神経の断裂等、不可逆的なものを除く神経障害は大別して、関節可動域の低下・筋力の低下となる「運動障害」と、しびれや感覚異常・低下を起こす「感覚障害」です。医学的にはそれ程単純でなく、正確に説明するには、まったく紙面が足りません。本件でも、意見書の作成のため、新たに専門書を購入することになりました。

 しかしながら、知識だけではダメです。障害の立証を目指すも、実際に専門的な検査に辿りつくのは容易ではありません。被害者さんを検査誘致できる医療ネットワークがなければ、知識も絵に書いた餅でしかないのです。秋葉事務所は豊富な病院情報を集積しています。その集積と医師の協力を引き出す技術によって、交通事故に限らず、本件のような傷害事件も含め、あらゆる障害の立証に力を発揮しています。


日々勉強(知識)と病院開拓(ネットワーク)です!
 

個人賠償 14級9号⇒12級13号:上腕骨顆上骨折・正中神経障害(10代男性・神奈川県)

【事案】

公園で遊んでいる際、関係のない他の子に腕を引っ張られ受傷した。骨折部の癒合が進むが、しびれ、感覚麻痺、握力の低下が残存した。

【問題点】

相手方の親御さんに個人賠償責任保険の加入があったのは幸いも、相手方は単なる子供のケンカとして無関心、保険会社もケンカ両成敗=五分五分の責任と回答してきた。また、上肢の障害も軽度の神経症状と判断され、14級9号相当の回答がきた。確かに、診断書も記載ミスが散見され、症状の原因に踏み込んだ内容ではなかった。

【立証ポイント】

不当な対応にご両親は憤慨、相談会に参加された。上肢の骨折部のレントゲン、MRIを丹念に確認も明確な異常は見出せず、3DCTと神経伝導速度検査の実施を提案した。神経伝導速度検査の結果、とくに「SCV(感覚神経速度)に著明な遅延」との所見から、「正中神経障害」の診断名を確実にした。新たな検査結果を付して主治医に診断書の修正を依頼、これらの資料を基に詳細な意見書を作成して、連携弁護士に託した。


<引用:『神経伝検査と筋電図を学ぶ人の為に』 医学書院>

再び後遺障害請求書を提出した結果、相手方保険会社は顧問医に諮問、「12級の可能性あり」との回答に至った。後はご両親が丹念にまとめた事故状況の資料を基に、一方的な暴力による傷害事件であると押し切り、正当かつ十分な賠償金を勝ち取った 

本件は、お母様の法的知識と、なにより執念が解決の原動力となった。

 

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