を持たない行政書士の限界を表します。代理権がないから同席して直接交渉ができない。したがって中途半端な賠償交渉を行う。これは行政書士法と弁護士法の間隙(グレーゾーン)でなんとか仕事しようとしているに過ぎません。

 もちろん中には紛争センターに行って独自に解決を図りたい被害者もおります。そして相場が知りたくて行政書士に書類作成を依頼することもありうることです。問題は斡旋弁護士の言うように、あたかも自分の仕事で賠償金を吊り上げたように姑息に報酬を得ることです。
 これでは被害者さんも行政書士に騙された気分になってしまいます。事実そのような話を頻繁に聞きます。

 現在、東京の紛争センターでは行政書士立ち入り禁止が徹底されています。また利用者に対し「行政書士へ依頼していないか」と厳しく聞いています。

 交通事故業務から行政書士を排除する・・・このような流れを作ったのは紛争センター介入型の行政書士本人なのです。

 
 明日も実例を重ねます。

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