本日同行した治療先の医師のことです。

 被害者さんのケガは以下の通り・・・

 手首・・・橈骨(遠位端)、尺骨(骨幹部、開放骨折)の骨折

 足首・・・脛骨(遠位端)、腓骨(骨幹部、粉砕骨折)の骨折

 これだけ重度の骨折となると、治療も長期間となり、後遺障害を残すことは必至です。ドクターはあらゆる治療手段を講じて回復に努めます。

 一方、立証を生業とする者にとって、これからどのような後遺障害が想定されて、何を指示をすべきでしょうか?上記の骨折の部位、形態から推察できる障害と必要な検査について、弁護士先生、行政書士先生も一緒に考えて下さい。

 私たち立証側の立場としては、今のうちにすべての後遺障害が見込まれる所見を洗い出し、治療と並行して随時検査をお願いしたいところです。しかし医師はあくまで「治すため」の検査しかしません。「(障害の原因としての)証拠を残すための検査」とは相容れない事もあります。今後、恐縮しながらもいくつか検査のお願いをしていかなくてはなりません。しかし昨日のドクターは、以下のような説明、指示をしました。

① 「手指に弱冠のしびれが残っていますので神経の状態を確認しましょう。これから神経伝達速度検査をします。検査結果によっては神経の回復する治療も加えていきます。」

② 「足首は脛骨、腓骨の骨折があるので、両方の骨の間隔が開いてしまうこと、距骨が曲がってしまうこと、周辺の靭帯や軟骨の損傷も心配です。来週MRIも撮ってみましょう。」

③ 「それらの検査の結果、手術か保存療法か選択をしましょう」
 
神経麻痺を確認するための神経伝達速度検査

 橈骨神経麻痺、正中神経麻痺、尺骨神経麻痺等・・・実際に患者さんは親指~中指の痺れ、感覚異常を訴えています。手指の神経麻痺は別系列での障害等級追加、もしくは可動域制限の根拠になります。
                 

★ 靭帯・軟骨損傷を確認するためのMRI

 手首であればTFCC損傷確認のため。器質的損傷をすべて証明します。骨の癒合が良好であれば、仮に手首の関節可動域制限が半分となった場合でも、「骨のくっつき具合は良好なのだから、それほどひどい障害にはなっていないでしょ」と否定してきます。10級(可動域2分の1制限)とするには緻密な根拠の積み上げが必要です。

 足首は脛骨・腓骨離開、それに伴う距骨の回旋変形は足首の関節可動域の制限の根拠になります。これも上記手首10級に同じ理屈です。さらに今回のケースでは前・後距腓靭帯、内・外側距腓靭帯の損傷が疑われます。

  このような「読み」となります。そしてこれら検査を受傷してから1年後の症状固定時期に医師にお願いすると、なかなか理解を得られず毎度苦労しています。したがって今回の医師のように治療の経過でサクサクやっていただけると大助かりなのです。

 そしてあくまで障害を残さないように万全を尽くす医師の治療方針に感激です。きっとこの医師にとって「あたり前の事」かもしれません。しかし実情はそうでもないのです。ある整形外科医は「骨をくっつけることが仕事、あとはリハビリ」との認識で治療を完結してしまいました。骨折の癒合を確認すると、それ以外の事、例えば神経麻痺、靭帯損傷について、そして後遺障害に関心をもっていただけないのです。

 後遺障害を残さないように最善を尽くす事・・・当然にこれが大事です。その過程で障害の立証となる検査も付随されることが自然な姿と思っております。

 

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