<トランス・コスモス健康保険組合の発表から>

 保険者代表として参加したトランス・コスモス健康保険組合の美山博邦常任理事は、捻挫の症状で柔道整復に1年間通ったり、医師の診断よりも負傷部位が増えるなどの不自然な事例を報告した上で、「『手技』や『後療』の定義を明確にするほか、長期施術の実態について明らかにしてほしい」と訴えた。さらに、「国は、『給付は保険者の義務』としているが、払い過ぎた保険料の回収は『保険者の義務』としていて、保険者の財政が保護されない」と指摘し、国の姿勢を批判した。 JCOAの医療システム委員会の山根敏彦委員は、医業類似行為の広告の実態を報告。「交通事故治療」とうたっているケースや、雑誌に広告か記事かが分からないような形で文章が掲載されているケースなどを問題視した。山根氏は、柔道整復が広告に掲載できない例として、

(1)「各種保険取扱」をうたうこと

(2)「交通事故」「労災」「生活保護」を記載すること

(3) 料金を広告すること              などを挙げた。

 その上で「厚生労働省にも、しっかり監視するように申し入れた。違反する広告を見た場合、県の担当部局や保健所に通報するのが良いのでは」とアドバイスした。山根氏は、柔道整復師の療養費の適正化の動きが出てきたことを踏まえて、「今後はあん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費が、大きく増えていく可能性がある」との危機感も示している。
 
<解説、意見>

 各種保険適用は×であっても、慢性的な腰痛にも親身に施術してくれる整骨院・接骨院や針鍼灸・マッサージは一定の治療機関として、その存在は欠かせません。しかし、昨年私の実家の近所に「マッサージ無料!」の広告がドンと掲示された接骨院が開業しました。チラシにも「マッサージ30分無料」とあります。それを見た父が試しに行ってみたようです。何故か健康保険証持参で。そして、お財布からは広告通りお金は払わなかったのですが、しっかり健康保険の提示を要求され、健康保険から施術料を請求したようです。(この院、後に閉院となりました)
 
 「どこが無料やねん!」 思わず関西的な突っ込みをしてしまいました。
 
 このような例から、柔整師の保険請求にはモラル的な問題が散見されます。とにかく柔整師の施術料請求にはトラブルが頻発しています。このエセ無料マッサージ、しかも、急性期としての治療など必要ない患者に対する施術料は、皆の健康保険の掛金から捻出されているのです。医療費の健康保険財政の問題はその支出の増大から国家の一大問題です。やはり不正・不当な請求に対しては厳しい監視が必要です。
 
 背景には・・・「2000年から2010年にかけて柔道整復師が2万人近く増えて、5万428人となったことなどを報告。」・・・増えすぎた柔整師と競争の激化が背景にあると思います。もちろん素晴らしい技術と精神を持った先生もたくさん存在しますが、技術・モラルの低下傾向も指摘されます。それは3年間半日程度通学しただけで80%が合格する試験制度にも問題の温床があると言えます。準医療行為とはいえ、人の生命・健康にかかわる仕事なのですからそれなりの重みは必要ではないでしょうか。

 とくに交通事故受傷者で自賠責保険での施術に対しては、柔整師は医師の診断・治療を経てから指示・紹介のある患者を受けもつ・・現状、この連携体制が徹底されていないように思います。柔整師は応急処置以外では疼痛の緩和が主目的のはずです。整骨院・接骨院が医師の紹介状なしに、急性期の患者の施術(少なくとも健保、労災、自賠責を使った)をすれば罰則、にまで厳しくすべきではないでしょうか。これですべてが解決するとは思えませんが、各種保険に対して、医師の初期診断や紹介状で保険治療の判断が付与されれば、無駄な保険利用の施術には抑制が効くはずです。


 

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