山本さんイラストsj 山本の膝シリーズ完結!

 膝下の足の骨は、内側の太い骨が脛骨、外側の細い骨を腓骨の二つに分けられます。交通事故で膝を強打した場合、これらの骨の各骨頭部分(膝付近)を骨折する場合があります。
脛骨であればプラトー骨折という傷病名で診断されることがあります。
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 これまでのシリーズで述べた通り、膝を骨折した場合、可動域制限による等級や痛み等の神経症状で14級9号や12級13号の等級が認められる可能性があります。

 しかし、腓骨骨頭を骨折した場合、骨折部位ではなく、まったく別部位の足関節や足のゆび(足趾)に影響が出ることがあります。

20150310 これは、腓骨の骨頭には腓骨神経が走行しているため、腓骨を骨折すると、腓骨神経を傷つけたり、圧迫されたりする場合があるからです。これが原因で後述する症状を発症した場合の診断名を、腓骨神経麻痺といいます。

 腓骨神経麻痺にかかると、神経の働きが阻害されるので、足関節や足のゆび(足趾)がしびれたり、触れてもその感覚がなくなったりする場合があります。また、もっとひどい場合には足が動かず、ブラブラしてしまい、足関節や足趾が自力で曲げられず、下垂足(足がブラブラしてしまう)になることがあります。

 腓骨神経麻痺にかかると神経の働きが阻害されるので、上記したような症状が現れますが、これを放置してしまうと、血流障害により、段々と筋肉が拘縮したり、筋肉が萎縮したりします。この萎縮を廃用性萎縮といいます。

 診断にあたっては、神経損傷部を探すために、足をたたいて疼痛が放散するかどうか(ティネルサイン)を調べること、神経伝導速度検査等で電流を流して神経がやられているかどうかを調べること、徒手筋力テストで触診により、拘縮によって足が動かないのか、神経がやられて動かないのかを検査すること、MRI画像上で部位を特定する方法で調べること、等様々な角度・方法で総合的に検査する必要があります。

 通常の整形外科では機材や専門性が異なるため、神経内科等を紹介して頂く場合があります。事故から半年後に症状固定時期になりますが、上記検査等をしっかりやって頂く必要がありますので、半年後に症状固定する場合、迅速に調べる必要があります。

 症状固定時に足関節や足趾が動かず、可動域制限が認められる可能性があります。足趾と足関節の可動域でそれぞれ等級が認められた場合、同系列の障害と捉えられるので、併合等級として認められます。

 しかし、ここでの計測方法は骨折した場合に骨の変形等で動かせないことを立証するのとは異なり、神経がやられて動かせないことを立証する必要がありますので、他動値(他人が動かしてみて計測する方法)ではなく、自動値(自力で動かしてみて計測する方法)を後遺障害診断書に記載して頂く必要があります。

 また、自動値での計測の場合、他動値での計測以上に演技ができる場合があります。相談者を疑うわけではありませんが、調査事務所や保険会社はこの点をシビアに見ております。 そこで、申請にあたっては、特に神経伝導速度検査で神経の働きが悪くなっていることを、グラフや数値で立証し、後遺障害診断書と共に提出する必要があります。この点、片足のみ怪我をした場合、怪我してない方の数値と比較できると、より効率的に手続きを進められます。
 

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