関節可動域制限で後遺障害認定を得るには、「曲がらなくなった」理由について、画像上で「物理的に曲がらなくなったこと」を明らかにしなければなりません。

 つまり、骨折では癒合後、変形(出っ張りや凹み)、転位(ずれてくっついた)など、関節内の不整が残存したことを証拠とします。その他、靱帯の損傷、軟骨の欠損が挙げられますが、これらは手術で整復することが一般的です。しかし、骨癒合が得られず、固定した状態が長期化すれば、関節拘縮(廃用性拘縮)といって関節が固まって曲がりが悪くなります。この場合、予後のリハビリで改善させます。

 本件は骨癒合を果すも、関節拘縮が進行し、もはや改善不能の状態にまでなってしまいました。足関節の機能障害としては最も重い8級(ほとんど動かない)レベル、さらに足指も拘縮して曲がりません。この事実をすんなり障害認定してくれれば良いのですが、自賠責は前述の通り画像上、物理的な原因を条件に考えています。原因不明のままでは、通常、等級認定はありません。ケガは治らないわ、障害認定もないわ・・これではやられ損です。厳しい条件ながら、山本が立証を成功させました。これは地味に高難度の仕事です。


 自賠責が信じてくれて良かったです
 

併合7級:足関節脱臼骨折(30代男性・埼玉県)

【事案】

オートバイで直進道路を走行していたところ、対向車線から右折進入してきた相手方自動車と衝突、受傷した。直後救急搬送され、足関節脱臼骨折と診断される。

【問題点】

脱臼骨折した箇所の癒合を待ちつつ、リハビリを続けていたが、足関節の可動域が一向に改善しなかった。また、直接、受傷していないはずの足指(親指から小指)も曲がりが悪い。弊所で受任後、腓骨神経麻痺を疑い、主治医に神経伝導速度検査ができる病院を紹介して頂き、検査を実施したが神経の異状はなかった。

全病院が原因不明ないしは手術を実施すれば何かわかるかも?という観測が出るのみで、抜本的な治療法がないまま時間が過ぎた。そこで、遠方になるが専門医に診て頂くため、後任の主治医にその病院を紹介して頂くこととなった。専門医の診察後、再手術することになったが、足関節、足指のいずれの可動域の回復はいまいちであった。このままでは「リハビリをさぼったもの」とみなされ、自賠責は往々に機能障害を認めない。

【立証ポイント】

ここで症状固定を決断した。しかし、足関節の可動域はもちろん、特に足趾の可動域も制限される原因が、足関節脱臼骨折に伴うものであるだろうという医師の診察のみであり、明白な所見がないことに変わりない。そこで、これまでの治療の経緯を詳しく説明するため、診断書上把握しきれない全容を文章をまとめた。リハビリ等治療努力をしてきたことを訴え、また、これまで撮影してきたMRI画像、CT画像、神経伝導速度検査等のすべての検査内容(所見に関係なく)をすべてそろえて被害者請求した。

その結果、可動域制限は治療努力に反して残存したものであり、かつ、事故との因果関係も認められた。内訳は足関節は用廃で8級7号、足指は母指の用廃で12級12号、双方が併合し、7級が認定された。

あるがままの障害認定を導く・・・本件の結果は決して簡単ではありません。
 

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