脳損傷、靭帯損傷など、軟部組織の障害立証にMRIは欠かせません。事故による骨折と、陳旧性(元々あった)骨折の区別にも有用です。したがって、治療先にMRI検査をお願いすることは、秋葉事務所の日常です。

 ところが、MRI検査ができない場合もあります。それは、骨折後、骨折部を金属で固定したケースです。MRIの高い磁力によって、金属がハレーション(光る)を起し、患部が見えなくなってしまします。病院側も、骨折の癒合を優先しますから、靭帯や半月板などの損傷は後回し、「MRIは抜釘後(金属を取ってから)にしましょう」となるのです。

 また、それ以外の事情として、「入れ墨」があります。入れ墨の染料ですが、昔は朱色に水銀の成分があり、他にも色によって鉄、亜鉛、銅があるそうです。これらが、MRIの高磁力の照射で発熱、火傷の危険となるのです。実際、熱傷の事例報告が存在します。近年のインクには、金属アレルギーを考慮して、金属が使用されていないものが多いようで、各インクの成分表も公開されています。それでも、病院の検査前の問診で、入れ墨の有無が問われ、それで検査不能と判断します。あるいは、覚悟した患者さんに対しては、熱を感じた時に速やかに検査を停止するなどしているようです。病院によっては、重症度次第でもありますが、火傷のリスクよりもMRI診断の有用性の方が高い場合は検査の強硬もあるそうです。

 それより何より、その筋の患者さんの場合は、低温火傷にでもなったら、「因縁」が最大の問題となります。病院側としては、できれば検査したくないのです。

 

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