お盆休みを挟んで腰椎シリーズを続行します。椎間板ヘルニアについては今日が最終回です。
私なりに現時点で一定の結論をしてみました。しかしより経験を積んで掘り進めていきたい分野です。それだけ「むち打ち」と「腰痛」は被害者数も多く、等級認定も悲喜こもごもです。
 

<まとめ>

〇 腰椎椎間板ヘルニアと交通事故の因果関係

 事故前に、腰痛など出の医療機関受診既往歴がなく、事故後に腰痛、下肢痛が発生していたという状況下で、腰椎MRIにヘルニアが出現している場合でも、そのヘルニアと事故の因果関係を証明することは困難である。なぜなら、腰椎椎間板ヘルニアは、症状を出さなくても一般的な加齢変化としての突出は多くの人で認められいるからである。多くの場合はヘルニアの存在する状態で、事故による外力が誘因として症状が出現したと解釈するのが適当であると考える。
 東京地裁の平成元年4月7日判決であるが、停止する被害乗用車に時速3kmで加害貨物車が追突し、被害者に乗車する被害者が、外傷性腰椎間板ヘルニアを発症した事案で、腰椎椎間板ヘルニアは日常生活における軽微な外力の積み重ねによって起こることも多く、本件事故で発症したことには疑念が残ることなどから、外傷性腰椎椎間板ヘルニアと本件事故との相当因果関係を否定されている。           
                      遠藤 健司先生著 「腰椎症ハンドブック」 より
 

〇 外傷性へのこだわり・・

 多くの相談者が腰痛の発症を事故を原因とし、MRIなど画像所見で「ヘルニアがありますね」と診断されると、「事故でヘルニアになった!」と主張を始めます。
 前述、遠藤先生の言うように、実際外傷によるヘルニアは極めて少数例です。判例でもよほどの衝撃が加わった、重症患者しか認めらていません。保険会社が「外傷性」について全面否定することも十分理解できます。年齢的にヘルニアの膨隆がある人、慢性的な腰痛持ちの人、職業柄、腰に負担のかかる人、これらが事故での因果関係を主張しても説得力は薄れます。
 

〇 では事故後発症した症状をどうとらえるか?

 一定の神経症状、たとえば下肢へのしびれ、放散痛、については事故前と変化が見られるはずです。とくに神経根型であれば、左右どちらかの足が細くなる筋委縮が表れます。馬尾型(脊髄圧迫)であれば排尿・排便障害を発生します。ただ「痛い」だけではないのです。これらが事故以来生じるのであれば、綿密な検査、後遺障害の立証を試みるべき案件と思います。
 この事故後の異常発生を外傷によって引き起こされたものと分析し、腰部神経症状の「引金論」としています。
 

〇 既存障害との区別

 「骨棘形成」といって、ある程度歳を経ると、腰椎の角が尖がってくる骨の変形を伴っている人も珍しくありません。またスポーツや他のケガで「分離症」又は加齢で「すべり症」といって腰椎のズレがある人もいます。このような方々はヘルニアを発症しやすいと言えます。もし交通事故でそれまでなんともなかったヘルニアが色々な症状を発症したとしたら・・・「もともとの体形や既存障害が原因としても、事故後悪化した症状すべてを外傷性ではない、とは否定はできない」という判例が存在します。

 
〇 さいごに
 
 交通事故立証を業とする者は、しっかり被害者と向き合い、事故との因果関係を考察し、事故外傷か否か、もしくは外傷による起因度を判断し、公正な立証作業をするべきと思います。交通事故外傷の60%を占めるともいわれる「むち打ち&腰痛」。これらに向き合う姿勢として、外傷性の「全面否定」や「全面肯定」の2分論は適切ではないと考えています。
                            
                  

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