本件は足関節の機能障害ですが、ご高齢ながらご本人のリハビリ努力である程度の回復を果たしました。
kansetu_4 もちろん、被害者最大の努めは回復努力です。しかし、適切な時期に症状固定をしないと、中途半端な回復で後遺障害等級が薄まります。何度も言いますが、これは後遺障害等級・賠償金を目当てとした姑息な作戦ではありません。骨折の場合、折れ方や手術内容、癒合状態や理学療法の成果、これら画像所見を中心とした各情報から自賠責は可動域制限の程度を検討します。ゴニオメーター(右写真の関節用分度器)の計測数値だけで全てが決まるわけではないのです。

 本件は特に、高齢者の三果骨折です。若い人がよく治ったとして、12級は間違いないと予想できます。しかし、本来は10級の後遺障害を想定すべき程の骨折様態でした。リハビリ直後の一番コンディションが良い時の計測値が障害の数値でしょうか? 高齢者の場合、症状固定後も回復が進むとは思えません。むしろ、若い人と違って再生力が弱く、活動量が少ないため、可動域が悪化する懸念を持ってしまうのです。
 
 すると、本件の12級は正しかったのでしょうか?
 
akiba やはり、適切な時期に10級の審査を仰ぎたかった。「事故の後遺障害に加齢による悪化を予想、斟酌すべきか?」・・あくまで症状固定日の状態で診断する、が正しいです。
それでもお婆ちゃん子だった私は、お年寄りの被害者にはそう思ってしまうのです。
 

12級7号:足関節脱臼骨折(70代女性・埼玉県)

【事案】

横断歩道を歩行横断中、対抗右折自動車の衝突を受け、受傷。足関節は三果骨折となり、プレート固定術を施行。その後、関節可動域の改善の為、リハビリを継続した。
三果とは下図、脛骨・脾骨の遠位端の角を指します。この距骨に接する骨の接合面が骨折して脱臼するので、関節の機能障害はほぼ確実となる。  201604かい
【問題点】

ご相談を受けた時点で受傷から1年以上経過していた。
足関節は一定の回復をみせるも、可動域に制限が残った。また、手術痕は線状痕のみならず、周辺の皮膚が変色し、瘢痕の様相をみせていた。

【立証ポイント】

症状固定を急ぐべく、早速、医師面談を実施した。関節可動域の間違いのない計測のため、主治医から計測の指示を受けた理学療法士と打ち合わせし、12級レベルの計測を得た。しかし、少なくとも数ヶ月前であれば10級を確保できたと思う。

醜状痕は医師に瘢痕であることを主張、写真を添えた。そして、後日の自賠責調査事務所の面接に立会い、瘢痕での評価を見守った。

醜状痕で14級5号の認定を加えが、14級をいくら加算しても併合等級は上がらない。骨折状況から足関節は10級レベルの損傷であったので、中途半端な改善が悔やまれた。やはり、適切な時期に症状固定をすべきである。
 

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