私たちの相談会では被害者さんにレントゲンやMRIを持参するようお願いしています。 

 後遺障害の予断には、レントゲンやMRI、CT画像の読影が欠かせません。もちろん私たちは医師ではありませんので、障害についてある程度の見当をしますが、正確・詳細な診断はできません。当然ながら診断をした主治医の判断を重んじます。しかし、レントゲンならまだしもMRI、CT、その他最新の画像検査の読影は専門性が高く、現場の医師も読影には大変苦戦しているのです。
 興味深いレポートがありましたので紹介します。

日本放射線科専門医会 遠隔画像診断に関するガイドライン(以下 抜粋、要約) 

 現在の医療において、画像診断は急性・慢性疾患を問わず医療を遂行する上で大きな役割を担っており、国民皆保険制度の下ですべての国民は適切な画像診断による医療の恩恵を浴する権利を有している。しかしながら、地域医療格差という現在の我が国の医療問題は画像診断にも及んでいる。その問題の根底原因のひとつには米国に比べ人口比0.3にすぎないといわれる画像診断の専門医不足があると考えられる。一方では、世界に類を見ない多くのCT, MRI機器の存在と地域分散があり、我が国の画像診断医療においては、いわば「量と質の不均衡」が発生している。

 これらの問題を解決するための一つの方法が画像診断の専門医による遠隔画像診断である。画像診断を専門とする医師が時宜を得た的確な画像診断を下すことにより、常勤画像診断専門医のいない医療機関においても一定レベル以上の画像医療を享受することが可能となり、医療の効率化も図られる。ただし、医療の質の向上を目的とする遠隔画像診断の質を担保するためには、正確で迅速な画像データならびに患者情報の転送、過去画像等の検索機能、適切なレポーティングシステム等が必要であり、また、画像診断の専門医による読影が不可欠である。

 遠隔画像診断とは、読影を現場の医師の診断から切り離して放射線科の専門医に委ねる、一種のアウトソーシングです。これは既にアメリカでは一般化しつつあります。画像を読み違えるミス、見落とすミスは即、医療過誤の追及にさらされる訴訟社会=アメリカなら無理もありません。日本では医療過誤対策というより、先の文章にあるように画像診断医不足と画像診断をあまねく地域医療に生かすことが第一義的な目的のようです。

 本題に戻ります。私たちもこのような流れを当然に意識しています。現在、放射線科の医師に後遺障害の立証作業への指導・協力を仰いでいます。医師の正確な判断なくして障害の立証はできません。後の裁判にも有力な証拠となるのは画像と専門医の診断です。後遺障害立証のコアはまさにここです。

 被害者と医療を結びつける・・・立証に携わる者に課せられた重要な仕事です。まずは相談会に読影医の参加を計画しています。これは追ってまた報告します。

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