これまで大勢の整形外科医の診断に立ち合ってきました。当然、打腱器を使った腱反射テストも頻繁に目にしています。むち打ちや腰椎捻挫で、それが神経症状に及んでいる被害者さんは相当重篤と言えます。その神経症状の診断に代表的な検査が腱反射です。

 基本的な反応として、左右どちらかの神経根に圧迫のある方は概ね反応(左右の差)が低下、「低下」・「消失」します。また、脊髄圧迫(正中型)では「亢進」といって反応が大きくでます。

   
 医師によってやり方は違うようですが気になることがあります。それは「コン!」と一回叩く先生と、「トントン」と短く2回叩く先生に分かれることです。私も整形外科医から教わりながら、相当練習を積んできました。好みとして、ピンポイントに一発「コン!」と叩きます。反応が鈍い場合、コンコンと2~3回叩く方法も試みます。
 
 
 
 神経学的所見を軽視しているのか、むち打ちや腰椎捻挫の患者さんについて、「神経症状を診て下さい」と頼まなければやってくれない医師がいます。そのような医師は「トントン」派が多いようです。そして、はた目からもしっかり反射が取れていないように見えます。おざなりに、形だけやっているのではないか?と思えることもあります。
 
 <今年8月の研修会から>
 
 研修会では毎回必ず腱反射の実演を行います。

 なかなか難しいのですが、多くの弁護士先生に実際に経験していただきます。

 左はかっけの診断でおなじみ、膝蓋腱反射です。

 足を組んだ状態で行うと反射が出やすくなります。このように色々と工夫を加えています。

 これを仲間内では「エマニュエル方式」と呼んでいます。