私達の医療調査は、通常、自賠責保険の後遺障害認定を目指すもので、ある意味、自賠法・自賠責基準のリングの中でしか戦えません。対して弁護士は個別具体的に損害を立証、時には訴訟でそれを実現させますから、自賠や労災のリング内に縛られるものではなく、場外乱闘もありなのです。

 本件は自賠責の認定基準を超えられない秋葉に、弁護士が訴訟認定を引き出し、それがアシストとなって自賠責の認定をひっくり返すことに成功しました。事案の性質から、判決⇒再認定、いつもと逆の流れになった珍しいケースでした。弁護士にパスを送る立場で、そのアシスト数を誇る秋葉ですが、逆に弁護士から絶妙のパスを受けてゴールを決めた感があります。順番は違えど、交通事故の仕事は「立証」と「賠償」の両輪が機能してこそなのです。


これも理想的な連携業務だと思います(奈良判定Va.秋葉)
 

14級9号⇒8級2号:頚椎・棘突起骨折 異議申立(40代男性・埼玉県)

【事案】

道路で作業中、前方不注意の自動車が工事中の表示を乗り越えて進入、跳ねられた。顔面の頬骨、頚椎、胸椎、胸骨、肋骨、骨盤、中足骨に至るまで20箇所以上の骨折に歯牙損傷、血気胸も加わる重傷となった。

【問題点】

症状が多肢に渡るが、その内で首を反らす「後屈」に制限が残存した。しかし、頚椎の骨折箇所が棘突起であった為、可動域制限は認めてもらえないだろうと予断した。C3とC4、C6とC7の棘突起の癒合が進むも、下のCT画像の通り癒着を起こしていた。これが後屈制限の原因である。せめて変形障害を主張するも、神経症状の14級9号の判断をされた。

尚、労災では顧問医の診断で後屈の制限から、素直に8級を認めて頂けた。

【立証ポイント】

本件は加害者が無保険であり、自身加入の人身傷害・無保険車傷害への請求、それも裁判基準での回収を目指すものであった。連携弁護士と打合せの上、相手に資力がなくとも訴訟を起した。その際、労災での頚椎8級認定と胸椎の11号の併合7級を前提に主張、あっさり判決で認められた。

次に計画通り、人身傷害にその判決額を請求も、「自賠責は併合10級ですから・・」と判決額はもちろん、後遺障害等級を盾に難色を示してきた。埒があかず、自賠責に対して再認定を得なければならなくなった。再度、病院に同行して主治医に協力を依頼、後遺障害診断書に再計測値を追記頂いた。続いて、労災と障害年金の診断書、そして判決文を添付し、複数の医師の計測値を集計した意見書と画像打出しを作成した。「実態上、首の運動障害が残存していること」について、経過的に医証を重ねた。

自賠責の基準上、頑なに否定してくることを覚悟したが、「裁判までの一連の経過」を尊重、頚椎の運動障害が再認定された。この8級2号に胸椎の変形:11級7号を併せて7級相当となり、さらに、胸骨の変形:12級5号が併合され、労災の認定等級を上回る併合6級となった。

前例のない判断に自賠責の柔軟性をみたが、本被害者の窮状をみれば当然の結果とも言える。後は、鬼の首(自賠責6級の頚部)を獲った連携弁護士から、保険会社に問答無用の請求を行うだけである。
 

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