宮城県の鳴子温泉郷もお気に入りで、たまに2~3泊で逗留します。東北はそれなりに遠路ですが、東京から古川の新幹線は2時間、そこから陸羽東線で40分、接続が良いと東京のマンション玄関から宿まで3時間を切ります。鳴子温泉は何と言っても泉質の多彩さ、宿のグレードも幅広く、懐の広い温泉地です。そして、温泉宿の多くが駅から徒歩圏内、これは結構珍しい温泉地と思います。たいてい、駅からバスに乗り換えるものですので。

 JR鳴子温泉駅が中心地で、大型ホテルや老舗宿が連なります。一駅前の鳴子御殿湯駅から川渡温泉駅までは個性的な湯治宿が点在し、泉質も独特です。ただし、鄙びたどころか廃屋寸前の宿もあり、宿泊客はそれなりの覚悟が必要です。15年前は鳴子温泉駅から川渡温泉駅まで、温泉に立ち寄りながら、てくてく歩きました。

 鳴子駅から一つ先は中山平温泉、ここはぬるぬるアルカリ泉です。駅は無人駅、周辺に飲食店もコンビニもない、普通の田舎町です。鳴子温泉駅北口からバスで江合川を遡上すると、鬼首温泉です。ここでは有名な滝つぼが温泉の宿があります。鬼首地区は未湯なので、いずれ駅からレンタカーで訪問したいと思います。

 さて、今年は猫さん宿へ再訪。ここは鳴子御殿湯駅からわずか100mなのです。旅館と言っても、素泊まりの湯治宿ですので、実際にご病気の方がおります。最近は家族、あるいは一人でゆっくり過ごす方が増えたそうです。確かに、周辺観光の拠点と言うよりは、宿に入りびたりで何もしない、ひたすら湯に浸かる事がデフォルトのようです。

 まず、スーパーまで食材を買い出し、料理は基本、厨房で行います。冷蔵庫、コンロと電子レンジ、食器や調理具は揃っていますので、ほとんど手ぶらでOKです。 湯屋はほぼ一人、独泉状態です。何度も湯に浸かり、猫ちゃんと遊びます。飽きてもテレビやWiFiがありますので、退屈はしません。注意点としては、廊下がギシギシ鳴るので、忍び足で歩くこと、夜のテレビは音量を下げる事でしょうか。ゆる~い合宿生活、だらしなくも充実したものです。