警察の飲酒検問にあった際、ダッシュボードにワンカップやビールを忍ばせておき、検問の手前で停止して、慌てて飲酒して、「飲酒運転はしていません、今、飲酒したのです」。

 この手口は十数年程前、ドラマ化された人気漫画「カバチタレ」で披露されました。

 当時のネットを観ると、同様の手口で逃れようとしたおバカさんがそこそこいたようです。交通課のお巡りさんに聞くと、「またカバチか」と未だにこのおバカさんに出くわすようで、あきれています。

 もちろん、この手口は一切通用しません。面前での飲酒が検知拒否、公務執行妨害となり、直ちに検挙されます。それでも飲酒運転を否定して争った場合、 検問に至る行動のすべてが徹底的に洗われ、どこでなんの酒をどれ位飲んだかが調べられます。ウィドマーク法により、運転当時の血中アルコール濃度が推定され、裁判では、全件が飲酒運転を認定しており、敗訴の結果となっています。当然ですよね。
 
■ ウィドマーク法とは

 飲酒してある時間が経過したときの血中アルコール濃度と呼気アルコール濃度を推定するもので、以下の計算式で求められています。
A=D×Cd×sg
C=A/(W×γ)
Ct=C-β×tCt’

Aは、アルコール摂取量(g ) 、Dは、飲酒量(ml)、Cdは、酒類のアルコール含有量=濃度、sgは、エチルアルコールの比重 0.792 、Cは、血中アルコール濃度(mg/ml ) 、Wは、体重、kg、γは、アルコール体内分布係数、 0.60 ~ 0.96 、Ctは、飲酒からt時間後の血中アルコール濃度、mg/ml、βは、アルコール減少率、 0.11 ~ 0.19 、C t ‘は、飲酒からt時間後の呼気アルコール濃度、mg/l ) 、

 これらの計算を駆使して、飲酒後から、検問・事故までの時間経過後に、血中のアルコール濃度が、処罰の対象となる規定量以上であったか否かの推定が可能となります。

<ウィドマーク法で「酩酊状態」 ひき逃げ男を危険運転致傷罪で起訴 京都地検>
京都市内で 8 月、飲酒ひき逃げをした男が自動車運転過失傷害容疑で逮捕される事件があり、京都地検がこの男について、体内アルコール量を逆算する計算式「ウィドマーク法」などを駆使し事故当時に酩酊状態だったと断定、より罰則が重い危険運転致傷罪で起訴しています。

起訴されたのは同市伏見区の建設業の男性 41 歳で、起訴状によると、男は 2008 年 8 月 27 日未明、飲酒で意識がもうろうとした状態で軽乗用車を運転、同区内で自転車の女性をはね、 2 ヵ月の重傷を負わせ逃走した。 男はこの約 8 時間後に出頭、飲酒検査ではアルコールを検知したが、「帰宅後に飲んだ」と主張したため事故当時に飲酒していたかどうかが判然とせず、府警は自動車運転過失傷害容疑などで逮捕した。 その後、地検はウィドマーク法を活用して当時の体内アルコール量を推計、直前に蛇行運転していたという目撃証言も得て、酩酊状態だったと判断しています。
 
 前置きが長くなりましたが、漫画「カバチタレ」は罪なことを流布させたものです。漫画の主人公クラスが道徳を顧みず、違法逃れ(実際は無駄なあがき)のノウハウを伝授するのです。しかし、だからと言って、あくまでフィクションの世界です。一々つるし上げて、作品を自粛に追い込む圧力には反対です。マネするおバカさん達が悪いのであって、作品は関係ありません。ドラマ上の殺人事件からマネして人を殺したと言って、一々ドラマを排斥したり、殺人場面を自粛しないでしょう。

 ただし、劇中この飲酒運転回避の策を弄したのは、行政書士事務所の補助者です。行政書士は大した資格ではないとの意見もありますが、れっきとした国家資格であり、士業者は倫理観を強く課せられる職業です。その点、このようなとんち(?)で脱法を図る”一休さん書士”は、行政書士のイメージダウンを助長するものと思います。

 そして、単に飲酒運転をする悪者を観ることに比べ、正義を期待される主人公側がこのような悪質なノウハウを披露する・・・愛する家族の命を飲酒運転で失った遺族がどう思うか、察して余りあるものを感じます。

 一休さん書士がイメージを悪くするんだよな

 過去、「カバチタレ」他ドラマの問題シーン(非弁行為の指摘が多い)に一々指摘をする弁護士会、これを大人げないとするか、野放しにしている行政書士会を大らか過ぎるとみるか・・・意見の分かれるところです。 
 
 

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