秋葉事務所は、障害を見逃さずに審査側に伝える、医療調査と障害立証の専門事務所です。確かにその通りですが、本件は”障害がないこと”を立証する、珍しい事例となりました。
 
 審査側である自賠責・調査事務所は、親切心で高次脳機能障害など神経系統の障害を見逃さないよう、正しい評価となるよう、調査しています。それは、追加の医療調査の念の入りようでわかります。なぜなら、脳障害はじめ神経系統の症状は軽重の幅が大きく、重度の障害であれば見逃されずに済みますが、軽度の場合は本人はおろか、医師すら見抜けず、家族だけがわずかに感じる程度なのです。諸症状を見逃さないように、平成18年に以下の報告書が作成、以後、自賠責保険の審査に大きく影響されました。
 
「自賠責保険における高次脳機能障害認定システム検討委員会」報告書 <国土交通省>
 
 本例は元々障害があり、事故外傷でその症状が悪化・増加すると・・計算上、後の賠償問題に大きな禍根を残します。「脳障害は事故のせいだけではない」とされ、後の弁護士による賠償交渉上、大きな減額要素を残すことになるのです。この加重計算が有利となる場合もありますが、本件では不利になると予想しました。ご家族にそれらの問題点、解決までの見通し・計画を説明、その遠大な賠償戦略に気づかない既契約の弁護士をとっとと解任、交代した秋葉と連携弁護士は計画通りの解決を果たしました。

うちに依頼してくれ良かった
 

8級1号:眼窩底骨折・失明(20代男性・岩手県)

【事案】

交差点で横断歩道を歩行・横断中、前方よりの左折自動車の衝突を受けて受傷したもの。鼻骨と眼窩底を骨折、視神経損傷から片目を失明した。他に歯牙障害2本と頭部外傷。
 

【問題点】

片目は、早期の検査(眼底所見、対光反射)から視力がほとんど失われていた。失明の8等1号は問題ないとして、頭部外傷後の症状、能力低下が高次脳機能障害の疑いとなった。秋葉事務所は、高次脳の立証において国内トップレベルの知見を備えている自負を持つが、本件被害者の場合、重度の既存障害(障害者手帳○級)があるため、元々の障害を前提に加重障害にされる懸念を持った。加重障害での認定等級は公平を期すための自賠責保険特有のルールである。しかし、後の賠償金を計算すると、却って減額する危険を感じていた。

つまり、「本件事故外傷による神経系統の障害はない」ことを調査・立証する必要に駆られた。これは、いつもの高次脳機能障害の立証と逆のミッションである。

【立証ポイント】

眼科、歯科の医師から検査結果の回収と診断書記載をお願いすることまではいつも通り。さらに、耳鼻科で聴力の検査を実施、耳鳴りや難聴を念のため確認した。

問題は脳神経外科である。同科の医師に面談、本件事故外傷後の変化、画像所見等を検討頂いた。頭痛やめまい以外、ほとんど変化はないことを診断書に記載頂いた。

申請後、やはり、既存障害への医療調査が追加要請された。本件はここからが勝負となる。ご家族と協力して、事故後の悪化がないことを示す意見書の取得に奔走した。医師によって、障害の軽重・評価が大きく分かれる障害なので、事故前後の状態を正しく観察・判断してもらう必要がある。時間をかけて慎重に作業を進めた。

それら、逆立証?の成果が審査側に正しく伝わり、シンプルに失明と歯牙障害の認定に留まった。”等級が付かないように”頑張った珍しい例となった。
 

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