
メチコバールは4種類あるビタミンB12の一種で、神経修復作用を持ち、活性型ビタミンB12と呼ばれています。
ビタミンB12の中でも、体内で利用されやすく、末梢神経に直接作用します。末梢神経とは体の隅々に張り巡らされた神経で、文字通り指先など末端に伸びている神経です。感覚を伝える神経ですので、この神経が損傷すれば、痛みやしびれも伝えることになります。ビタミンB12は末梢神経に作用し、傷ついた部分を修復し、外傷後の神経症状のみならず、肩こりや腰痛のつらい痛みやしびれ感を緩和する効果があります。ビタミンB12は、主に末梢神経の構成成分であるタンパク質やリン脂質を体内で生成する働きをするからです。
多くのジェネリック製品が出ており、メコバラミンなど製薬会社により表記名を違えています。これらはサプリ扱いからか安価ではありますが、単なるビタミン剤の割には高価と思っています。交通事故の場合、有無を言わせず正規製品となります。どこの薬局でも置いてありますから、事故以外の受診はジェネリックが良いと思います。

メチコバールは末梢神経のしびれ、痛み、麻痺などに使用される薬剤で、たとえば、顔面神経麻痺、坐骨神経痛、大腿神経痛、上肢、下肢のしびれ痛み、などによく処方されます。交通事故のむち打ちで手指がしびれる場合、たいてい処方されますが、劇的に効いた話は聞いたことがありません。しびれの程度にもよりますが、日常生活を阻害するほどであれば、根治療法として手術(神経縫合術、神経移植術、神経剥離術・・・文字通り切れた神経をつないだり、他から移植してつないだり、周辺を切って広げたりする手術)を検討します。手術には踏み切れないが、事故後しびれや異常感覚が続く方は、ほとんどが保存療法と併せて処方されることが多いです。ビタミン剤なので副作用も少ないのかと思います。






